« 【番外編】ここなす姫騒動記(からすけくん 改め やまどん・からの助 改め からすまる・那須烏山市章) | トップページ | もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その36:トリトマちゃん・さんぞくん) »

2013年5月 7日 (火)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その35:つるまる)

(承前)

 

ヒツジキャラとカラスキャラを出した流れで、動物性塩キャラ、見ていきましょう。

 

そもそも、ご当地キャラクターで取り上げられやすいアイテムの筆頭は、都道府県市町村のシンボルと呼ばれるもの。
これが「県の花」とか「市の木」とかの植物の場合だと、やはり誰もが知っていて、かつ一般家庭でも育てやすい種類が選ばれることが多い。そりゃまそれでいいんだけど、結局、日本全国どこでも似たり寄ったりの草木が居並ぶことになっちゃうわけです。Localityを志向してたはずのご当地シンボルの、いわば塩キャラ化。おそらく一番多いのはツツジじゃないでしょうか、サクラではないと思う。

 

でも、少数派ながら、「ご当地にしかない」的レア物の例もある。

 

栃木県(旧)上都賀郡(かみつがぐん)足尾町
 町の木 シラカンバ
 町の花 コウシンソウ

 

「コウシンソウ」なんてご存知でした?ご当地の背後に広がる「庚申山」に自生するタヌキモ科ムシトリスミレ属の食虫植物で、環境省レッドリストの絶滅危惧II類/Vulnerable、ご当地の自生は国の特別天然記念物に指定されている。好きだなー、こういう珍奇植物。園芸おたくの心の琴線かきむしり。

 

コウシンソウ

 

がしかし、足尾町は2006年3月に日光市と合併してしまった(旧足尾銅山と日光東照宮、なかなか結び付かないよね)。で、その日光市の現在のシンボル類ですが;

 

市の花
 ニッコウキスゲ
 ヤシオツツジ
市の木
 モミジ
 シラカンバ
市の鳥
 カワセミ
 ウグイス
市の魚
 ヒメマス
 イワナ

 

コウシンソウは漏れちゃいました・・・マイナー過ぎましたかね。うーん、平成の大合併というもの自体からして、塩キャラ的要素を持っているのかもしれない。

 

中にはややこしいケースもある。福岡市の場合はこう↓

 

市の木
 町の木 クロガネモチ
 広場の木 クスノキ
市の花
 夏の花 フヨウ
 冬の花 サザンカ
市の鳥
 野山の鳥 ホオジロ
 海の鳥 ユリカモメ(これなむ都鳥。)

 

ツルの出身地なんですがね。あー、せからしかー!一つずつでよかろうもんて。
けど面白い、海を持たない日光市が「市の魚」を制定していて、玄海灘に面する福岡市が決めてないっていうのは。案外そういうものかもしれないな。

 

都道府県市町村のシンボルでいうと、でも、動物系のものはだいぶ減る。農耕民族だってことも関係してるんでしょうか。その中では多いのが「鳥」、次に「魚」でしょう。鳥で一番多いのは多分ウグイスじゃなかろうか。(魚についてはまたいずれ。)

 

ついでに挙げとくと福岡県の場合は;

 

県の木 ツツジ
県の花 ウメ
県の鳥 ウグイス

 

うへえ、なおさら塩キャラ的。ウメは太宰府天満宮のゆかりでまあ外せないとこ、ならばウグイスも当然、てなことになるんでしょうがね。ツツジを「木」として見るのもちょっと気になるけど。

 

これが塩キャラとなると、動物系シンボルをメインに据えたものはほとんどなくて、【その21】の袋井市「フッピー」と【その27(の2)】の那須烏山市「ここなす姫」ぐらい。植物系シンボルをモチーフにしたものがわんさかあるのとは対照的です。
ツルとしちゃやはりですね、シンボル/キャラクターたるにふさわしい鳥となれば、北海道阿寒郡鶴居村の「村の鳥」、タンチョウを強く推したいところです、ウグイスだのカモメだのよりも。ま、ツルにとっちゃ親戚筋に当たる鳥ですから(フフフ、これが言いたかったのさ。因みに標準和名は「タンチョウヅル」ではなく「タンチョウ」なのだ)。しかし残念、そんなキャラクターは鶴居村には存在せず、代わりにこんなものが見つかる。

 

北海道釧路市・川上郡弟子屈町(てしかがちょう)
釧路湿原・阿寒・摩周観光圏協議会
釧路湿原・阿寒・摩周観光圏キャラクター
つるまる
今井好美(30歳:大阪市:イラストレーター)
つるまる

 

-----
[タンチョウ]をモチーフに大人からお子さままで親しまれるかわいいゆるキャラに描きました。
[マリモ]のポシェットをつけ、体は摩周湖、釧路湿原の自然を表現しています。キャラクター全体で釧路湿原・阿寒・摩周観光を表現しました。
シンプルでわかりやすいデザインですので縮小や単色に耐えられ、グッズや様々なご使用ができます。
-----

 

お久しぶりです、【その23】の浦安市「うっぴー」以来となる今井好美です。

 

