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2013年11月

2013年11月29日 (金)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その69:京都府地域力再生)

(承前)

前回、↓の作品を評して;

岡山県都窪郡早島町
健康づくり推進運動 シンボルマーク
(優秀賞)
平山陽一(鹿児島市:グラフィックデザイナー)
早島町健康づくり(平山案)

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もう、塩気が効いてるとか錯塩だとかの騒ぎではない。120%塩キャラそのものです。
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だの

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『アッラーの名にかけて、余も全くもって見分けがつかぬ!』
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だのと書きました。

ずいぶんはっきり書いちゃったもんけど、それは2013年10月発表のこれ↑に先立って、2007年9月発表のこれ↓があるからです。

京都府
京都府地域力再生活動 ロゴマーク
塩崎栄一
京都府地域力再生

うげえ。もう何も言うことはないわ。(だからぁ、偶然なんかは信じないってば。)活動的な少年の姿をイニシャル[K]で表してるんだとか。
アラ?なんで京都のは「ロゴマーク」なの?「ロゴ」になってる気がしないんだけど。

実は京都府も早島町もシンボルと同時にスローガン的なものを公募していた。

京都府地域力再生活動 キャッチフレーズ
「ふるさと京都に わく夢 わく知恵 わく元気」
小寺光雄(三重県四日市市)

早島町 健康づくり推進運動 キャッチコピー
「人が元気 町が元気 ファイン早島」
宗近加織(早島町:会社員)

みーんなみんな、元気っす!!もう、見分けがつかないぐらいにネ

(続く)

2013年11月28日 (木)

【番外編】平成の世に 多き不訶思議(国交省中部技術事務所・早島町健康づくり)

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『このデザインを盗まれた成瀬重道にまつわる物語もまた、この話に劣らず摩訶不思議なものにございますれば』
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成瀬は確かにひめっちのデザインを、まさよや榮一によって利用されたのかもしれない。しかし、この作家のことを調べてみると、次々にまた新たな事実が現れてきて、その度に心が折れ腰が砕けた。

まずはこれから。

愛知県名古屋市東区
国土交通省 中部地方整備局 中部技術事務所
マスコットキャラクター
杜多利香(兵庫県)
中部技術事務所

何のためにこのなんとか事務所がキャラクターを作ったのかがよくわからんのですがね。

2004年12月吉日の発表なんです。ひめっちよりさらに古いのに、[白線つき道路]も[街路樹]もすでに現れているではないか!前回のルーツ、修正っm(__)m。良いデザインは輪廻する(爆)。

それだけではない。踏み出した足を[白抜き]で表すのは駒井の専売特許のように思っていたので(塩崎一族にも、ごく例外的な場合を除いてこれは見出せない)少なからず意外だった。・・・と思ったら、同じ公募で駒井も入賞しているではないですか。

(事務所長特別賞)
駒井 瞭(大阪府)
中部技術事務所(駒井案)

やはり「白抜き」でございましょう?それに、余人には到底真似のできぬ「血飛沫を上げる右手の指先」も、はっきりと示されております。(「●●した股間状の何か」はここには表現されてをりませぬが。)

『インシャラー!余は段々に面白うなってきたぞ』

杜多利香と言えば、父親の杜多利夫と共に自治体章公募の大御所。平成大合併華やかなりし頃、とにかくばんばん作りまくっていた神戸の一族。ツルが今までに確認できただけでも;

〔杜多利夫&利香〕
熊本県宇城市(うきし)(cf. 2013.09.26「Les Enfants Terribles(下)」)
山口県大島郡周防大島町
鳥取県八頭郡八頭町(やずちょう)
宮城県東松島市
秋田県北秋田市
鹿児島県南さつま市
北海道茅部郡森町

〔杜多利夫〕
京都府木津川市
静岡県菊川市(きくがわし)
富山県高岡市
石川県鹿島郡中能登町

〔杜多利香〕
鹿児島県肝属郡(きもつきぐん)南大隅町
熊本県上益城郡山都町(かみましきぐん やまとちょう)
和歌山県紀の川市

など14もの市章/町章に採用されている(@_@)。自治体シンボルマークまで入れればさらに相当増えるでしょう。愛知県豊橋市の田中博士、青森県弘前市の工藤和久一族と採用数のトップ争いを繰り広げ、いわば平成時代の自治体章のde facto standardを作り上げていった立役者なわけ。丸ブー、すなわち「丸にブーメラン」スタイルの大氾濫を招いた大罪があるとも言えます(>_<)。
しかし杜多親子と田中は平成大合併の終息とともに公募界から姿を消したようで、次の波、ご当地キャラにはほとんど手を出していないみたい。

因みに周防大島町章の公募では利香が利夫の長女とある。これは本来、娘が複数いる時にしか使われない表現なのではなかろうか。塩崎家同様、杜多家に次女(以下)がいるかどうかは未確認ですが(^_-)。

『続いては、打って変わって新しい、今年10月決定のこちらでございます、シャーリアール王さま』

岡山県都窪郡早島町(つくぼぐん はやしまちょう)
健康づくり推進運動 シンボルマーク
成瀬重道(熊本県上益城郡山都町:自営業)
早島町健康づくり

これではまるで駒井 瞭ではないか。「大きな円弧を描くリップ」と「小さな丸で表されるチーク」こそ、まさに駒井のスペシャルテンプレート(しかし厳密には、駒井作品ではチークカラーが口角両端の下側に来るのであるが)。イニシャル[は]をプラットフォームにしてるそうなんですがね。

でもそれだけではない。次点作品を見てみると目玉が飛び出て胸が塞がる。

岡山県都窪郡早島町
健康づくり推進運動 シンボルマーク
(優秀賞)
平山陽一(鹿児島市:グラフィックデザイナー)
早島町健康づくり(平山案)

もう、塩気が効いてるとか錯塩だとかの騒ぎではない。120%塩キャラそのものです。こちらはイニシャル[h]をモチーフにしたというんでしょう。赤、青、緑の[三色水滴飾り]も塩崎一族作品ですでに何度か見てきたところ(cf.【その45】・【その49】・2013.08.19【PNまつり 第3弾】)。

『アッラーの名にかけて、余も全くもって見分けがつかぬ!』

『ムハンマドのモスクの壁をアラベスクとカリグラフィのモザイクタイルが余すところなく荘厳し尽す如く、パクりは無限に増殖し反復し連鎖し、世の中を覆っているのでございます』

結局、成瀬も平山もコピーキャットなのか・・・ VSOP, Very Special Old Pakuri。しかし、考えているうちにもっと恐ろしい幻想が立ち上がってくる。氏名を使い分け、年齢を詐称することができるのであれば、住所だって同じことが起こり得るのではないか?近畿と九州、離れてはいるけれど、成瀬=駒井、平山=塩崎、そんなことは絶対にないと言い切れるのであろうか?

『シェヘラザードよ、そなたの語りたる不思議こそ余の心を慰ましめたぞ。そなたの顔は白くなった(*)』

(*「汚名を雪いだ」、「面目を施した」意のアラブの比喩)

2013年11月26日 (火)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(第六十八夜:ひめっち)

(承前)

『さればでございます、シャーリアール王さま』
あくる日、陽が落ちて後宮に夜の帳が降りると、シェヘラザードは再び語り始めた。

『この「ひめっち」こそ、世になき絡みの中から生まれ出たキャラなのでございます・・・・・・』

兵庫県姫路市
ひめじ街路樹アダプト制度 シンボルキャラクター
ひめっち
塩崎榮一(67歳:大阪市:グラフィックデザイナー)
成瀬重道(46歳:熊本県上益城郡山都町(かみましきぐん やまとちょう):建築士)
ひめっち

江田島市「アダプトくん」と、プラットフォームこそ[ヒト系]か[へのへのもへじ系]かという違いはあれ、盛りアイテムの[ほうき]+[白線つき道路]+[街路樹&草花]はかっちり重なります。「草花のお世話と[ひめ]じのみ[ち]を歩くことが大好き」で「ひめっち」、とは無理くりのご愛敬でありまするが。

アダプトくん

『しかしシェヘラザードよ、斯くの如き塩キャラなど世にまこと溢れておるではないか』

『さりながら、王さま。思い出されて下さいまし。「アダプトくん」の公にされたるは2013年10月、「アダピィ」は2010年』

『うむ、さらばいかがいたした』

『しかるにこの「ひめっち」は2008年に世に出ておるのでございます』

そう、アダプトくんもアダピィも、ひめっちより後に作られている。もっとはっきり言えば、アダプトくんの[ほうき]も[白線]も、アダピィの[ほうき]も、ルーツはこのひめっちにあったのです。

『塩キャラが相似ることなど疾うに聞き飽いておる。余はそのように退屈な話を聞くためにそなたの命を生かしておるのではないぞ』

『アッラーの御名にかけて!これはまだ物語の序の口にも至っておりませぬ。どうか妾の話を聞こし召して下されませ』

どこから見ても塩キャラと思ったら早合点。これは、大阪の榮一と熊本の成瀬、二人の作品を組み合わせたもの。今までになかったパターンです。いかなるプロセスを経て互いの了解を得たのでしょう。御褒美の山分けなども如何に(^-^;。

二人の作品がどのように融合されたのかは、次の記載から伺い知れる。

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(2008.11.26 神戸新聞 抜粋)

姫路の[ひ]を図案にした塩崎さんの作品に、[道路の中央線]や[ほうき]を入れた成瀬さんの案を採り入れた。
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『なんと・・・・・・今なんと申した!?』

つまり、より正確に言えばこうなります。今井弘実のアダプトくんの[ほうき]も[白線]も、塩崎まさよのアダピィの[ほうき]も、ひめっちのうち、成瀬の考案した部分を借りたものと考えられる、と。
これをパクりと言わいでか!

『アッラー・アクバル、神は偉大なり!イスラムの律法においてそれは剽窃を意味するものであろう』

『聡明なるイスラム世界の君主、シャーリアール王さま。誠に仰せのとおりでございます。しかしながら、このデザインを盗まれた成瀬重道にまつわる物語もまた、この話に劣らず摩訶不思議なものにございますれば』

『おお、いと賢きシェヘラザードよ、余はその話とやらを何としても聞きたくなったぞ』

しかしその時、早くも曙の最初の光の矢が放たれ、シェヘラザードはまた淑やかに口を噤んだ。

・・・ええとね、ツルはこういうアダプトプログラムみたいな積極的行動のシンボルこそ、前に見たような集団キャラがふさわしかろうと思うんですけどねえ。

(続く)

2013年11月24日 (日)

【番外編】障害者をイメージで弄るな(しまね ゆめいくカンパニー)

やっぱり、シンボルマークの呪縛から逃げおおせない。【その65】で次のものをぶった斬ったわけですが。

三島市障がい者週間 シンボルマーク
塩崎エイイチ
三島市障がい者週間

これに酷似する作品があったんですね!

島根県
しまね障がい者就労応援企業(しまね ゆめいくカンパニー)ロゴマーク
金織寿々加(島根県八束郡東出雲町)
しまね ゆめいくカンパニー

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やさしさの象徴にハートで表現し、人と人との交友を、微笑んでいる顔と握手により表現しました。全体的にやわらかいイメージになるよう作成しました。
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たまげました。ツルは初め、「はぁ、三島の塩キャラをパクりやがった錯塩モノだな」と思った。ところがそうじゃなかった!実は島根の方が2年ほども早い。つまり、三島が島根を、エイイチが金織をパクったと考えられるんですよ。(偶然?そんな言葉はこと塩キャラについては信じないぞ。)
やっぱり「笑顔の障害者」「障害者はやさしさと仲良し」というStereotypeは変わらない。それって実は健常者の優越感の裏返し。「やわらかいイメージになるよう」というのも根っこは同じこと。まあ、右手と左手が握手してるというデザイン上の欠点は解消してありますがね(冷)。

さらに言うと、これらよりもっと早い[ハート系ダブルフェイス]が、同じく【その65】で取り上げた「やまぐち障害者雇用推進企業 シンボルマーク」。つまり時系列に従えば;

〔山口県:アユミ〕
〜2009.08.07 募集
2009.09.14 発表
 ↓
〔島根県:金織〕
2009.09.24〜11.16 募集
2010.02.23 発表
 ↓
〔三島市:エイイチ〕
2011.10.03〜10.31 募集
2011.12.07 発表

となる。いろーいろ思わされますねえ。ひょっとしてエイイチは島根の仇を三島で取ったつもりなのだろうか。いずれにせよ三島ジモティはたまったもんじゃありませんね。(だから高柳先生専属に・・・笑)

この事業の愛称「しまね ゆめいくカンパニー」(by 北村純一:神奈川県厚木市)はロゴマークと同時に公募されたもので、「夢・育」と「You make」を掛けとるんだそうな。ふんっ。

この「しまね障がい者就労応援企業」というのも変な制度で、(a)「障がいのある方を積極的に雇用している企業」だけでなく、(b)「障害者就労支援事業所等から多くの商品・サービスを購入している企業」まで認定対象としている。つまりはこれに認定されると入札で優遇されたりもするらしい。「グリーン購入」みたいな感じですね。
しかしです、この言葉で(b)の意味まで含ませるのはかなり厳しい。抜け道っぽいじゃん、ちょっと納得いかない。けどそんな例は全国に数多くて、ざっくり言うと、「雇用」とあれば(a)、「就労」の語であれば(a)+(b)の意味に取るべきものみたいです。

