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2011年10月

2011年10月30日 (日)

嬉しいことー、その後。(最終回)

数珠丸探偵:
「・・・おわかりになりませんか、ツル代さん」

(ツル代、フランス窓から走り出てバルコニーの鉢をつぶさに調べる、やがて驚愕)

ああ、これは・・・!!

ツル代:
「ああ、これは・・・違う、違うわ・・・・・・これは、イングリッシュ・ホーリー!!!!」

数珠丸探偵:
「そうです、そのとおり。この木は黒い実のなるモクセイ科のヒイラギではなくて、赤い実をつけるモチノキ科のセイヨウヒイラギだったのですよ。泰西名画のクリスマスの場面に必ず描き込まれているあれです」

ツル代:
「わたくしの・・・罪でしたのね・・・・・・ああ!」

亀乃進男爵:
「泣かんでよか、ツル代しゃん。誰でん間違いはあるくさ」

ツル代:
「いいえ、いいえ伯父さま、そうではないの。あの降霊会の晩、月並斎さまの水占いでこの家に近々大きな星が舞い降りるという御託宣が降りた時から、わたくし、もしや父のことで何か報せがあるのではないかなどと考えていたのですわ。夜もあまり眠れなくて、明け方から空中庭園を歩き回っていましたの。
ですからあの子供が箱包を持ってきた時も、ああ御託宣の意味はこれだったのかと思ったのです。もちろん、どんな人に頼まれたのかその子を問い詰めてみましたけれど、よくわからない、痩せて背の高い上州訛りのある紳士だったと言うばかりで。父も酔った時には上州弁の春歌など放吟していたそうですし」

月並斎:
「アレはほんにエグかったでおじゃるの」

ツル代:
「あの箱には差出人の名前は何も書かれていませんでした。でも・・・やはりわたくし、あれが父からの贈り物ではないか、いいえそうであってほしい、そうに違いないと思い込んでしまったのです。わたくしの実の父、棘林柊麻呂からの」

亀乃進男爵:
「なんて、ツル代しゃん、そやけんあんたこの木がヒイラギち思うたて言うとね」

ツル代:
「ごめんなさい、伯父さま。わたくし、お父さま恋しさのあまりとんでもない過ちを犯してしまった・・・」

数珠丸探偵:
「貴女の本当の父上、棘林柊麻呂伯爵は七年前にシャムの密林で失踪されたままだ。貴女はお父さまが今も生きておられると信じていらっしゃるのですね」

亀乃進男爵:
「俺ぁ柊麻呂しゃんとは幼馴染みの大親友やった。ひいしゃん、かめしゃんて呼び合うてから。妹の百々千世もあいつに惚れとったとやが、親の決めた縁談で玉之裏の家に嫁いでしもうたとよ。ばってんそん時にゃもうツル代しゃん、あんたば身籠っとった。あんたば産んでから産後の肥立ちが悪うてとうとう亡うなってしもうたが。柊麻呂しゃんとの仲を引き裂かれてしもうたこつもいかんやったろう」

ツル代:
「そのあと亀乃進伯父さまに引き取っていただいて、今日まで実の娘同様に育てていただいたのに・・・」

亀乃進男爵:
「うんにゃあ、あんただんだん柊麻呂しゃんに面差しが似てきよる、血は争えんもんばい。
ばってんが金田一しぇんしぇい、あれがヒイラギじゃなかてどげんして気がつきんしゃったとですか」

数珠丸探偵:
「初めに妙だと思ったのは、いくら若木とは言え、この時季に一つも蕾をつけていなかったことです。モクセイ科のヒイラギなら秋遅くから冬の初めにかけて花を咲かせますからね。これが姿の似ているモチノキ科のヒイラギモチ、またの名をシナヒイラギやセイヨウヒイラギと呼ばれる植物ならば、花の咲くのは初夏ですから今蕾がなくてもおかしくない」

