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2009年3月

2009年3月31日 (火)

一瀉千里 家紋夜話

さて、ここらでここんとこ貯まっていた謎を一気に解明しておかねば。

>嗣嗣嗣嗣 家紋夜話
>どう見ればいいのかがまずわからない、という感じやろ。
三つ割り豆蔵

 →「三つ割り豆蔵」、つまり、桐紋のところで出てきた「やじろべえ」のバリエーションの一つでした。気づいた人いるかな?オリジナルとともに。
一つ豆蔵

>宇宙人の哄笑?!マンタの誘惑?!
松葉蝶崩し

 →これは「松葉蝶崩し」という名前をつけられてます。え、どこが蝶!?実は上と下、雄蝶雌蝶(おちょうめちょう)で2匹いるんですよ。フォッフォッフォッ。
ちなみにマンタ別名オニイトマキエイ、ミクロネシアで見たもんねっ。

>「何を」「何に」見立ててあるか、という二重謎。僕は椰子紋だと思った。
錨桐

 →椰子ではなく、衝羽根でもなく、「錨を」だったんです。そして見立てられたのは「桐に」、そこはまぁわかったかもね。つまり、「錨桐」紋。
ちなみに「芭蕉」紋、「棕櫚(しゅろ)」紋はあるけど「椰子」紋はなさげ。
違い芭蕉 一つ立て棕櫚

併せて、以下の二つも紹介しておかう。

>「竹丸に朝顔」なんてのまであるんだよね。

 →竹と朝顔の取り合わせ?と思いきや、こういうことであったか。篠竹の支柱に巻きつかせた風情で。丸の部分に節が入っている。
竹丸に朝顔


>嗣嗣嗣嗣嗣 家紋夜話
>沖縄の「丸に二つ鱗に抜き一つ引き」という長い名前の紋が「開」です
変り立鼓

 →コレが「開」です、「名渡山(など(orと)やま)家紋章」。画質が悪いけど勘弁しちゃんしゃい。内地の家紋にはどうも見つからなくて。
名渡山家紋章

>嗣嗣嗣 家紋夜話
>ある驚嘆すべき共通点を持っているのだよ。

 →ひっぱりまくりのこれら、「百の字」紋でした。全部、「百」という漢字になっているのさ。えええー!!
百の字

見返してみんしゃい。ほらね。結構衝撃じゃね?
やられた〜〜!だったかな、やっぱり!だったかな。
百の字 百の字

百の字 百の字

百の字 百の字

2009年3月29日 (日)

嗣嗣嗣嗣嗣 家紋夜話

極めて日本的なものと思われている家紋にも、極めてpop & modernなテイストのものはあるよという話で。

松皮菱桐

最初は「松皮菱桐」。ちょっと、前に紹介した井桁桐に似た感じのgraphicalな紋。よく見れば、上の個体と下の個体で微妙に菱の角度を違えてあるんだよね!

変り立鼓

次はエレベーターの「閉」マーク、ではもちろんなくって、「変り立鼓(りゅうこ)」。覚えてる?「丸に五の字」紋の別称として出てきた「立鼓」の系統。
ちなみに沖縄の「丸に二つ鱗に抜き一つ引き」という長い名前の紋が「開」です(笑)

でもこれで驚いてちゃだめ!

立字立鼓

「立字(たちじ/たつじ)立鼓」は誰が見てもアレだよねアレ。言うまでもないから言いませんけど。こんなの黒紋付についてたら驚くよね。電脳家の一族。

違い洲浜

「違い洲浜」は某有名キャラクターの○ッ○ー○ウ○、てのはどうよ?(隠しすぎ!)著作権うるさいから書きませんけど。
洲浜というのはもともと水際の地形のこととされておりますがね。それを基にした飾り物をも指し、複合的な意味があって説明しづらいの。いずれにせよ尚美紋である。いずれにせよ鼠紋ではない。

変り抱き茗荷
極め付きは「変り抱き茗荷」と名付けられた紋。どう見てもポップなイラストにしか見えない・・・こんなのが盆提灯についてたら、なんだかお店屋さん。ソフトクリーム?とうもろこし?楽し♪

2009年3月28日 (土)

嗣嗣嗣嗣 家紋夜話

だいぶ大団円が近づいてきました。
でもまだまだ他にも、驚嘆すべき謎と誘惑に満ちた紋はあるものでして。そんな中から、飛びっ切りのやつを厳選してお送りします。

ずっと前にも書いたけど、木や草の花を枝ごと描いて丸に仕立てた「枝丸」は広く見られ、中には「竹丸に朝顔」なんてのまであるんだよね。確か、うちにあった端午の節句の甲冑飾りについてた衝立にも、こんな文様が黒漆に金蒔絵で散らしてあった。
でもさすがに「蛤形梅の花」というのは初めて!素敵。流石。この手があったか!!
蛤形梅の花

お次は何かわかるかな?「知恵の輪」。Chinese Ring。江戸っ子はやっぱり新しもの好きだったんだね。
知恵の輪

ここからは敢えて名前を伏せちゃおう。

三番目の謎は、何の紋だかわからない、というより、どう見ればいいのかがまずわからない、という感じやろ。一体何を描いてあるのでせう。
匿名1

その次は、家紋を超えちゃってるよね、もう。ポップ。宇宙人の哄笑?!マンタの誘惑?!ひっくり返すと(おいおい)、猫・・・?狐・・・?
匿名2

おそらく松葉を用いてあることは察しがつくだろう。じゃ、何の見立てか?

五番目もポップだね。これは「何を」「何に」見立てたか、という二重謎。
匿名3

僕は椰子紋だと思った。どうしてもドバイのリゾートがちらついちゃってさー。でももちろんそうじゃない。琉球紋でもないぜ。

まあ、楽しんでつかぁさいまし。そんなに難しくないでしょ?

2009年3月27日 (金)

嗣嗣嗣 家紋夜話

今日のお題は、非常に珍稀なる一群だと思いますっ!このワタクシも、今まで見たことありませなんだ。まあまず見て下さいな。
謎1 謎2

謎3 謎4

謎5 謎6

ナニこれ???て感じやろ?ほぼ全部が。敢えて言えば、子持ち鶴タイプなら辛うじてどこぞで見たことあるかいな、って程度で。「不思議紋」と呼ぶにふさわしい雰囲気が横溢。
でも!!!そこが珍しいんだってわけじゃない。

実はこれらは、ある驚嘆すべき共通点を持っているのだよ。
むかし括り猿を初めて見た時もたまがったし、今回沖縄の紋に鱶を見つけた時もびっくりしたけど、そんなもの、比じゃない!

・・・この歳にもなると、滅多なことでは驚かしてくれる事象に出会えないんだけどさぁ。(苦笑)

「何の題材を描いた紋なのか」とか、「植物紋や動物紋等のどのカテゴリーに入るのか」とか、そこら辺はもうどうでもいいんです、この際。ズバリ、「その共通項とは何か」の一点に全てが集約される!

さあ、何でしょう?

ぶっちゃけ、おそらくこの謎を解くことは誰もできないんじゃないかと思う。でもそれでも、答えを知ると驚嘆するでしょう。

初見の際にはとてもあるとは思えないのに、一旦答えを知れば、もう明々白々に初めから或るものを表していたとわかる、そんな性質の不可思議。だから、解けない方がむしろ幸せ。

と、ひっぱりまくって今日はここまで。回答編はいずれ次の機会にね。

以上、板付からでした。

嗣嗣 家紋夜話

さすがに稀少紋を取り上げることが増えてきましたが、「珍味必ずしも美味ならず」の俚言も思い出されたり(それを言うなら「名物に旨いものなし」だろ)。
で、今回は珍紋にして且つ美紋なり、というコンセプトで・・・

「裏蘭」は、「水仙みたい」「どこが『裏』なんだ」「12弁の蘭なんてあるのかよ」とツッコミどころ満載ですが、それでもやっぱりきれいなかたち。
裏蘭

蘭紋がたいてい細弁で描かれるのは、いわゆる東洋蘭、つまりCymbidium属の一群が素材になったからでしょう。

「変り散り桜」も、きれいですね。いかにも変化紋という感じだけど、単発系の花紋でここまで動きを表したものはないんじゃないかな。
変り散り桜

「乱菊」はご家庭用花火の大定番の名前にもなってるけど、由来は多分この乱菊文様でしょう。きれいですよね。ネーミングもかっこいい。いかにも心を掻き乱す感じで。美は乱調に在り。
乱菊

「蔦形光琳鶴」の基になった蔦紋は、メジャーながらまだ紹介してなかったすね。ツタが他のものに寄りかかって生長していくところから、蔦紋は芸者衆の紋として用いられることが多かったそうな。
蔦形光琳鶴

「二つ帆丸」も目を惹く形。昔の人も、青い海に浮かぶ白い帆掛け船を見て「ああ、きれいだな」と思ったことでしょう。
二つ帆丸

そして、「立ち神楽鈴」における、左右対称と非対称、不動と動、凛としたところとあでやかなところの精妙なバランス!
立ち神楽鈴

2009年3月25日 (水)

嗣 家紋夜話

よかった、まだあった、いえ、漢字が。

今日は一つ訂正からね。

>「三つ大の字」は、ちょいと原子力っぽくない??