もう一つ、お気づきになったでしょうか。この公募では「障害者/障害」と「障がい者/障がい」を細かく使い分けているんですね。因みに一次審査を行ったのは島根県の「障害者福祉課」、最終選考したのは「島根県障害者就労支援事業所工賃倍増計画策定委員会」。(おお、堂々の24文字!それにしてもこの突拍子もない計画は何なんだ)
イヤですねツルは。基本的に「漢字/かな交ぜ書き」が嫌いということもあります。デジタル化の進展とともに最近は少なくなりましたが、「あっ旋」「えん罪」「き裂」「石けん」「歩しょう」「じん肺」「そ撃」「でん部」、全部NG、ツル的には。「少女ら致される」ももちろんダメ。

でも、これはちょっと違う問題。当たり障りのないように書き分けてあるわけ。「障害者」と書いたって、「障害者が社会に害悪をなすという考え方を助長する」なんてツルは微塵も思わない。そんなの、似非同和と同じレベルの脅しです。

まあ、要らぬツッコミはこのくらいにしておきましょうか。

2013年11月22日 (金)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その67:アダプトくん・アダピィ)

(承前)

このところ、やや古めの[へのへのもへじ系]だの[丸ブー]だの、「子育て応援」だの「男女共同参画」だのばっかり見てていささか飽きてきたので(爆)、今回はいかにも塩キャラらしいものを取り上げます。となれば塩崎一族の最近のマイブームは、今井弘実名義による応募、なわけで。

広島県江田島市(えたじまし)
アダプト制度 マスコットキャラクター
アダプトくん
今井弘実(大阪府)
アダプトくん

これはどこかで・・・確かな既視感。そうこれ。

【その9】
長野県大町市
しなのおおまちキャラクター
(特別奨励賞)おおちゃん
塩崎あゆ美
おおちゃん

2012年2月の公募で次点に終わったコレをちゃらちゃらと化粧直しした感じ。お腹の[市章]盛りから、頭の[キラッ]と光ってるところまで。ちょろいちょろい。
ああ、猛烈に塩キャラだわ。愛称とワンセットの公募ですが、アダプト制度でアダプトくんってネーミングまでが極めて塩キャラ的!2013年10月、つまり先月発表されたばかりです。

アダプト制度というのは、街の清掃や美化を地域住民がボランティアで行い、行政がこれを側面から支援する制度。Adaptじゃありませんよ、Adoptです。すなわち「養子」の意味。公園や道路や街路樹などを「養子」に、市民(より正確には「地域住民」だろう)を「里親」に見立てて、我が子のように愛情を持って面倒を見る、世話をするというもの。行政側は活動に必要な道具類を提供したり、イマドキ的にはボランティア保険の加入を行ったりする。二人三脚的な説明がされるわけですね。テキサスで1985年に始まり、日本でもこの15年ほどで急速に広がって今や500ヵ所以上で行われているそうな。
行政にとってのメリットはずばり経費削減でしょう。地域にとっては環境美化に加えて、その活動自体がコミュニティの維持再生の意味も持つのじゃないかな。ちょっと危険な香りもするけど。

そんなわけで、キャラは[ほうき&ちり取り]+[道路]+[街路樹&草花]あたりがテンプレ化します(なんぼなんでも高速道路の清掃はせんだろうに;笑)。[市章]+[江田島ミカン]でご当地保険かけといたのも選考側にはウケたんでしょう。はあ、やっぱり発想はいつもと一緒か。

でもさあ。いくら特産とはいえ、ご当地アイテムとして「江田島ミカン」はちょいと弱いんじゃねえの?広島ならやっぱシカとか紅葉(饅頭)とかさあ。
そう思ったアナタもワタシも極めて正しい(ツルもどっぷり塩キャラDogmaに染まっております)。実はそれらのアイテムは既に採用済みだったんですよ、2010年12月から。同じ広島、同じアダプト制度の塩キャラで

広島県
広島県アダプト制度 マスコットキャラクター
アダピィ
塩崎まさよ(イラストレーター)
アダピィ

うっへーーー・・・・・・、言葉が続かない。厳島神社の神使[シカ]+県の木[モミジ]に、[寄り目ハイライト]で幼児性強調。春日大社のシカだと言い張れば、奈良県のアドプト制度のキャラにもなりそうです。頭飾りは奈良県の県の花、いにしえの寧楽の都のナラヤエザクラあたりに差し替えていただくとして。
そして[ほうき&ちり取り]+[県章]の発想はまんま今井の「アダプトくん」に受け継がれたわけです。やっぱり、今井弘実は塩崎一味以外の何者であろうか。

こういう場合、江田島市内で広島県の「アダピィ」の活躍する場面などあるんでしょうかねえ?

脱線ですが、実は広島県は全国47都道府県のうち唯一、「県の花」を正式に制定していない。その代わり「県の木」のモミジを「県の花」としても扱っている慣行があるんだそうな。ただし、モミジの花(地味ぃなやつです)そのものではなく、秋の紅葉を花に見立てたものだそうです。・・・ややこしいぜよ。

『しかしながら、シャーリアール王さま。アダプトキャラにまつわるテンプレ噺、ここで終わるものとはゆめ思し召しなさいますな。さらに遡ること2年、「ひめっち」の物語こそ、この話よりずっと奇妙にも趣深いものなのでございますから。』
シェヘラザードはこう語ったが、折しもそのとき昇る朝日の最初の光が窓から射し込むのを見て、慎ましく言葉を止めた。

(続く)

2013年11月20日 (水)

【番外編】志とは裏腹に Part 2(やまぐち男女共同参画推進事業者・旭市章・やまぐち男女共同参画推進・山口市男女共同参画推進)

(承前)

あの、タイトルは書き間違いじゃないっすよ。

立志にはこういう例もあるんですよねえ。

山口県
やまぐち男女共同参画推進事業者 シンボルマーク
立志哲洋
やまぐち男女共同参画推進事業者

うぉ、しょっぺーー!な錯塩ですが、イニシャル[山]がモチーフなんだそうで。「和歌山のW」とかじゃありませんよ。2007年の募集、2008年の制定です。

これのルーツは和歌山どころか、3年遡った千葉にあった。

千葉県旭市
市章
安部喜明(福岡市:デザイナー)
旭市章

こちらのご当地は2005年7月、旧 旭市と香取郡干潟町(ひかたまち)・海上郡海上町(かいじょうぐん うなかみまち)・同 飯岡町が対等合併してできたところ。合併後の2005年8〜9月に募集をかけ、10月に制定された新しい市章です。

作者の安部によれば、イニシャル[a]をモチーフにして(+_+)、ご当地の将来都市像「ひとが輝き海とみどりがつくる健康都市“旭”」をイメージしたというんですがね。

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[青色]は海を、[緑色]は豊かな自然を、そして全体のシルエットは、それらの自然と大地の恵みの中で、健康で元気はつらつと躍動する旭市民と、未来へと飛躍する活力ある旭市の姿を表しています。
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ああ、今までしこたま聞かされた気のするフレーズの連打、そして代わり映えのせぬ[色使い御託]。

もとからテンプレ的な安部の丸ブー仕事を、立志がさくっと拝借して、テンプレ的にアレンジして、結局ああなった。オリジナルを超えることは難しい、というより、オリジナルを超えようなんて発想自体、ありはしないんでしょう。

もっと言いましょうか。山口県の立志作品には一つ根本的な欠陥があるのではないか。男性=青、女性=ピンクとしたデザイン自体が、役割固定を(無意識のうちに?)具現化しちゃってるんではないの?男女共同参画の理念とケンカしてないか?この選考メンバーには当然女性も多く入っていたろうから、その辺りは敏感に感じ取ったはずだと思うのだけれど。ジェンダーフリー推進のシンボルとは(一応)違うのだから、そこは誰も問わなかったということだろうか?わかりやすさと旧弊さとは紙一重、両刃の剣です。

これって結局、引き出しの多い少ないとか、何描いてもワンパターン化するとかの問題ではないだろう。何も考えない、きちんと対象に迫らないからこうなるのではないか。それは選考側にも応募側にも言えること。

【ご参考】
ご当地の場合、「やまぐち男女共同参画推進事業者 シンボルマーク」とは別にこんなのもありますので、くれぐれもお間違えあそばしませぬよう。

山口県
やまぐち男女共同参画推進 シンボルマーク
(作者不明)
やまぐち男女共同参画推進

MANの[M]+WOMANの[W]を「上下なく対等となるように」左右の羽として、イニシャル[山]をデフォルメして胴体とし(ちょっとビアズリーの隠しサイン風)、全体では県の鳥[ナベヅル]が大空にはばたく姿で男女共同参画をシンボライズしている由。天にありては比翼の鳥、地にありては連理の枝(ちょっと違うか)。理念を最もよく現しているのはこれじゃないかと思うけど、ちょっとインパクト弱めですか。
1998年の制定で、逆に言うと冒頭の「事業者」マークの方はこの政策を「より親しみやすいものとするため」10年後に作ったようです。

そしてまた。

山口市
山口市男女共同参画推進 シンボルマーク
(作者不明)
山口市男女共同参画推進

こちらはつい先日、11月6日に発表されたばかり。基本フォルムは当然イニシャル[y]なわけだけど、今さらこの臆面もない丸ブーっぷりってどうなのよ。ああ、頭痛いわ。

2013年11月19日 (火)

【番外編】志とは裏腹に Part 1-b(阿蘇草原再生・放牧畜産基準認証)

【事後的前口上】

本記事については、是非【2018.03.10〜11「【攻撃 vs 防御編】(6) アナタの山を再生する?ワタシの頭を再生する?」】を併せてお読み下さい。

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(承前)

立志哲洋による阿蘇草原再生と作者不明の放牧畜産、発表されたのは前者が2009年の3月16日、後者が4月20日。立志はどうやって事前に後者のデザインを知り得たのだろう?ひょっとすると時系列の把握に誤りがあるのか?それともまさか、後者も立志作品だったのだろうか?!

よくよく調べてみると、8月の第9回阿蘇草原再生協議会の資料に次のような一節があるのを見つけた。

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登録出願の準備を進めています

商標登録は、任意団体である(法人格を持たない)阿蘇草原再生協議会としては出願することはできないため、環境省が出願します。現在、協議会事務局が商標登録の出願手続きの準備を進めていますが、その過程で、第8回協議会で最優秀賞に選定されたロゴマークと似かよったマークが商標登録に出願されていることがわかりました。

登録するマークについて改めて選定が必要

今回の類似の度合いは登録が可能な範囲と思われますが、ロゴマークは「一見して人の目を引く」、「他の商品等と区別ができる」といったことに活用する意味があります。
また、先行出願者は畜産関連団体であり、似かよったイメージのマークを使った場合、見た人が混乱することも考えられます。
以上から、選定されたマークでは登録しないこととし、優秀賞2作品の中から改めて選定したうえで、出願手続きに入ります。

先行して出願手続きが行われているロゴマーク

●出願人:
社団法人日本草地畜産種子協会
H21年2月23日出願

〔中略〕

(備考)
H20.10/1〜11/10 公募、最優秀賞 立志哲洋氏
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そうか、そういうことだったのか!!ホントに同じ作者だったとは!!立志は類似作品を同時期の別公募に出してたんだ。「まさか」が実際に起こってたんですね。商標登録の先願権は放牧畜産の側にあったから、発表は先だったとは言え阿蘇草原再生の側も諦めざるを得なかったんだ。

上掲資料の「登録出願の準備を進めています」という見出しはかなり不自然です。だって「先日選んだ作品では登録しない」という内容なのだから。
本文の文言にも巧妙なトリックが隠されていて、「最優秀賞を取り消した」とは一言も言っていない、「選定されたマークでは登録しないこととし」とあるだけで。「今回の類似の度合いは登録が可能な範囲と思われます」とも書いてあるから、むしろ取り消さなかったことを窺わせる。
となるとだ、「野草紙使用の表彰状」だの「副賞の商品券5万円分」だのの返還請求も行われなかったのであろーか(下世話、butひょっとしたら税金)。

かくして仕切り直しとなったこの公募、優秀賞4点のうち最上位をすんなり採用するかと思いきや、日野秀昭(埼玉県)vs 横川義仁(静岡県)の上位2点で改めて決選投票をやった結果、次点の2席だった横川作品が逆転を決め、採用の栄誉に輝いた次第。やれやれ、手間取らせやがって。要らぬ費用もどれだけかかったと思ってるんだよ、つまらぬ自己パクりのために。

いや待て、実はそうではなかったのかもしれぬ。阿蘇草原再生協議会もそんなに甘ちゃんではなくって;

「最優秀賞を取り消さないことにすれば、今度の採用作品のために新しい予算をつけたりしなくてよいではないかよのぅ」

てなことを考えたこすからい小役人がいたんじゃないの(*_*)。かくして横川には表彰状も商品券も贈られなかった、とかさ(@_@)。とすれば驚嘆すべきことです、可哀そうなは外された方ぢゃなく、選ばれた方でござい。
そうなりゃ一方、類似ロゴを重複応募した立志は双方から報酬を得たことになる。ツルに言わせりゃ不当利得です。ああ、妄想が広がっていく、天使が消えていく。

