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2014年9月

2014年9月29日 (月)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その113:しむかっぴー)

(承前)

四国のカワウソ → 北海道のクマと来た流れは、そのまま北の大地に落ち着いたようです。

北海道勇払郡占冠村
占冠村ふるさと祭り実行委員会
ご当地キャラクター
しむかっぴー
塩崎榮一(68歳)
しむかっぴー

占冠村は道央の上川総合振興局管内にある、人口約1,200人、人口密度 2.12人/平方km(+_+)の山村。もちっとわかりやすく言えば、トマムリゾートのあるところ。そのご当地で「占冠村ふるさと祭り」が今年8月に40周年を迎えた記念に制定された、[エゾクロテン]のキャラクターです。
えー、「黒貂」なのに白いのかよ?そうなんです。エゾクロテンの体色は大陸産の基本種クロテンより概して淡い、個体差はあるけど。因みにイヌなどの体色の形容にも使われる「セーブル/sable」とはこのクロテンのことで、これは西洋の紋章学では「黒」を表す概念なんだけど。
占冠村サイトのトップページに出ているエゾクロテンの画像も白い姿です(この動物とご当地とのつながりも、こうして30秒で判明しちゃうわけだ)。

木製[マグカップ]のポシェットってのがまた、置戸町のアレと須崎市のコレを足して2で割りゃそーなるでしょ、的な(爆)。帽子でご当地の[山]+[川]を、アクセは村の木[カエデ]+村の花[ツツジ]+[村名]で、ってのも実にDogmaどおり。言い換えりゃ、須崎市のカワウソキャラの色を白く抜いちゃった感じです。[ぴー系ネーム]も必然だったと言えよう、「ぷ」で終わる地名なんて北海道ぐらいしかないのだから。

【その112】
高知県須崎市
かわうそキャラクター
しんじょう君
(佳作)
塩崎エイイチ
しんじょう君

ツルに言わせりゃ占冠村と須崎市は即刻友好縁組なさいませ。まあ、イタチの類いが棲んでる地域ならどこでも仲間に入れてあげてね

しむかっぴーは2014年4月にデザインが、6月に愛称(by 森田マサエ:75歳:占冠村字占冠)が発表されたばかり。6月15日オンエアの例のTV番組では、収録後に決まった106点目の最新塩キャラとして紹介されてました(cf. 2014.07.26「いつもどこかで謎めいて:一」)。今やもっと新しいのもできてるんだけどね;-)。
とするとだ。【その58】で述べたように、「1995年7月1日が54歳の誕生日」というインタビュー記事を基準にすれば、2014年4月には榮一は72歳ではないか。「68歳」などとんでもないご謙遜、齢古稀を過ぎてらっしゃるのです、古来稀也(最近はそうでもねえか)。相も変わらぬデザインに、相も変わらぬ鯖読みですな

隣接するこの自治体にも、2010年3月から塩キャラがいる。

【その9】
北海道沙流郡平取町
とよぬかキャラクター ほろりん
長崎チヨ
ほろりん

やっぱり、占冠村も欲しくなったのかね、塩崎先生方のご当地キャラが。でもお隣りの夕張市で話題を集めてるクマは選びたくなかったのか。一族としても、クマは同じ道内の置戸町で使っちゃってるから、遠く四国は須崎市のカワウソを転用してくる方がラクチンかつ無難だったんですね、わかります。

(続く)

2014年9月27日 (土)

【番外編】それって許されるの?:Recycle 0(かしぴょん・センチャン)

(承前)

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・・・でも、やっぱり上には上がいた・・・
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中本竹識を出したら、このガイダーも出さないわけにはいかない。あまりに直球なリサイクルの連続でして、こっちもどう対処すりゃいいのか戸惑ってしまうんで、敢えて「ゼロ」とさせていただきまする。

〔2013年6月決定〕
大阪府柏原市(かしわらし)
マスコットキャラクター
かしぴょん
駒井 瞭(大阪府東大阪市)
かしぴょん

選考委員会の面子は、柏原市長・柏原市商工会会長・同 前会長・大阪教育大学教授・関西女子短期大学講師・東大阪大学柏原高校講師と、おっさん連中ぽい匂いがぷんぷんしてくる。愛称は別途公募。

