拾拾拾拾 家紋夜話
(承前)
そもそも、家紋の起源については二つほど想定されてます。
まず、公家が装束や調度、輿車等に用いていた文様が、個人の目印のちには一族の象徴としての役割を帯びていったというもの(皇室では今も各人ごとに「おしるし」を持ち、例えば皇太子妃雅子はハマナス)。
もう一つは、武家が旗指物や幟につけた文様で、戦場での敵味方の区別という実務的な役割を担っていた。
当然、優美繊細vs単純武骨、かと思ったらそうとも言い切れなくて、前述のとおり平氏一門が蝶紋を愛用したりもしてますね。
まあそんなことよりも、「文様」から「家紋」に転化する過程で飛躍的な単純化を見たという点にこそ、日本の家紋の本質があるんじゃないかと思ったりして。(あ、社会科学的視点まるで欠落)
片喰篇のラストは、「隅切角に片喰」「隅切地落し片喰」そして「井桁に片喰」「菱に地抜き片喰」「鉄砲菱に片喰」「糸菱に陰の出片喰」。
「隅切角」は四角の隅を切り落としたもの。
「鉄砲菱」は菱形と内接円を組み合わせたもの、円を銃口に見立ててるわけ。反転させた上にまた反転させてる!
「出片喰」は出色ですねえ。おしゃれー。珍しくも敢えて左右対称を外したそのセンス。
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