初夏の風 ?
ツルがなんとなく好きな詩の一つ、川上澄生の「初夏の風」。
かぜとなりたや
はつなつの かぜとなりたや
かのひとの まへにはだかり
かのひとの うしろよりふく
はつなつの はつなつの
かぜとなりたや
心がうずくような、情動が溢れ出すような、そんな若い詩だと思う。心の琴線にダイレクトに触れてくる感じ。
格調高いけど・・・
季節感まるで無視してるけど・・・
ちょとストーカーっぽいけど・・・
作者の川上澄生(1895-1972)は、木版画家であり、詩人であり、宇都宮の(旧制)中学教師であった人。
実はこの詩も、自作の版画作品の中に刷り込まれたもの。ちょっと不思議な絵かな。
この版画は3枚しか刷られず、1枚は栃木県立美術館に、1枚はやはり栃木の鹿沼市立川上澄生美術館にあり、そして残りの1枚は行方不明とか・・・
それでも彼の代表作として今でも人気が高いのは、エメラルドグリーン(珍しいよね)を基調としたいかにもさわやかな(それだけではないけれど)色合いや、平易なことばで思わず心の裡で口ずさみたくなるこの詩のせいもありましょう。
この絵はまた、棟方志功(一時、志昂だったかと)が版画家を志すきっかけとなった作品とされているのだそうで。
実はツルも実物を目にしたことはないんだけどね。一度は見てみたいものと思っている。
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