どうでもいいけど、ツルは「大阪府柏原市」の読み方が時々わからなくなる。前に、九州沖縄では「原」を「ばる/はる」と読む、と書いたけど(cf. 2014.09.13「酒と魚と女とハイヤ」)、一方、ツルの地元の福岡市南区にある「柏原」は「かしわら」あるいは「かしはら」だから(どっちの読み方もあってまたややこしい)。因みに「奈良県橿原市」なら「かしはら」ね。

〔2014年3月決定〕
福岡県大野城市
大野城市シルバー人材センター
マスコットキャラクター
センチャン
駒井 瞭(78歳:大阪府東大阪市)
センチャン

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人生経験を生かした能力と活動発信を誇る大野城市シルバー人材センターの明るく元気な姿を現したものです。
センターの[セン]と[ちゃん]を合体したネーミングです!
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[セン]+[ちゃん]だぁ!?ウソつけぇぇぇ!!(後掲)

このキャラには、あたかもシンボルマークのような[色使い御託]が下されている。

[緑]
市の木[クロガネモチ]
四天王山
乙金山
牛頸山
大野城市の映える山々

[青]
牛頸川
御笠川
大野城市の青く澄んだ清流

[ピンクのハート]
心豊かな出会いふれあい
活動への明日

[紫]
市の花[キキョウ]

はいはいはいはい、「おとがね」も「うしくび」も読めるじぇー。「四天王山」は「しおうじやま」と読んで、普通「四王寺山」と書くことも知ってるよん。ご当地は福岡市に南接するところで、そりゃー、ツル的には馴染みのあるところだもん。てか、超懐かしかー(T_T)

ばってん、やけんこそ腹が立つったい!!

あのなー、こんなの困るんだよぉぉっ!!あの「手紙」だって練りに練って書き上げたのにさぁ(cf. 2014.04.11「配達されない三通の手紙:二通目」)、その後になってこんなの見つけちゃった日にゃーこっちの立つ瀬がないじゃんよ( ̄^ ̄;)。
ううう、どうしてくれよう(`Δ´)

しゃーない、二通目の手紙、書き直しときまひょ。

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〔2013年10月決定〕
広島県江田島市
えたじま見守り支援ネットワーク キャラクター
(応募作品)えたぴょん
駒井 瞭
えたぴょん

〔2014年1月発表〕
広島県福山市
広島県立歴史博物館 マスコットキャラクター
せんちゃん
駒井 瞭
せんちゃん

〔2014年2月決定〕
青森県三戸郡南部町
鍋条例 イメージキャラクター
(優秀賞)なんぶなべちゃん
駒井 瞭
なんぶなべちゃん

(続く)

2014年9月25日 (木)

【番外編】それって許されるの?:Recycle 1(なじぇもん・橋本市マスコット・うーちゃん)

実は、先月深川重一について書いている間、ずっと難渋していた。筆が進まないのではなく、少し書くごとに新しい事実にぶつかっては、新しい思いが湧き上がってきたから。派生ネタの原稿ばかりがばんばんできちゃって、元のネタがなかなか進まなかった。
そんなわけで、書き溜めたもの、少しずつ放出していきましょう。

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【2014.08.17「果てなく重く深い闇 壱」】

公募で次点以下となった場合、(マイナーな手直しを加えて?)違う公募に出すことは別に問題ない、というのがこの業界の常識らしい。著作権は移転/譲渡してないのだし。だけどツルはいつも割り切れない。
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初めにはっきり言っときます、ツルには到底許容できません。率直に言って、他人事、余所事ながら不愉快ですらある。

〔2013年11月発表〕
新潟市
新潟医療生活協同組合
なじょも・キャラクター
(優秀賞)なじぇもん
中本竹識(広島県)
なじぇもん

〔2014年1月発表〕
和歌山県橋本市
橋本市マスコットキャラクター
(優秀作品)
中本竹識(広島県)
橋本市マスコット

〔2014年5月発表〕
愛媛県大洲市
大洲市社会福祉協議会
大洲市社協ゆるキャラ
うーちゃん
中本竹識(33歳:広島市)
うーちゃん

この作家のことは何回も斬り刻んできたので、もう書きたくもないんですよね。でも、やっぱり。

いずれも[雛鳥]をプラットフォームに、[卵の殻]だの名産の[カキ]だの[市章]だの[団体名]だのイニシャル[う]だのを適当にあしらってできあがり。幼い[翼]を広げて歩み寄ってくる、その足の形まで同じ。
中でもこの[ハート]形はよくよく目にしてきたところ。もうさすがにいちいち再掲しませんけど。(cf. 2014.03.17「配達されない三通の手紙:一通目」)
因みに、大洲市社協サイトでは「中本竹織」とクレジットされているけど、これは単なる誤記でしょう。

