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2009年2月14日 (土)

カトレア蘊蓄ひとくさり

かつては高嶺の花の代表、洋蘭の女王、濃いピンクの巨大輪花、これがやっぱりカトレアのイメージ。昔はレコ大の入賞者は必ずこれのコサージ胸に着けてましたっけ(今はどうか知らんけど)。
でもぉ、最近状況がいささか変わってきているのどす・・・

全般に草体がコンパクトなものが増えてますよね。ミニカトレアとかミディカトレアもすっかり一般化しました。

それから、カトレアと言っても今じゃ純粋なCattleya属はあまり見かけない。
蘭展なんかで名札を見ると、たいてい「C.」ではなく「Lc.」「Slc.」「Blc.」なんて書かれています。それぞれ、
「レリオカトレア」
「ソフロレリオカトレア」
「ブラソレリオカトレア」
という属間交配を表してるのだ。もちろんむやみに交配してるわけじゃなくて、それぞれ意図があるわけです。

先の友人からのメールにもあった「ソフロ」っていうのは、Cattleya属近縁のSophronitis属、中でもS. coccinea/ソフロニティス・コクシネア(正確にはラテン語読みでコッキネア)という、カトレア近縁の原種を指します。
Sophronitis coccinea
草体は掌に乗るほど小さいのに、割合大きな朱赤の美花。鮮やかだから各地の蘭展でも沢山出品される。「コクシネア」ってのは多分「真紅の」の意味じゃないかな。寒さにもかなり強い(一方、夏は暑がるけど)。
これ自体もちろんきれいなんだけど、品種改良にも非常に重要な役割を果たしていて、この原種の血が加わることにより、カトレア類は小型化と朱赤の花色と耐寒性の向上とを獲得したのだよ。四半世紀あまり前から始まった流れだと思う。

だからカトレア類、特にミニ/ミディタイプの越冬温度は案外低くなっているんですね。これに、マンション普及による冬の生活気温の上昇とか、草体小型化による住宅事情へのマッチとかもあって、カトレア類の一般普及が進んでるというわけ。

「Lc.」はLaelia属各種との交配。レリア(ラエリア)の身上は、上品な淡いラベンダーを中心とした紫系の花色と、細身の花弁と長めの濃色リップ/唇弁。丈夫なのも交配上重要な要素。ウチで毎年咲く赤紫のミニカトレアもこれが入ってるはず、きっと。
Laelia

「Blc.」はこれにBrassavola属が加わったもの。カトレアの花をよく見てると、時々、リップ周縁のフリルが特にすごいのがあるでしょう。これがブラサボラ由来の形質。色は淡い黄緑系で地味めなんですがね。
Brassavola

で、うちの黄色い蘭はとラベルを見たら・・・ををーーう!!なんとSlc.にさらにPotinaraを掛け合わせるという、複雑な交配によるものデシタ(一人で興奮)。結構意外。お前ほんとにブラサボラ入ってんの?

実はねえ、上記のC.とS.とL.とB.の4属交配になると、ネーミングががらりと変わって、これをポティナラとゆーのです。
お好み焼きとかで「豚玉子」「えびいか」とか呼んでたのを「全部乗せ」と呼ぶ感覚か(あほ!)


まあ、そんなこんなで、最近のカトレア、案外育てやすいんだよ、ってお話でした〜(東京ドームの蘭展、行くんだもん)
ちなみに画像は全て拾いね。

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