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2013年12月17日 (火)

「誰が誰を殺したか」

(承前)

古い事件記事からもう一つ。ほぼ同時期にYahooトップの「トピックス」に載ったものですが、何度読んでも皆目不明で、スクラップしてました。これまた血腥い事件で、いらいらしてくるなんて言っては不謹慎なのですけれども。

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(2002.02.19 10:45更新 読売新聞)

大阪・箕面のひき逃げ、被害者の息子自殺で深まる謎

大阪府箕面市の山中で、大阪市住吉区のトラック運転手岡野満義さん(57)の他殺体が見つかった事件で、奪われた岡野さんのトラックにひき逃げされ死亡した無職男性(57)(豊中市)が、岡野さんの殺害現場近くで、シートにくるまれた大きな荷物を、自殺した長男(26)の用意した軽トラックに積み込んでいたことが、18日までの府警捜査1課の箕面署捜査本部の調べでわかった。府警は、男性が事情を知らない長男を遺体搬送に引き込んだと判断、搬送に使われた軽トラックを長男の勤務先から押収した。男性がひき逃げされた当時、長男は別の場所にいたといい、府警は、岡野さん殺害に関与した第三者が男性を事故に見せかけて殺害したとの疑いを強めている。
調べでは、長男が親類に付き添われて豊中南署を訪れ、父親の男性と2人で箕面市の山中に「大きな荷物」を運んだと証言したのは、15日。その際、「父は岡野さん殺害事件に関与したため、何者かにひき逃げを装って殺されたのではないか」と訴えたという。
岡野さんが殺害されたとみられる豊中市走井の配送先前路上で、8日午前零時ごろ、近所の人が男性の悲鳴を聞いていたことがわかり、府警は殺害時間と判断。長男の証言によると、8日未明、男性の指示で岡野さん殺害現場近くに勤務先の軽トラックで乗りつけたところ、男性が1人で軽トラックを運転し、すぐ、シートにくるまれた大きな荷物を積んで戻った。その後、長男が運転を代わり、2人で箕面市へ向かったという。
府警は16、17の両日も長男から事情聴取。自宅近くのマンションから飛び降り自殺した18日も聴取が予定されていた。長男は事件後、不眠を訴えるなど動揺が激しく、自宅に残された遺書には事件に関する記載もあった。長男の記憶にはあいまいな部分もあり、府警は、遺体が遺棄された林道近くにある不法投棄監視用カメラのビデオを解析、軽トラックが写っていないか確認を進めている。
一方、男性は英語教材販売などの会社を経営していたが、事業に失敗。豊中市の自宅を担保に1億円近い借金をしていた。7日午後4時ごろ、「仕事を探しに行く」と出かけており、府警は、長男を呼び出した8日未明までの間に、岡野さん殺害に関与した第三者と接触したとみて、当時の足取りを追っている。
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結構ひどくないですか?事実関係自体がわかりにくい。一体、何人が関わっていたのだろう。
最も多い場合は;

 トラック運転手:殺害
 トラック運転手殺害犯
 無職男性=死体遺棄犯:ひき逃げ死
 無職男性ひき逃げ犯
 長男:自殺

の5人となるのでしょうか。
当然、「トラック運転手殺害犯」=「無職男性」、あるいは「トラック運転手殺害犯」=「無職男性ひき逃げ犯」ということも考えられるだろうから、その場合は4人になるけれど。

のみならず、冒頭部分を読んだだけでは;

(1)無職男性がトラック運転手を殺したのか、逆にトラック運転手が無職男性を殺したのかが掴めないし(∵「殺害」と「ひき逃げ」の先後関係が不明)、
(2)「長男」が無職男性の息子なのか、それともトラック運転手の息子なのかというところからして、ややあいまいです。
(3)見出しと本文内容も微妙にズレているんですよね。

5W1Hがはっきりしないし、時系列に沿って書いているのか、時系列を遡っていくのかもよくわからない。
マスコミの書く文章とも思えませんが、新人記者によるものなんでしょうかね。そこに先輩記者やデスクが寄ってたかってごちゃごちゃと朱を入れ、結果、ごちゃごちゃ感は直らないまま出てしまったとか。
初めのドラフトが不出来だと、得てして最後まで良くはできないものです、ツルの経験上(-.-)y-~

ツッコミどころは満載ですが、最大の敗因はファーストセンテンスが長過ぎる点にあると思います、私見ながら。178文字。これが最後まで邪魔をして、全体がぐちゃぐちゃになってしまったのではないか。

別の記事ではこう書いてある。

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(2002.02.19 03:01更新 毎日新聞)