まんま[タンチョウ]ではあるんですがね。
黒鶴真鶴鍋鶴姉羽鶴、鶴もいろいろある中に、これは鶴の王とも言うべき丹頂の鶴が、気品も何もかなぐり捨てちゃいました。はぁぁ。ツルなのに首がないなんて!ツルなのに脚が短いなんて!(もしリアルにツルっぽかったら三次元化に困るでしょうけど)
[マリモ](なんと顔入り!)ともども、国の特別天然記念物ですよ、ハンパねえ。いつもと違う意味で特盛りっす
で、相変わらず「キャラクター全体で・・・表現しました」なんてことを宣ってるのもアレですが、「体は摩周湖、釧路湿原の自然を表現」に至っては馬鹿げているとしか言いようがない。文字に残すな、こんな内容(の空虚なもの)。

 

この「つるまる」のデビューには、JALの「鶴丸」マークの復活が絡んでいる。
以前書いたことがあるけど(cf. 2009.02.19「続 家紋夜話」)、2002年10月に日本航空が日本エアシステムと経営統合した際、従来の鶴丸は廃され、「The Arc of The Sun」なる新ロゴがとって代わった(1985年8月の群馬県御巣鷹の尾根のジャンボ機墜落事故や1987年11月の民営化も影響しているだろう)。その後鶴丸は徐々に機体から外されていき、2008年5月をもって完全に姿を消した。
しかし一方、1959年から使われていた鶴丸マークには存続・復活を望む声も多く、2010年の同社経営破綻を経た2011年4月、「創業当時の精神に立ち返る」として8年半ぶりに復活する。

 

JAL新ロゴ

 

実質的には、確か民営化のあたりから別途コーポレートロゴをいろいろ使い始めていたから、約20年ぶりとも言えるんだろう。
Janet Jacksonや、千代の富士関をはじめとする大相撲力士御一行様で「只今、JALで移動中。」のCMを打ってた頃です。

 

新生JALをアピールするのにロゴを旧に復する(細部には変遷があるが)というのもどうなんだって気はするけど、でもそれはNational Flag Carrierとしてこれほど美しくかつわかりやすい、強いデザインのものが他にはなかったからだと思う、ツルは。

 

枝葉はこのぐらいにしてと。
この鶴丸の正式復活に際し、2011年2月28日、JALは新ロゴ第1号機のファーストフライトを羽田ー釧路間の特別チャーター便として行った。このローカル便が選ばれたのは、いうまでもなく釧路湿原がタンチョウの生息地だから。味な真似をしたもんです。
で、当日、この飛来に合わせてご当地の釧路空港(愛称「たんちょう釧路空港」)では歓迎セレモニーが開かれ、ここで「つるまる」もお披露目されたという次第。
「釧路湿原・阿寒・摩周観光圏」の中になぜ阿寒湖を擁する阿寒町が入っていないのだろうと思ったら、2005年に釧路市と合併してました、やれやれ(摩周湖は弟子屈町にあります)。この協議会、釧路市阿寒町行政センター観光商工課内に置かれているようだから、実質的には旧阿寒町が音頭を取っているのかもしれません。

 

何だかなー、ご当地プロモーションと企業ロゴ、どっちがどっちに便乗してるんだか。キャラは2010年8〜10月の募集、鶴丸復活の発表は2011年1月だから、キャラの方が先行してるんですけどね(笑)

 

― Inspired by「鳥の物語」より「鶴の話」(1945)中 勘助(1885.05.22〜1965.05.03)―

« 【番外編】ここなす姫騒動記(からすけくん 改め やまどん・からの助 改め からすまる・那須烏山市章) | トップページ | もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その36:トリトマちゃん・さんぞくん) »

Visual界:キャラクター/シンボル/ロゴ」カテゴリの記事

コメント

こちらでははじめまして
ブログにコメントありがとうございました

こちらのブログでモチベーション下がったわけじゃ、本当ないんで
いつも楽しく拝見してますので・・・お気を使わせてしまってすみません
あとこちらのブログを勝手に紹介してしまい、申し訳ありませんでした

何度かこちらに書き込もうと思ってなかなか書き込めないままでいたんですが、今日はせっかくツルさんにうちのブログにおいでいただいたので、書き込ませていただきますね

もう既にご存知だったり、紹介済みかもですが、私が見つけた塩キャラ(っぽいのも含む)をこちらでアップさせていただきたいと思います

●大分国保
http://www.oita-kokuhoren.or.jp/view.php?type=ndetail&tday=20130227&ttime=142758

肝心なキャラクターがまだ未掲載ですが、「大阪市在住 塩﨑エイイチ様」の作品です。

●御所市
http://www.city.gose.nara.jp/img/kikakukankou/34si55/4character.pdf

お名前は塩●様ではないですが・・・っぽい。

●東神楽町
http://www.town.higashikagura.lg.jp/01oshirase/01news/2013-0401-1109-43.html

キャラクターではなく、ロゴでしかも最優秀賞ではないけど優秀賞で「大阪府大阪市 塩崎エイイチ様」入ってます。

●愛南町
http://www.town.ainan.ehime.jp/news/detail.html?gmenu=2&lmenu=1&new_rec=2757

まだ決定してませんが、上位38作品が発表されました。10作品くらいっぽいのが入ってます。
ちなみに私のも入ってました~!