亀乃進男爵:
「ばってん金田一先生、シナヒイラギいうたらちぃと葉っぱの形が違うとりまっしょうが」

数珠丸探偵:
「そげんです、ああいや、そうなのです。シナヒイラギつまりChinese Hollyならば葉の棘が少ないからすぐに見分けがつく。けれどもEnglish Hollyにはヒイラギと見分けがつかないほどよく似た葉を持つものがあるのですよ。狡猾な犯人はそこまで計算に入れていたのです」

亀乃進男爵:
「ほー、とつけむなか。ふてぇがってぇどうじゃろかい」

ツル代:
「わたくし今気づいたのですけれど、他にも違うところがありますわ。ヒイラギの葉なら対生のはずなのに、この木は互生になっていましてよ。モチノキも確かに互生だわ」

互生か、対生か・・・??

亀乃進男爵:
「ツル代しゃん、あんたよう気のついたなあ」

ツル代:
「だって伯父さま、博多のお屋敷にヒイラギもクロガネモチもあるのですもの、それは剪定のたびに気がついてました。だのにわたくしあの時はすっかりとりのぼせてしまって、ちっとも気が回らなくて。恥ずかしいわ」

数珠丸探偵:
「いやいやそれも貴女の日頃の精進の賜物ですよ、ツル代さん」

世界坊和尚:
「じゃが金田一さん、儂にはまだわからんことがある。犯人はなぜこんな真似を」

数珠丸探偵:
「そこなのです。薮椿男爵、あなたは南方のコレクションの中に珍しい三尺芭蕉の木をお持ちですね」

亀乃進男爵:
「おう、あん太か木ですか。ありゃあ俺が南洋貿易で儲けた時にシャムの王さんから拝領したよかバナナですタイ」

数珠丸探偵:
「思うに犯人はこの門外不出の珍宝を狙っていたのではないかと」

世界坊和尚:
「金田一さん、そりゃ一体どういうことじゃな」

紅緒:
「あァら、そんなの簡単よ。この空中庭園もそんなに広くはないんだし、新しい鉢植えがたくさん入ってくればどれか他のを手放さなきゃなんないでしょ?そうなりゃ図体の大きいバナナなんて真っ先にお払い箱だわよ。まさに犯人の思う壺ってわけね」

数珠丸探偵:
「ご明答です。大洪水でいまやタイ国からのバナナの輸入も止まったままですし」

世界坊和尚:
「何とまあ手の込んだというか、馬鹿馬鹿しいというか、いやはや南無三千大世界」

数珠丸探偵:
「ここは一つ株を殖やしてオークションで売って酒代にでもしてやろうかい、などと考えたのかもしれません」

葵:
「ツル代お姉ちゃん、この木は結局」
菫:
「モチノキの仲間なのでしょ」

ツル代:
「ええ、そうなのよ」

葵:
「だったらよかったじゃない」
菫:
「ツル代お姉ちゃんのお母さんの名前に」
葵・菫:
「モチって言葉も入ってるわ」

ツル代:
「ええっ!?・・・玉之裏百々千世・・・まあ!!」

葵・菫:
「ほうらね、うふふふ」

ツル代:
「金田一先生、亀乃進伯父さま、わたくしこの木を心を込めて育てますわ、お父さまともお母さまとも思って。いつの日か輝く赤い実をつけるまで、冬もお部屋の中に取り込んで」

亀乃進男爵:
「おうツル代しゃん、そいがよかよか。ばってんあんたも草木ばっかし面倒見よらんと、よか人見つけにゃ行き遅るるばい、ガハハハ」

ツル代:
「まあ、いやな伯父さま!」

(一同の笑い声、空中庭園に響き渡る)

−大団円−
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ああ、ツルってヒマ人・・・(自爆)てか、これで正解外してたら超ハズいっす、つうよりただのバカっすね(*_*)

ちなみに、You-tubeで;
映画「犬神家の一族」サントラのメインテーマ「愛のバラード」by大野雄二(できれば1976年版ね)、
あるいはTVの「横溝正史シリーズ」の主題歌「まぼろしの人」by茶木みやこ(予告編映像つき!京マチ子の表情がエロい!)
を視聴してからお読みいただくと、雰囲気が出ますです。

嬉しいことー、その後。

ところが!である。
早速じゅず丸氏のブログにお礼の書き込みをしたところ、大層意外なレスが返ってきました。

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ヒイラギの件です。これだけは、さすがのツル様も見抜けなかったようです(笑)今あえて答えるのはやめておきましょう(プチS)
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おろ?ヒイラギにどげな恐ろしか裏技が隠されとうっていうとかいな。(通訳必要ですか?)

