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2010年3月13日 (土)

似て非なるもの - ミーアキャットとプレーリードッグ

> ミーアキャットって
> 繁殖力すごいとかで
> 危ないんじゃなかったっけ?
> それともそれは
> プレーリードックだっけ

 

 

食い付いたね、アンタ(o\o)

 

ミーアキャットとプレーリードッグの相違と相似についてはツルも気になって調べたところである、既に(-.-)y-~

 

分類学上、ミーアキャットがネコ目(=食肉目)Carnivoraのマングース科であるのに対し、プレーリードッグはネズミ目(=齧歯目/げっしもく)Rodentiaのリス科。確かに体型も、プはカピバラやヌートリアっぽく鈍重巨大ネズミな感じ、対してミははしっこそうな印象ではある。
分布も、ミは旧世界のアフリカ南部の半砂漠地帯、プは新世界の北米の草原地帯。

 

また食性面から見ても、ミは肉食を中心とする雑食動物、プは草食動物。
食物連鎖の概念上はミがより上位に位置していることになるけれども、ただし、それぞれの生息地の生物相Biota(すなわち植物相Floraと動物相Faunaの総和)の豊かさには相当な違いがあるわけだから、単純比較はできないだろう。

 

ミはサソリを捕食することが知られてますな。サソリの毒に対し抵抗力があって、大事には至らないらしい。さすが、ヘビ食うマングースの仲間。というより、そんなアブナいものまで食べなきゃならないような厳しい環境に生育しているということでしょう。
と思ったら、サソリ食らう連中はイタチ科、ジャコウネコ科(マングース科は同科から近年独立した科である)などネコ目には案外多くいて、サソリの毒はいささか誇張されて喧伝されているというのが本当らしい。

 

そうは言ってもミの場合、そもそも雑食性を示すこと自体が、生息地の生物相あるいは生物量/Biomassの貧弱さを示しているのではあるまいか。

 

 

上記を総合して導かれるのは、ミが爆発的繁殖力を示すことは相当考えにくいのではないかという推論である。要検討。

 

 

一方プについては、北米プレーリーの生態系の重要な要素(i.e. プのいなくなった草原が砂漠化する)として保護されることもあれば、害獣として駆除対象とされることもあり、駆除には毒ガス等が用いられるほか、巣穴にホースを差し込んで生体を吸い出す掃除機様の駆除器具(@_@)も開発されている由。
つまるところ、日本におけるシカあるいはカラスに近い扱いなのではあるまいか。

 

プが害獣扱いされる理由は、草食動物だから植物への食害かと思ったらどうやらさにあらず。
ひたすら穴を掘りまくる穴居生活者のため、農作物に害を与えること、家畜が巣穴で足を折ること、スタジアム等の地面をボコボコにして使い物にならなくしてしまうことが挙げられている。

 

しかし、その繁殖過多による脅威(そもそも何に対する?)については、一説に直近1世紀で駆除等により個体数の98%が減少したとされること、数種あるうち絶滅危惧種入りしているものが複数あること、日本を含む輸出先で逸出個体の繁殖による固有生物相の撹乱の問題が特に発生していないようである(ヌートリア、タイワンリス、ワカケホンセイインコ、ブラックバス等を想起せよ)ことからも、特段の挙証のない限り失当であろう。

 

思うに、プ要保護説には、駆除そのものやその方法に対し、特に哺乳類に対する動物愛護の観点から残虐であると非難する主張が、他方、プ脅威説(if any)には、それらを正当化する意図が入り込んでいるかもしれず、さらにはそのいずれに対しても、人間偏重の立場を脱し得ていないという視点がまたあり得よう。今少し知見と考察を必要とするように思われる。

 

ややオーバードライブ気味につき話を戻しまして。

 

日本ではペット、もといイマドキ的にはコンパニオンアニマル(政治的に正しい表現)として認識されることもあるプだけれども、これに水を差したのが、ペスト等を媒介するとして実施された2003年の禁輸出入騒ぎで、米FDAが2008年に輸出禁止解除方針を出した後も、現在に至るまで日本政府は輸入禁止を解いていない(特定外来生物の問題が絡んでいるかと)。従って、現在国内で流通しているのは禁輸措置以前に輸入されたものの繁殖個体である。もっともプはこれらの感染症に対する抵抗性が弱くて数週内に死ぬので、いわゆる中間宿主化することはなさげ。
この意味ではまた日本におけるドブネズミに近い立ち位置か。

 

このように、プとミは対極的と言ってもよい特徴(名前だって、犬と猫。)を持っているのにもかかわらず、一般的に存する「どっちだっけ?」感はどこから来るのであるか。

 

一つには、両者とも群れを作って生活するという社会性の強い動物であることが影響しているのでしょう。

 

特に、捕食者predatorであるミでは、年長の若い個体(つまり兄姉)が年下の個体(弟妹)の世話をするヘルパー行動が見られ、サソリの捕り方なんかの高度な教育を行うらしい(こないだテレビでもやってた)。♀は出産してないのに授乳までやるってんだから驚きです。

 

ミの場合、1つの群れの中で繁殖に関わるのは基本的に1ペアのみ、従って上記のヘルパー行動はわりと理解しやすい気がする。
一方、プは一夫多妻型の群れなのだそうで、そのような行動はあるんですかねえ?特に♂は縄張り意識が強くて、草食動物のくせに争いの多いことは事実のようです。

 

相似点についてはもう一つ、両方ともしばしば直立することがよく知られている。ここが「かわいい」になるわけですな。
でも、プでは補食者の襲来に備えた見張り、ミでは朝に体を暖めるための日光浴という違いがあると。

 

 

まとめると、プは人間の生活に近接した領域で生息することに伴う問題があり、ミではハンターとしての本性(攻撃性?)に起因する問題があり得るにせよ、いずれも脅威と呼べるほどのものは認められないという結論が現段階では導かれるようです。
むしろ脅威にさらされている方かもしれなかったりして。

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