おかしいのは、この後のデザイン補整については記載が整っていること。なんだか、読んでてひやひやしますけど(笑)。

阿蘇草原再生(横川応募案)阿蘇草原再生(横川最終版)

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阿蘇の草原のイメージを強調するため、

(1)「双葉」→「ススキ」に持ち替え

ロゴを見やすくするため、

(2)英文字→削除

の変更を加え、「阿蘇草原再生ロゴマーク」としました。
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でも、この騒動、まだ後に尾を引いた。2010年3月10日に開催された第10回阿蘇草原再生協議会では、「阿蘇草原再生ロゴマーク使用規則」の次の条項を削除している。

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(商標権)
第3条 ロゴマークは、環境省が商標登録を受け、商標権者となり、その使用に係る権限を協議会に付与する。
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改正理由が大仰天です↓。

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ロゴマークの商標登録を中止したため。
現状では、登録は環境省名義以外に考えられないが、その場合、国の財産となり、いかなる利用に際しても使用料が発生し、構成員による積極的な活用が難しくなることがその理由。
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はぁ!?!?何だよそのグダグダは!馬鹿じゃあるまいか。事務方は何をしていたのだ。
だいたい、商標登録しないんなら、繰上げも必要なかったんじゃないのかねと茶々を入れてみる(爆爆)。

全く、里山の自然を保全するとも世界遺産登録を狙うとも、大変かこつですたい。

(続く)

【番外編】志とは裏腹に Part 1-a(阿蘇草原再生・放牧畜産基準認証)

【事後的前口上】

本記事については、是非【2018.03.10〜11「【攻撃 vs 防御編】(6) アナタの山を再生する?ワタシの頭を再生する?」】を併せてお読み下さい。

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呆れるほど似通ったキャラクターやシンボルマークもかなり見てきたけれど、採用取り消しにまで至ったものとなると、ありそうなのになかなか見つけられません。マジな盗作騒ぎで話が大きくなってしまった、豊岡市章 vs 琉心会や、上田市は霊泉寺温泉の「せんじくん」みたいなのは別として(cf. 2013.01.22「Pakuri Goes Round & Round...」)。

取り消しの有無というより、そんな不祥事は制定側も隠しがちだからネット上に残りにくいせいもあるでしょう。しゃらっと採用作品を差し替えていたりもする。

例えば、この団体。

熊本県阿蘇市
阿蘇草原再生協議会
阿蘇草原再生 ロゴマーク
立志哲洋(58歳:東京都江東区:自営業)
阿蘇草原再生(立志version)

(優秀賞)
日野秀昭(埼玉県)
横川義仁(静岡県)
金子吉幸(新潟県)
安達鈴香(北海道)

まず、2009年3月4日に開催された「第8回」の同協議会で、確かに最優秀賞は上掲の立志作品に「決定」していた。

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(2009.03.16 環境省九州地方環境事務所サイト)

【お知らせ】阿蘇草原再生協議会“ロゴマーク”決定

阿蘇草原再生協議会の活動を広くPRするロゴマークを作成するため、平成20年9月から12月の間、広く一般の方々からの作品を募集しました。

〔中略〕

平成21年3月4日に開催された第8回阿蘇草原再生協議会において、委員の投票による審査を行い、最優秀賞は東京都の立志哲洋さんの作品に決定しました。

〔後略〕
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ところが。
同協議会はおよそ半年後、2009年8月21日の「第9回」において、もう一度、別の「オリジナル作品」を「選んで」いるんですね、そ知らぬ顔して。新しく選ばれたのは次のデザイン。

横川義仁(静岡県三島市)
阿蘇草原再生(新version応募案)

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(2009.08.21 阿蘇草原再生協議会サイト)

ロゴマーク決定!!

〔前略〕

平成21年8月21日に開催された、第9回阿蘇草原再生協議会にて、横川義仁さん(静岡県三島市)の作品が選ばれました。

横川さんのオリジナル作品

作品コンセプト
阿蘇の英文字「ASO」の頭[A]をキャラクター化。親しみやすく、キャンペーン等の展開もイメージが伝わり、グッズとしても扱いの可能性を求めたロゴを作ってみた。
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ほらね、しゃらーっと。うーん、「親しみ」は立志作品の方が持てるようには思うんですがねー。でもぶっちゃけツルはシルエット系には滅法弱いのよ(西洋の紋章にはまるで興味ないのに、日本の家紋は小さい頃からなぜか大好きだったし)。

いいですか、横川作品に差し替えたのは、取りも直さず何らかの理由があって立志作品を落としたということ。でも、当の阿蘇草原再生協議会サイトには、3月に「第8回」で立志作品を選んだ時の記載はない様子。消されたんでしょうか。
逆に、前述の九州地方環境事務所のサイトだと、3月に立志作品が選ばれた際のお知らせだけしかなくて、その後これにケチがついた旨の注記なども見られない。
なんか、都合よく使い分けてあってヤな感じ。Unfairなやり方だしAccountabilityを全うしていない(またややこしいこと言い出したぞ)。

あのですねぇ。権力構造上は、環境省の下に「九州地方環境事務所」(熊本市東区)があり、さらにその下に「阿蘇自然環境事務所」(熊本県阿蘇市)があるというヒエラルキー。他方「阿蘇草原再生協議会」というのは牧野組合やNPO、行政、研究者等による大きな集まりで、阿蘇自然環境事務所が事務局になっているらしい。(OK?)
てことはだ、「九州」は手下の「阿蘇」に不手際の尻拭いをさせて自分は知らぬ顔を決め込んだということではないか。当初は「こんなのできました!」って胸張っておいてだよ。それは間違っている(と思う)。自分のとこのサイトの情報が事実と異なることとなったのだから、責任の所在云々はどうあれ、そこはどげんかせんといかんやろが。もっと言えば、フツウ下の不始末の責は上が負うものであって、たとえ3月に何も掲載していなかったとしても、8月には何らかの告知をするぐらいのことがあってもいいじゃないか。頭下げるために上はいるのよ。

ええ、ちょっと頭を冷やしましてと。一体この5ヵ月の間に何が起きたのか?実は、2009年4月にこんなものができていたんです。

社団法人 日本草地畜産種子協会
放牧畜産基準認証制度
認証マーク
放牧畜産基準認証

こりゃーアウトだろうとツルも思いますよ。でも、考えているとわからなくなってきた。

(続く)

2013年11月18日 (月)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その66:いわて子育て応援の店・みやぎっこ子育て家庭応援)

(承前)

ダブルフェイスの[へのへのもへじ系]、お次は2点続けていきましょう。

岩手県
i・ファミリー・サービス事業
いわて子育て応援の店 シンボルマーク
塩崎栄一(64歳:商業デザイナー)
いわて子育て応援の店

宮城県
みやぎっこ子育て家庭応援事業
子育て応援 シンボルマーク
塩崎栄一
みやぎっこ子育て家庭応援

ああ、どこまでもエスカレートするテンプレぶり。2007年11月スタートの岩手の[i]をひっくり返したら、2008年6月からの宮城の[M]になったよ、というだけの話です。[緑]&[ピンク]のカラーパターンも同じなら、親(女親?)を表すらしいNIKE的[前髪ちょろ]も、子どもを表すであろう[前髪くるり]も同じ。おピンク[ハート]だってそう。
NIKE模様は、前回取り上げたアユミ名義の山口障害者雇用にも入っていて、そっちは「大人」も「女性」も「母性」も関係ない。結局ただの飾りですかい。付け加えると、宮城では歩美も次点に入っている!複数名義で一体どんなテンプレ作品を出したのやら。

シンボルマークは類似してるけど、両事業の内容はそこそこ違っている。

〔岩手〕
・妊婦と18歳未満の子ども連れの家庭
・サービス提供店にステッカーを交付
・協賛店舗数 現在1,214店

〔宮城〕
・中学生以下の子どもがいる家庭または妊婦のいる家庭
・子育て家庭にカードを交付
・協賛店舗数 現在167店

つまり、交付対象がサービスの提供側 vs 利用側という基本的な違いがあるみたいです(伏線)。

こうした「企業参加型子育て支援事業」と呼ばれる行政企画は各地で一般化していて;
・子ども連れに値引きをしたりする「割引・特典型」
・優先席や授乳スペース、おむつ換えコーナーを設けたりする「配慮型」
といったタイプがある。

国の政策という側面もあるせいでしょう、この手の企画は広域化しやすい傾向にあるようで、例えば北関東近辺では次の6県が提携している。

栃木県:とちぎ笑顔つぎつぎカード
群馬県:群馬ぐーちょきパスポート
茨城県:いばらきキッズクラブカード
福島県:子育て応援パスポート ファミたんカード
新潟県:トキっ子くらぶ
埼玉県:パパ・ママ応援ショップ優待カード

ここで「子ども」の意味するところは、新潟は小学生まで、埼玉は中学生まで、他は18歳未満。妊婦を対象にしていない(らしい)のは新潟と福島。でも、ここで特筆すべきは福島でも取り組まれていること自体かと。逆説めくけど、実は子育て支援に今一番熱心なのは福島なのではないかな。

こうなると、岩手と宮城も互いに隣接するのだから当然提携関係にあって、シンボルマークの相似もそこが理由なんだ、出来レースかいと早合点しかけたんですが、そうではありませんでした。岩手の提携先は北隣の「あおもり子育て応援わくわく事業」で、宮城はどことも提携を結んでいない。宮城の南隣の福島は上述のとおり別のグループに入っているし。ただ単にデザインが類似したってことかよ

協賛店舗数だってあまりに違い過ぎる。調べてみると、宮城では制度の変遷が大きいんですね。
2008年6月に「みやぎっこ子育て家庭応援事業」シンボルマークを制定、この時点では「1,500店舗を超えました」だった。

2011年2月から「子育て支援を進める県民運動」を新たに始動し、同年4月には「みやぎっこ子育て家庭応援事業」を「みやぎっこ応援カード事業」に改称。この時に店舗数もリセットしたんですねきっと。何か不都合があったのかな。
「県民運動」のシンボルキャラクターはこれに先立って2010年12月に制定され(非公募)、2011年1月には愛称「すくすくエールズ」も公募で決定されていた。実は現在、カードにあしらわれているのはこのキャラクターで、栄一デザインのシンボルマークは使われていません。それこそ何か不都合があったのかな(笑)。

しかし、この県民運動はスタート直後に一時頓挫する。2011年3月に東日本大震災が起きたからです。復旧状況を踏まえて再開されたのは10月になってですが、それでも本格展開は見送られてきた。
そして2013年8月、さらにこの県民運動にリニューアルがかかります。みやぎっこ応援カードも;

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妊婦や子育て家庭に配布し、割引など登録協賛店の特典が受けられるようにしていた事業は年内に終了。協賛店にポスターを配布して各自のサービスを記載してもらい、子ども連れならば誰でもサービスを受けられる仕組みに見直す。
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のだそうな。つまり、主流の「提示型」から岩手同様の「掲出型」に転換するわけ。キャラクターもまた見直して、2007年3月からある仙台・宮城観光PRキャラクター「むすび丸」のアニメ版になるんだとか。強いキャラに集約するということでしょうか。

・・・ご当地キャラのことを書いてると、やっぱり、いつの間にか、どうしても、あの震災に行き当たっちゃうんですよね・・・。

(続く)

2013年11月13日 (水)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その65:海南市認知症支援・やまぐち障害者雇用・三島市障がい者週間)

(承前)

塩崎一族、特に栄一の得意分野に[へのへのもへじ系]シンボルマークがあるわけですが、これまた同工異曲のオンパレード。今回は「2つの顔を持つもの」を見てまいりましょう。すごいっすよ・・・

和歌山県海南市
認知症になっても安心して暮らせるまちづくり シンボルマーク
塩崎えいいち(66歳)
海南市認知症支援

まずはおさらいしておくと。塩崎栄一は1995年7月1日に54歳の誕生日を迎えているので(cf.【その58】)、この公募の際(2010年7月〜8月募集・11月決定)には69歳ということになります。ううん、忘れてあげないわ。別の方だったらごめんなさいねえ。

イニシャル[か]をいじって、「地域の人々が認知症のお年寄りをサポートする姿」云々の制作コンセプト。インパクトある企画名ですが、いまいち活動内容が見えない感じ。「市では認知症サポーター講座も実施しており、今後は受講した店などにマークを貼ってもらい、啓発に努めていく」とあるので、介護の観点ではなく、商店や飲食店などを主眼に置いているのだろうと認められます。あたしゃまた徘徊老人に貼っとくのかと思うたがな(゜゜;)\(--;)。
名前と言えば、審査を行った「海南市認知症地域支援体制構築推進委員会」という団体のネーミングセンスもすごい。認知症地域!?ぷぷぷ。堂々の漢字19文字連続です(・o・)。どうせなら「海南市認知症総合対策地域支援体制構築推進連絡協議会」あたりまでいってほしかったね。25文字。対して応募総数は13点でした・・・。はい次。