謎を呼ぶ斑入りヒイラギ

ヒイラギ・・・ヒイラギ・・・じつは真っ赤に紅葉するとか(なんぼなんでもそりゃあり得んか)、花の香りがモクセイ以上に高いとか(でもヒイラギモクセイぢゃないし)、芽出しが黄金色だとか(そりゃまあありかな)、実の色が黒じゃなくて赤だとか(そりゃヒイラギちゅうよりホーリーやろが)・・・・・・・・・はっ!そうかっ!!そげなこつやったとかっ!!!!

!! た け 解 て 全 は 謎 !!

探偵小説のクライマックス風にいうと次のような具合でせうか。

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(薮椿邸、秋色深まる空中庭園@下丸子を臨む応接室にて)

金田一数珠丸探偵:
「・・・あの深夜の降霊会の翌朝、何者かから届けられた小包の中にあの木は入っていた。そうですねツル代さん」

玉之裏ツル代:
「ええ、わたくし、少し考え事をしながら空中庭園を散歩していましたら、婆やがお勝手で何やら騒いでまして」

お種:
「いえね、なにぶんあたしも寄る年波で朝が早うござんしょ。そのあたしがまだ目も開ききらないような時分に呼び鈴が鳴りましてサ。こんな早くに誰じゃやらと思うて出てみれば、ひどく身なりの粗末な子供が立ってましてたんで。ああいった手合いも近ごろはhomelessとやら呼ばなければ政治的に不適切なんたら申すのでござんしょう?またぞろ物乞いかと思って追い返そうとしましたら、そうじゃない、この箱包を届けるようにことづかったと、こう言うじゃござんせんか。冗談じゃないそんなものは受け取れぬ、いいやこのお屋敷のお嬢さんに必ず渡してくれと頼まれたんだと押し問答になったところにツル代さまが」

ツル代:
「わたくし、少し思うところもあって婆やをなだめて受け取ったのです。それで皆の前で開けることにしましたの、朝のお茶の時に。そしたらあの鉢植えが」

数珠丸探偵:
「そうして、食堂にお集まりだった方々は、その木をヒイラギだと皆さん信じ込まれた。しかし、そこに犯人の巧妙な心理トリックが隠されていたのです」

ツル代:
「ええっ金田一先生、でもあれは間違いなく斑入りヒイラギだったはずですわ。犯人からのメールにも確かに『ヒイラギの件』と・・・」

数珠丸探偵:
「いいえ、そうではないのですよ。思い出して下さい皆さん、初めにあれがヒイラギだと言い出したのはどなただったでしょう?」

薮椿亀乃進男爵:
「そう言やぁ・・・ありゃああんた、ツル代しゃんやったばい」

数珠丸探偵:
「そうなのです。箱の中には六つの鉢植えが入っていました。植物の好きな貴女は素敵な贈り物だわと喜んで、一鉢ずつ取り出していかれた。まず、貴女と同じ名前を持つ薮椿の銘花『玉之浦』」

ツル代:
「そうです、あれこそわたくしが長いこと探し求めていた椿でした」

数珠丸探偵:
「そして貴女はすぐに、この贈り物がそれぞれ一族ゆかりの方に宛てられたものであることに気づかれた。
二つ目は白一重の雪椿、『夕月』です。これは京都にある薮椿家のご本家、宇多野小路月並斎さんに因むものでしょう」

