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2013年5月16日 (木)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その36:トリトマちゃん・さんぞくん)

(承前)

 

動物性塩キャラでは、いわゆるご当地シンボルに由来するものは非常に少ないわけだけれど、これがご当地グルメがらみとなるとまた状況は一変する。ほれ、そーゆーの、巷で流行ってまっさかい。

 

前回からの鳥つながりで、鶏キャラ見てみましょう。かしわ、ってやつね。考えてみれば、食材になる(つまり屠られてしまう)動物をキャラクターにしちゃうってのも無慈悲なことではありますが。

 

岐阜県中津川市
中津川名物料理 若どりトマト丼協議会
若どりトマト丼マスコットキャラクター
トリトマちゃん
房本正美
トリトマちゃん

 

いきなりの[かぶりモノ系]です。若い身空で[丼鉢]をかぶって、[トマト]をまとって、文字どおり己が身を売りさばきつつ歩む[若鶏]の姿、お箸付き。何の因果か[食べられ系]のさだめ、額に[お品書き]まで刻まれて

 

若鶏は 哀しからずや
 赤茄子の 朱の色にも
  染まずただよふ

 

白鳥は 哀しからずや
 空の青 海のあをにも
  染まずただよふ
       牧水

 

お久しぶりの、作者は【その15】の群馬県明和町「キクちゃん」以来となる房本正美です(【その14】に書いたとおり、愚blogではこの房本正美をも塩崎一族の一員と見なしてをります)。
というより、房本作品は現在のところこの2点しか見つからない、ネット上では。しかも居住地不明ときている。その意味で、彼女を塩崎一族の一員と見なす根拠は、前回の今井好美の場合より薄弱だということにはなる。それでもこの類似具合、ツルには区別がつきかねます・・・

 

しかしなぜこれを見ているとチキンラーメンを思い出してしまうんだろう。連想ついでに言えば、ツルは「トリトマ」って聞くとツルボラン科(旧 ユリ科)の園芸植物を思い浮かべます。

 

トリトマ

 

「若どりトマト丼」と聞いただけですでにB級グルメ感たっぷりですが、ご当地が2007年頃から仕掛けているこの丼の大きな特徴は、お店ごとに味つけや調理方法が異なるということ。ご当地の「株式会社トーノーデリカ」の飼養した若鶏と(-.-)y-~、トマトとお米さえ使っていれば、煮て食おうが焼いて食おうが自由なんです。価格は単品1,000円(税込)以下の縛りがあるけど。
なんと、丼じゃなく皿で供したってよろしい。その場合、キャラクターはトリトマちゃんから鶏とトマトと河童のキマイラちゃんに変ずるのであろうか。

 

つまりは外食を中心としたグルメなわけです(宇都宮と浜松の餃子バトルも思い起こされますな)。2011年9月の同協議会発足当初はこれを提供するお店は23店舗。目指せ50店舗ってことで、2011年12月にこのキャラクターを制定、その後愛称を募集して2012年5月6日の「第46回中山道中津川宿六斎市(ろくさいいち)・春の中山道まつり」で愛称表彰式も行って盛り上げてみました(選ばれたのはご当地の小学5年の男の子)。努力の甲斐あってか、2012年10月には33店舗まで増えてる由。
スタンプラリーなんかもやっちゃうし、味つけ自由っていうのも実は極めて戦略的なのさ。料理人の腕次第、個性尊重路線ですが、キャラはあくまで没個性テンプレ的(笑)

 

次の[食べられ系]キャラも同じアプローチです。

 

長野県松本市
松本商工会議所
松本山賊焼応援団
マスコットキャラクター
さんぞくん
塩崎あゆ美(30歳:グラフィックデザイナー)
さんぞくん さんぞくん2)

 

ご安心下さい、こちらは正真正銘、真正塩キャラでございますよ。企画発表からデザイン公募、愛称公募を経てお披露目まで、5ヵ月もかけて仕上げられております。

 

この鳥もニワトリなんでしょうねえ。雰囲気としてはハヤブサかチョウゲンボウあたりの小型猛禽類って感じですが。
「一目で松本山賊焼のキャラクターと分かって頂けるように、山賊に扮した鳥をモチーフにし」と作者コメントにはあるけれど、いーえ。[山賊]はわかるけど、「松本」も「グルメ」も伝わりませんよ。だからこそ[鉢巻き]に[お品書き]までつけちゃったんでしょうが(辛口)。

 

一体「山賊焼」とはどんな料理か。『鶏のももやむねの一枚肉をにんにく、しょうがなどが入った醤油ベースのたれに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げたもの』だそうで。えええ!?揚げ物なの!?山中で荒くれ集団がちんたら油料理?

 

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山賊焼は長野県の中信地方と西日本で昭和20~30年代から食べられている鶏肉を使った郷土料理ですが、長野県と西日本では山賊焼の調理方法は異なります。
山賊焼の名前の由来は各地に様々な説があるようですが、松本では「山賊は旅人の物を取り上げる → トリアゲル」から「鶏を揚げた料理」を山賊焼と名づけたという説などがあります。
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しゃらっと駄ジャレかよ・・・

 

で、松本食堂事業協同組合青年部というところが2004年からこのローカルフードに注目してPRを始め、2006年には「松本山賊焼」の名称をつけ、2012年10月30日、「松本山賊焼応援団」の設立に至った。着ぐるみお披露目はその直後、11月3日の「まつもと市民祭」において。

 

つまりはこれも飲食業界からのアプローチなんですよね。
しかしねえ。「これじゃ山賊焼じゃなくて山賊揚げだ」とか「これってただの唐揚げじゃん!」というクレームが観光客あたりからつきそうに思うのは、ツルの杞憂でしょうか。

 

(続く)

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