山口県
やまぐち障害者雇用推進企業 シンボルマーク
塩崎アユミ
やまぐち障害者雇用

イニシャル[や]を[ハート]に融合させ、作者の趣旨は「障害者と企業が笑顔で手を取り合い社会貢献する姿」となっていて、「健全で成長する企業は障害者も健常者も差別なく働ける環境づくりに取り組んでほしいものです」と結ばれている。2009年9月の発表です。
「いつも笑顔でがんばっている障害者」というStereotypeや、障害者を雇用することが企業の「社会貢献」であるとする思想の旧さには、ろくなもんじゃねえなと歯がゆくなりますが、そこは取り敢えず措くとして、ハートのモチーフにこだわるあまり、右下がりに沈んでいく印象を解消できなかった不可解なデザインという気がします。(ワンセンテンス157文字、長過ぎっ)

てなわけで、その2年後、2011年12月にはこんなん出ました。

静岡県三島市
三島市社会福祉協議会
三島市障がい者週間 シンボルマーク
塩崎エイイチ(デザイナー)
三島市障がい者週間

これこそド[ハート]、きっちり上向き!イニシャル[M]は限りなくハートと同義語です、塩キャラ辞書においては。そして、[四つ葉のクローバー]はさらに2年後の今秋、大分県「ほっぴぃ」に受け継がれました(cf.【その60】)。制定側の意図としては「障害を持つ人との共生社会をイメージしたマークを創作」ということなんですが。

ご当地といえば何と言っても高柳順子だけど(cf. 2013.02.18〜22「三島宿、ひともとの柳いと高きぞありける」)、その牙城を崩したってなもんですかね。もう、三島市は全て高柳先生に依頼するって決めちゃえば話が早い(^_^;)のに!ま、これも応募総数18点だから審査はラクだったでしょうけど。

結局、3点全部が[黄緑]&[ピンク]なわけですよ。対象への迫り方だってどれも稀薄。2つの顔ということは、ケアする側とされる側というデザインの文脈になりそうなものだけど、どちらがどちらとは描き分けられていない、というより、どちらに焦点を置くのかわからないように作ってある感じ。
それはまだいいとして、何のデザインなのか自体不明になってしまった。いずれも説明文があるからそれとわかるだけなんです。海南とやまぐちはむしろ「子育て支援」風だし、三島は「いい夫婦の日」だの「ご当地まちなか婚活イベント」だのに見えちゃう。
ほんとは逆に、「ケアする側」vs「ケアされる側」という思考自体どうなのよ、てなことを考えるネタであってほしかったのだけど。簡単に言やぁ、「認知症のお年寄り」や「障害者」をどうビジュアライズするのかってことですね(^_-)。その困難にチャレンジするとこがプロの腕の見せ所ってもんじゃないの?(挑戦的。)そこを塩崎一族に求める方がどうかしてるんでしょうか?(生真面目。)

以下は蛇足ですが;
ツルの辞書には、障害者を「障がい者」と表記する規制コードは入っとりまっせん。「障碍者」の語もないけど。そんなの、言葉狩り。「痴呆」→「認知症」の言い換えだって、それで何かが変わったのかね。

(続く)

2013年11月12日 (火)

【特別編】日経新聞のキャラニュース(まっくん・福ちゃん&しまちゃん・おおまぴょん)

「全国ご当地キャラニュース」とは全く異なる視点から書かれていたのが次の記事。

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(2012.05.02 日本経済新聞)

長野の「ゆるキャラ」増殖、安価・縦割り・横並び…

長野県内の自治体などがマスコットキャラクター(ゆるキャラ)をつくり、観光や産業の振興などに活用する動きが続いている。2006年に登場した滋賀県彦根市の「ひこにゃん」の人気をきっかけに全国に広がったブームだが、いまだに衰えを見せない。粗製乱造気味という指摘もあるが、なぜ増殖は続くのか。
「日本一人気のないキャラクター」。こんなキャッチフレーズを掲げる南箕輪村の「まっくん」が話題を呼んでいる。4月28日に名古屋競輪場(名古屋市)で開かれたイベントで人気ナンバーワンの熊本県の「くまモン」と共演した。村職員の川上照平さんは「くまモンには及ばないが、親子連れなどとも触れ合えた」と満足そうだ。
きっかけは「ゆるキャラさみっと協会」(滋賀県彦根市)が昨年開催したインターネット投票「ゆるキャラグランプリ2011」。トップの「くまモン」が28万票あまりを獲得したのに対し、「まっくん」はわずか68票で最下位(348位)。村は特設サイトを設け、この不人気を逆手にとってPRを始めた。
信州・長野県観光協会のサイトには県内57のキャラクターが登録しているが、「漏れも多い」(担当者)。今年に入っても大町市、大鹿村、飯田市などが続々と新キャラをつくっており、数は増える一方だ。
キャラ乱立にはいくつかの理由がある。
一つは一般公募などの形を取るため安上がりなことだ。大町市は2月、公式キャラクター「おおまぴょん」を決定した。144点の応募作品から選ばれたのは東京都在住のグラフィックデザイナーの作品。「公募するとプロに近い方からも応募がある」(商工労政課)。市長賞への賞金は商品券10万円分で、版権は市に帰属する。
11年度にかかった費用は告知や賞金を含め120万円程度。このうち90万円弱は県の補助金を活用できたため、一般財源からの持ち出しは少なかった。
合併前の旧市町村への愛着や役所内の縦割り意識も増殖の原因だ。
長野市は全市の統一キャラクターはなく、旧町村などごとに少なくとも4つがある。松代地区、篠ノ井地区は観光キャンペーンに合わせて制作、戸隠スキー場のキャラは市開発公社がつくった。統一キャラをつくらない理由について「市を代表するゆるキャラにできるような題材が見つからない」(観光振興課)という。
政策ごとにキャラが分かれる例も多い。茅野市の「ちーぼ」は子ども関連のイベント用のマスコットで、市全体の「ビーナちゃん」とは別だ。観光誘致に限らず、食育の推進や、農産物PRなど様々な目的でキャラクターがつくられる。
横並び意識も見逃せない。公式キャラクターを持たないある県内自治体の観光協会関係者は「ほかの自治体の例をみて、自分のところでもやらないと、という気持ちになっている」と漏らす。
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大メディアに肩入れするつつもりもないけど、冷静な分析でよっぽど役に立つ、ツルにとっては。「プロに近い方」にはワロたけどねえ。「プロの公募ガイダー」は「プロ」じゃないわけだ

上記の「ゆるキャラグランプリ2011」、最下位を取ったのはこれです。

長野県上伊那郡南箕輪村
イメージキャラクター
まっくん
(作者不明)
まっくん

村の木アカマツの妖精なので[松ぼっくり]がプラットフォーム。決してトウモロコシのPRキャラではないしアメリカのナンセンスマンガの主人公でもありません。左胸のワンポイントは森永乳業ではもちろんなく、村章かと思ったらそうでもなくて村の[シンボルマーク]。
1994年にご当地の大芝高原のマスコットとして制定されながら、村のキャラクターに昇格したのは2005年になってからという経緯もなかなか弛んでるけど、これだけ経ってるのに68票しか取らなかったというのも、全国最下位ってことよりもっとスゴい。68票対287,315票、「くまモン」との開きは実に1:4,225だった。人口は14,543人対1,817,410人(いずれも2010年国勢調査)で1:125、うーん。
最下位アピール作戦が功を奏して翌年は348位から48位に大躍進した、というのもよく考えりゃ恥ずかしいか。ゆるキャラ作ったはよいけれど、そのままずっとほっといたってことじゃないの。それこそが税金の無駄遣い。

2011年9〜11月に実施された同グランプリでは、同点最下位のキャラがもう1点あったんです。しかも、こちらも長野県で。

長野県木曽郡木曽町
木曽福島地域協議会
木曽福島マスコットキャラクター
しまちゃん
しまちゃん

実はこれ、ペアキャラ。ご当地には2008年7月から「福ちゃん」が既におり、「しまちゃん」はその妹として2011年10月にデビューしたばかり。フォルムもアイテムも福ちゃんとほぼ同じで、[福島関所]の門をかぶったという[かぶりモノ系]。[朴葉巻きの餅](どこが?)だのをアピールしているらしい。担当者は「お披露目したばかりでこれだけ票を獲得できた」と余裕のコメントです。(これこれ木曽福島さん、あんまり声高にそんなこと言ってるとまっくんが気を悪くするよ)

長野県木曽郡木曽町
木曽福島地域協議会
木曽福島マスコットキャラクター
福ちゃん
木曽太郎(ペンネーム:長野県木曽郡大桑村)
福ちゃん

PN「木曽太郎」は住所からして常連の川本 智で間違いあるまい。
これじゃ兄妹というより双子だね。[No.1ポーズ]は何を示しているんだろう?

そう言えば、木曽町には日義(ひよし)地域に「よしなかくん」&「ともえちゃん」なるペアもいるんだった。

【2013.02.25「舞はぬものならば」】
木曽町よしなかくん 木曽町ともえちゃん

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木曽福島町・日義村・開田村・三岳村が合併して2005年11月に生まれた木曽町では、キャラクターは今も旧町村単位で持っている。
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ははん。「旧市町村への愛着や役所内の縦割り意識も増殖の原因」とはこういうことかいな。言い換えりゃ木曽福島は日義が羨ましくなったのネ。まあ、どっちかっちゃあ裏目に出たわけだけど。

因みにしまちゃんは翌2012年にはエントリーをとりやめ、まっくんも348位 → 48位ときてその翌年すなわち今年は卒業しちゃったそうな。

「おおまぴょん」というのはこれです。

長野県大町市
しなのおおまちキャラクター
おおまぴょん
杉原由希子(31歳:東京都:グラフィックデザイナー)
おおまぴょん

市の獣(*_*)[ニホンカモシカ]をプラットフォームに、[北アルプス]&豊かでおいしい[水]のイメージ。ややキモカワ寄りっすかね。
【その9】に書いた公募(「おおちゃん」by あゆ美が特別奨励賞を取った時のやつね)で採用された作品です。愛称は人気投票時まで「おおまちょん」だったんだけど微妙に修正された。自主規制が加わったのか、その筋からのナニかだったんでしょうか(笑)

おおまちょん

2013年11月11日 (月)

【特別編】「全国ご当地キャラニュース」のこと

大変申しあげにくいんですがね。前から気になっていることがある。「全国ご当地キャラニュース」というサイトのことです。
確認のために閲覧させていただくことはやはり多いし、そもそも愚blogとは立ち位置が全く違っているのだから、批判するのもどうかとは本当に思うのだけど。

以下は2012年大晦日の〆の記事の抜粋。

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そして「ゆるキャラグランプリ2012」が開幕。彦根でも参加キャラが投票のお願いに奔走。期間中全国各地で投票を呼びかけるキャラクターたちの活躍が見られた。
しかし、有志が作成したデイリーランキングサイトを閉鎖に追い込んだり、11月から順位得点の非表示化など運営への不信感も。
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11月25日、ゆるキャラさみっと in 羽生2012でグランプリの発表が行われ、御存知の通り【バリィさん】が1位に、山口県の【ちょるる】が2位につけたが、会場の空気は冷ややかだった。
上位キャラは、いずれも職員の組織票に下支えされたもの。そこにどれだけ本当の人気票が上乗せされたかが勝負の鍵となった。
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茨城県大子町の【たき丸】と、筑西市の【ちっくん】。応募名こそ替えて姉妹のように見せているが…。
栃木県内でも、足利市の【たかうじくん】と矢板市の【ともなりくん】がそうだ。他にも全国を見渡すと同じデザイナーによるキャラクターが溢れかえっている。今後マークされる可能性も出てくるだろう。
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【その1】
茨城県久慈郡大子町 たき丸(応募案)
塩崎まさよ
たき丸(応募案)

【その1】
茨城県筑西市 ちっくん
塩崎あゆ美
ちっくん2

【その32】
栃木県足利市 たかうじ君
塩崎マサヨ
たかうじ君

【その29】
栃木県矢板市 ともなりくん
塩崎榮一
ともなりくん1

現在のキャラクターのあり方に対する批判的な記載ばかりを抜いてみたけど、そこを云々したいのじゃありません。疑問を感じるのは、日頃アップされる記事にそんなことはまるで出てこない、おくびにも出さない、その点です。

当然、書き手も読み手もキャラクターのことが好きなわけだろうし、ネガティブ情報はあまり日常的に書きたくない/読みたくないのは理解するけど、好きなのであればなおさら、問題点も含めて広く考えていこうというのがこうした情報発信の王道ではないのか。
それとも結局、このご当地にこんなかわいいキャラができました、という便利な告知ボードに過ぎないんでしょうか。
愚blogは逆に問題点ばかりをネチネチとあげつらって ―屁を数えて― いるわけだから、そりゃまたどうなのよというご意見もあるでしょうけど、きっと。

ツルは、現状の最大の問題は、パクりやリサイクルが多過ぎること、地域性と多様性が失われていることの2点だと考えています。グランプリ運営の不手際とかその結果への不信とかなんてのは本質的なこととは思いません、そこんところにだけLocalityの錦の御旗を押し立ててもしょうがないし。

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例年以上に、ゆるキャラに関する話題に溢れかえった2012年。
ブームと言われ久しいが、これだけ長い期間続いていることはもはやブームが終わり「定着」に向かっているということだろうか。「自治体の鳥・花・木」などにならんで「自治体のキャラ」も当たり前のように存在することも近い将来ありうるだろう。
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いいえ、そんなことはありません、今のままでは問題があり過ぎる。そんなことは願望でしかない、そこから敢えて目を背けているだけの、根拠も説得力も持たぬところの。今のままである限り。
見た目にかわいいキャラクターと、耳当たりのよいだけの皮相なコメントに飾られた、町興し村興しというベクトルを隠し持つ思想は今後どのぐらい保つのだろう。そのお先棒を担いでいるだけで、本当に愛していると言えるのか。大晦日にさらりと書いただけで、現状を憂えていると言えるのか。