一応、判明する範囲で作者コメントを書いておくと;

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橋本市をイメージし、特産の柿、鶏肉をモチーフにしてデザインしました。頭部が[柿]の可愛い[ヒヨコ]のキャラで、生まれたばかりなので体に[鶏卵の欠片]があります。その卵の欠片には橋本市の[市章]を配しました。シンプルで親しみやすく末長く愛されるキャラクターです。
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BGMはきっとムソルグスキーの「展覧会の絵」ですね。卵の殻をつけた雛鳥の踊り。しかし「鶏肉をモチーフにしてヒヨコキャラ」ってのはどうなのよ、ストレート過ぎだろ(爆)。

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大洲市社会福祉協議会とその周辺の風土や自然をイメージし、ハートを鵜飼の[鵜]をモチーフにしてシンプルに親しみやすくデザインしました。
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ご当地を流れる肱川(ひじかわ)で行われる「大洲の鵜飼い」は、岐阜県長良川・大分県三隅川と並んで「日本三大鵜飼い」に数えられるそうな。不勉強にして存じませんでしたがさ^_^;。それに鵜って、ヒナの時はこんな風にブルーとピンクなの?まさかね。

「なじぇもん」の作者コメントは取れませんが、これは2013年4月にご当地に開設されたばかりの「住まい・介護・医療・集いのひろば」なる施設で、もとは「木戸病院」があったところ、これがよそに移転した跡地にできたもの。この言葉は「いくらでも、自由に、好きなように」などを意味する新潟弁です。
1階は、無料の足湯をはじめ、「大浴場 なじょもの湯」、地元農家の産直市場、食事のできるラウンジ。2階はデイサービス、ショートステイ、通所リハビリを行う「木戸クリニック」。3〜5階はサービス付き高齢者向け住宅が70室、多目的ホールや談話室つき。施設の充実がご自慢です。こーゆーのが今風なんでしょうな。

「医療生協」という概念には初めて出会った気がする。「どなたでも気軽に利用できる」と書いてあるところと「組合員の皆様が集まり交流を深め心身ともに健康になれる場所」とあるところがあって、実態はよく掴めませんけど。
もちろん、介護や高齢者医療を謳う施設なのに幼児性を強調した「雛鳥」なのは、作者にもそれなりの意図があったんでしょうが、それもわかりません。

因みに「なじょも」の最優秀賞は「森の大きな木」をモチーフにした中川絵美(広島県)の「なじょも駅長」、橋本市は草野敬一(長崎県:デザイナー)によるカモノハシの「はしぼう」です。

もう、このガイダーにCreativityなぞ期待してはいない。ここで言いたいのは、冒頭に載せたツルの割り切れなさとは正反対の立場で、中本は制作に勤しんでいるのネってことだけ。
さらに言うなら、なじぇもん → 橋本市と次点を続けて大洲市で採用されたからこのデザインの流用もついに止むのかというと、この作家の場合、そんなことはないのである、過去の実績上。(cf. 2013.01.23「AND Pakuri Goes Round & Round & Round...」)

著作権は作者にあるのだから、そりゃ何やってもいいでしょうよ。けど、こういうの、制作に向き合う態度として、ほんとどうなんだろうか??

・・・でも、やっぱり上には上がいた・・・

(続く)

2014年9月23日 (火)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その112:おけまるくん・しんじょう君)

(承前)

【番外編】で道産子キャラが続いた流れで、こんなのを見てみますと。

北海道常呂郡置戸町(おけとちょう)
地域キャラクター(ゆるキャラ)
(優秀賞)おけまるくん
塩崎歩美
おけまるくん

ご当地は、道東はオホーツク総合振興局管内にあって山林資源の豊かなところです。最優秀賞はウマのキャラクター、「おけばんばくん」(by 佐渡絵梨香:北海道北見市)。かつて木材を伐り出す時に使われていた挽馬をモチーフにしたんだな。今も毎年6月には「おけと人間ばん馬大会」が開かれてますし。
2013年にデザインと愛称をワンセットで公募し、8月に入賞者を、その後9月23日の「馬力だすべえ祭」でデザインを発表してますが、8月時点では「おけばんば君」「おけまる」の表記だったので、最優秀賞に合わせて次点の愛称を微修正したことになる。さては、おけまるくんもサブキャラとして活躍していくんだろうか。