●大阪市一般廃棄物適正処理協会
http://osakaipk.or.jp/character/index.html

っぽいような違うような・・・どうでしょう?

●ボートピア梅田
http://www.suminoe.gr.jp/umeda/index.htm

既に紹介されてましたっけ?
これは確定だと思いますが・・・。
梅田でポスターよく見かけます。

とまぁ、こんな感じでした。
長々と失礼しました。
また覗きに来ますね

まついさま

おお、書き込みありがとうございます!しかも宣伝までしていただきまして!

こちらこそ貴サイトに突然襲撃をかけちゃったりしてスミマセンm(__)m驚かれたのじゃないかと思います。

まついさまもご本職でらっしゃるのでょうか。やはり、塩の塊はいやでもいろいろ目に入ってきちゃうんでしょうねえ。

●大分国保
はいはい、これはツルもチェックしてまして、画像が上がってくるのを今や遅しと待ち構えている状態です。まるで熱烈なファンみたいに(汗)。

●御所市
これはつい先日、ご当地在住の方から書き込みをいただきました。高木茂則(敬称略!)は、塩崎一族が採用された茨城県大子町や鹿児島県天城町のキャラクター公募でも優秀賞に入っていました。細部に微妙な違いがあるにせよ、作者名を伏せられたら区別のしにくい、「錯塩」ですよね。

●東神楽町
これは存じませんでした。画像が公開されてないのが残念です(笑)ちなみに、キャラクターだと「歩美」系が、ロゴだと「栄一」系が多いんですよ。

●愛南町
作品、拝見しました!ちょびっとだけダークさとアイロニーが利かせてあるのがまついさまの作風かとお見受けしました。まだまだライバル多そうですね!

●大阪市一般廃棄物適正処理協会
深川重一(敬称略!)ですか!愚blogでも取り上げたことがあります。
塩キャラとかそのパクり品と一口に言っても、やっぱり細かな差異や傾向はあるもので、門外漢のツルもこのシリーズを始めてから早半年、そこら辺どうにかやっとわかってきたところです。その中でこの人の場合は、とにかくいろんな人の作風を真似ているという印象を持っているんですよね。作風の幅が広いというわけではなくて、ぶっちゃけ、見境がない気がします、ツルは。
ただ、深川重一は塩崎栄一とは別人だと思いますよ。どちらも一度(だけ)、顔出ししているからです。(2012.01.03〜05 「【番外編】その川は本当に深く淀んでいないのか」)

●ボートピア梅田
これは初めて知りました!しかも2点ですか!どちらも確かに真正塩キャラそのものって感じですねえ。惜しむらくは、ネット上ではどこにも作者名が出てないみたいですね。だいぶ調べてみたんですが(汗)

これからもよろしくお願いします!

ツルさん、こんばんは~
お返事ありがとうございます
私、本職じゃないんですよ~。
いつかそういう道に進みたいな~という気持ちもありますが。
公募は2月くらいから急にやりはじめました・・・。
イラスト描くの好きなんでデジタルでも描けるようになるよう練習がてら(というといいかげんみたいに思われるかもですが)やってます。
だからイラレやフォトショを本格的に使いはじめたのもここ最近ですね~。
たかがゆるキャラ、されどゆるキャラ。
勉強がてらとはいえ、毎回、真剣に考えております~
大阪市営地下鉄の御堂筋線「梅田」のホームや「ホワイティーうめだ」という地下街に着ぐるみ うめぼー(ボートピア梅田のキャラクター)の看板があるんですが、私の友人が躍動感があって素晴らしいと褒めておりました~

まついさま

いやーーん、そんなおともだちには愚blogのことを教えてあげて下さいまし(宣伝かよ;爆)

まついさまらしいキャラ、楽しみにしとりますけん!!

塩キャラの存在を本日はじめて知り、その奥(闇?)の深さ驚いております。
地元の学校にも進出していましたのでとり急ぎご報告いたします。

http://goo.gl/1jzgqc

節操がなさすぎます…。

塩キャラを世に知らしめるお仕事、陰ながら応援しております。

セコマコセさま

はじめまして、ツルと申します。過分なお褒めにあずかりながら、お返事が大変遅くなり申し訳ありません。
また、貴重な情報をどうもありがとうございます。

ははあ、この作者ですか。渡辺のことは、2013.01.22の「Pakuri Goes Round & Round...」にちょっと深掘りして書いていますので、よろしかったらご覧下さい。その時はパクられの立場だったのですけれども。

今回頂戴した情報を拝見して、あることにも気づきましたので、そのうち必ず取り上げさせていただきますね。

今後ともご贔屓のほど、よろしくお願いいたします!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その35:つるまる):

« 【番外編】ここなす姫騒動記(からすけくん 改め やまどん・からの助 改め からすまる・那須烏山市章) | トップページ | もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その36:トリトマちゃん・さんぞくん) »

2022年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想