平成大合併の際、全国で新しい自治体章が必要になり、公募業界が盛り上がったわけです。まさににわか景気。これがピークを迎えたのが2005年〜2006年あたり。ここで既に同工異曲の「丸ブー」すなわち「丸にブーメラン」デザインの大氾濫を許し、本質を離れてしまったところに問題の発端があったのではないかと思う。
この潮が退いた後にやってきたのがゆるキャラブーム(もっとも、「ゆるキャラ」の語が扶桑社とみうらじゅんによって商標登録されたのは2004年だが)。公募ガイダーたちもこぞって自治体章からキャラクターに、あるいはシンボルマークとか民間のロゴマークとかに乗り換えたわけでしょう。そして2010年から上記のゆるキャラグランプリが始まり2013年の現在に至る。
この状況を、定着したと本当に言い得るのだろうか?飽和して(あるいは飽和する前に)退潮に向かう兆しはないのか。このように紋切り型のテンプレ仕事が横行していれば、飽きやすい存在である子ども達にも今にそっぽを向かれてしまうのではないか。

たいていの子どもはキャラや着ぐるみってそりゃあ好きなものでしょう。でも、ただ「子どもの好きなもの」にしてしまっていることこそが問題。安易なものばかり与えていてよいのか。健康や食育、子育てやWork-Life Balanceに意を用い、食の安全や放射線の害に神経を尖らせ、それが次世代に対する責任でもあるとするのならば、精神の健康や成長の面についてはどうなのか。

皮肉っているのではありません。愚blogで取り上げてきたキャラクターやロゴマークを制定した自治体の中には、1世代後(≒30年後?)にはもうコミュニティを維持できなくなり消滅してしまいかねない、そんな現実の恐れを持っているところも相当多くあるはず。このところのご当地キャラ制定の流行も、各地の地方で「空き家バンク」制度が増えているのも、総務省が推進する「地域おこし協力隊」を採用する自治体が爆発的に増えているのも、同じ文脈ではないのでしょうか。

こうした様々な恐れに対して、内から警鐘を打ち鳴らさないでどうする。ツルには(愚blogには)とてもその役は果たせそうにありませんが。

♪テレビの歌は いかにもそこに
 いかにもありそうな お伽話を歌う

♪電車のポスターは いつでも夢が
 手元に届きそうな ことばだけ選ぶ

  (「成人世代」中島みゆき [1981.03.05リリース アルバム「臨月」より])

2013年11月10日 (日)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その64:一茶さん・ひみこちゃん)

(承前)

「もうやめようよ、ご当地キャラとか。」とは銘打ちながら、最近塩キャラにご無沙汰気味。別にネタ切れしてるわけじゃありませんよーだ。逆に書くことがあんまりあり過ぎて大わらわ。いちお、いい加減なことは書きたくないので、調べごとには時間をかけてるんです(キリッ)。
取り合わせとか出すタイミングとかってこともあるしさー、これがまた難しいんよね。

さて、このところ目につくのが「今井弘実」名義での応募。【その61】の「ゆれにくいまち 鎌ケ谷」(2013年7月発表)もそうでしたが。

長野県上水内郡信濃町(かみみのちぐん しなのまち)
一茶イヤー? 一茶生誕250年夏まつり?
マスコットキャラクター
一茶さん
今井弘実(68歳:大阪市:自営業)
一茶さん

え゙、68歳!?塩崎榮一と同年代(の設定)であつたのか。名前の所以か、歩美と同じ世代と許り思ひ込んでゐました。

いろいろ変な公募です。
2013年が小林一茶(1763〜1828年)の生誕250年ということで、生地であり没地でもある柏原(かしわばら)の地を町内に持つご当地がキャラクターを作って盛り上げましょうと、それは結構。ご当地には「柏原一茶通り商店会」てのもあるくらいですし。誕生日とされる5月5日〜命日の11月19日の半年間を「一茶イヤー」と位置づけていろんなイベントをやります、というのもまあよかろう。
問題はスケジューリング。キャラ募集が5月5日〜7月31日で、総選挙(最近は人気投票のことをこう呼ぶわけですな)で決定したのは8月31日開催の「一茶生誕250年夏まつり」において。一茶イヤーの目玉として今年初めて開催されたお祭りです。をいをい遅すぎるだろっ。次の節目としては11月19日の一茶忌(までに)、着ぐるみお披露目をするらしいんですがね。一茶イヤーの会期最終日っす!あと10日しかないっす!後はどこに出番があんだよ。

おそらくは、今後[藁しべ長者系]として、ご当地公式キャラに出世していく道を辿るんでしょう。というより、そもそも何のキャラクターなのかよくわからないところも変。「一茶イヤー」の?「一茶生誕250年夏まつり」の?それともはなっから信濃町のキャラが作りたかったの?

作者曰く、一茶を「ちょっと若々しく」描いた由。お目々キラキラだし、道行には派手に町の花[オオシマザクラ]を散らしちゃったりしてるしネ。[短冊]と[筆]を茶碗と茶筅に持ち換えて、頭巾には[信濃町章]の代わりに秀吉ゆかりの千成瓢箪でも描き込みゃ、千利休キャラに早変わりしそうです。因みにこの町章、「野尻湖・特産の鎌・一茶・町内三山を組み入れ」たそうなのだけれども、どこがじゃあ!町旗が水色地なのでまあ野尻湖は特に赦すとして、一茶とお山は無理があり過ぎやろ。

・ ・・なんて思ってたらすでに同じアイテムの先例がありましたよ↓

【その29】
栃木県矢板市 ともなりくん
塩崎榮一
〔2010年11月〕
ともなりくん

あの、実は一茶って、脂っ気の抜けた好々爺のイメージと違ってむちゃくちゃ多淫なヒトで、50歳を過ぎて今日は昼間っから若い嫁と3回イタしましたなんてことを連日日記に書き残したことが知られている(生まれたばかりの子どもを亡くしたりと、それなりの理由はあったようですが)。サブキャラの[痩せがえる]もお手上げです。ま、その意味でも幼形爺さんの若キャラでいいんじゃないっすか(これっ!)。Neoteny Grandpa。

よしっ、そんな一茶さんにはこの塩キャラをめあわせてやろう。(言い方がヤラシいがな)

奈良県桜井市
マスコットキャラクター
ひみこちゃん
塩崎歩美(大阪市生野区:グラフィックデザイナー)
ひみこちゃん

邪馬台国の女王様キャラですよ。[貫頭衣](?)に身を包み、[玉]の首飾りを着けた古代装束姿。頭の桜は当然に市名由来、こちらは市の花[ヤマザクラ]なんでしょう。一歩間違うと20年前のオウム真理教だよ。これまた若作りのNeoteny Queenで、鬼道を能くするようには見えんけどな。2010年3月17日に発表・表彰されており、その際;

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塩崎さんは「全国の着ぐるみ祭りなどにも出ていってほしい」と活躍を願っていた。
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と報道にあるんですが、これって歩美本人がほんとに出席したんですかねえ??近畿圏だから近いっちゃ近いし。

ご当地は簡単に言えば古代史(と素麺)の郷で、三輪山麓に大規模な纒向/纏向(まきむく)遺跡群を擁している。数ある「おらが在所の邪馬台国」の有力候補の一つであり、ご当地のきれいな前方後円墳、箸墓(はしはか)古墳を女王卑弥呼の墓に比定する説もあることから(もちろん宮内庁ががっちりガードしてますが)、卑弥呼キャラ登場となるわけ。

邪馬台国の所在を巡る議論というのは新井白石の時代からあり、その後東大学派の推す北九州説 vs 京大学派の畿内説を中心に論争が繰り広げられてきた。今に至るまでやってるんだから、日本史最大の謎とロマンとされる由縁です。「ひみこちゃん」は当然京都学派に属するわけね。
ツルの父方のルーツになる福岡県みやま市(旧 山門郡(やまとぐん)瀬高町)には女山(ぞやま)というのがあって、ここも白石が卑弥呼との関連を唱えてたのじゃなかったか。女王山とも書いたと思う。だからツルは微妙に東大寄りです(ほんとは興味ないけど)。ひみこちゃん、あなたとはお友達になれそうにないわ(笑)。

でも、桜井市サイトの「ひみこちゃんのページ」にはショートアニメ3編まで用意してあって、ついつい全部見ちゃった。ひみこちゃん、コテコテの関西弁です。でも全体的にむしろ大阪のおばちゃんノリなんだけど・・・(^O^)。

(続く)

2013年11月 9日 (土)

連載1周年記念企画【特別編】秋もやっぱり!PNまつり!! 第6弾(仙台清掃公社)

(承前)

まだあったんです、PN塩キャラ。

宮城県仙台市
協業組合 仙台清掃公社
キャラクター
パレット(ペンネーム:大阪府)
仙台清掃公社

2009年9月、創立40周年記念ということで作られたキャラクター。イニシャル[S]+[ハート]+[双葉]+英語の[市名]という、どこから見ても何の変哲もない塩味キャラです。ああいや、だからその考えがイカンのだわさ(笑)。

実はこの「パレット」というPN、この1例しか見つかっていません。検索かけても関係ないものばっかり出てくるしよぉ。「パレット」という言葉はいろんな意味で使われてますからね。塩崎一族のPNとする根拠もぶっちゃけ薄弱、材料が少ないんですわ。でもま、読んでつかあさい。

形態からすると、これは同年7月(わずか2ヵ月前だ)の「シュクピー」に類似している(と思う)。

【その62】
兵庫県神戸市中央区
夙川学院短期大学
オープンキャンパスキャラクター
シュクピー
塩崎栄一
シュクピー

そりゃそうでしょ、イニシャル同じなんだし(-.-)y-~、首の[マフラー]はちゃんと頭の[リボン]に置き換えたしぃ。これっ、だからその頭捨てろってば。「ア、これってコレにも使えるな」じゃなくて、「これじゃどうしてもアレに似ちゃうから別のモチーフにしよう」ってのが筋じゃないのかね。「これってこうやれば選ばれやすいかも」までくると否定し切れんけど(笑)。

この公募でひんやりきたのは、実は次点。

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優秀賞
大阪府 こころ様(ペンネーム)
香川県 瀬戸良一様

入賞
仙台市 庄子美智子様
仙台市 井場郁江様
仙台市 石橋秀美様
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そういうことであったか!「こころ」はすでに塩崎一族のPNとして、岡山市の山陽学園のロゴマーク(2009年10月発表)と三重県立相可高校のシンボルマーク(同年9月発表)を取り上げたところ(cf. 2013.08.17【PNまつり 第2弾】)。本公募はこれらと時期的にぴたりと一致します。

であれば当然、「1人1点」の縛りがかかっていたのではないか、だから入賞の機会を増やすためにダブルネームで応募したのではないかと勘繰りたくなりますが、残念!同公社のサイトに募集要項は残されていません。(こころ作品の画像も掲載されていません。)
でも、塩崎一族はとにかくこの公募のことを知っていた。そして、「こころ」名義で応募するとともに「パレット」名義も編み出した(他にもあったかもしれないが)。そんな風に考えた次第。空恐ろしい想像ですが、おそらく外れてはいますまい。
ただ、「なぜこの公募でこのPNを使ったのか」がわからない。ご当地で一族名義の作品がしこたま選ばれていて、塩崎の名前のままでは選ばれにくいと思った、なんてことも考えて調べてみたけどはっきりしません。(どうやら仙台市の場合、こうした公募の入賞者をあまり明らかにしない傾向があるようなんです。)

誰も見て見ぬふりをしてる感じではあるけど、公募で「1人1点」と制約をかけているものは、「1名義1点」を許容するという意味ではないでしょう。「A名義とB名義は創作活動において別人格だ」という主張自体は理解できます、ツルにも。けど、この制約は公平公正の観点から設けられているもののはず。「別人格なんだから重複応募を認めて下さい」ということでは、その観点は守られなくなるのだよ。言い換えれば、引出しの多いプロを有利に扱おうなんて意識はないのさ。せいぜいあるのは、応募点数が多ければそれだけで制定側は安心しちゃうってことぐらいでしょうか。
もとより多重名義にしたところでどれもワンパターンという場合には、別人格もへったくれもない。別人格の主張には抽象的主観的なものを含むし、そもそもコンペティションの場合にはなじまないのではないか。単なる創作活動の発表の場とは違うんです。Fine Art系なんかの公募ではどうなってるんだろう??