次点作品の説明は省かれているものの、読み解きに特段困難は感じないのが塩キャラの骨頂であーる、のだけれども、これはどうじゃろう。
同町サイトを見てみると、ご当地の一押し名産品は「オケクラフト」という木工工芸ブランド。だから木製[ボウル]の[かぶりモノ系]です、まず。で、頭の左側は町の木[アカエゾマツ]+町の花[エゾムラサキツツジ]、これも順当に塩キャラDogma標準アイテム、楽勝っすね。

右側の[根菜]となると、ちょいとレベルが上がる。順当に行きゃあ、ご当地で栽培の盛んなテンサイ/甜菜/サトウダイコン/ビーツ/Beta vulgarisなんだろう。ダイコンの名前がついてるけど、アブラナ科ダイコン属ではなくてヒユ科フダンソウ属の植物です。ところがどっこい、ご当地ではキク科のヤーコン/Smallanthus sonchifoliusも生産されているのよ。アンデス原産で、人間には消化できないが乳酸菌のエサになるフラクトオリゴ糖を根に多く含むので腸内フローラの正常化に役立ち、ヤーコン食べて内側からキレイになりましょう云々な近年の健康野菜。
さるジモティblogに「頭には特産の[ヤーコン]」とあったので、やはり後者でしたとさ。

ヤーコン

もっと不思議なのは木製プレートに盛られた[カレーライス]のポシェット、あはは、不安定。どんなB級グルメかと思ったら、これが何と、給食メニューらしいんです。ご当地の学校給食は「日本一」とNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され、「置戸町の学校給食カレー」なる商品も発売されている。本公募の前年、2012年のこと(^_-)。

置戸町の学校給食カレー

このおばさまこそ、その時紹介された、1972年から置戸町立学校給食センターの管理栄養士を務めてきた佐々木十美(とみ)。
お子様向けに腑抜けた甘口にしちゃったりなんかしない、ご当地の「給食の母」による本格辛口カレーです!しかもこれ、スパイスだけのセットなので、小麦粉炒めてルウ作って寝かせて熟成させて煮込んで、カレーライスが食えるようになるまでには3週間もかかるという(笑)。昔懐かしい松山容子のボンカレーに似たパッケージですが(そうかぁ?)、れっきとしたSlow Foodなのね。

もっとハードル上がるのが、なぜ[クマ]なのかという話で。「甘党なクマがテンサイやヤーコンを食害するので・・・」なんてジモティニュース的発想のはずもない(^^)。「町の獣」に選ばれたりもしてません、そんな猛獣選ぶかいっ。まっ、北海道だからクマちゃんキャラならわかりやすいんじゃない?ってなところじゃないんかなー。

いーえ、ほんとはそんなことではないんです。

高知県須崎市(すさきし)
かわうそキャラクター
しんじょう君
(佳作)
塩崎エイイチ
しんじょう君(エイイチ案)

ねー?置戸町より少し前、2013年4月に発表されたキャラクター。こちらは当然、[ニホンカワウソ]でなければならなかったわけですね。この哺乳類が我が国で最後に目撃されたのはご当地を流れる新荘川、だから「しんじょう君」。正確にはこれはその二代目の公募なので、愛称は初めから決まっていた。

このキャラにかぶりモノを乗っけて、しっぽとひげを取り去れば、おけまるくんのフォルムはハイ出来上がり。多少なりとも体型の近い北海道の動物としてクマが選ばれたのは、いわば必然だったのですよ。

盛りアイテムは、本人説明によれば「市の花[桜]」とあるんだけど、それは正確ではない。ご当地では市の木が[サクラ]、市の花が[ヤマザクラ]です(ややこしいわいっ!!)。そして全国一の販売額を誇るご当地産品[ミョウガ]+ご当地B級グルメ[鍋焼きラーメン]のポシェット(ア、アンタ火傷するってば!!)、さらに[市章]をアクセントにして、顔の下部に思いっきり集めてきたパーツと[寄り目ハイライト]で幼児性強調。