月並斎:
「金田一はん、あての名前に入っているのは「月」だけではおじゃりませぬか」

数珠丸探偵:
「いいえ、お名前の中の「多」の字を崩せば「夕」の字になるのですよ」

月並斎:
「あれまあ、考えたものでおじゃるのう、ほほほほほ」

数珠丸探偵:
「次の『金世界』は薮椿家の恩人、雪椿山金鶴寺の世界坊和尚になぞらえた黄斑入りの錦葉椿ですね」

世界坊和尚:
「恩人とはおこがましい限りじゃが、うちは薮椿家の菩提寺じゃからな」

亀乃進男爵:
「うんにゃあ和尚、うちのもんは和尚には足向けて寝られんとですけん。兄貴の萬之丞が出家するて言い出した時もえろう世話焼いてもろうてから」

数珠丸探偵:
「得度して扶桑院幸萬法師と名乗ったあなたのお兄さん萬之丞さんは、二人のお孫さんを遺された。双生児の姉妹、扶桑院葵さんと菫さんです。ハイビスカスすなわち仏桑華とも槿とも判らぬ四つ目の鉢植えはもちろん、お二方のためのものでしょう」

葵:
「あたしたちは二人で」
菫:
「一つもらっただけなのに」
葵:
「ツル代お姉ちゃんは」
菫:
「一人で一つだなんて」
葵・菫:
「ずるぅぅい〜」

ツル代:
「あらあら、わたくしがいくらでも挿し木で殖やしてあげますわ」

数珠丸探偵:
「五つ目の百日紅は薮椿男爵の身の回りの世話をしておられる猿尾ヶ瀬紅緒さんに宛てたものです」

紅緒:
「あら金田一さん、はっきり言っちゃってよ、薮椿男爵の愛人なんだって。どうせあたし花や草なんかてんで興味ないし。そりゃあプレゼントもらうのは嬉しいけど、帝金堂のルビィの指環の方がよかったわ。ねえ聞いてる?旦那様ぁ」

亀乃進男爵:
「ちょっ、こげんかとこでやめとかんかい紅緒」

数珠丸探偵:
「ツル代さんはそうやって順に声に出していかれた。そして最後に、まあなんてきれいな斑入りの柊かしらと言ってあの木を取り出されたのです。いつも庭仕事に精を出しておられる貴女のツルの一声で、居合わせた一族の方は皆あれがヒイラギだと信じてしまわれた、いわば集団催眠にかかったように。犯人はその盲点を巧みに突いたのですよ。メールが届いたのはその直後でした」

亀乃進男爵:
「ばってんありゃあ俺も確かめてみたが、ただのヒイラギの斑入りやったばい」

数珠丸探偵:
「皆さんが見間違えたのも無理ありません、本職の私も初めは騙されたのですから。確かにあの木はヒイラギとしか見えなかった、でも真相は違っていたのです。おわかりになりませんか、ツル代さん」

(ツル代、フランス窓から走り出てバルコニーの鉢をつぶさに調べる、やがて驚愕)

ああ、これは・・・!!

〜〜次回に続く〜〜

嬉しいことー。

極めて地味にやってる本blogでありますが。

この春、blogつながりで川崎のさる若い植木屋さんと知り合いまして。(といってもお会いしたことはありませんが。)ご自分でも好きで果樹やら花木やらを鉢植えで育てられてる由。

夏にはこの方の母校の野球部が甲子園のベスト4まで勝ち残ったそうで、ご祝儀として手持ちの植物を読者の皆さんにプレゼント!というなんとも気前のよい豪気な企画をものされたのでした。送料まで自分持ち!いよっ、太っ腹ッ!!
で、あつかましくもツルめが応募したところ、当たっちゃいまして・・・リストの中に、前から欲しかったヤブツバキの「玉之浦」が入ってたんですもん。戦後間もない昭和22年、長崎県は五島列島の「玉之浦」という土地の山中で、炭焼職人により偶然発見されたという天然の品種。こんな花が咲くやつ↓

鮮やかな白覆輪(になるはず) かくなる美花が天然モノだなんて

聞けば、他にもいろいろ見つくろって送って下さるそうで。わくわく。
途中、仕事上不慮の怪我をされたり(マツの葉で目を突いちゃったんだとか(>_<))といった不運を乗り越え、ついに先日、送っていただきましたがな。なんと6鉢も!びつくり。

