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2009年9月 6日 (日)

熊野大社につきお勉強

(承前)

>で、ついに、「祭神」について。(これだけはやりたくなかった、まあここがキモなんだけど;苦笑)

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出雲国風土記においては伊佐奈枳乃麻奈子坐熊野加武呂命/いざなひのまなご くまのにます かむろのみこと。
延喜式では熊野大神櫛御気野命/くまののおおかみ くしみけぬのみこと。
・・・おしまい。・・・

それじゃ話が進まんじゃないかっ。もちろんここからがややこしいんである、普通。

この櫛御気野命は古くからスサノオすなわち健速(たけはやの)須佐之男命(古事記表記)(素戔鳴尊(日本書紀表記:以下同))と同一視されたらしい。
ほお。確かに、高天原追放後のスサノオの主な活躍の舞台は出雲であるなあ。

スサノオは、イザナギすなわち伊邪那岐命(伊弉諾神)の子であるから、上記の「伊佐奈枳乃麻奈子」つまり「イザナギの愛し子」(だろう)というのは確かに辻褄が合う。

スサノオ崇拝は単独よりもむしろ他宗教と結びついた形で民間に広がっていく。その典型が祇園信仰や氷川信仰など。おお、一気にジグソーのピースがはまってきた感じ!

祇園信仰は・・・と書きかけて調べ始めたら、これがまた難しくも面白くて枝葉繁りまくり。で、詳細は次回以降に譲ることとする。
ただ、祇園社のもともとの信仰対象である牛頭天王/ごずてんのうが、どうやら災厄をもたらす神とされていたらしいことには注意すべきかと。そして、総本社(の一つ)である八坂神社の例大祭たる祇園祭の起源は、平安時代に始まった、京の都の疫病退散の行事である。

また、関東では、スサノオ信仰が、暴れ川として知られた荒川の流域にあった自然信仰と接触することにより生まれたのが氷川信仰で、総本社は埼玉の大宮にある氷川神社。「大宮」の名はこの神社に由来すると。

思うに、疫病、水害等の災厄をもたらすものでありかつ治めるものであるという役割を担っていた神仏と、猛き神たるスサノオとは相似点があるわけで、合体することにより一層の力と神威を得ようとしたものであろう。

うーん、どうせなら、最強の組み合わせとして、スサノオと、インドに起源を持つ不動明王とのカップリングなんてのはどうだろう(無謀)。
不動明王信仰も、江戸五色不動(目黒、目白、目赤、目青、目黄)など、民間に人気の高かったものである。そんな寺社はなかったのだろうか。強そー!荒そー!
あ!そう言えば、永井豪のデビルマンの主人公は「不動 明」、その永井豪が後年描いたのが「凄ノ王」・・・そーそーそれそれ、そんなもん。

話は戻って、では熊野大社の櫛御気野命も災厄神だったのか?「御気」は「御食」のことであり、食物神であったらしいから、そうとも思えないが。
あるいは逆に、スサノオを荒ぶる神としてのみ考えるのがおかしいのか、それとも「荒魂/あらたま」「和魂/にきみたま」の二面性で解釈できるということなのだろうか?(ちなみに一命四魂のうち残りの「幸魂/さきたま」「奇魂/くしたま」は本来和魂の中の分けらしいが、これ以上はアヤシそうなのでやめる。犬夜叉は読んだことなし。)

調べてみると、スサノオの高天原での粗暴な行いの数々はいずれも農耕に関わるものだとして、農耕や暴風雨を司る神と解する説があると。そうだ、ヤマタノオロチ/八俣遠呂智(八岐大蛇)も暴れ川を表すということを何かで読んだ記憶がある。妻のクシナダヒメ/櫛名田比売(奇稲田姫)も「霊妙なる稲田の神」の意味らしい。
なるほど、食物神との結びつきもなんとなく納得できる気がしてきた。

う〜ん、スサノオの性格というのも案外多面的かも。妻に対する相聞歌を詠んだりもしている。
 八雲立つ出雲八重垣妻籠に
 八重垣作るその八重垣を
ワタシがクシナダヒメだったら、「まあ素敵」とうっとりするより、「どんだけ下手くそやねん」とどついたろかい、な感じだけど、これは和歌の始まりとして古今集の仮名序 by 紀貫之にも紹介されているしなあ。


・・・しかしここまで広く浅く調べても、まだ出雲熊野と紀伊熊野との関連はあまり見出せない。
やはり熊野三山に詣でるしかないのであろうか(^^)

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