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2009年12月16日 (水)

京都花園妙心寺 筑紫太宰府観世音寺

姪っ子が京都市右京区の妙心寺の近くに下宿してますのんや。

その妙心寺の梵鐘いうのが、筑紫太宰府の観世音寺の梵鐘と兄弟/姉妹関係に当たるのん、知ってはります?
調査の結果、同じ型から取られたことが判明しているのどす。

むかぁし、多分学生時代、どこかの博物館か何かの企画展示で、実際に両者を並べて置いてあったことがあって、その時初めて知りました。
何かの展覧会?に行った際、横っちょでなんや地味に展示してたのをたまたま見たような・・・

遠く離れて過ごしてきた二つの鐘が、幾百年の時を経ていま再会し、同じ部屋の中静かに対座している・・・・・・(そして自分は偶然その場に居合わせている・・・)
ちょっと鳥肌が立ちました。

室内の照明も全体に抑えられた中で、ダウンライトに照らされて、薄明にそれぞれの黒い姿が浮かび上がっていたことまで覚えている。

上から吊るすのではなく、陳列台に鎮座する形だったのはやや残念でしたが(まあ重量物だしね;ガラスはありませんでした)、その代わり、録音された二つの鐘の音が交互に流されていて、やはり音色や響きがそれぞれ微妙に違っていました。

いつも、このこと姪っ子に言わなきゃって(微笑)思ってたんだよね〜、でも会う時にゃいつも忘れてたような(汗)

京都で見たのか福岡だったのかもうろ覚えなんだけど、「こんなとこで太宰府!?」と思った記憶も微かにあるから、前者かもしれないな。

今回調べてみて、やっぱりもう一方が妙心寺の鐘だったことを確認。いずれも国宝!どすぇ。

何でも、妙心寺のものは内側の銘により698年に筑前国糟屋/かすやで鋳造されたことが明らかで、紀年銘鐘としては日本最古のものとか。言い換えると、1342年開山の妙心寺そのものより約2倍も長い歴史を持つわけである!どんな経歴を辿って花の都の花園の地に定まったんでしょうね。
今は法堂/はっとうの中にあるらしいす(妙心寺に二つある鐘楼のうち、昔は法堂の北西の鐘楼の方に懸かっていたと)。

この鐘は、古来、その音色が雅楽の音階の「唐調六種」の一つ黄鐘調/おうじきちょう(短調の一種だそうな)に合う「黄鐘調の鐘」としてあまりにも有名。

日本三大梵鐘というのは普通;
・大津の三井寺/みいでらすなわち園城寺/おんじょうじ(近江八景の一つ「三井の晩鐘」はこれ)
・宇治の平等院
・高雄の神護寺(あるいは奈良春日の東大寺)
の鐘をいうそうだけど、都の人々にはむしろ妙心寺の方がご近所の名鐘として親しまれたのじゃないかなー。

黄鐘調の鐘の件りは徒然草にも出てくる。まあ、兼好法師の住んでいた御室の双岡は花園からも近いしなぁ。(京福の嵐電でも妙心寺駅と御室駅は1駅の距離じゃなかったっけ?)

ちなみに兼好法師の本名は卜部兼好/うらべかねよしだけど、吉田神社(京都大学の東隣の)の神職の家に生まれたことから、死後に吉田兼好と通称されるようになった由。出家後の法名は本名を音読みしたもの。

これが方丈記の鴨長明なら下鴨神社の神官の出で、確か、宮司に次ぐ位階の祢宜/ねぎになれなかったんだ、かもねぎになりそこねたわけ(笑)。これも本来は「かものながあきら」とか読むはず。

一方、筑紫太宰府(古式に則れば大宰府か)の観世音寺(造営完了746年)の鐘は、無銘ながら、(同じ木型から取られているのだけれども)龍頭/りゅうず等の細部の特徴から、698年製の妙心寺鐘より古いとされており、従って日本最古の梵鐘となるそう。
こちらは今も鐘楼にかかっています(それもまたすげえな!)。近年では日本の音百景に選ばれた由。

いずれも、齢幾百年どころか、一気に千三百年超!7世紀のことですよ。鳴くよウグイス平安京を飛び越えて、まさかまさかの、なんと大きな平城京の建都以前!です。白鳳期ということになるのかな?すごいねえ。

ちなみに、筑紫の観世音寺から出土した創建時の瓦は「老司I式」と呼ばれてるんだって!現在の福岡市南区老司(ろうじ)にあった瓦窯で焼かれたのだそうで、これも7世紀に遡るとか。老司(ツルの実家のあるとこだったりする)も案外恐るべし。

なんか、ぜーんぶつながった感じぃ。

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