まず、お目当てのヤブツバキ「玉之浦」でしょ。

玉之浦

ついてますねえ、蕾(にやにや)。10年ぶりの再会です。前に育ててた株は、確か高校の時に通販で買ったから、20年ぐらい持ち込んでたのだ。大風の時に鉢からすっぽ抜けて枯れちゃったけど(泪)

そして、「夕月」と「金世界」。夕月は一重の白椿、金世界は斑入り葉で有名な椿、多分どっちもユキツバキ系。

夕月 金世界

ユキツバキは分類上ヤブツバキCamellia japonicaの変種だか亜種だかとされていて、東北地方の日本海側に産する。母種のヤブツバキが比較的丈高く伸びるのに比べ、主幹がはっきりせず、ブッシュ状に育つらしい。豪雪地帯ならではって感じですね。実はツルはヤブツバキ系しか作ったことがないのだ・・・勉強しまっす。

それからサルスベリ。わずかに一輪咲き残ってた花びらから察するに赤花かな。ひょっとすると姫性なのかもしれない。

サルスベリ

無人庭園@博多実家に生えてきた白花のサルスベリは、今年テッポウムシにやられてるようであまり調子がよろしくないです。根元におがくず状のフンがいっぱいだった・・・ひこばえもわんさか出てきてたし。ここはもうテッポーダン(テッポウムシ対策の薬剤の定番ね)の出番でしょうか。

斑入りのヒイラギも誠にきれいなもんです。

斑入りヒイラギ

地上庭園@下丸子の共有庭の一角、デッドスペース的な3畳ほどの空き地に植えちゃろうか。気息奄々としてるヒイラギナンテン(うう、ビミョー)なんか抜いちゃってさあ。ヒイラギならそれほど日当たりも欲しがらないのじゃないかな・・・結構虫に葉っぱを食われちゃうかなあ。

そして、最後の謎の一鉢。
ムクゲ?ハイビスカス?

箱を開けたら初めに目に飛び込んできて、一瞬、シッサス・エレンダニカの斑入りかと思った。えーと、グレープバイン・アイビーだっけ。でも、よく見たらムクゲかハイビスカス。どっちなんだろう?こりゃ来年の夏に咲くまで楽しみに待とう(笑)

じゅず丸さま、ほんとうにありがとうございました。大切に育てますネ!

2011年10月23日 (日)

地上庭園番外編@ふつかいちのそのまた番外編

実は、考え始めた時、背後にカイヅカイブキが植わってることを聞いていなかった。で、コニファー類って手もあるなと思っていたんです。でいろいろ書いてみたところでカイヅカイブキの件が判明したので、こりゃまあないわなと。でも、一応アップしときます。


コニファー類
なかなかに多義的かつ複雑な一群なので、まず頭の整理から。
この名称は最広義には針葉樹(≒植物学的に言う裸子植物)のことですが、通常、(少なくとも日本の)園芸界では、マツ科(マツ属、モミ属、トウヒ属、ツガ属、ヒマラヤスギ属など)のうちのマツ属や、ヒノキ科スギ亜科(旧スギ科:スギ属など)、および落葉する針葉樹は除いて考えられているように思います。より狭義には、ヒノキ科(ヒノキ属、アスナロ属、ビャクシン属、コノテガシワ属、イトスギ属など)つまり簡単に言えば鱗状の葉を持つ針葉樹を意味し、さらに最狭義にはその中のビャクシン/Juniperus属を指すのではないかなと(ヒノキ属なんかは高木になるから園芸上使いにくいなんてことも関係してるかも)。
見方を変えれば、昔はコニファー類と言えばカイヅカイブキ(ビャクシン属)かコノテガシワという感じだったのが、だんだん外来の種類が増え、範囲が広がってきたのだと思う。
このように広範囲な植物の総称なわけですが、今回イメージしたのは、這性すなわち矮性のコニファーで、特に灰青色の葉色を持つもの。街中でよく見かけるのはハイビャクシンあたりの仲間ですかねー。ちょっと変わった葉色なのでよろしいかと。

