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2010年7月27日 (火)

松本 隆という作詞家がいる Ⅱ

薬師丸ひろ子つながりになっちゃうけど、松本 隆の作品をもう一つ。
繰り返すけど、決して松本 隆が好きなわけではないんですよ。

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Woman〜“Wの悲劇”より
 作詞:松本 隆
 作曲:呉田軽穂
 歌: 薬師丸ひろ子
 (1984.10.24リリース)


もう 行かないで
そばにいて
窓のそばで 腕を組んで
雪のような 星が降るわ
素敵ね

もう 愛せないと
いうのなら
友達でも かまわないわ
強がっても 震えるのよ
声が

ああ 時の川を
渡る舟に オールはない
流されてく
横たわった 髪に胸に
降り積もるわ 星のかけら

もう 一瞬で
燃え尽きて
あとは灰に なってもいい
わがままだと 叱らないで
今は

ああ 時の川を
渡る舟に オールはない
流されてく
優しい目で 見つめ返す
二人きりの 星降る街

行かないで そばにいて
おとなしく してるから
せめて朝の 陽が射すまで
ここにいて
眠り顔を 見ていたいの
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これも、彼女の主演した映画「Wの悲劇」の主題歌。

原作は夏木静子の「雪の山荘」スタイルの本格ミステリで、エラリー・クイーンの代表作「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」に対抗して書かれたという野心作です。

映画はこれを大胆に脚色し、舞台劇「Wの悲劇」の公演に取り組む劇団員のお話という劇中劇に仕立てている。
製作当初、公開予定時期からして撮影が夏になってしまうというので、「雪の山荘」を再現するために舞台上の話にすることとしたのだよね。

これはネタバレにならないと思うけど、脚色部分というのは、新米女優が大物女優のスキャンダルの身代わりとなり、それと引き換えに舞台の大役を手に入れるというもの。
実は、これは盗作ではないかとして問題になった。米国の作家アーウィン・ショウの短編集「夏服を着た女たち」に入っている「愁いを含んで、ほのかに甘く」で同様のエピソードを扱っているのだけど、それは措いといて。

自らのセックススキャンダルを新人に押しつけて身を守ろうとする驕慢な大物女優の役は、当時脂の乗り切っていた三田佳子が見事に演じ切った。
彼女はこの作品でその年の映画賞を総舐めにしているけれど、つまりは薬師丸のアイドル映画だから全て助演賞だったはずで、だから「なぜ三田に主演賞を出さないのか」という議論が巻き起こるまでになった。
まあ、その彼女も後年、実生活で息子の薬物濫用というスキャンダルにまみれたのは皮肉ですが。

まあ、このように下世話なストーリー(大映ドラマ的やね)ではあるんだけど、今やすっかり母親役が板に付いちゃった薬師丸ひろ子の、アイドル時代の代表作、言い換えれば記念碑的な作品であることは間違いないと思う。
そして、この映画の主演はやっぱり間違いなく薬師丸ひろ子だとも思います。

彼女のセリフ「顔をぶたないで、あたし女優なんだから」は一部のマニアに大変流行りましたよね?ね?(^^)

つまりは、映画全体が極めて演劇的というか劇場的というか祝祭的な気分に満ちている、そんな作品なんです。
だから、追い落とされて役を下ろされてしまった若い女優(演じるのはその後ドロドロ系昼ドラ「華の嵐」で大ブレイクする高木美保!デビュー作!)が彼女をナイフで刺そうとするシーンも、たとえ初めに観る時は唐突感を覚えても、二度目からはごく自然に入ってくるのだ。それはこの映画の劇場的な気分の中に取り込まれたということなんだと思います。

なんだか映画について力説しちゃったけど、主題歌の方は、松本 隆が作曲の呉田軽穂(松任谷由実のペンネーム)や歌唱の薬師丸ひろ子ほどにいい仕事をしているとまでは思わない。

敢えて言えば、「探偵物語」とは異なり、詞が映画の内容を実に婉曲ぅーに表していて、そこのところは優れて上等かなと。
そう考えれば「Woman〜“Wの悲劇”より」という微妙に変てこりんなタイトルも十分アリなんだと思います。

オリジナル音源と静止画↓
http://m.youtube.com/watch?guid=ON&xl=xl_blazer&warned=True&client=mv-google&hl=ja&gl=JP&xl=xl_blazer&v=XxvK4UaEI_c

ライブ映像、なにやら気合い入ってます↓
http://m.youtube.com/watch?guid=ON&xl=xl_blazer&warned=True&client=mv-google&hl=ja&gl=JP&v=AF03fKh-jeg&fulldescription=1

ユーミンのセルフカバーは大人なアレンジ↓
http://m.youtube.com/watch?guid=ON&xl=xl_blazer&warned=True&client=mv-google&hl=ja&gl=JP&xl=xl_blazer&v=jCAge1dsbP0

結局、何のかんの言うても、この下世話な映画が好きなんです、ツルは。

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