鍋焼きラーメンは、須崎商工会議所によって7つの定義づけがなされている。

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1.スープは、親鳥の鶏がら醤油ベースであること
2.麺は、細麺ストレートで少し硬めに提供されること
3.具は、親鳥の肉・ねぎ・生卵・ちくわ(すまき)などであること
4.器は、土鍋(ホーロー、鉄鍋)であること
5.スープが沸騰した状態で提供されること
6.たくわん(古漬けで酸味のあるものがベスト)が提供されること
7.全てに「おもてなしの心」を込めること
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ああ、めんどくせえ。ラーメンに沢庵なんか添えてもらわなくって結構。ついでに言えばミョウガもつけないでちょうだい、合わないし。しかし最近のこの手のものには珍しく、価格の制限は設けてないようです。

この公募がまたねー、いろいろあるんですけど、それはいつかまた。
それよりもっと気になることがあるんですよ;-)。

(続く)

2014年9月21日 (日)

【番外編】キワモノ礼讃三連発 ― 凶暴(メロン熊)

(承前)

ご当地キャラ界広しと言えど、「凶暴」ならばこれを以て嚆矢とする。

北海道夕張市
北海道物産センター夕張店
マスコットキャラクター
メロン熊
若狭翁斉(おうさい)(28歳:同店店長)
メロン熊 マイルド メロン熊 リアル メロン熊 シンカ

やれやれ、ビッグコミックの表紙でしょうかね(笑)。[夕張メロン]と[ヒグマ]の出会いものですが、「メロングマ」じゃなくって「メロンクマ」だよ。2010年8月「マイルド」→ 2011年8月「リアル」→ 2013年9月「シンカ」と、だんだん凶暴度合いを増していて、「シンカ」は「進化」のことでしょう。これらより前、最初のタイプができたのは2009年8月のようです。

メロン熊(当初)

メロン農家がクマの食害で困っているというニュースからこのコンセプトを考えついた若狭の本職は、国道274号線沿いにある土産物店兼ドライブインの店長。父親が経営権を買い取った(+_+)同店舗を任されたのは2002年、弱冠二十と一歳の時だった。名前からしてどんなおじいちゃんかと思うけど、全然違ったのネ。

当時の背景としては、2007年3月に夕張市が財政破綻した ―言い換えればある意味この上なく全国の注目が集まっていた― とか、2011年には夕張−占冠間の道東自動車道が開通予定で国道沿いの同店は苦戦が予想されたとか、そんな諸々があった(ご当地の巨額の負債を自虐ネタにした「夕張夫妻」は2007年9月に発表済み)。
因みに現時点で人口1万人を切った市は全国に3つあって、歌志内市(4千人弱)、三笠市(1万人弱)、そしてご当地夕張市(1万人弱)。全て北海道中西部、空知総合振興局管内で、いずれも一時は炭鉱の町として栄えたところなんですね。中でもご当地は減少ペースが最も速い由で、そう見るとメロン熊の重責は同じ北海道内のずーしーほっきーの比じゃないんである。

爾来、この若き店長さん、メロンと石炭を武器に、「メロンプリン」だの、真っ黒な「石炭シュークリーム」だのを次々に送り出してきたわけです。メロン熊もその一環で、タイトーのアーケードゲームの景品として全国区に出世しちゃったりしている。カツオ人間とはまた違うアプローチなんですな。
土産物店のグッズという性格からして、デザインもお客さんの反応を見ながら日々進化し続けているということでしょう。「マイルド」タイプの現在の二次元バージョンはこうらしい。

メロン熊(マイルド二次元)

ここへ来て、若狭の描いた最初のラフスケッチにやっと辿り着いた感じです。

メロン熊 原画

以上のキワモノ、いや個性派3点、いずれも共通しているのは「公募でない」っってこと。思えばくまモンもふなっしーもちっちゃいおっさんもそう。新しいものはその辺りから出てきているのではないのか。「公認でない」割合も高いよな、自治体公式キャラはずーしーほっきーとくまモンだけ。カツオ人間はどうなんでせう。

逆説的だけど、ご当地キャラ公募の限界はそこら辺り、というより結局、個性化と地方行政とは実は本質的に相容れないものなんでしょうか??
そもそも、メロン熊もカツオ人間も、ご当地キャラというよりただの販促キャラクターではなかったのかという気も改めてしてくるけど。

2014年9月19日 (金)

【番外編】キワモノ礼讃三連発 ― 恐怖(カツオ人間)

(承前)