ハイビャクシン ニイタカビャクシン Blue Star


デメリットは、(花らしい花が咲かないってこともあるけど、)種類により丈夫さがかなり異なることではないでしょうか。例えば、小型のクリスマスツリー用などにたっくさん売られている「ゴールド・クレスト」(イトスギ属)は、成長は早いくせに、高温多湿に弱くて数年のうち夏に枯れてしまうのがオチ。

ゴールドクレスト

かと思うとカイヅカイブキのように丈夫なものもあるし。
また、全般に日照を好みますが、反面、thickな繁みを作るため、枝葉が混み過ぎて北側の枝や下葉が枯れ上がりやすい傾向があり、そばに他の植物が植わっている場合も同様。かと言って萌芽力も強くはないので、ヒノキ科で刈り込みを強くかけると、鱗状葉(ヒノキみたいな)に代わって針状葉(スギみたいな)が生じてしまい、数年は鱗状葉が出てこない。マメにちょこちょこ剪定するのがよくて、できれば刃物を使わず指先で成長点をピンチするぐらいがベスト。
そもそも論としては、明らかに照葉樹林帯である九州になぜわざわざ針葉樹を、てなところも気にならないではない。
注意すべき点はもう一つあって、ビャクシン属の場合、バラ科ナシ亜科(ナシ属、ボケ属(カリンを含む)、マルメロ属、リンゴ属など)の植物(マルス類と言ってもいいのかな?)に「赤星病」を引き起こす菌類の中間宿主であること。コニファー自体にはあまり被害が出ないけど、マルス類には相当の害を及ぼし、感染力もかなり強くて影響範囲は2km内とも4km内とも言われ、ナシの産地では条例でビャクシン属の栽培を禁じているところもあるくらいです。カイヅカイブキの根方にボケを植えるなんてのは最悪なわけ。

スカイロケット
スカイロケット1 スカイロケット2
地上庭園番外編@ふつかいちのそのまた番外編

コロラドビャクシンの園芸品種の一つ、超スリムな姿で知られるコニファーです。シャープでスタイリッシュな印象で人目を惹くこと請け合い。
ただ、立性のコニファーでよくあるトラブルが、実は成長が早いことと、浅根性であるために倒伏しやすいということ。スカイロケットの場合、これを防ぐ意味もあって先端の成長点を止めるピンチを続けていると、案外樹形が太くなるようです。
もちろんこの欠点を改善した品種もあって、ブルーアローなどは成長も緩やかで横太りしにくいようだけど、ここらへんになると業者に頼むよりネット通販などで探す方が確実かもしれないですね。

2011年10月15日 (土)

地上庭園番外編@ふつかいち その3

つらつら考えていると、灌木より少し大きい中低木を1〜2本植えて、草ものや蔓ものを添えるというのも選択肢としてはあるのじゃないかと思えてきた。

むろん、この場所にはあまりスペースはないし、人の導線にも近いし、後ろにはカイヅカイブキが迫ってるしだから、横広がりしにくいことはもちろん、心理的な圧迫感を与えないという意味で、thickな繁みを作らない種類を選ぶことがポイントになると思いますが・・・なかなかそんな木もないので(特に常緑樹は)、ほんの少しだけ。

ただ、この考えを採り入れるならば、この中低木は必ずしも常緑樹である必要はないのではないかと思えてきます。そうなるとまたかなり選択肢が増えますね。

オリーブ
オリーブの若い実 熟すと黒紫色に

モクセイ科。背丈は灌木と中低木の中間といったところで、枝は混み合わず、葉色も淡くて、いかにも洋風でライトな感覚のものです。逆に言うと、元気よく育っている感じを出しにくいかも。分枝が少ない分、やや姿を整えにくそうな印象も持ってます。
ちなみに、自家受粉しないため結実には2品種以上植えることを要しますが、そもそもオリーブは加工が面倒で、油を取るにもピクルスを作るにも手間がかかるものなので、あんまし実成りなんて考えないで、姿を楽しむ鑑賞樹ぐらいの気持ちでよいのでは。

ローズマリー
ローズマリー(濃色) ローズマリー(淡色)