制定側についても、1人1点としたのであれば、明文で禁じていようがいまいが、こうした多重名義を選考対象外としない限り(当該名義の全てを? or 1点以外を?)、厳格には公正なプロセスと言えないのではあるまいか。いくら「厳正な審査により」と謳おうが空虚に響く。いちいち調べるのは骨が折れるだろうけどね。

簡単に言えば、賞に洩れたフツウの人たちに「えー、これ1人1点って書いてあったのに、ペンネーム応募もありだったのかよ、それって抜け穴じゃん」と思わせたらアウトでしょ。個人情報保護の美名を都合のよいように引き寄せる気配があるのも気になります。これとて不正や虚偽を許す趣旨ではないのだし。

賞を取りたいがために軽い気持ちで日常的にやっているだけの行為も、近頃流行りのコンプライアンスなる言葉に照らせばこういう風になるんだよっ。
己の才を隠れ蓑にするな。人と異なる才能があるのなら正々堂々と勝負なさい。Noblesse Obligeに「こころ」せよ。

ああ、このところ論調が尖鋭化しとるなあ。最近仕事でストレスが溜まってるせいかしら。


2013年11月 8日 (金)

【番外編】宍栗?穴栗?穴粟?宍粟!{三粒目}(世界剣道選手権・球磨ひとよし故郷会・やまなし子育て応援)

(承前)

今年に入っても同類の誤記は後を立たない。2005年の宍粟市誕生から8年も経ってるのにですよ。小柴もうんざりしているに違いない。いや、面白がってるかな。

全日本剣道連盟
第16回世界剣道選手権大会
ロゴマーク
(入賞)
小柴雅樹
世界剣道選手権

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【特賞】1名 賞金 20万円
◯植村慎一郎 Shinichiro UEMURA
東京都中央区・フリーランスデザイナー/アートディレクター

【入賞】5名 賞金 5万円
○松本 智 Satoru MATSUMOTO
千葉県船橋市・デザイナー/フリーランス
○完倉正師 Masashi SHISHIKURA
千葉県四街道市・株式会社文化舎インターナショナル
○小柴雅樹 Masaki KOSHIBA
兵庫県宍栗市・デザイナー
○佐々木 等 Hitoshi SASAKI
東京都目黒区・株式会社電通
○池田克也 Katsuya IKEDA
埼玉県狭山市・フリーグラフィックデザイナー
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うはは、「宍粟市」の[宍]は正しく書けたのに([栗]は間違ってるけど)、「SHISHIKURA」は「完倉」にしちゃったのね。そりゃ「宍倉」でしょうよ。どうやって漢字変換したんだか

何でも第1回以来の日本開催で、「お帰り世界選手権」状態の意義ある大会なんだそうです。再来年5月のイベントのために今年5月に制定していて、これは国体とか植樹祭とか育樹祭とかの皇室臨席行事と同様のスパン(海フェスタはそうでもないみたい)。お疲れ様です。あ、弘前城400年もそうだったか。

5名の審査員には、日本画の大家中島千波(なかじま ちなみ:男性:東京藝術大学名誉教授!(ただしデザイン科教授だった))をはじめFine Art系から2名、Graphic Design系から1名が入っていたせいか、講評がちょっと興味深い。

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応募作品全体について

剣道という日本の伝統的なもの――竹刀やお面を使ったり、試合をしているかたちを作ったりと、具体的なものから、非常にシンプルで抽象的なかたちを作って、とてもバラエティに富んでいるのが見受けられましたので、面白い選考となりました。伝統の「道(みち)」というイメージを上手く持ってきて、色の配色も単純化したり、皆さん独創的だったと思います。
今はパソコンで随分と打ち込めるので、プロの人はもちろん、素人に近い人でも、レタリング等、意外と楽に使っていますね。それだけ皆さんの関心が強いということかもしれません。非常に良いと思いました。
その一方で、鉛筆で描いてくれた人もいました。ですから、一概に完成度の高さだけで選ばずに、アイデアや考え方で選ぼうと審査しました。中には、剣道の真髄、コンセプチュアルなものを抽象的に作ってきてくれた方もいるんですが、今回は剣道を知らない人にも剣道を知ってもらうという意味合いもあり、そこまで次元の高いものを一等賞にはしませんでした。
よく、これだけの作品が集まったと思いますね。
皆さん本当に工夫されていて、剣道への愛情を感じます。
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必ずしもよいことばかりを書いてあるのではない。サイトに別途載っている、特賞に対するコメントも、なぜこの作品を「一等賞」に選ぶのか実質的なところを述べたもので、そういうのを「講評」っていうのじゃないかしらん。一切「作者コメント」が掲載されていないのもかえって見識を感じます。漢字さえちゃんと書けてれば完璧だったのに(笑)。

東京球磨ひとよし故郷会
イメージキャラクター
(審査員賞)
小柴雅樹
球磨ひとよし故郷会

何やらダイダラボッチ的な。

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球磨ひとよしの風景「球磨川と緑の山々」をイメージし、ふるさとを抱くキャラです。
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◎最優秀作品
兵庫県神戸市西区在住・本山清数さん(61歳)
ヒトくま

◎優秀作品
熊本県球磨郡湯前町在住・上米良里香さん(42歳)
「ガラ」君&「ガララ」ちゃん&「チョコット」君

◎審査員賞
大阪府寝屋川市在住・出口郁子さん(42歳)
ひとよしクマさん
兵庫県穴栗市在住・小柴雅樹さん(49歳)
くまよしくん
広島市東区在住・中本竹識さん(32歳)
クマ蔵
福岡市城南区在住・渡辺光さん(42歳)
ヒクマン
熊本県人吉市在住・堤邦子さん(39歳)
くまりばぁちゃん&あゆゆちゃん

◎特別賞
熊本県球磨郡山江村在住・一二三友佳さん(中学2年生)
くまよしくん

◎未来賞
熊本県人吉市在住・堤やすよさん(小学3年生)
ぼんちゃん
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これも「あなくり」バージョンです。
最優秀作品「ヒトくま」はもちろんクマさんキャラ。実はサブキャラ的扱いで(?)もう1点採用して、優秀作品3体1組のうちお猪口をデザインした「チョコット」君(球磨焼酎関連ね)とのペアキャラにした。愛称はそれぞれ「くまっぴー」(そりゃそうやろ)と「ちょこっとくん」に変えられてます。
熊本 → 球磨とくれば、くまモンでなくてもクマものに食指は伸びますわな。小柴がそこを敢えて外して挑んだのはなかなかかと。まあ、くまモンの後にクマものなしでもあろうが。
今年の6月に決定したようだけど、どうやら非公認という扱いらしいっす(キャラの公認非公認というのもようわからんが)。49歳ってことはツルも同年代ですなぁ。日本分子生物学会のサイトによれば、小柴は1964年生まれ、「地元印刷会社勤務を経て1995年独立しフリーに」とある。

こうして見てくると一つ気づきます。この作家、テンプレ仕事でごりごり押しまくってるというわけではなさそう。ワンパターンやパクりや使い回しが横行する異常な状況にあって、今まで見てきた作家の中では最も作風が広いし、普通にきちんとグラフィックデザイナーしてるじゃないか(素人衆の上から目線)。作者コメントや、ポスターワークに現れてくるキャッチコピーの言葉遣いにも、独特の言語感覚を感じました。

まあ、いかにも錯塩なものもないじゃないんだけど。

山梨県
やまなし子育て応援カード シンボルマーク
小柴雅樹(兵庫県)
やまなし子育て応援

2006年8月発表だから古めということにはなるんでしょう。「フルーツ特にブドウをモチーフに、親子の姿を表現」と。山梨ってメロンも名産なんですっけ(笑)。塩キャラにもこうした「子育て支援」モノはたーくさんあるけど、それはまた次の機会に。

「類似やパクりが見つからない」っちゅうのも当たり前っちゃあ当たり前の話で、そんな観点から ― いわば人のひった屁を数えようと ― 調べて回ってるのも非生産的かつ不心得な話ではあります。はなから無駄を愛する痴れ者blogですがね
でもその意味で、中本竹識の例のリスト(cf. 2013.11.01〜03「今様竹取物語」)なんてのはやっぱりCreativeな仕事ではないよなあ。(勘違いであることを乞い願うってなもんですわ、ツルも。)

2013年11月 7日 (木)

【番外編】宍栗?穴栗?穴粟?宍粟!{二粒目}(弘前城400年・歩いてこそ京都・クロネコアートメンバーズ)

(承前)

青森県弘前市
弘前城築城400年祭 シンボルマーク
(優秀賞)
小柴雅樹
弘前城築城400年

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◎シンボルマーク
【最優秀賞】
中川 亮さん(東京都調布市)

【優秀賞】
堀江 豊さん(広島県廿日市市)
小柴雅樹さん(兵庫県穴粟市)

◎マスコットキャラクター
【最優秀賞】
妹尾昭吾さん(大阪府茨木市)

【優秀賞】
工藤香奈さん(青森県弘前市)
K.Mさん(兵庫県神戸市)
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だまされちゃいけませんよ、今度は「あなあわ」ですよ。「宍」だの「穴」だの「粟」だの「栗」だの、だんだん漢字そのものが憎らしくなってくる。「宍粟市」なんて名前つける方が悪いんだよっ(暴論)。
ご当地の弘前城が2011年に築城400年を迎えるのに先立って、2009年10月に制定されたものです。キャラ部門の最優秀賞はこの城の別名「鷹岡城」に因んだタカのキャラクターで「たか丸」と名づけられた。2007年の「国宝・彦根城築城400年祭」の「ひこにゃん」にあやかりたかったと見ましたが。十六茶のCMにも出てました(cf. 2013.03.27「最強の悪夢継続」)。
ぞくりとするのは同部門の優秀賞にある名前。けど、画風はあの常連氏とは明らかに異なる、というか中学生っぽい。青森には工藤姓が多いということはあるそうですしね。

京都市
「歩いてこそ京都」イメージポスター
(佳作)
小柴雅樹
歩いてこそ京都

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コンセプト
「京」の文字に汗をかいて歩いていただきました。
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最優秀賞 1点(賞金5万円)
北島知也 京都工芸繊維大学学生(京都市左京区)

優秀賞 3点(賞金3万円)
荒谷 洋(京都市西京区)
谷井郁野(京都市南区)
深地宏昌 京都工芸繊維大学学生(京都市左京区)

佳作 5点(トラフィカ京カード3,000円分)
小柴雅樹(兵庫県宍栗市)
浦山シルビア(香川県高松市)
小野翔太郎 京都工芸繊維大学学生(京都市左京区)
由里美沙織 京都女子大学学生(京都市下京区)
劉 和輝(京都市伏見区)
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2011年9月、「節電の夏」も盛りを過ぎた頃の決定です。さすがは京都、学生さんには困らん土地柄でおいやすなあ。せやけど応募総数18点ゆうのんはえらい少のうてはりますわ、ほほほ。
何やら文学的に情念まで感じさせるコピーですが、つまりは観光地への自家用車乗り入れを減らして公共交通機関を利用しとくんなはれというプロジェクトでおま。・・・それって「歩いてこそ」になってないやん!(個人的には京都の街は自転車が一番だと思いますが。)
デザイン自体の良し悪しを云々する趣旨の愚blogではないけれど、このコンセプトは理屈を超えたところで洒落ているし、押しつけがましさのない、京風にはんなりとしたデザインだとは思うんです。けどやっぱり「涼」の字の反転に見えちゃう、ツルには。

その翌月に決まったのも「ししくり」。

ヤマトロジスティクス株式会社
クロネコアートメンバーズ イメージロゴ
小柴雅樹
クロネコアートメンバーズ

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■製作者
小柴雅樹氏(兵庫県宍栗市)

「クロネコアートメンバーズ」の「ト」の文字を筆のように描くことで、「アート」を、さらに、黒をメインに配色することで、「クロネコ」を表現しました。
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「アートを通じて新たな作風、新たな仲間との出会いの機会を創出する場として」同社が立ち上げた、アーティスト向け無料プログラム、なんだそうな。(ただし今も継続してるかどうかは不明です)

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小柴氏の作品は、カラフルな絵の具の色と個性的なロゴタイトル文字が、さまざまな「カラー」を持つアーティストを表現し、「クロネコアートメンバーズ」のコンセプトと合致している点が採用のポイントとなりました。
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選考側コメントは、作者のコンセプトを超えた次元に突入しているようです。

(続く)

2013年11月 6日 (水)

【番外編】宍栗?穴栗?穴粟?宍粟!{一粒目}(酒田市章・トンヤ de サファリ・知床世界遺産)

昨日、こんなニュースがネットに載っていた。

「難読地名として知られる兵庫県宍粟市で、郵便物に書く差出人住所の「宍粟」の漢字にふりがなをつけるよう市民に呼びかけ」

市長サンがYoutube動画で訴えてます(手作り感満点でスゴいですよ)。

ご当地のことは愚blogでも2013.08.07の「宍粟市も踊る官兵衛」で取り上げました。こんな例を引き合いに出しながら。

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「豊中市上下水道局」のイメージキャラクターが決定しました!