いえ、放射性物質じゃなく、バイオハザードのシンボルでした。ううむ確かに似とる!ハザード紋って、新しい・・・(笑)でもきっと知ってるでしょうね、その家の人たちは。
バイオハザード

パッションをキープするためにも、敢えて調べ物しないで書いてるんだけどさ、今回。だって単なる書き写しじゃ楽しくないし(と言い訳)。
T氏のご指摘に感謝します。

「見立て」系はもうたくさんというぐらい見てきたけれど、まだまだ魅力的な紋が出てくるんだよねぇ。

トゲトゲのヒイラギだって「柊蝶」に変身しちゃう。
柊蝶

「変り藤蝶」は鈴蘭蝶とでも呼びたい可愛らしさ。
変り藤蝶

「丁子(ちょうじ)子持ち蝶」は特に子蝶に注目!親子でデザインを変えてある!同様の「子持ち蝶」一統の中でも一際愛嬌者。
丁子子持ち蝶

「稲鶴」は取り合わせが王道な割には案外・・・なんじゃないでしょか。
稲鶴

「葉牡丹鶴」の方がかっこいいよね。これは「ハボタンの鶴」じゃなく「花を描かず葉だけのボタンの鶴」の意。もう、牡丹だか菊葉だかようわからんけど。
葉牡丹鶴

花王たるべき牡丹には、不思議にも花を一切表さない、あるいは小さな蕾だけにしてしまった紋が多少あるのだ。
むろん、花を葉つきで大きく描いたものは、代表的公家紋として複雑なバリエーションがそれこそいーっぱいありますが。

延々々々々 家紋夜話

今度は、多少なりとも美化する意識の感じられる紋からご紹介。

「三つ大の字」は、ちょいと原子力っぽくない??
三つ大の字

「丸に釘」は緊迫感ある造形だけど、こういう題材を家紋として選ぶかねぇ?今までも猛獣とか危険なモノはあまりなかったでしょ。草花や小動物が中心で。何か謂われがあるのかな。
丸に釘

「三つ組み違い山形」はごく単純なV字形の「山形」紋からの派生タイプ。こーゆー組み・編みモノ、好きなんだよねー、宝結びとか金輪釜敷とかさ(含羞)
三つ組み違い山形

「麻の葉」は誰もが知ってる紋でしょう。直線だけのせいか植物紋の雰囲気は少ないけれど、洗練された和風の品格に溢れた形。むろん修猷館の六稜星とは関係ありませんがね(笑)。
麻の葉

連続させた地紋としてもよく用いられてる。例えば風呂敷を唐草で埋め尽くせばいかにも日常使い。これが麻の葉だったら礼装用袱紗(ふくさ)って感じ。雷紋の連鎖なら即ラーメン店。

「松皮菱」は、超単純な菱紋からこういうのを生み出したのもお手柄ですが、描く方にとっては案外かたちを取りにくい、難紋であるような気がします。
松皮菱

「真田六文銭」もメジャー。三途の川の渡し賃が六文とされたのは、天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六道思想に因むはず(これから外れたのが俗に外道)。
真田六文銭

けどどうも正統な仏教思想らしからず、Cosmopolitanな伝承との混淆か。ギリシャ神話にも冥府の川スティクスStyxと渡し守カロンCharonてのが出てくるしね。
生死を賭した戦場で幟に用いれば、敵味方ともにインパクト大だったろう。

2009年3月24日 (火)

延々々々 家紋夜話

途方もない見立ての氾濫でだいぶ頭がぐちゃついた感があるので、今度は幾何紋と文字紋ですっきりさせましょう。

「丸に太一つ引き」は別名「新田一つ引き」。
丸に太一つ引き

武蔵新田の新田神社神紋がこんなだったと思って確認したら、完全にではないけど、やっぱりほぼ同じでした。御祭神は清和源氏流の南朝方武将新田義興公、つまりアンチ足利方。こういう剛直なのはやはり幟に似合うね。
新田神社の幟

「七つ割り二つ引き」の「七つ割り」とは、描き始めに黒と白の比率を割り出す際、縦に7等分するという目安のこと。だから「九つ割り菱に三つ引き」なんてのもあるわけ。
七つ割り二つ引き

これら「引き両」紋は「八つ引き」あたりまであり、横平行に置くのが多いけど、中には縦平行の「立て引き」系もある。ちなみに「一つ引き」「二つ引き」の場合は「一引き(いちびき)」「二引き(にびき)」とも呼ばれます。

「丸に十の字」は薩摩藩主の紋所としてあまりにも有名、文字紋の代表的存在。でも、島津一族だけでも分家を含めるとバリエーションが数十もあるげな。
丸に十の字

不思議なのは次の「丸に五の字」。
丸に五の字
これが「五」だというのにまず驚嘆ですが、異なる名前もあって、一つは「立鼓(りゅうこ)」。鼓の胴「のような」形とされているんだけど、鼓の胴そのものは別に曲線的なのがあるんだよねー。
また、これを社章としている「そごうデパート」では「千切(ちきり)」と呼んでいる。千切とは確か織機の部品、糸巻きかな。でも一般には「千切」紋はまた全く別形態。不思議・・・形は単純明快なのに。

名前の混乱はいくつかの家紋で見られるけど、それだけ古い紋だという証なのかもしれません。

「品の字丸」も、言われなければまずそうとは気づかない系ですよね。
品の字丸

2009年3月23日 (月)

延々々 家紋夜話

(承前)
わかった。つまりは「自分で描こうと思わないから」なんだ。「職人のちょっとした筆加減で出来不出来が大きく左右されてしまう紋、に畏れを抱くから」と言ってもいい。好悪というより敬遠という話。

で、第三弾。器物紋になって、遊び心はとどまるところなく。

「鈴桐」は遊んでますねー。ビミョーにヒンズー系入ってる気もするし。鈴紋には「立ち神楽鈴」という秀麗なのもあるんだけど。
鈴桐

「玉桐」は則ち宝珠也、火焔の花つきにて候。そんなもん桐に見立ててどうすんでしょ。
玉桐

「熨斗桐」も、熨斗紋が個人的に好きなので登場。「束ね熨斗」タイプはやっぱ華やかですな。
熨斗桐

次のは何かわかります?多分わからないだろうけど。答えは末尾に。
?

その次は「丸に豆蔵(まめぞう)桐」。豆蔵というのは「やじろべえ」のこと。そんな紋があるのも驚きだし、それをさらに桐に見立てちゃうのもすごい。そんな需要があったのかねえ。もう手がつけられません、でも楽しいから許す。
丸に豆蔵桐

しっかし上には上があった。「巴の字桐」。はぁ?なんも言えねー。ふざけてるんでしょ?!
巴の字桐

四番目の判じ物の答えは「羽根桐」でした。
え?どこが羽根?でしょ。笹紋と思った人が多かったはず。これ、羽子板の衝羽根(つくばね)のことなんですね。

2009年3月22日 (日)

延々 家紋夜話

(承前)
桐紋があまり好きじゃないのってなんでだろう??