またまたお魚系から、今度は仕掛人がはっきりしているものを。

高知県
株式会社山西金陵堂
高知県アンテナショップ「まるごと高知」PR大使 → 高知県地産外商公社 特命課長
カツオ人間
(作者不詳)
カツオ人間

ずーしーほっきーが「狂気」なら、こっちは「恐怖のカツオ人間」ですね。魚介系にありがちな着ぐるみ作成上のお悩みをすっぱり断ち切ったその雄姿!灼けた素肌にきりりと締め込んだ[六尺褌]も、土佐のいごっそうって感じで
三次元は二次元よりかわいさを強調してる感じだけど、だからこそ後ろ姿の衝撃は大きいです(笑)。

カツオ人間(横) カツオ人間(後)

これは2007年に高知市の山西金陵堂が[カツオ]をキャラクター化したものがOrigin。水産加工業かと思ったらこの会社、なんと老舗のお菓子屋さんです。1888年(明治20年)の創業時からの看板菓子は「松魚つぶ」。熊本出身の俳人、中村汀女(1900.04.11〜1988.09.20:本名 破魔子)が書いた一文を引用すると。

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この国では飴のことを「つぶ」と呼ぶ。それにしてもこれはなんと大きなつぶだろう。
鰹節と等身大で、いくら土地柄でもこんな愉快な飴を思いついたものと、おかしくも楽しくもなった。・・・・・小さな鎚を添えて叩いて割れというのである。かちんかちんと私も鰹節のからだを叩いて土佐の山河を偲んだ。

かつをつぶ割れば輝きとぶ蜻蛉
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鰹節そっくりのニッキ飴!!キャラになる前からキワモノっぽいけど、高級菓子みたいですよ。明治の男の稚気ってもんかね。

同社のサイトにはちょっと不思議なことが書かれていて、「中に含まれているシナモン(四国地方特産)の味、香りは他には見られない独特のものです」とある。
ニッキとかシナモンとして知られるCinnamomum属の植物には近縁種がいろいろあり、日本薬局方収録の生薬、桂皮はシナニッケイ/C. cassiaの樹皮、言わずと知れた香辛料のシナモン/肉桂はセイロンニッケイ/C. verumまたはニッケイ/C. sieboldiiの樹皮または根。いずれもインドシナを中心とする熱帯アジア辺りの産です。きっと、効能やら香りやらが少しずつ違うんだろう。
で、日本産の有用種としては、南西諸島にニッケイが自生するぐらいだと思っていた。でも、日本固有のマルバニッケイ/C. daphnoidesという種類もやはり暖地にあるそうで、この種小名daphnoidesは「Daphne/ジンチョウゲ属に似た」の意味のはずだから、やはり芳香があると思われる。これが別名コウチニッケイとも呼ばれるそうなので、松魚つぶに用いられる四国特産のシナモンとはこれのことなんでしょう。

ことほどさようにツルがニッケイにこだわりを持つのは、福岡の実家にこの木があるからです。中1だった年の晩秋か初冬、瓦屋の息子の友達と二人で近所から採ってきたもの。「老松神社の裏山にニッキの木があるとじぇ」って教えられて。親木のそばに50cmもないような苗が生えてたんだよね。小さいスコップで土もほとんどつけずに掘り取ってきて、まさか根付くとは思わなかったけどなー。これは国内の照葉樹林で普通に見られるヤブニッケイ/C. japonicumで、別に有用植物というわけではないけれど、剪定する時にはやっぱりあの香りに包まれて気分爽快です。

秘密の樹持つ少年に冬夕焼
       京子

あの、この「少年」って、40年前のツルのことなんすよ・・・いや、象徴的な意味合いとかではなく。ツルの母親の句ですので。いつの間にか、よくネタにされてました。息子を詠んだものは句会で不思議と高得点を取ったらしい。

≪キャラの話はどこ行ったとや?≫

2008年8月に作られた着ぐるみが高知県地産外商公社プロモーション戦略局長 小笠原慶二の目に止まり、東京銀座一丁目のご当地アンテナショップのオープン1周年PRキャラクターにと白羽の矢が立ったのは2011年7月。
同公社はこのショップを運営する半官半民の一般財団法人で、前年の大河ドラマ「龍馬伝」の効果が薄れないうちに、今度はまた違うIconを立てたい思惑があった。ううむ、鋭い、けどその根底に在ったのはやっぱりキャラ使い捨ての思想だったのね。

いくらこの仕掛人が;