〔中略〕

お詫びと訂正:

佳作受賞者紹介、小柴 雅樹さんのご住所表記に誤りがありました。

誤(兵庫県穴栗市) →
正(兵庫県宍粟市)

訂正致しますと共に、重ねてお詫び申し上げます。
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日本語知らねえ奴だな、「重ねてお詫び」って、一度しかお詫びしてないじゃん。

だんだんわかってきたんです、「宍粟」の書き間違いって本当に多いんですね!
というわけで今回は、小柴作品の中から、誤って紹介されたものだけを厳選ご紹介。どんな切り口や。(趣旨を変えない範囲で適宜再構成しています)

山形県酒田市
市章
小柴雅樹
酒田市章

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応募者
兵庫県宍栗(しそう)市 小柴雅樹さん(41歳:デザイナー)

デザインの趣旨
新「酒田市」の頭文字「S」を骨格として、日本海を表す青と、庄内平野・鳥海山を表す緑の空間の中で、最上川の流れに見立てた4本の波(一市三町)が未来に向けて羽ばたく様をデザインしています。

優秀作品賞
鈴木麻里さん(主婦) 酒田市高見台
小野寺満さん(地方公務員) 岩手県水沢市
伊藤哲也さん(グラフィック・デザイナー) 東京都江戸川区
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のっけからナンですけど、ちゃんと「しそう」と読めてるのに漢字は「ししくり」と書いてあるんですよ(爆)。
2005年11月に旧 酒田市と飽海郡八幡町(あくみぐん やわたまち)・同 松山町・同 平田町が新設合併した際に制定された、3代目の市章だそうです。[青]と[緑]で[円形丸ブー]、平成期の市章の一典型ですな。え、これって[S]なんだ!
この公募では少し変わったプロセスが入っていて、公募で絞り込んだ5点に、「当時の市章、町章を加えた9点」で選考したことが同市サイトに書かれている。もし、現行の市町章で決まっていたら、それはそれですごーく面倒なことになったような(笑)。最終的に入賞したのは小柴作品を含めて4点だから、1点は何らかの理由で振り落とされたものと思われます。

「ししくり」があるのならこれも当然あろうというのが「あなくり」。

東京都中央区
横山町・馬喰町(ばくろうちょう)問屋街活性化事業
「トンヤ de サファリ Part2」 2006年度シンボルマーク
トンヤ de サファリ1 トンヤ de サファリ2

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優秀作:
広島県廿日市市 堀江 豊さん

佳作:
兵庫県穴栗市 小柴雅樹さん
新潟県燕市 信貴正明さん
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ドヤ顔です。何だか寅年の年賀状デザインみたい!いえいえ、日本橋(東京だからにほんばし、大阪だったらにっぽんばし、ですよ)にある、服飾関係を中心とした問屋街による活性化プロジェクトで、文化服装学院と組んだ様子。しかし「トンヤ de サファリ」って一体・・・。問屋街で「リアル鬼ごっこ」みたいなのやるんかと思うたやんけ。因みに2006年は亥年ね。

知床世界自然遺産地域連絡会議
知床世界自然遺産 シンボルマーク
(優秀賞)
小柴雅樹
知床世界遺産

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最優秀賞
加藤めぐみ 愛知県名古屋市(デザイナー)

優秀賞
川口さなえ 北海道釧路町(専門学院生)
大澤元裕(まさひろ) 広島県福山市(会社員)
小柴雅樹 兵庫県宍栗市(デザイナー)

審査員特別賞
佐々木悠真 北海道斜里町(峰浜小6年)
鈴木 洸(ほのか) 北海道斜里町(斜里小4年)
小坂誌音(しおん) 北海道斜里町(斜里小4年)
大木美波 愛知県名古屋市(神丘中2年)
平尾 梢 愛知県名古屋市(神丘中3年)
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知床の自然の保全管理をアピールするためのマークです。この連絡会議とやら、環境省、林野庁、北海道、斜里郡斜里町、目梨郡(めなしぐん)羅臼町で構成されていて、この記事は環境省や林野庁のサイトにも2009年4月20日付で麗々しく載っている、そうこの字で。「宍粟」を読めなかったということですよね、お国の行政機関が何やってんだか。

(続く)

2013年11月 5日 (火)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その63:みほちゃん)

(承前)

続いて、ドMちゃんは関東からね。

茨城県稲敷郡美浦村(みほむら)
美浦村社会福祉協議会
イメージキャラクター
みほちゃん
塩崎歩美
みほちゃん みほちゃん

どうやら、色合いの少し異なるバージョンを許容しているようです。イニシャル[M]+やっぱり[ハート]+村の花[ヤマユリ]。ドMと言ってもむしろハート形に流れるのは、これぞ塩キャラDogmaの真骨頂でせう。[前髪ちょろ]も見逃せません。

・・・あれっ!?!?このユリの花、どこかで見たことあるぞ?・・・そうだこれだ!

【その19】
兵庫県篠山市
丹波篠山黒まめ検定イメージキャラクター
クロタン・マメタン
塩崎栄一
クロタン&マメタン

クロタン&マメタンで市の花ササユリだったのが、みほちゃんではヤマユリに。全く同一の図柄ですよ、この二つ。完コピ。やられたあ。伏兵に背中からぶっすり竹槍で刺された気分。
【その19】には、「このササユリ、リアル過ぎて塩崎一族とはタッチが違うような気がする。選考側で描き加えたのかも。」と書きましたが、そうではなかったことも期せずして証明されたわけです。
2008年2月のみほちゃんに対してクロタン&マメタンは2007年11月だから、時期は近接している。やはり、何か一つデザインがあればその近くには類似したものがあるんです、塩キャラって。みほちゃんの方がパクりということになるんでしょうがね。

あのねえ。園芸好きのお姉さんが教えてあげるわ。同じユリ科ユリ属の植物と言っても、ヤマユリ/Lilium auratumとササユリ/Lilium japonicumとではまるっきり違うの!叶恭子と叶美香以上に(わかりにくいかしらね)。
分類で言うと、ユリって「属」の下の「亜属」が大切なの。園芸上重要なものだけでも、ヤマユリ亜属、カノコユリ亜属、テッポウユリ亜属、スカシユリ亜属っていう具合にいろいろあるのよ。ヤマユリはもちろんヤマユリ亜属、ササユリはテッポウユリ亜属で、別の亜属なの!(Wikipediaにササユリがヤマユリ亜属と書いてあるのは間違いよ。)分布だって、東日本のヤマユリ、西日本のササユリっていう風に違ってる。
例えば高級品種の「カサブランカ」なら、ヤマユリとカノコユリの「亜属間交配」なんだけれど、亜属が違うと交配ができない場合も多いわ。テッポウユリ/Lilium longiflorumにカノコユリ/Lilium speciosumやスカシユリ/Lilium maculatumの赤や黄色がなかなか入れられなかったのもそのせいよ。

でもね、いいこと?歩美さん。あなたが「みほちゃん」で描きたかったヤマユリは、花びらがもっと大きく広がって咲くのよ。栄一さん、あなたの「クロタン・マメタン」だって、ササユリの花はあんなに反り返ったりしないし、普通はピンク色なの。あなたたちの描いた細長い白い花は、どう見てもテッポウユリそのものなのよ。あなたたち、見もしない、調べもしないで描いたでしょう。わかるのよ、ちゃんと。
最後に言っておくわ。日本は世界一の百合王国なの。今世界中で愛されているいろんなユリの改良品種も、日本産の原種なしには作り出せなかったと言っても過言ではないわ。それだけじゃない、どれも品種改良される前から完成された美しさを持っていた。このことは誇りにしていいと思うわ。だからあなたたちも、きちんと。ね、わかるでしょ。

・・・ドMなツル代姉さんも今日はだいぶおかんむりです。

この公募でもう一つスゴいのは豪華制作陣。キャッチフレーズ部門とキャラクター部門があったのだけれど;

キャッチフレーズ部門
(最優秀賞)
駒井 瞭 「いきいき美浦に 人咲く 夢咲く 福祉咲く」

(優秀賞)
久松千華 「ふくしでみほの“わ”」
工藤元市 「あなたが支え、みんなが支える、明日の福祉」

イメージキャラクター部門
(最優秀賞)
塩崎歩美 みほちゃん

(優秀賞)
小柴雅樹 ミ〜ホちゃん
工藤和久 みほほん
瀬戸良一 みほちゃん
杜多利夫 ビバート

と、大御所先生総出演の様相を呈しております。工藤一族なんて分担応募ですしね(^_-)。もー、想像するだに鳥肌立ちそうです。

ドMちゃん塩キャラ、その後も微妙に形を変えながら、2010年3月の「みっぷる」、2010年12月の「み〜な」へと受け継がれていきます。

【その12】
三重県
みえ次世代育成応援ネットワーク
マスコットキャラクター
みっぷる
長崎チヨ
みっぷる

【その2】
埼玉県秩父郡皆野町
イメージキャラクター
み〜な
塩崎まさよ
み〜な

そーよ、あの子もこの娘もM女だったのよ!

あー、今回久しぶりに園芸おたくぶっこいたわー。

(続く)

2013年11月 4日 (月)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その62:シュクピー)

(承前)

今回から2回にわたり、ドSとドMの[へのへのもへじ系]キャラクターをご紹介。まずは関西からドSちゃんを。

兵庫県西宮市(当時)
夙川学院短期大学
オープンキャンパス キャラクター
シュクピー
塩崎栄一(シオデザインルーム)
シュクピー

出ましたね、シオデザインルームですよ。イニシャル[S]+[ハート]+英語の[校名]という、何の変哲もない塩キャラです。
ううう、いかんいかん、1年以上にわたる塩漬けで脳ミソが沖縄の豆腐ヨウになってしまったようだ(「ヨウ」は「食羔」を一文字にした漢字。よしよし、まだ使えるなこの頭)。

1980年代に関西の学生だったツルにとっては、夙川学院短大はちょっと懐かしい名前。「しゅくたん」の女子と合コンやったこともあったっけ。ルーツは1880年(明治13年)創立の裁縫塾まで遡るという由緒正しさ。歴史の古さから言えば、1838年設立(緒方洪庵 適塾)の大阪大学には負けるが1869年創立(舎密局)の京都大学とはタメを張る、ってなもんです。

ツルなんかお嬢様学校のイメージが強かったんだけど、今は結構タイヘンなことになってるんですね。
2007年4月に神戸のポートアイランドに4年制大学を新規開校した辺りまではまだよかったのだけれど、2008年9月以降、本短大は人間コミュニケーション学科(旧 英語英文学科)、美術・デザイン学科、家政学科(健康科学専攻、ファッション専攻、食物専攻)、そして専攻科が次々に廃止され、現在唯一残るのは児童教育学科のみ(因みに日本一怪しい女性ユニットの「妹」分、叶 美香も同学科の卒業です)。
4年制の神戸夙川学院大学の方は、2007開校当初は観光文化学部観光文化学科のみでスタートし、今年すなわち2013年の4月からめでたく観光マネジメント学科を追加した由ですが、それってなんだかねーーー。ゴーマンかましてもよかでっしょうか。「観光」のみを看板にした大学って、専門学校とどう違うんでしょう。(>_<)\(゜o゜;)
英文表記がKobe Shukugawa Gakuin Universityになってるのもどうだかねーーー。総合大学、のことじゃないのUniversityって。(>_<)\(-""-;)
(夙川学院の皆さま、ほんとにごめんなさい<(_ _*)>)

夙川短大では、2009年7月にこのキャラを制定し、ステーショナリーなどの「シュクピー」グッズを配ったりしたらしい。オープンキャンパス(だけ)のためにってのは豪気だねえとは思うものの、少子高齢化時代を迎えて生き残りを賭けた戦略の一環ということなんでしょう。

しかし、このドSちゃんにはさらに厳しい現実が待っていた。
2011年には運営母体の学校法人夙川学院で金銭スキャンダルが火を噴く。3月、系列高校同窓会の預金1億6千万円を教職員給与や運転資金に流用していたことが発覚。6月には、本短大教職員の退職金等7億円の不払いにより西宮労働基準監督署から是正勧告(労働基準法違反)を受けた。しかし、是正期限の8月末になってもこの支払いを完了することはできず、11月までかかって所有グラウンドの一部売却によりこれに充てた。火の車だったんですね
2013年4月に短大を西宮から現在の神戸市中央区の4年制大学キャンパスに移転し、併せて男女共学化したのも、経費節減・経営見直し、つまりはリストラです。
こうしたことは全国の短期大学、ひいては大学全般に共通する悩みなんでしょう。まあ、ここは短大附属の幼稚園もあるので、今でも「就職率100%」なんて俄には信じ難いようなことを標榜してられるんでしょうか。

うーん、でも、西宮から離れてしまったら、校名の由来でもある、西宮市を流れる夙川(しゅくがわ)を表す水色の[マフラー]や足元の[波]のデザインは、存在意義をなくしてしまうんじゃないの?