<運転手殺害事件>ひき逃げは「第2の殺人」と断定 大阪府警

大阪府箕面市で、岡野満義さん(57)が他殺体で見つかった事件で府警捜査本部は18日、岡野さんのトラックが起こしたひき逃げで無職男性(57)が死亡したのは、事故ではなく「第2の殺人」事件と断定。同日朝、自殺した無職男性の長男(26)が府警に「父親に岡野さんの遺体を運ぶのを手伝わされた」と話していた。
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ずいぶん簡単ですが、情報としてはむしろこちらの方がpractical。上記(2)の問題は解決されている。「シートにくるまれた大きな荷物」という変に扇情的な表現だったものも、「(トラック運転手の)遺体」と明記されています。

しかしこの記事でも結局;

(4)トラック運転手殺害犯が(仲間割れで?)無職男性をひき逃げしたのではないか
(5)長男が「事情を知らない」というのは本当だったのか、ならばなぜ自殺したのか、その遺書にあった「事件に関する記載」とは何か

という謎は残る。そこはまさに捜査中だったわけで。

こう理詰めで突いていくと、「無職男性ひき逃げ犯」=「長男」の線も出てきて、最少で3人となることまで考えられる。
この場合には例えば、『事業に失敗して金に困った無職男性が(保険金目当てに?)トラック運転手を殺害し、死体の運搬(*)を手伝わされたその息子が父親をひき殺した末に飛び降り自殺』というようなことになって、様相が一変してしまいます。
もっとも第一の読売記事に「男性がひき逃げされた当時、長男は別の場所にいたといい」とあるので、この論は否定されてしまいますが。

(*) 読売記事に「遺体搬送」とあるのはややおかしいと思う。「死んだ体」を「遺された体」と呼び換えるのは婉曲表現で、そこには死者に対する尊敬や哀悼の念が含まれているだろう。でも、だから、この場合、犯人はやはり「死体」を(モノとして)「運搬」したのではないのか。事件事故や雪山遭難で「遺体は司法解剖のため病院に搬送された」「遺体搬出は現場立入りが可能となる来春以降」といった場合とは違うはず。
むやみに婉曲表現しようとするからこうなるんです、きっと。

そしてもう一つ。長男の言動には不明なところもあったわけだし、「不眠を訴えるなど動揺が激し」かったのに、それでも自殺を防げなかった。警察も注意は払っていたろうけど、責任が全くないと言い切れるのかは気になる。大阪府警と言えば、あるまじき不祥事を数々起こし、綱紀の緩みが度々報じられてきたところ。

その後の顛末は調べていません。いずれにしても、3人が落命した凄惨な事件であるには違いないのですが。願わくば死者への冒涜でないことを。

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【2015.09.07 追記】
頂戴したコメントで、真相が解明したようです。今夜放送のTBS系「世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?」の中で取り上げられた由。

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ひき逃げで死亡した男は多額の借金を抱えていて、息子が運転するトラックにわざとひかれることで、死亡保険金を得ようとしていた。この親子はトラックを奪うために運転手も殺害していて、警察は死亡した親子を書類送検した。
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つまり、関わったのは最少の3人だった。

 トラック運転手:殺害
 無職男性=トラック運転手を殺害:ひき逃げ死
 無職男性の長男=父親とともにトラック運転手を殺害・父親をひき逃げ:自殺

しかしその本質は、無職男性が保険金目当てに「自らを息子に殺させる」ことを目論んだところにあったわけです(驚愕)。その目的のためにトラック運転手は殺され、結局息子も耐え切れず自殺した。

痛ましくも不思議な事件です。事実はツルの想像を遥かに超えていました。
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合掌

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蘊蓄Field:生きてく上で別に必要じゃなかった諸々、けれど。」カテゴリの記事

コメント

今日、9月7日午後8時からTBSで放送 された
世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?★ナゾ解きQ消えた犯人
でやってましたよ。

__さま

はじめまして!ツルと申します。

貴重な情報、ありがとうございます!!この番組、見ていませんでしたので、早速いろいろネットで調べまして、遂に真相を掴んだ思いです。I'm so excited!! やはり複雑な事情があったのですね。

この件、ぜひとも本稿に追記したく思いますので、どうかお許し下さい。

10年以上にわたる疑問がスッキリ解決した気持ちです、重ねてお礼申しあげます。

お返事遅くなりました。

ははあ、そういう感じだったんですね。早速追記させていただきました。
初めの読売新聞の記事を読み返してみると、確かに途中段階でこの事件のことをわかりやすく書くのは至難の技だったろうとは思えてきます。

マニアックなネタだったので、いつか解決するとは思っていませんでした。情報ありがとうございました、また何かお気づきのことなどあれば、教えて下さいね。

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