実際のキリの木に親しみや美しさを感じないから。描写がリアル過ぎるから。フリーハンドでしか描けないから。点対称じゃないから。でもどれも決定的な理由になってない。蝶はどうよ、鶴はどうよ。我ながら・・・謎。

というわけで第二弾。だいぶ崩しも入ってぶっ飛んでまいります。

「利休桐」は正確には見立てではないけれど、いわゆる「利休好み」とされる紋の一つ。でも光琳紋ほど話は簡単じゃない。利休紋には実は2系統、光琳紋同様に省略を利かせたものと、「抱き枝」をつけたものとがあって、利休桐は前者ね。後者はあまり茶人好みとも思えないのに・・・謎。利休桐

でも、こんなもの誰が桐紋と気づくんでせう。「変り茶の実」とか答えてしまいそう。

「変り瓢(ひさご)桐」は何と言っても楽しげ。梅桐タイプということになりますか。茄子桐タイプ同様、実を桐の花の部分にだけ配したものもあるみたいだけど、こっちの方が家紋らしく見えてくる(笑)
変り瓢桐

「瓜桐」は超超メジャー紋ながら正体不明の「木瓜(もっこう/もっか)」由来。でも絶対、アイリス系の花菖蒲や杜若(かきつばた)を意識してるよね。「うりぎり」と読めばいいんだろか。
瓜桐

「蕨桐」はへらへらっとした風情が身上ですけど、こんな家紋を本当に使ってたのかしらん。
蕨桐

「総角(あげまき)桐」もへらへら系。総角とは、巻き上げた御簾を留める紐製の部品のこと。尚美紋でしょう。桐に見立てるとだいぶあやしいが。
総角桐

「鍵桐」はわかりやすくてよくできてると思うんだけどな。鍵紋は瓢箪見立てなんてのもあります。
鍵桐

To be Continued, Again...

2009年3月21日 (土)

延 家紋夜話

「桐」紋は個人的にあんまり好みじゃないせいか、今までちょっと避けて通ってた。だけどやはり代表紋であることには違いないし、いわゆる見立て紋も枚挙に暇がない。
しかも、「蝶」の見立てに較べてぶっ飛んだのが多いのも、悔しいけど認めないわけにはいきません。

そんなわけで、桐見立て紋各種大集合、いきます。一体何回分になるのやら・・・まずは植物紋からオーソドックスなのを。

「梅桐」はやっぱり愛らしくも華やかな印象で割と好感が持てる。
梅桐

「南天桐」は梅桐とは逆に、「見立て」の鍵となる要素が桐の花に当たる部分に配されてるんですね。
南天桐

沢瀉紋は個人的に好きなので、ここでも「変り沢瀉桐」登場だよん。
変り沢瀉桐

「変り茄子桐」は当然茄子の実が桐の葉の部分に見立てられる(つまり梅桐同様)と思ったら、南天桐タイプで花のところに持ってきたのが意外(cf. 松葉桐)。普通、茄子紋と言えば実がどでんと描いてあるんだけどね。
変り茄子桐

「変り柏桐」のカシワはつまりドングリ類の一種。クヌギ同様、でか目のまん丸い実がなるんだけど、家紋ではあくまで控え目にかわいく。
変り柏桐

最後のは何だろう、茗荷桐かしらと思ったらこれが「筍桐」!筍単独の家紋というのも見たことがありませんが。
筍桐

To be Continued...

継継継継継 家紋夜話

(承前)
うちなー紋の独特なプリミティブ感、まず、用途が衣服紋としてではなく、日用品の区別に供するにとどまってたらしい(今は内地風に正装として紋付も用いられる由であるが)。装飾文たる性格と、目印たる性格との差異。

もちろんそれは美的感覚の優劣とかではなくて。ほら、友禅同様紅型もありで、衣服の装飾性には事欠かないわけだし。

も一つ、琉球が歴史的に中国の強い影響下にあったことも、見てて頷ける気がする。大和文化の手弱女振り(たおやめぶり)な一面とは異なる、剛直な美意識。

「与那覇殿内紋章」は何て名付ければいいんでしょう。「枡」紋からの発展形と見てよさそうではあるが。枡形もこんなに華やかになるんだね。
与那覇殿内紋章

「山内村 名嘉(なか)殿内紋章」も曰く言い難し、としか言い難し(笑)。
山内村 名嘉殿内紋章

でもよく見るとこの二つ、図柄に共通要素を持ってんだよね。印象はまるで違うのに。何だろうこれ。

内地風の紋ももちろんあって、「宇座(うざ)家紋章」は普通な「丸に梅鉢」。・・・と思ったら、実はちょっと違ってる。こんな梅鉢初めて見ました、結構秀逸。どこが違うか、わかります?
宇座家紋章

「阿波連(あはれん)家紋章」は「本」の文字紋。「本」は同家の「名乗頭/なのりがしら」、つまり代々の男子の名前の頭に置くべき一文字だと。これを紋にしちゃうという・・・(実は沖縄は相当な男尊女卑社会というか儒教的思想に基づいてるんよね)
阿波連家紋章

そして「金城家紋章」、ついに出ました!タブーを破って魚紋が!!おおー。
金城家紋章

しかも鱶だよフカ!ご先祖様が鱶に助けられたという縁起がある由。これこそ実は最も沖縄らしい紋、かもね。
でもなんだか「魚屋 魚秦」の屋号紋みたいに見えちゃう。

んー、内地の紋の独特さもまた、うちなー紋を通して浮かび上がってきたかも。

いやしかし家名の読み方の難しいこと・・・

継継継継 家紋夜話

(承前)
昔書いた気がするけど、琉球方言は母音がアイウの3つのみとされ、エはイに、オはウに音韻変化する。アもエになりやすいのは内地と同様かな(だいじ→でーじ)。
演劇の発声練習でもやるように、母音はアエイオウの順に弱まるから、基本、うちなーぐちは弱勢に流れるわけ。あ、キもチに、リもイになる。

とりあえずこれで「さんしん」「わらび」「くくる」「ちょーでー」「じーまみ(地豆=落花生)」「みるく(弥勒)」「やちむん(焼物)」「ぬちぐすい(命の薬=食)」あたりはもうマスター!沖縄の田舎行って元気なオバアに話しかけられてもなんくるないさ(ウソ)

で、「安良城(あらしろ)家紋章」。見てるうちにハッと気づいた。これって「二つ割り月に二つ引き」ではないのかと。同時に、前回なぜそう呼ぶのかさっぱりわからなかった「四つ割り月」の謎も一気に解けた、ように思う。
安良城家紋章

つまり、単純な「石持ち」すなわち○の中に反対色の満月を置き、それを割って「追い駈け」に配置すれば「割り月」になるじゃないか!黒い空白(ヘンな言い方だ)に見えていた部分が「月」だったんだ!やるじゃん、沖縄の家紋職人。目から鱗、月から紋。

さらに、よ〜く考えてたら、沖縄の家紋って「黒地に白抜き」ではなく「白地に黒」で表されることが多かったんじゃないかと気づいた。だって、「黒地に白抜き」だと月の部分が黒地側にきちゃうもんね。

「吉川家紋章」はお天気記号に、「森田家紋章」は企業ロゴなんかにありそうな感じだけど、これらも特別な何かを表しているのかもしれないな。
吉川家紋章

森田家紋章

「津波古(つはこ)殿内紋章」「和宇慶(わうけ)家紋章」になると、まるで地図記号ですね。
津波古殿内紋章

和宇慶家紋章

こうしたプリミティブ感、どこから来てるんだろう。まあ確かに、職人の研ぎ澄まされた美意識と熟練の手技、的な感じは割と少ないでしょ。

「沖縄には家紋の風習はない」とする説もあるようだけど、このとおりそれ自体は昔から存在していた、少なくとも支配階級には(王紋たる巴からのデリバティブが目立つのはそのせいか)。平民についてはリサーチ継続。

To be Continued, Again...