(続く)

2013年11月 3日 (日)

【番外編】今様竹取物語:下の巻(白山めぐみん・やえせのシーちゃん)

(承前)

中本はこうも書いている。

「共通性とか、類似性とか深く掘り下げ調査して応募したことが無かった」

ナンだぁ?ふぅぅん。千歩譲って、このリストを作り始めた頃はそうであったものかもしれない。としても、「大体何れも似た感じのが多いなーと逆にビックリ」して掘り下げていった先に、この作家が掘り当てたのは結局パクりだけじゃないか

「素人なので無理もありません」というのも、一見すれば当たり障りのない逃げ口上。ツルも初めは信じました。でもこれも嘘。
前回述べた、キャラクター系ページの2009.10.06最終追加分には、次の自作品が含まれている。

石川県白山市
白山市農林水産物ブランドマーク キャラクター
白山めぐみん
中本竹識(福岡県北九州市:グラフィックデザイナー)
〔2009年8月〕
白山めぐみん

[白山連峰]にいろいろ[農林水産物]を盛って、既視感たっぷりの錯塩キャラですが、この際そんなことより。
白山市サイトでは、「グラフィックデザイナー」と明記の上で紹介してある。ということはそのように自己申告していたわけじゃないか。都合のよいようにプロとアマを二枚舌で使い分けているわけじゃないか。

ああ、マジでガチで疲れるわ。

今年に入った辺りから、中本は広島県在住に変わっている。ご高齢の堀江 豊の後を襲うのでしょうか(笑)

沖縄県島尻郡八重瀬町
キャラクター
やえせのシーちゃん
中本竹識(32歳:広島県)
〔2013年3月〕
やえせのシーちゃん

やえせのシーちゃん(背面) やえせのシーちゃん(側面)

[シーサー]の[かぶりモノ系]で、沖縄の盆踊り[エイサー]を愛する[棒術]の使い手、ということでこのなりです。頭の赤いのはマンサージと呼ばれる現代エイサーにつきものの頭巾。類似のキャラはありそうですが・・・(^_-)。
住みかは「八重瀬城(エージグシク)」、好きな場所は「ぐしちゃん浜」、好物は「ぐしちゃんピーマン」という、なかなかOkinawa Deep Southらしいキャラ立ち。[通せんぼ]スタイルなのは聖なるグスクを妄りに侵すなという深い意味かしら

応募時の愛称は「やえたん」という安易な[ん系ネーム]だった。「やえせのシーちゃん」に変えられたのは人気投票後。

八重瀬町観光シンボル 最終ノミネーション作品

「やえたん」だとどうも女の子みたいとか、本島南部にあるのに八重山諸島と間違えられやすいとかいったことがあったんだと思います。
一方で、NHK大河ドラマ「八重の桜」(2011年6月制作発表:2013年1〜12月オンエア)のことも意識したんだろうということにも思い当たる。当然のようにこの番組にも番宣キャラクターはできてたわけだし。

もっと言えば、2006年1月に東風平町(こちんだちょう)と具志頭村(ぐしかみそん)の合併で誕生してまだ歴史も浅い八重瀬町で、一番大切なのは「町の名前を売ること」だったはず。(cf. 2013.01.18「寒いからってだけで。)
テンプレだらけの公募ガイダーがそんなご当地事情を理解できる、いや理解しようとするわけもなく。

この作家はなぜ、このリストを公開したのだろう。そして、なぜ、その更新をやめたのだろう。
「参考資料の一部[に]加えてみなで独創的な素晴らしい作品を」といった単純な動機に出たものではないと思う。「堂々とアップ」しかねるイロイロな事情があるにせよ、それでもなお自作を公表する誘惑には抗し切れなかった。
そもそも、「権利等寄贈したことにもより」なんてもっともらしい理屈を挙げているのも全くおかしな話で、だったら他人の作品をばんばんリストアップしているのはどうなのか。自分の時だけこれを持ち出すのは矛盾です、すなわちカムフラージュ。自作としての公表を控えることとなったのはあくまで自己の剽窃行為の結果でしょう。
そして、だんだんと模倣が日常化するにつれ、更新し続けることに無理が出てきて、停止せざるを得なくなった。本人も記しているとおり、類似という観点からまとめられたリストですから。次の事情は付け足しの理由に過ぎないんじゃないかと思う。

-----
2011.10.21
すばらしい!
投稿者:のらりんくらりん

管理人様
初めて拝見して、シンボルマークデザインの参考になる価値ある資料だと感嘆しました。
最近は更新されているのでしょうか?

--

2011.10.22
のらりんくらりんさんへ
管理人

2年前から更新していません m(_ _)m
データ保存していたファイルが重くなり過ぎて壊れてしまいました…。
なので今では、自分でもここでしか見ることしか出来ないんですw
-----

つまるところ、次々と生み出されてくる他人の作品と、模倣の跡の隠しようもない自分の仕事とを並列して扱う自己矛盾が大きく育ってしまったのではないか。ツルはそんな風に受け取った。そこには人間的なものも感じますが。

・・・こういうの、名誉毀損になるのかな(苦)。「事実の摘示」であっても構成要件に該当する、てのが名誉毀損罪(刑法第230条)でしょうから、ふふ。でもね、当該行為が公共の利害に関する事実に係るもので、専ら公益を図る目的に出たものであった場合の免責の定め(同 第230条の2)ってのもあるんですよね(笑)。
つまりはこういうことかしら?鳥取の三朝町の住民が、ご当地の「みとちゃん」が茨城の常陸大宮市の「ひたまる」のパクりであると知ったら、あるいは逆に、大阪市天王寺区の子どもたちが、自分たちの「ももてんちゃん」が愛知の豊川市で「トヨバくん」としてマネされようとしている(しかも作者自身によって)と知ったら、どう思うか。決して肯定的な反応ばかりじゃないと思いますが(かなり控え目)、それって公共の利害の問題ではないの?

2013年11月 2日 (土)

【番外編】今様竹取物語:中の巻(遠野ブルーベリーの森・埼玉県美里町キャラ)

(承前)

管理人=中本!!
この事実を知って読めば、キャラクター系リストの末尾に書いてある次の文章も、欺瞞と自己弁護に満ちて目に映る。(知るというのは確かに恐ろしいことだ。)

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このマーク類を集めだすそもそものキッカケは、私自身が受賞したマークが、他のマークと酷似していると指摘を受け話題になったためです。それまでは、他のマーク類との共通性とか、類似性とか深く掘り下げ調査して応募したことが無かったため(本職ではなく素人なので無理もありませんが)このような結果になってしまいました。そこで他の所はいったいどんな感じなんだろうと集めだした次第です。集めていく内に、大体何れも似た感じのが多いなーと逆にビックリしました。(笑)これからは、これを参考資料の一部[に]加えてみなで独創的な素晴らしい作品を作りましょう。何れにしましても、このMyホームページで受賞作品を自ら公表すると(本来は堂々とアップしたいのですが)また色々とあると思いますので(権利等寄贈したことにもより)控えさせてもらいました。でも、一部の人には解ると思いますが、ここのマークの中の何処かには有りますw
-----

  そ ん な の 嘘 で す。

例えば、前回挙げた「キャラニュース」にも出てくる「みとちゃん」など、とうてい「他のマークと酷似していると指摘を受け話題になった」というレベルではない。意図をもって剽窃した以外の何者であろうか

【2012.12.23「その水は本当に清く澄んでいるのか − 上」】
茨城県常陸大宮市
マスコットキャラクター
ひたまる
清水浩美
〔2009年10月〕
ひたまる

 ↓

鳥取県東伯郡三朝町
三徳山イメージキャラクター
みとちゃん
中本竹識
〔2010年3月〕
みとちゃん

ツルは改めて「中本竹識=清水浩美ではないのか」という点を大真面目で調べ直しちゃいましたよ。(清水は大阪市阿倍野区在住で、ここは塩崎一族の本拠地生野区に隣接しているから、むしろそちらにひんやりするのだけれど。)

「参考資料の一部[に]加えて」というのは、文脈上(あるいはこのリスト全体の趣旨上)、当然「反面教師として」という意味に取るべきところでしょう。しかし本人はそうではなかったんです。

他人の作品を公然とパクるだけではない。これはどうだ?

岩手県遠野市
遠野ブルーベリーの森株式会社
遠野ブルーベリーの森
キャラクター
(候補?優秀賞?)
中本竹識
〔2008年4月〕
遠野ブルーベリーの森

 ↓

埼玉県児玉郡美里町
マスコットキャラクター
(佳作)
中本竹識(福岡県)
〔2009年11月〕
美里町キャラ(中本案)

これはどうだ!見事なまでのリサイクル。
[ブルーベリー]ですよ、紫色のタマネギじゃありませんよ。美里町のご当地名産もブルーベリーなんだそうな。ブルーベリーつながりで遠野の次点作品をちょちょいと手直しして美里に出しただけ。やる気のなさって、ちゃんと作品に現れてくるものなんですね。
因みに、遠野の公募で最優秀賞を獲った「ぶるっぱ」by 野口順子(茨城県)はキャラクター系リストの1804に載っています。一方、美里の最優秀賞「ミムリン」by 江黒公美子(埼玉県児玉郡上里町)はひと月遅れのタイムアウトで入ってませんが(^_-)。(リストの最終更新は2009.10.06なので。)

そう、自作のリサイクルではこんなものもありましたね。

【2013.01.23「AND Pakuri Goes Round & Round & Round...」】
大阪市天王寺区
マスコットキャラクター
ももてんちゃん
中本竹識
〔2010年2月〕
ももてんちゃん(応募案)

 ↓

愛知県豊川市
豊川市コミュニティバス
シンボルキャラクター
(優秀賞)トヨバくん
中本竹識
〔2011年10月〕
トヨバくん

どうしてこんなことが平気でできるんだろう?他人の作品を拝借してみたり、自作を(しかも他所で実際に採用されたものを!)コピーしてみたり。クリエイターとしての良心と自覚、ひいては資質に欠けるところがあるとしかツルには思えない。うーん、何より自分の仕事が嫌いになってしまわないのかな。リーマンが自分の仕事を嫌々やってるのとは本質的にわけが違うのよ(冷汗)。

え?リサイクルは盗作に入らないだろうって?とんでもないことでございます。それも含めて剽窃と呼ぶのだよ、社会的常識とやらではきっと。(冷酷な中傷ではありません、冷徹な批判です。)

(続く)

2013年11月 1日 (金)

【番外編】今様竹取物語:上の巻(RFL静岡 はっぴー)

大変申しあげにくいことなんですが。

-----
某サイトで(今のところは敢えて名前を伏せます)、あるミツバチのキャラクター画像を山田養蜂場のものだと明記しているところがあったんですね。
-----

ここです↓。

http://park1.wakwak.com/~symbolmark-site/index.html
http://park1.wakwak.com/~symbolmark-site/symbolmark.pdf
http://park1.wakwak.com/~symbolmark-site/character.pdf

シンボルマーク系とキャラクター系に分けて、いかに類似デザインが世に溢れているかを画像リストで明らかにしてある。質量ともまさに圧倒的です。
新しい自治体章類における「丸にブーメラン」すなわち丸ブーの氾濫も、古い時代の「丸にウサギ耳」タイプの繚乱も、一目瞭然。今ではもうここでしか見ることのできないキャラもあるようだし、韓国や中国のものまで押さえてあるし。記載されていない情報といったら、作者名ぐらいのもんじゃないかしらん(伏線)。
とりわけ、キャラクター系リストの2頁目の最後あたりから始まる作品群の、他の追随を許さぬテンプレートぶりは圧巻。駒井 瞭によるものと目されますが(cf. 2013.02.03「咲いた桜になぜ駒つなぐ」)、これこそ厚顔無恥と言えるでしょう。塩崎一族さえかわいく思えてくる、見てると頭が痛くなりますが。

このサイトを見つけた時にはいたく感嘆を禁じ得ませんでした。すごい人もいるもんだな、愚blogなんざこれに比べりゃへなちょこだと。最終の追加が2009.10.06で(伏線)、現在は更新されていないのがすごく残念と思ったものです。

しかし・・・・・・。

実は問題アリアリなんです、このサイト自体(今回ガチです)。まず、このサイトに残る掲示板の記事から。

-----
(2009.09.16 抜粋)

2167のはっぴーです。
投稿者:RFL静岡実行委員会事務局

管理人様

RFL静岡実行委員会です。
管理人様にデザイン頂きましたキャラクターですが(はっぴーと名づけました)、2167に登録されていることを確認いたしました。
その節は大変お世話になりありがとうございました。
-----

RFLすなわちリレー・フォー・ライフとは、「がん征圧を目指し、がん患者や家族、支援者らが夜通し交代で歩き、勇気と希望を分かち合う」という世界的なチャリティーイベントらしい。(有り体に言えば、その行動がどのようにしてがん征圧に役立っているのか、サイトからはあまり伝わってこないのが残念だ。)

静岡県
リレー・フォー・ライフ・ジャパン静岡
はっぴー
中本竹識(福岡県北九州市)
〔2009年3月〕
はっぴー

[ハート]を載せた[富士山]ですよ、水色のタマネギじゃありませんよ

このキャラに関連して、「全国ご当地キャラニュース」なるサイトにはこう書かれている。

-----
(2010.05.18 抜粋)

大阪市西淀川区のマスコットキャラクターが決定。愛称を募集中!(大阪府)

大阪市西淀川区では今年(2010年)の1月からマスコットキャラクターを募集していましたが、今回応募総数706点の作品の中から、西淀川区の花・サザンカをモチーフにした中本竹識さんのデザインが最優秀作品に選ばれました。

〔中略〕

今回最優秀賞を受賞された中本竹識さんは、北九州市在住のグラフィックデザイナー。この3月にも三徳山世界遺産登録イメージキャラの【みとちゃん】をデザインしたほか(参考:日本海新聞)、多数の自治体のキャラクターをデザインしている方です。

静岡リレーフォーライフを広める会のページには、四日市とんてきの【テキブー】、SON(スペシャル・オリンピック・ニッポン)富山のマーク、原子力・エネルギー教育支援情報提供サイトの【あとみん】、RFL静岡のマスコットキャラクター【はっぴー】など、中本さんデザインのキャラが紹介されています。
-----

中本竹識!!驚愕しました。もう取り上げることもないだろうと思っていたのに。

(続く)

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