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2008年5月

2008年5月31日 (土)

マダム・ヴィオーレとか

の話をする前に。拝見しました、レディ・ムラサキ。なるほどねーーー。
(・・・それだけかいっ!!)
レディ・ムラサキ


この花の片親となったマダム・ヴィオーレは、先日の「青い薔薇」群の中では高い完成度を誇る品種です(をっ、ついに誉め言葉が!)。

本当に「青い」かどうかはともかくも、彩度の高い、きれいな(かつ、本当の)紫色の花を咲かせます。僕も、初めて見た時には息が止まりました。確か、日本で作出された品種じゃなかったかな・・・自信はありませんが。

この品種の特質はもう一つ、香りが大変素晴らしいんですよね。「青い薔薇」系はどれもだいたいその傾向があるのですけれども、特にこれは香りが高い。
紫の薔薇で強香というと、いわゆる、むせかえるような厚化粧的「バラの香り」を想像するでしょうが、豈図らんや、もっとずうっと爽やかな、柑橘系、万人向けと言ってもいい、嫌味のない香りを持っています。
博多の実家に辛うじて残っているバラに、「Lady Luck」というピンクの品種があるのですが、これもよく似た傾向の香りを強く放ちますね。
秋とか、だいぶ冷えこんできたな、とかいう朝に、窓を開けるとこの花の清々しい香りが漂ってくるのは楽しいものでした。花色も、ちょっとだけ紫っぽいしね。

バラでもフリージアでも言えますが、従来、品種改良において、香りというものは従来ないがしろにされる傾向がありました。例えば商業生産用のバラで言えば、重視されるのは色と採花数と枝の伸び。花の大きさは、一株当たりの採花数(つまり利益性)と反比例するため、やはり犠牲になったクチ。耐病性もそうですね。生産者はビニールハウスで栽培するから、雨が降りかかって病気が蔓延するなんてことは考えなくていいからでしょう。

最近ではその反動というか反省から、香りというものに主眼を置いた改良もなされてきています。でも、街なかの花屋に広く出回るまでにはまだ到ってないのが現状ですね。

2008年5月28日 (水)

Re: もひとつウンチクさくれつ

>本日付の京都新聞より

元高校国語教師がピンクがかった紫色のバラの新品種を作り出したらしい。今年が源氏物語千年紀ていうこともありその名も「レディ・ムラサキ」。淡い紫色のマダム・ビオレとピンクのテコナを掛け合わせたそう。

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ふむふむ、「ピンクがかった紫色のバラ」ですとな。ま、だいたい想像はつきますわな(あ、あり得ない冷淡さ)。

もう40年この方ってくらい、「青い薔薇」を作出すべく世界中の育種家が頑張ってきたのですが、どうもうまくいってない。同様のニュースが流れるたび、写真を見て皆落胆、てことの繰り返しなんですね。赤味が抜け切れなくて、青とは言ってるが贔屓目に見てもせいぜい青紫じゃん、てな感じ。洋蘭のシンビジュームの黄花の花色が、近年目覚ましい進化を遂げたのとは対照的です。
今や、通常の交配という方法では青い薔薇は文字通り幻なのだ、というコンセンサスができつつある様子。

ちなみに、バラの世界にも、この「青の時代」の前に「黄の時代」があったのですよ。曇りのない光り輝く黄色を求めて、世界中の原種が品種改良に供されたわけ。ペルシャの原種が決め手になったようですが。ナポレオンの悲劇の妃ジョセフィーヌがマルメゾンでバラ作りに精を出していた時代には、大輪の黄色いバラなんてなかったのだよ。
黄色いバラへの憧れは、第二次世界大戦の終結とともに劇的な形で果たされるのですが、ま、それは置いといて。

現在、青い薔薇に向けての最後の切札と目されているのが、遺伝子組み換え。そ、バイオテクノロジーの世界。確か、サントリーがこの方法により(世界初?)青いバラや青いカーネーションを作出しているはずですが、でもそのクォリティはまーだまだ。西洋朝顔ヘブンリー・ブルーや、ネモフィラ・インシグニス・ブルー(いずれも市丸ガーデンにてワタクシが育てさせてをります、ほほほ)のような、「赤味を交えない澄みきったブルー」には遠く足下にも及びません(ほとんど冷酷、す、すまん!)。