2009年3月18日 (水)

継継継 家紋夜話

代表選手の後は飛び切りの変化球を一つ。

実は左三つ巴紋は琉球の尚王朝の紋でもあるのです。すなわち「左御紋/ひだりごむん」。

前から沖縄の家紋ってどんなんだろうと気になってたのだけど、コレだけは知ってたさぁー。

で、琉球紋、どんだけ南国風かいなと期待しちゃいます。「珊瑚」紋とか「仏桑華/ぶっそうげ」=あかばなー=ハイビスカス紋、「がじゅまる」紋、「しーさー」紋、「きじむなー」紋(いたずら系小妖怪)とかさ。

でも実際には随分違っていました。

ざっと見てもわかるでしょ。概して抽象的な幾何紋とりわけ巴紋や、文字紋が多い。植物紋なんて相当少数派、一応桜や梅鉢や藤もあるんだけどね。いわば戦国武将的無骨さとでも言おうか。

沖縄の家紋で一つ困るのは、紋自体の名前があまり詳らかでないこと(調べた限りでは)。家名で呼ばれているみたい・・・

「国頭(くにがみ)殿内(どぅんち)紋章」は「左一つ巴に二つ引き」とでもなるんでしょうか。
国頭殿内紋章

「神村殿内紋章」は「抱き巴に星一つに一つ引き」、これも巴の一種。
神村殿内紋章

「真壁御殿(うどぅん)紋章」は「四つ割り月に左三つ巴」とあったんだけど、「割り月」なんて呼び方、初めて見ました。
真壁御殿紋章

「小禄(おろく)御殿紋章」は面白いよねー。沖縄なのに雪輪だぜ!しかもよーく見ると六花じゃなくて八花!
小禄御殿紋章

「武富家紋章」もなんとなく巴テイストですね。
武富家紋章

「御殿」とは王侯貴族の、「殿内(とぅんち/とぅぬち)」はそれに次ぐ士族あたりの邸、転じてそれらの家柄のことらしい。「お殿様」ぐらいな感じでしょ。

To be Continued...

継継 家紋夜話

(承前)
さらに当然、各ピースの配置を変えてみるお得意の手法も加わります。

こうなると、「結び巴」「組み巴」「左金輪巴」「変り組み巴」etc.etc.ともう百花繚乱。
結び巴 組み巴

左金輪巴 変り組み巴

流星の使者、地上人間の吉凶善悪を奏上すべく天空の宮殿紫微垣に向け飛び巡っているようにも見え・・・なんてね。「チジョウ、ジンカン」、「シビエン」と読むべし。

「子持ち三つ巴」で六つ巴という難題もやすやすクリアしちゃいました。
子持ち三つ巴

「板倉巴」ではとうとう九曜紋に応用している。何だかピカピカとメタリックに煌めかしい印象ですね。一つの時はそんなことまるで感じないのに。
板倉巴

2009年3月17日 (火)

継 家紋夜話

ある意味家紋の代表選手的な「巴」は、日本だけでなくアジアを中心として世界的に広く使われてきた文様です。

起源には諸説あるけれど、水流を表したものというのが有力。切妻屋根などの破風(はふ:屋根の下、壁が三角になった部分ね)の装飾に巴がよく使われたのは、水の力による火伏せの意味でしょう。

雷神の鳴り轟かす太鼓にもこれがついているし、やはり強い印象を持つ図柄だから、五芒星(すなわち阿倍晴明印orソロモンの星)や六芒星(ダビデの星)などと同様、呪術文としての意義もあったのではないでしょうか。

シンプルで美しい、ということは当然、家紋にも様々なバリエーションが生まれてくる道理。

三つ巴がもちろん一般的ですが、一つ〜五つぐらいまでの増減はあるし、右向きや左向き、肥ったのや痩せたの、いろいろ。

「左三つ巴」「左二つ巴」「左一つ巴」「左五つ巴」「離れ左三つ巴」あたりはごくごく基本的なやつ。
左三つ巴 左二つ巴

左一つ巴 左五つ巴

離れ左三つ巴

抜け巴

「抜け巴」は陰紋ともまた違う小粋テイスト。これもまた、もとの紋がこれだけ広く知られていたからこその遊び心でしょうが。

To be Continued...

2009年3月16日 (月)

承承承承承 家紋夜話

(承前)
「しなやかに曲げる」だけでなく「鋭角に折る」ことを発見した時から、松葉紋は飛躍的な発展の可能性を得たと思うんだよね。

「松葉桜」「糸輪に五つ折れ松葉」「松葉七宝菱」なんかどうでしょう。とりわけ七宝菱の自由な感覚には脱帽です。
松葉桜

糸輪に五つ折れ松葉

松葉七宝菱

おなじみの見立て系も負けていない。「松葉蝶」なんかはもちろんのこと、「松葉梅鶴」では梅で鶴を表したところ(しかも「陰」で、だ!)をさらに松葉で表すという合わせ技の炸裂、それでいて全体の印象はあくまですっきりシンプル。
松葉蝶

松葉梅鶴

「松葉桐」も、ツンツンとんがった松葉のイメージを見事に裏切ってます。このプックリかげん、ナスビ桐かと思っちゃうよね、かわいい。さりげなく松ぼっくりをあしらったとこも見逃せません。
松葉桐

2009年3月15日 (日)

承承承承 家紋夜話

ちょっとくどい系が続いたので、今度はごくあっさりと洒落たものを。

今まで別に気にも止めていなかったのに、今回改めて目にしたら、すごいなあと感心したものもありました。

それが「松葉」紋。まあまずは見とくなはれ、「松葉菱」「三つ追い松葉の丸」「三つ組み松葉の丸」「松葉三つ巴」「六角松葉」「三つ寄せ松葉」。
松葉菱

三つ追い松葉の丸

三つ組み松葉の丸

松葉三つ巴

六角松葉

三つ寄せ松葉

つまり、瀟洒でしなやかな特質を活かして新たな造形を生み出したり、輪や菱などの「枠モノ」の役割を果たしたり、「陰」紋を作る代わりに使われたりで。って説明しちゃっちゃあ野暮ってもんか。

でもそれだけにとどまってはいなかったのだ。

To be Continued...

承承承 家紋夜話

(承前)
それは魚系が全くないこと!
こりゃ本当に不思議!魚鳥草木という言葉もあるとゆーのに。

鯛やら鰹やらいかにもありそうやん、鯉や金魚も捨て難い、鯨や鯰があったら楽しいのに、海老やら蟹があるんだし、烏賊とか蛸はどうなんよ、なんて思えてくるけれど、一度も見たことがありません。自分で作ったろかしら(と思ってたら「綾鷹」サイトを見つけたわけ)。

あ。・・・ひょっとすると、着物に魚類の柄って、和服じゃタブーだったのかな?・・・?ムカデだってOKだったのにー?(trauma)
これは継続検討課題。

そんなわけで、脊椎動物系、いきましょう。

馬紋がもっぱらリアルで、「片杭覇い馬(かたくいきおいうま)」「丸に左駈け馬」みたいに動きが多いのは当然だろう。
片杭覇い馬

丸に左駈け馬

「丸に真向い兎」もリアル系、けどあんましかわいくないなと思ってると、「後ろ向き三つ兎」ではオッと思わせる。まるで蕪か変り片喰の風情ですわ。
丸に真向い兎

後ろ向き三つ兎

「龍爪」は宝珠を掴んだ形。
ちなみに昔の中国じゃ五つ爪の龍の文様は皇帝のみが使うことができた由。北京の故宮博物院でも確かに五つ爪でした。
龍爪

龍は鳳凰同様、家紋としての使用は少なかったようなんだけど、まるでテイスト違ってて驚くのが「雨龍」紋。飄々としてなほ水の化身たり。
雨龍


動物紋で一つ言えそうなのは、「部分」(それも、顔以外の)を取り出したものが多いこと。
「鷹の羽」とか「鹿角(かづの)」とか「龍の鱗」(三角形の「鱗」とはまた別モノ)とか。そこがイマジネーションのふるいどころだったんでしょうか。

2009年3月14日 (土)

承承 家紋夜話

(承前)
花鳥風月というぐらいだからせめて鳥ぐらいはって思うのに、これまたよさげなのはあまりなさげ。

円形に配したものが多いんだけど、鳳凰はじめ鷲鷹烏鳩雀、似たり寄ったりで見分けがつかない(笑)。ぶっちゃけ、みんな鶴丸や向い鶴の亜流に感じちゃう。
「向い喰い合い鶴」「鳳凰丸」「向い烏」「鳩の丸」あたり。
向い喰い合い鶴 鳳凰丸

