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2012年11月 4日 (日)

似て非なるもの - 大阪万博 vs 愛知万博

2005年の愛・地球博の時、確か「大阪万博以来初のEXPO!」的なことをアピールしていて、一体これは何なんだろと思った記憶があったんで、調べてみた。

 

厳密には、「国際博覧会」or「万国博覧会」つまり万博と呼べるのは、「国際博覧会条約」に基づき「博覧会国際事務局」(BIE:パリ)で承認されて開かれるものだけ。
で、これには「登録博(旧:一般博)」と「認定博(旧:特別博)」の区分があって、例えば今年開催された韓国の麗水/ヨスは海洋をテーマにした認定博です。

 

昔懐かしい1970年の大阪万博すなわち「日本万国博覧会」は当時の一般博。開催するにはまず国内で上記条約の批准承認手続が必要というわけで、日本は開催申請直前に国会で決議したそうな。来場者数は実に6,400万人超(@_@)

 

大阪万博

 

これとパラレルな関係に立つものは、今のところ、愛・地球博or愛知万博のみ。日本で開かれた唯一の登録博ということになってます。(目標1,500万人→実績2,200万人)
ただこれも、特別博として申請中に制度が変わり、認定博になるのかと思ったら登録博で開催されたという経緯があるそうで。

 

1975-76年の海洋博すなわち「沖縄国際海洋博覧会」(450万人→350万人)、1980年のつくば博すなわち「国際科学技術博覧会」(2,030万人)、1990年の大阪の花博すなわち「国際花と緑の博覧会」(2,000万人→2,310万人)はそれぞれ当時の特別博だった由。
つまりは分野が一つだけか二つ以上にわたるかという区分だった。

 

これが、淡路花博すなわち「ジャパンフローラ2000」や、浜名湖花博すなわち「パシフィックフローラ2004(および第21回全国都市緑化しずおかフェア)」(540万人)になると上記には該当せず、国際園芸家協会(AIPH:ハーグ)の認定する「国際園芸博覧会」という位置づけ。

 

より正確を期すると、大阪花博はAIPH認定の「大規模国際園芸博覧会」であり、従って当時BIEにより「国際博覧会」として自動承認された、ということらしいです。
淡路と浜名湖は「小規模国際博+大規模国内博」認定という格づけね。

 

60億円の黒字を叩き出したポートピア'81すなわち「神戸ポートアイランド博覧会」(1,610万人)、90億円の大赤字を残した1988年の札幌の「世界・食の祭典」(目標400万人→実績170万人)、1989年の横浜みなとみらい21地区の「横浜博覧会」(1,333万人)、同年の福岡のよかトピアすなわち「アジア太平洋博覧会」(誰も覚えとらんか;でも目標700万人→実績823万人)、1995年に中止に追い込まれた東京お台場の都市博すなわち「世界都市博覧会」(1996年予定)、成否もいろいろあるけどこれらはみな「地方博」というポジション。

 

こうして見てくると、つくづく、「万国博」というイベントの意義の低下が感じられる(そんなもの、二昔も前から言われてたじゃねえかよ)。
海外旅行はおろかガイジンさんを街中で見ることも少なかった頃の日本に「世界」が大挙してやってきた大阪万博や、アメリカから返還(1972年)されて間もない時の沖縄海洋博と、ネットが世界をつないでいる今とでは、国際性が違うことはもちろんだけどさ。

 

70年代の博覧会とは何が違うのか。一言で言えば、「熱気」とか「輝き」としか言いようがない気がする。
ツルは大阪万博の時はまだ小2で行かせてもらえなかった(「そんな人混みの中に出て行ったら身体壊すばい!」的な感じで)けど、海洋博は体験しましたよ、母親と二人で。中1の少年の目に沖縄は確かに違って見えた。

 

沖縄海洋博

 

あ、これって、札幌五輪(1972年)と長野五輪(1998年)の違いでもあったような気がします(さすがに1964年の東京五輪は記憶にないぜよ)。

 

そもそも、人類の文明の進歩とかその将来の展望とか、そういったものをテーマに据えること自体、終焉に近づいてるってことでしょう。20世紀型の、工業化を前提とした科学技術はもう万博のテーマたり得ないかもしれない。「ものづくり」を決して否定するわけじゃないけれど。

 

それでもまだ、日本でオリンピックを開くなんてのよりはまだいいかも、なんて思っちゃったり思わなかったり。
つまりはオリンピックも、万博になぞらえて言えば特定分野の特別博ってことでしょ。いくら「スポーツの感動を!」と言ってみたところで、例えばテレビの販売台数にも表れているように、スペシャルなイベントとしての神通力は衰えているはず。オリンピックイヤーだからといってテレビが(あるいはパソコンが?)ばんばん売れまくる、なんてことはもうないわけです。ならば、万博の登録博/一般博みたいな多分野モノをちゅどど〜〜んと打ち上げた方が、「がんばろう日本」とか「この国を元気に」なんて観点からは「効果的」なのかも。

 

現実的には、そんなお祭り騒ぎより前にやることがある、日本が元気になっていくためには東日本大震災にまつわる諸々の問題を避けては通れないだろ、と思いますが。乱暴に言えば、そここそが1995年の阪神淡路大震災と違うところなんじゃないのかと。

 

あ、そういう風に考えていくと、「日本震災復興博」とか「地球温暖化防止博」「少子高齢化博」「世界医療向上博」「緑化農業食糧博」てな考えに行き着いてしまうのか。あんまり元気にもならんかしら。
その意味では上海万博が最後の20世紀型万博だったのかも。

 

現在のBIEの規定では、国際博覧会の登録博は前回開催から5年の間隔を置くことになっているそうで、2005年の愛知の次が2010年の上海だった。へー。次はミラノなんだとか。どんなテーマ性を盛り込むんでしょう。

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