赤〜紫〜青の花の色素は、一般にアントシアン(花青素:アント=花、シアン=青)なのですが、特に青はその中の一種デルフィニジン(デルフィニューム(千鳥草)に由来)に因っています。どうやらこれが、ペーハーやら補酵素やら金属やらの影響を受けやすく、生体中ではなかなか試験管での実験どおりの成果を生まないらしいんです。ホラ、紫陽花の花色だって不安定ですやろ。
ちなみに黄〜橙〜朱赤の花の色素はカロチノイド(言うまでもなくキャロットに由来)ですな(以上いずれもサボテンの花の色素を除く)。

問題はもうひとつ。純粋に美的な評価判断なのですが、今までの「青い薔薇」は、彩度が低くて灰色じみた沈んだ色調のものが多い。言ってみれば「死に花」という感じで取る人が多いようで、一般には決して好感度が高いわけではないのです。葬式用の花、みたいな印象で。

花に何を求めるか、という問題でもありましょうが、確かに現物を見てみると、生き生きした感じとか、生命力の発現としての華やかさとかはあまり感じられない。あくまで「静謐さ」が前面に出てる感じでー。同様のことは、やはり珍しい花色と言える、「紅茶色」と称される品種群のバラにも言えるように(個人的には)思います。

逆に言えば、極めて現代的というか先鋭的な感覚の花なのでしょうが・・・

・・・今日はひとまずここまで。まだこの続きはあるんですけどネ。次回はこのたびの新品種の親となった「マダム・ヴィオーレ」と「手古奈(多分この字だと思う)」についての文化的考察(人はそれをウンチクと呼ぶ)です。

2008年5月26日 (月)

無題。

>あーもっと草花に詳しかったらと毎週嘆いてます

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植物に詳しくなりたいんならねえ、一つには、NHKの「趣味の園芸」のテキストを丸一年買い続けて読むこと。僕の園芸蘊蓄の原点もこれです。初めは入院中だったから、F大病院の売店で買ってたんだよなー。

それから、通信販売の種苗カタログをゲットすること。幸い、京都は大手の「タキイ種苗」の本拠地があーるじゃありませんか!河原町の四条を1分ほど下った東側に、大きな売店があるはず。春と秋に通販カタログが500円程度で発売されるよ(いつでも売ってるけど)。面白いのは、通販で何か買うと、それからずっとカタログ送ってくるの(もち、タダで)。写真きれいだし、育て方なんかも載ってるから、楽しいですよ。図鑑なんかより、ずーっといいと思います。

そして何より、まず何か自分で(一つでいいから)育ててみることやね。特に、草じゃなく樹を。年々歳々、花、相似たりということですわ。できれば、主に耐寒性の面から、日本産の樹をおすすめしますが・・・。ちなみに、僕が今育ててるクチナシの盆栽(っつうか鉢植え)は、北白川伊織町にあったさる民家の生垣から、枝先を10センチほど盗んできて挿木したもの。だからもう20年モノなんだよー、いいでしょう。引っ越しのたんびに、大変でしたけどね(笑)


植物ネタで、もひとつ追加。それは、せっかく京都にいるわけだし、下鴨の植物園に行くことです。今、ちょうどいい時季だってこともあるけど、できれば季節ごとに。何度も行く価値があります。

京都は、岡崎にある動物園はチンケだけど(ちなみに市立)、下鴨の植物園は歴史も古く、大変立派です。なんつっても府立だしぃ。木が植えてある、のではなく、木が生えてる、気がいたします。

下鴨神社の北に広がる杜を「糺の森」(ただすのもり)と言いますが、その中に植物園を作ったということだったと思います。確か、植物学的には氷河期の植生を残しているとかのはず。
ホラ、もっと北の宝ヶ池とか深泥池(みぞろがいけ)なんかもそうでしょ。僕がいた80年代には、前者の畔にプリンスホテルができたり、後者も富栄養化が指摘されたり、キショウブ(黄菖蒲:北米原産の外来植物:花はきれいなんだけど・・・)が増えてミツガシワ(氷河期の生き残り)が駆逐されそうだとか言ってたものですが。

なかなか、楽しいしためになるってとこ。植物の知識は増えるぞ。画学生さんも写生してはるし。いかが?

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