向い烏 鳩の丸

あ、鳳凰は家紋というより文様として豪華華麗に展開してるから別途語られるべきでしょうが。想像上の瑞鳥霊獣なんてのはやはりデコラティブに流れるんだね。

鷺や燕や鶏なんかも、リアルな割にはいまいちかな・・・

そんな中やや変化球で面白味のあるのは「使い鷹」と「膨ら雀」。
使い鷹 膨ら雀

前者は鷹狩り用の鷹か、神使(つかわしめ)としての姿でしょう。
後者は寒中の雀を描いたとされる、ちょっとかわいらしい紋。女性の着物の帯の締め方にもこの名前のがありますね。

(実はもう一つ隠し玉があるにはあるんだけど、それはまたそのうち)

でも、動物紋に関して、というより日本の家紋で何より不思議なのは、

To be Continued...
(をいをい)

2009年3月13日 (金)

承 家紋夜話

ネタは尽きんがタイトルの漢字が尽きてきた・・・(笑)

それにしても、である。
植物紋や器物紋などに比べ、動物紋の少ないこと!それはまあ仕方がないとしても、全体に完成度低いっつうか、アンタ一体家紋として成立してんの!?というのがほんとに多くて、あの職人の技の冴えはどこへ行ったのさ(いきなり悪し様)。

ぶっちゃけ、動物紋では鶴と蝶が例外的に傑出って印象、だからこの2つだけは他の紋も多く模倣してくるんであるな。(昔のJALのマーク、好きだったよぉー!)

そんな中から苦労しつつ、多少なりとも面白いものを選んでみました。まずは無脊椎動物中心に・・・(笑)

「蟹」に「海老丸」は、う〜〜ん、ほらねって感じでしょ?リアルに過ぎると、動物紋では家紋らしさがどーも感じられない。もちっとデザイン化できんかったもんかいな。
蟹

海老丸

「真向い亀」もなんかねえ・・・「鶴丸」に釣り合うとはちょっと思えんけどさ。
真向い亀

「石持ち百足丸」になると、あまりのリアルさ不気味さに引いちゃいます。コレだけは出したくなかった状態よ。中にゃ「向い百足丸」やら「親子百足丸」なんかもあって、もうゾワゾワです。有毒でもあり、一種の尚武紋なんではないかと。足が多いから案外商売繁盛だったりして。
石持ち百足丸

貝も美しいものがいっぱいありそうなのに、「三つ貝」もそこはかとなくブキミ系入っちゃってるし。
三つ貝

そんな中でちょっとかわいいのが「蛤(はまぐり)蝶」紋。つまりは複合紋だしこれまた蝶紋なんだけど、力が抜けててほんと楽しい。
蛤蝶

To be Continued...

補補補補補 家紋夜話

「コンパスだけで描けます」シリーズ、もちょっと続けさせてつかぁさい。

「分銅」紋つうのがありまして、どっちかつうとマイナー系なんですが、これがどうして馬鹿にできない面白さ。家紋の生成発展の可能性、さらにはその限界までをも見せてくれてる気がします。

ベースとなる「分銅」は、天秤ばかりに用いる錘(おもり)が、日本古来のものはこんな美的な形をしてたわけで、謎!!銀行を表す地図記号や塩野義製薬のマークにもなってますね。
分銅

フンドーキンて味噌醤油メーカーもあるな。ちなみにキッコーマンは「亀甲に萬の字」紋の、カゴメなら「籠目」紋のことだ。

「星付き分銅」「子持ち分銅」はちょっと遮光器土偶(ご存知?MisiaのEscapeのPVにさりげなく出てきてた)みたいなユニークフェイス、いきなしインパクト大!
星付き分銅

子持ち分銅

「五つ捻分銅」「分銅桜」「分銅梅鉢」、いずれもお約束どおりの手法ではあるんだけど、人目を惹き付ける訴求力みたいなもの、が確かにやっぱりあります。
五つ捻分銅

分銅桜

分銅梅鉢

分銅梅鉢はちょっとやり過ぎかなって思ったりもするんだけどねー。

2009年3月11日 (水)

補補補補 家紋夜話

(承前)
「コンパス」シリーズ後篇、ポップ度合いもだんだん上昇します・・・

「三つ輪違い」ならまずまずオーソドックス。
「六つ割り金輪崩し」「六つ輪違い」とどんどん複雑化していって・・・
三つ輪違い

六つ割り金輪崩し

六つ輪違い

ちょっとドーナツテイストなのは「捻(ねじ)蛇の目」(無理?)
捻蛇の目

「四つ持合い七宝(しっぽう)」は大変古い文様だけど、また古びることのない優品。
四つ持合い七宝

「三つ盛り糸巻き」になると、もう文句なしにキラキラ系決定です
三つ盛り糸巻き

補補補 家紋夜話

コンパスだけで描けるってのも、またいいよね〜〜。
円をベースにした紋には、結構モダンテイストのものもあります。ま、ある意味水玉模様だし。

まずはよく知られた「九曜」。肥後藩主細川家の紋です。ちょっと蓮根ぽい気がするのはそのせい・・・?「曜」は天体のこと、「七曜」だったら北斗七星信仰によるものやね。
九曜

重ね系も、「重ね梅」「六重星」「日向六つ釜敷」と少しずつテイストが違ってる。
重ね梅

六重星

日向六つ釜敷

「三つ割り星梅鉢」や、その陰紋かって感じの「石持ち形井筒崩し」なんて、言われなきゃそうとはわかんない判じ物。ていうかまさに職人の力業。だけど、やっぱ円以外は使ってないんだよねー。草間彌生、一歩手前か。
三つ割り星梅鉢

石持ち形井筒崩し

To be Continued...

2009年3月10日 (火)

補補 家紋夜話

嗚呼誰か僕を救い出して、この家紋地獄から。
瞼を閉じても花が蝶が飛び違う魔境から。
三十年後に(――それとも三百年前に――?)再び迷い込んだ萬華鏡世界。
極彩色の黒と白。

ふふ。でも続けるもんね。

家紋をいろいろ見てると、どうしても曲線優美な植物紋が多くなっちゃうんで、たまにはそれ以外に直線的でグラフィカルなのをご紹介。やっぱ、定規だけで描けるのっていいよね〜〜

「北條鱗」なんかは蛇の鱗の図案化。そんなものを家紋にしたのは多分不死・復活思想とも関係があるのでしょう。能衣装などの文様としても用いられ、「道成寺」の後ジテが代表的。単純にして強い印象を残します。
北條鱗

「重ね四つ目車」は、太い枡形(目結/めゆい)を四つ並べた「四つ目」紋からのバリエーション、風車みたいだね。
あ、うちの高校の校章が「角(かど)立て四つ目結」だったんだ。
重ね四つ目車

「稲妻鶴」は、各種の鶴紋が雷に打たれるとみんなこうなるという好例(笑)。どうしてこんなの考えたんだか!
稲妻鶴

「角(かく)宝結び」は紐の飾り結びからきた紋です。綸子(りんず)の織物の定番地紋「紗綾形(さやがた)」にも似た美麗なカタチ。丸みのあるタイプもあるけれど、こちらの方が美しさが際立ってる気がする。雰囲気が「籠目釜敷」にも似てますね。
角宝結び

住友グループのマークでもある「井桁」を「桐」紋に仕立てちゃったのは「井桁桐」。「崩し」という言葉がぴったりくる、ちょっとアヴァンギャルド。
井桁桐

文字紋はなかなかこれはってのがないんだけど、「亀甲形巴の字」はけっこシュールじゃありませんこと?ルービックキューブ系も入ってる。
亀甲形巴の字

2009年3月 9日 (月)

補 家紋夜話

そっくりさんペアはまだまだいまして。

よく知られたのは「杏葉(ぎょうよう)」と「茗荷」。例えば「花無杏葉」に葉脈をつけると「立ち茗荷」になる塩梅。先日のクイズの「三つ茗荷崩し」のモト(後出しかよ!)。
杏葉とは馬具飾りの一種とされてますが、なんで「杏の葉」と書くのかはよくわからんらしい。
花無杏葉 立ち茗荷

「橘」紋と「茶の実」紋もよく似ている。橘から上の部分を取ってつるんとさせたら茶の実のできあがり。ミカン科とツバキ科じゃ全然近縁じゃないのに、ってそんな問題じゃないか。どっちも実物とはあまり似てないですよねぇ。
橘 一つ茶の実