木本性のハーブから一つ。立性のと匍匐性のとあるので、中低木とも灌木とも言えるでしょう。コニファー(針葉樹類)みたいな葉っぱだけどシソ科で、薄紫の花を見ると確かにシソ科特有の形をしています。
これも街なかで割合見かける。あまり手入れがされてなくてもそこそこ繁っている感じだから、丈夫なのだと思います。

ユズ
ユズの実り

えっ!?という感じの柑橘類をば。柑橘類なんて、芋虫(アゲハの幼虫)はつきやすいし、鋭いトゲはあるし、樹としてはそれほど美しいものでもないし・・・であるにもかかわらず、敢えて挙げてみた。

視点を全く変えて考えてみたんです。
「その場所にその植物を植える意義は何か?」
これを突き詰めて考えた場合、これまで挙げてきた草や木は、いずれもそうした意義は見出だしづらい(いきなり全てをひっくり返すのかよ)。「このマンションにアガパンサスを選ぶ理由は?」「福岡県筑紫野市二日市という場所にオリーブを根付かせる意義は?」なんて、そりゃまあありませんよね。
ふと気になって調べてみたら、筑紫野市の木はツバキ、花はサルビアだそうで。サルビアといっても最近は多義的だしと思って深掘りしてみると、いわゆる伝統的な赤いサルビア、すなわち緋衣草を指してました。

ツバキ サルビア

うーん、いずれもいまいち使いづらい・・・まあ、ネモフィラ挙げるならサルビアもありかってとこだけど。そもそも「なぜ筑紫野市(という土地)の花がサルビアなのか」という意義は・・・って、しつこいからやめとこう。

こうした観点に立って、一旦一歩退いてみる感じで、「ここって一体どういう場所なんだろう」と考えてみたわけです。

筑紫野市

このマンションは二日市温泉という温泉地帯にあって、「温泉つき」が最大の売り。隣の老舗温泉旅館の源泉からお湯を引いてきてる由。お風呂は全戸温泉の上、マンション住人専用の共同浴場まであって、夕方になると洗面器やら石鹸やらシャンプーやらを抱えた人たちがエレベーターに三々五々乗り込んでくる、てなもんであるらしい。まあ、内湯使うより広くて気持ちいいし、掃除の手間もなくてラクだし(笑)、他の住人さんとのコミュニケーションも取れるわけだしね。ツルも入ったことがある。
それでですよ。柑橘類を敷地内に植えといて、うまく実がなれば冬至の頃に共同浴場の湯槽に浮かべるってすると、なんか楽しくない??「このマンションに柑橘を植える意義」なんて大上段に振りかざした問いかけも、キレイに片がつきそうです。
柑橘類の中で育てやすく美しげで邪魔にもなりにくいのはなんといってもキンカンだと思うけど、金柑湯ってのもちょっとビミョーかなって感じなので、ここはやはりユズあたりかなと。安全面からは、「とげなしユズ」「一才ユズ」「花ユズ」などのとげが出にくい品種ということになるでしょう(一才ユズや花ユズは厳密にはユズの近縁種だかになるらしくて、香りや果汁量は劣るようですが)。

2011年10月 8日 (土)

セージいろいろ

ちょっと、チェリーセージSalvia microphyllaの画像をアップしそびれてたので。

チェリーセージ

これはバイカラーの品種「ホットリップス」です。小さいけれど、鮮明な赤。

この花と好対照をなすのがメドウセージ。

メドウセージ

Salvia guaraniticaだ、いやほんとのメドウセージはSalvia pratensisだ、といろいろうるさいことです。これまた鮮やかな深青色。花は少し大きめで、丈もあります。あ、チェリーセージも結構高くなるか。

この2種がSalvia属の中でも抜きん出て鮮やかな花を咲かせる感じ。いずれもハーブとしてはほとんど用をなさないのも同じ(笑)

あ、いわゆる赤いサルビア、Salvia splendensも原色系ですね。

サルビア

ついでに、コモンセージ、別名ヤクヨウサルビア、Salvia officinalisも。

コモンセージ

こっちはいかにもハーブの花らしい、だらけた色です(辛口)。

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