全く同じとしか思えない「三つ葉桔梗」と「三つ葉龍胆」なんてのもあり。
三つ葉桔梗 三つ葉龍胆

似てるってのを超えてるよねこりゃ。ま、つまりはキキョウとリンドウですけん。

こうなるともう、「使ってる家の人たちがその名で呼んでるから桔梗だ、いや龍胆だ」としか言えなくなってくるよな。

遺遺遺遺遺 家紋夜話

菊紋とは逆に、江戸期には一般人が使用できなかったのが「三つ葉葵」、そう徳川将軍家の紋所。
三つ葉葵

もとは京都の賀茂別雷神社/かもわけいかづちじんじゃ(上賀茂神社)および賀茂御祖神社/かもみおやじんじゃ(下鴨神社)の紋が「二葉葵」をベースにしていて。
二葉葵

上賀茂・下鴨の御神紋はいずれもこれに花を1個つけて形状や傾きを変えた展開形だけど、実際の花は超地味、だから家紋も基本的には葉だけ描かれます。

両社の間を御祭神が巡幸する賀茂祭は、輿車や髪をその神草「葵」で飾るため、後に「葵祭」と称されるようになった。京の祭りで最も歴史が古く格式が高い。

ほれ、源氏物語で、源氏の最初の正妻葵上(あおいのうえ)と愛人六条御息所(ろくじょうのみやす(ん)どころ)の一行が場所取りを巡って諍い合う有名な「車争い」の場面は、この賀茂祭見物の時のことですね。
この争いで散々に打ち負かされ恥をかかされた御息所は、その後我知らず生霊となって葵を苦しめ、ついには葵が夕霧(男だよ)を産んだ時に取り殺してしまいます。平民階級の愛人夕顔(こっちは女だ)も取り殺してしまうんだよね。

で、葵紋だけど、三河地方に賀茂社の分社が多かった所縁で徳川家の紋になったという説が。

この「葵」とは、タチアオイ(ホリホック)やらハイビスカスやらフヨウやらマシュマロ(驚くなかれもともとはMarshmallowなる植物のことなのだ)やらの入ってる、花の美しいアオイ科特にHibiscus属の植物、ではなくて。
タチアオイ

ハイビスカス

古典観葉植物として知られるウマノスズクサ科(笑)のフタバアオイ属やカンアオイ属等の総称です。
フタバアオイ

本来「葵/あふひ」と言えばこの二葉葵や寒葵のこと。ワサビを「山葵」と書くのも、スミレの一種「スミレサイシン」の名が由って来たるところも、葉っぱがこれら本家の葵(中国名「細辛」)に似てるから。あ、タチアオイですら、名の理由は確かそこ。

さらに言うと、葵紋にはそっくりさんがいて、「河骨(こうほね)」紋。葉脈の形状が放射脈か並行脈かという違いぐらいしかない。「丸に頭合せ三つ河骨」なんて、将軍家の紋所に似せる気持ちがきっとあったはず。
丸に頭合せ三つ河骨

というより、八代将軍吉宗あたりはこちらに酷似した「三つ葉葵」を用いていたそうな。いろいろバリエーションはあるわけです。

コウホネはオモダカと同じく水辺の植物、前者は黄花、後者は白花。葉っぱの形もちょっと似てます。
どうでもいいけど、オモダカの改良種がおせち料理に使われるクワイね。
コウホネは黄花

オモダカは白花

ここら辺の「和の水生植物」、「癒し」流行りでこれからもっと人気が出てくると思いますよー。あと、ガマとかハスとかヒツジグサとかヒシとかもね。ビオトープにもうってつけだし。

おまけで「丸に水の沢瀉(おもだか)」紋も。家紋になると河骨とまるで似てないですね。
丸に水の沢瀉

2009年3月 8日 (日)

遺遺遺遺 家紋夜話

(承前)
>後後後 家紋夜話
>「五瓜(ごか)に唐花」は京都祇園の八坂神社の神紋、キュウリの切り口に似てるから、祇園祭の間は憚ってこれを食べない

 →ああ痛恨の見落し!「九州博多の櫛田神社」「山笠」と置き換えても完全に可!!「博多っ子純情」にも出てくるエピソードであった。博多っ子落第。

全国津々浦々に「祇園社」は勧請されていて、八坂神社も櫛田神社もそう。山笠も正しくは「博多祇園山笠」ですよね。つまりは京の都のコンチキチンも九州博多のオッショイも祇園例大祭。

博多の婚礼でよく唄われる「祝い目出度」に「さても美事な櫛田の銀杏(ぎなん)、枝も栄ゆりゃ葉も繁る」と出てくる御神木の銀杏が神紋かと思ったら大間違い。

あ、画像は「立ち銀杏の丸」「二つ軸違い銀杏」「三つ組合い銀杏」「三つ扇銀杏」「四つ銀杏」「五つ追掛け銀杏に花菱」でし。
金色の小さき鳥の姿して 増殖するなり一寸の中に(晶子の本歌取り)
立ち銀杏の丸

二つ軸違い銀杏

三つ組合い銀杏

三つ扇銀杏

四つ銀杏

五つ追掛け銀杏に花菱

「銀杏蝶」紋ってどう読むのだろ。「いちょうちょう」じゃちょっと語呂が悪い・・・「ぎんなんちょう」?

>拾 家紋夜話
>「片喰」はおそらく最も多く用いられている

 →と信じて疑わなかったんだけど、「違い鷹の羽」がトップ(9.0%)だと書いてあるものを見つけた(+_+)
まあそれは、「剣片喰」(3位/5.6%)と「片喰」(11位/2.3%)を区別してあったんだけどぉ。鷹の羽なんて尚武紋じゃん、武士階級がどんだけいたんだよって感じなんだけどぉ。

ちなみに2位は「木瓜(もっこう/もっか)」(6.9%)、まあ順当でしょ。うちの梅鉢は9位(2.8%)だと。

いやぁ全く、浜の真砂(まさご)は尽くるとも、世に誤りの種は尽きまじ(石川五右衛門、本歌取り)。マジ。

2009年3月 7日 (土)

遺遺遺 家紋夜話

(承前)
>続続続続 家紋夜話
>この型は「飛び蝶」と呼ばれたりもするみたい(ただし全く別形態の「飛び蝶」紋も存在しますが)。

>後後後 家紋夜話
>「飛び唐花蝶」はもう一つの「飛び蝶」タイプ

 →上から見た形のものはどうやら「○○胡蝶」と呼ぶことの方が多いようです。「胡蝶」紋に由来ということなんだな。
でもこの形ってよく考えると「蛾」じゃん!そう言えば胡蝶蘭の属名Phalenopsisは「蛾のような」だ。
胡蝶

>続続続続続 家紋夜話
>どうしてみんな左向きなんだろう?

 →逆らう蝶もまるでないではないよう でもちょっとイケてないよう 異様 微妙 この蝶の有りよう 「右向い変り揚羽蝶」なんて名づけられて 毎夜毎夜舞い狂うようnite ついていけないようfite この世界の在りYO でも貴重 希望 理想 here we go (や、安手すぎ〜〜)
右向い変り揚羽蝶

To be Continued, Again...

遺遺 家紋夜話

えぇーー、基本適当に書いてましたんで(特に初めの頃)、読み直せば不適切な箇所がボロボロと(__)ここらで一度正誤打っとかないと。容赦なく訂正をば、謹んで。

>家紋夜話(第一夜)
>太宰府天満宮の(梅ヶ枝餅の!)神紋にちょい似てますな。
 →天神様の御神紋は一般に「梅鉢」と思われていますが、実はそうでもない。筑紫太宰府は「梅花」(昔は梅鉢系も見たことある気がするんだけどなぁ?)、東京湯島は一般に「加賀梅鉢」と呼ばれる変り梅鉢タイプ、京都北野は「星梅鉢」ね。
梅花

加賀梅鉢

星梅鉢

なぜ、江戸の湯島天満宮と北陸は加賀藩主前田家の紋所が結びつくのかは、よく知りません。しかし、湯島からほど近い本郷には、東大の代名詞のように言われる「赤門」があるでしょう。あれは実は前田家のものなんだよね。
諸大名が徳川家から嫁を迎える時には、丹塗り(にぬり)の門を新造することになっていて、これを赤門と呼んだわけ。
だから、東大キャンパスのあたりは前田家の江戸屋敷だったんでしょう。そこらへんに湯島天神とのつながりがあるのではないかなあ。

To be Continued...

Re3: 拾拾拾拾拾 家紋夜話

>ミョウガって素麺に薬味でいれるやつ?アレの花?

はい、さよです。正確にはあの食べる「苞」を変形して三つ集めた紋やね。茗荷なければ素麺は成立せず、ワタシ的には。
あそこの中から出てくるミョウガの花は、クリーム色で蘭花にも似た美花ですね。これは珍しい、ミョウガの実とともにご紹介。
ミョウガの花

ミョウガの実


>十字架なんや!色々飾りついてんのはやっぱ誤魔化すためかね?

久留子はきっと隠す意図もあったと思うけど、古い時代のいわゆるロザリオタイプや手持ちのものにはあの形のも多かったの(ヨーロッパでも)。強度補強の意味があったのでしょう。

1976年の大河ドラマ「風と雲と虹と」は、平安後期に承平(しょうへい)・天慶(てんぎょう)の乱を起こした平将門(加藤剛主演)と藤原純友(こないだ亡くなった緒方拳)のお話。原作は海音寺潮五郎の「海と風と虹と」、ちょっと違うんよね。

で、加藤剛の衣装にこの久留子菱がついていて、時代考証まちがってるじゃん、と思ったのを鮮明に覚えています(なんちゅう中坊や)。

続 回答乱麻 家紋夜話

(承前)
いよいよ佳境に入ってきました。

(4)
籠目釜敷

[T氏説]
提灯?(鍋敷きにも見える(^o^))
[Y氏説]
花瓶!?

→こちらは「籠目(かごめ)釜敷」と呼ばれてるす。釜敷ってアンタ、つまりゃ鍋敷だよ!美は日常に、否、厨房に潜めり。

「輪違い」紋か「金輪(かなわ)」紋の一種かとも思えますが、通常「釜敷」紋に分類されています。個人的に好きな紋。
「六釜敷」なんかもあるけど、この「籠目釜敷」だけが突出してる気がする。
六釜敷

7つの大きな輪と、1つの小さな輪だけであんなに美しいカタチを作っちゃうなんて驚嘆。
イスラーム的な、反復し執着する美って感じですね。

(5)
五つ琴柱

[T氏説]
箏の柱(糸もちあげるやつ)?
[Y氏説]
音叉!?

→T氏説大当たりィ〜。
Y氏説も惜しかった。
「五つ琴柱(ことじ)」、これも、植物紋と見紛う美しい形。
琴柱とはつまり琴につけて音階を調整するフレット。真ん中に小さ〜く見えてるのは琴糸をセットする溝、雄しべじゃなかったのどす。
丸に琴柱

さてしんがりは例のアレ。

(6)
細輪に括り猿

[T氏説]
う〜ん・・・
亀かテントウムシくらいしか思いつかん!
[Y氏説]
胎児!?

→「細輪に括(くく)り猿」!サルよサル、これが!え〜〜って思うだろ最初は。極度に抽象化・単純化されていて、言われる前は絶対サルだなんて思わない。だのに言われた途端にちゃんとサルに見えてくる!完成度高いってことだよね。ほんとに秀逸だと思う。(褒め過ぎ?)
Y氏説の大胆な発想にもたまげたけど、大変惜しかったんです。

括り猿とは、各地に伝わる厄除けだか願掛けだかの布&綿で作った飾り物。厄が「去る」とか煩悩を「括る」わけですな。名前も「身代り猿」とか「猿っ子」とかいろいろ(もっとヤバい名前のもあるけど)。
京都の八坂庚申堂(こうしんどう)の「くくり猿」あたりが有名かな。「庚申」は訓読みなら十干十二支で「かのえ さる(金の兄 猿)」ですね。
くくり猿

「この紋を目にして以来、創作意欲がまるで湧かない」と言った人もあるそうで。それだけ衝撃を受けたということでしょう、むべなるかな。

猿紋はさすがに珍しいらしくて括り猿系だけ。「猿面」紋なんてのはありそうで無い。

歌舞伎役者、沢瀉屋市川猿之助(えんのすけ)丈の定紋が「三つ括り猿」、これはきっと猿つながりだね。
三つ括り猿

回答乱麻 家紋夜話

ついに!快刀乱麻の回答篇とまいります。

(1)
三つ茗荷崩し

[T氏説]
松ぼっくり?
[Y氏説]
銀杏!?

→これは「三つ茗荷崩し」、つまりミョウガです。割とわかりやすいだろうと思ってましたが、そうでもなかったか。「茗荷」紋のことはまた近いうち。

(2)
三つ入れ子枡

正解率の高かった2番目は「三つ入れ子枡」。「一つ枡」なら簡単だろけど、入れ子にするとわかりにくいかナと思って入れてみた。
一つ枡

三枡は成田屋市川團十郎丈(「じょう」は歌舞伎役者につける尊称)の定紋(じょうもん)。
いわゆる歌舞伎十八番も昔の團十郎が定めたもの、その一つ「暫(しばらく)」は江戸荒事の代表的演目ですね。悪玉の傍若無人な振舞いに人々が難儀していると、主人公が「暫!」と呼ばわって舞台に登場し、懲らしめて見得を切る。(英訳は「Just a Moment」なんよ(笑))
この筋立てだけが決まってて、どんな悪さなのかなんてことはどーでもよくって興行ごとに変わるのだ。

で、主人公鎌倉権五郎(ごんごろう)景政が着てるのが、これの馬鹿でっかい紋を袖に染め抜いた柿色の素袍(すおう)と決まって枡。おお荒事の様式美、てな具合。ちなみに柿色は江戸歌舞伎の荒事を表す色とされています。
暫

これが仮に梅鉢だったら確かに締まらない。蟹桔梗なんかだったらもう趣旨ダダ滑り(笑)

(3)
久留子菱

[T氏説]
コートかけもしくは電気スタンド(ちがうだろなぁ)
電気スタンドを上から見た図だと思ったの。
[Y氏説]
灯籠!?

→これは「久留子菱(くるすびし)」、なんとCrossすなわち基督教の十字架を紋にしちゃった「久留子」紋の一種なんです。切支丹でうすの秘法、御禁制の邪宗門ではなかったのかよオイ。やっぱ切支丹大名とかが使ったのかしら?唯一の西洋由来の紋と思われます。
久留子

To be Continued...

2009年3月 5日 (木)

Re2: 拾拾拾拾拾 家紋夜話

(6)
[T氏説]
>わから〜ん(>_<)語呂合わせかなにか?もっとヒントプリーズ(+_+)

→語呂合わせとかの変化球じゃないの。職人の美意識が生み出したんだってとこがすごいの。いわば直球勝負?珍しいことには違いありませんが。
ヒントねえ・・・動物系、極度に抽象化されてますが。

遺 家紋夜話

皇室の副紋は「桐」。秀吉もこれを下賜されている。真の天子の出現を告げる霊鳥鳳凰が止まるのが桐の木とされています(妙な植物に止まるもんだなあ、見た目イマイチだし)。紋はデザイン的にも格調高い!

当然これにも派生形がいっぱいあって、デリバティブ商品花盛り。

いかにも端正な「五七桐/ごしちのきり」「五三桐/ごさんのきり」をオリジナルといたしまして・・・
五七桐

五三桐

「桐蝶」「中陰飛び桐蝶」あたりはやっぱりきたか、という感じ。
桐蝶

中陰飛び桐蝶

「蝙蝠(こうもり)桐」だとなんだか楽しくなる。確かに桐であり、確かに蝙蝠なんだよね!常識じゃ絶対あり得ないんだけどさ。
蝙蝠桐

「蝙蝠」は中国語で発音が「幸福」と同じため、古来吉祥文として愛用多用されました。不気味なモノという印象は西洋文物の輸入後なんだよね。

 →>コウモリ桐ちゅうよりクリオネ桐みたいね

ふふふ、確かにそうだねぃ!

「鷺桐」も、確かに鷺であり、確かに桐である!だいぶ印象は異なりますが。
鷺桐

「踊り桐」までくると、もういけません、腰砕け状態。あのとりすました五七桐がどーしてこーなってしまふのや。酔っぱらいやん。
踊り桐

2009年3月 4日 (水)

Re: 拾拾拾拾拾 家紋夜話

お疲れさまっす!途中経過報告的に、ヒントを兼ねまして。

(1)
[T氏説]
わからん、蝉の集合体?
[Y氏説]
ダリア!?

→えー、植物系です。でも花じゃない。ミクロ的によく見れば答は見えてくる・・・はず。

(2)
[T氏説]
升を重ねたのを上から見たとか?
[Y氏説]
枡!?

→おお、グッジョブ(^_^)v「三つ入れ子枡」と名づけられてます。マトリョーシカ状態、でも単純明快にして美しいよね。

(3)
[T氏説]
オクラ(-_-;)
[Y氏説]
桔梗!?

→ノー。舶来系(Oklaは北米原産)ではあるが器物系です(わかるかいそんなもんっ;笑)家紋としてはすっっっごく意外、あり得なかったはずといつも思うモノなんだけど・・・

(4)
[T氏説]
篭かなにか?
[Y氏説]
牡丹!?

→うーん、T氏説、5点中3点。「籠目○○」と呼ばれてます。○○は器物系で本来日常系、けどこんな美しい形のモノは普通使ってなかったんじゃ・・・

(5)
[T氏説]
いそぎんちゃくとか(笑)
[Y氏説]
朝顔!?

→ふふ、ノンノン。これまた器物系なのだ。見たことはあるがあまり触れたことのないモノ、のそのまた部品(外から見えてるけど)、的な感じ、かつ、紋としては集合系。

(6)
[T氏説]
日食とかじゃない?違う?
[Y氏説]
太陽と月!?

→ニェット。天文系と思わせといて、実際はそうじゃないのさ。この紋はもう「秀逸」の一語に尽きます。むろん植物系でもありません。正体知るといたく感心しますゾ。


うふん、もう一晩愉しませてア・ゲ・ル(^_-)

2009年3月 3日 (火)

拾拾拾拾拾 家紋夜話

片喰の大ネタがやっと終了しましたので(笑)、気を取り直して、もとい、趣向を変えて、ちょいとクイズを(ありがち)。

「これは何の紋やらまるで見当がつかん!?」というものの中から、秀逸なのをいくつか難易取り混ぜて並べてみました。言っとくけど珍しいのが多いからねっ。
あ、互いに脈絡はナシですよ(汗)

これらの紋が一体何を表しているのか、おわかりになりますでしょうか?
(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

いちばん秀逸なのは最後のやつ。コレを出したかったからこそクイズを考えたようなもんです。驚くぞー。とにかく秀逸。コレ当てたら偉い。

2009年3月 2日 (月)

拾拾拾拾 家紋夜話

(承前)
そもそも、家紋の起源については二つほど想定されてます。

まず、公家が装束や調度、輿車等に用いていた文様が、個人の目印のちには一族の象徴としての役割を帯びていったというもの(皇室では今も各人ごとに「おしるし」を持ち、例えば皇太子妃雅子はハマナス)。
もう一つは、武家が旗指物や幟につけた文様で、戦場での敵味方の区別という実務的な役割を担っていた。
当然、優美繊細vs単純武骨、かと思ったらそうとも言い切れなくて、前述のとおり平氏一門が蝶紋を愛用したりもしてますね。

まあそんなことよりも、「文様」から「家紋」に転化する過程で飛躍的な単純化を見たという点にこそ、日本の家紋の本質があるんじゃないかと思ったりして。(あ、社会科学的視点まるで欠落)

片喰篇のラストは、「隅切角に片喰」「隅切地落し片喰」そして「井桁に片喰」「菱に地抜き片喰」「鉄砲菱に片喰」「糸菱に陰の出片喰」。

隅切角に片喰

「隅切角」は四角の隅を切り落としたもの。

隅切地落し片喰

井桁に片喰

菱に地抜き片喰

鉄砲菱に片喰

「鉄砲菱」は菱形と内接円を組み合わせたもの、円を銃口に見立ててるわけ。反転させた上にまた反転させてる!

糸菱に陰の出片喰

「出片喰」は出色ですねえ。おしゃれー。珍しくも敢えて左右対称を外したそのセンス。

拾拾拾 家紋夜話

(承前)
今度は「陰」系を4種グラデーションで「陰の片喰」「細中陰の片喰」「中陰の片喰」「太陰の片喰」と、省略系の「中陰の蔓(つる)片喰」「鐶(かん)片喰」。陰の片喰 細中陰の片喰

中陰の片喰 太陰の片喰

中陰の蔓片喰 鐶片喰

いったい、家紋における「白」「黒」って、どっちがメインなんだろう。

家紋が「白地に黒」で表されるシーンとしては、戦国時代の旗指物とか、紋入り提灯とかかな。

でも一般には逆の「黒地に白抜き」の方がやっぱり多そうですよね。こちらの代表例は、何といっても黒羽二重に五つ紋という、正装の「黒紋付」。あ、「羽二重/Habutae Silk」は経(たて)糸二本の平織りで織られた上質の絹地のこと。

調度品でも、黒漆や朱漆に金銀蒔絵というのが多かったろうから、やはり「暗色地に明色の紋を抜く」ということは言えそう。
あんまし、ご飯茶碗なんかには入れなかったんじゃと思うけど・・・?

「紋帖」(実は一般の本屋さんにも売ってる)でも後者で印刷されています。

あー、軒丸瓦や墓石とかは白も黒もないか(笑)。墓地なんて家紋の聖地、楽園ですよ(爆)

To be Continued, Again...

2009年3月 1日 (日)

拾拾 家紋夜話

(承前)
カタバミはどこにでもある雑草だから、その生命力、繁殖力にあやかろうとした紋なんでしょうね。
結構花もきれいで目立つと思うのに、紋の基本はあくまで葉っぱのみなのがちょっと不思議。
葉の数も3つだけ、しかも葉脈ほぼ省略で、植物紋の中でも最も単純なものじゃないかな。

一方、これに剣形を配した「剣(けん)片喰」も非常に多く見られ、こちらは尚武的な意義を加えたものと思われます。
剣片喰


これまた発展形は「陰の剣片喰」「石持ち地落し剣片喰」「丸に剣出片喰」「亀甲形剣片喰」「鱗形剣片喰」等々、枚挙に暇なし。(だんだん名前が長くなってめんどくさ・・・笑)

陰の剣片喰

石持ち地落し剣片喰

丸に剣出片喰

亀甲形剣片喰

鱗形剣片喰

「亀甲形」や「鱗形」なんて、なんだか手塚治虫のマンガのキャラにいたような気がしてきません?あるいはディズニーの「ふしぎの国のアリス」の庭の花たちの中に。ユカイ。

あ、「地落し」「地抜き」ちうのも「石持ち」と同様の意味と思います(ただし「石持ち」の名は丸の場合にしか用いないけど)。

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拾 家紋夜話

今回、大作です・・・

と、その前に。今回はちょっと趣を変え、「白地に黒」も取り交ぜて表してみましょう。

家紋の白黒を反転させる手法には「陰」の他にもう一つ、「石持ち(こくもち)」というのもあるっす。
石持ちとはつまり、最もシンプルな無地塗りつぶしの●のこと。この中に他の紋を白黒反転させて入れるわけやね。

でさ、ここからはツルの私見つうか妄想なんだけど。

この手法、実は「反転させる」ためだけじゃなく、「反転させない」ためにも用いられたんじゃないかなあと思うわけ。

例えば、正装の黒紋付で「糸輪に片喰(かたばみ)」を使ってる場合を考えます。
糸輪に片喰

その紋を例えば提灯に入れる時は、白黒を逆転させることになる、提灯は黒地の紋付と違って白地だからね。
糸輪に片喰(白地)

けど、その時に「石持ち地落し片喰」を使えば、元の黒地の紋を事実上変えることなく白地に移植できるじゃん!
石持ち地落し片喰

そんな使われ方もあったんじゃないかなあと。いや、確証はないんだけどネ。

ちなみに「片喰」はおそらく最も多く用いられている家紋。だから当然、バリエーションもたんまり・・・「変り片喰揚羽蝶」「片喰飛び蝶」「剣(けん)片喰飛び蝶」あたりはもはやすっかりおなじみでせう。
変り片喰揚羽蝶

片喰飛び蝶

剣片喰飛び蝶

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