「ゆるキャラグランプリには出ない」

「ゆるキャラは2分で飽きられる」

「基本的に県外で営業活動しない」(※2011年・2012年の東京のアンテナショップPR大使も1ヵ月限定だった)

「活動はほぼ100%ネットで、イベントにはよほどのことがないと出さない」

「みんなの前に現れるのは高知県のため、っていうところはブレさせない」

「プロモーションはやらないので、本当に好きな人がいてくれる」

「ちゃんと「信頼関係」を築ける相手だけを呼んでいれば、こちらがきちんと発信していくだけで、フォロワーの100%近い人が反応してくれる」

等々と思い入れたっぷりにカッコよさげなことを述べ立てても、です。よく読みゃネット過信のヴァーチャル発想じゃんよ。
極め付けは次の名言。

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あの……揶揄するわけじゃないですけど、今のゆるキャラって“数の勝負”になっていて。ほとんどゆるキャラって、10体とか20体で、クルマや飲料のコマーシャルに出て、キャラ好きを押さえちゃえ!っていうやりかたなんですね。でも、それやったら、私からすると終わった感がありますね。
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あの……揶揄するわけじゃないですけど、2分で飽きるのって、キワモノこそそういうとこあって。“数の勝負”に組み込まれてるのはカツオ人間だって結局おんなじで。インパクトあるデザインに走っちゃえ!っていうやりかたなんですね。でも、それやったら、ツルからすると終わった感がありますね。

(続く)

2014年9月17日 (水)

【番外編】キワモノ礼讃三連発 ― 狂気(ずーしーほっきー)

またまた海産物つながりになっちゃいそうなんですけれども・・・。

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【その88】

そもそも「汎用性のない」「応用の利かない」デザインってどんなもんなんだよ。不勉強にして;

北海道北斗市の「ずーしーほっきー」
高知市の株式会社山西金陵堂の「カツオ人間」
北海道物産センター夕張店の「メロン熊」

あたりのキモキャラ/コワキャラってなものしか思い浮かばないんだけど、そんなキワモノ系じゃなくってさ。
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そのキワモノ系、ツルはどれもそんなにキライじゃない、多分。(そりゃ簡単にはホメませんがね)

北海道北斗市
北斗市公式キャラクター
ずーしーほっきー
公立はこだて未来大学「HOCTORY」
ずーしーほっきー(スタンダードバリエーション) ずーしーほっきー(目が定点バリエーション)

怪奇、歩き出した[寿司]。まさに「狂気」を感じる目ですが、そこはそれ、「スタンダードバリエーション」に加えて「目が定点バリエーション」も用意されてます(笑)。
プラットフォームは「ふっくりんこ」なる[お米]のシャリに、乗っけたネタは[ホッキガイ]。ご当地ご自慢の「ふっくりんこ」は、寒さに強い「ほしのゆめ」と米国由来の系統とを掛け合わせた新品種で、北斗市が一大生産地(それってすごく微妙、だからこそPRしなきゃネ)。ご当地は北海道における稲作の発祥地ですから。

ふっくりんこ バターキャンディ

お米のイメージ戦略とあまりに違うのがおかしい。ご飯もキャンディも何だか違う味がしそうです。

選考時は「ホッキーずーしー」の愛称だったけれども、市の担当者曰く;

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こちらのほうでインターネットで調べたら苫小牧市と宮城県山元町に「ホッキーくん」というのがいらっしゃるということがわかりまして、あんまり同じ名前もどうだろう、ということでひっくり返して、ひらがなにしたということですね。
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だとか。山元町にいらっしゃるのは、うげ、塩キャラでらっしゃいますね。

【その48】
宮城県亘理郡山元町 ホッキ貝イメージキャラクター
ホッキーくん
長崎チヨ
ホッキーくん

ずーしーほっきーができるまでの経緯をネット上でいろいろかき集めてみると;

2015年度中(=2016年3月末まで)に北海道新幹線のご当地新駅開業を控えた北斗市がご当地キャラ制作を企画し、公立はこだて未来大学に話を持ちかけた。敢えて公募の途を選ばなかったわけです。
で、2013年4月以降、調査分析やらフィールドワークやらワークショップやら市民投票やら、流行りのプロセスを経て半年後の11月に決定された。それはまあええわいな。けどよ。

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平成26年6月5日(木)、北斗市長から平成25年度の本学プロジェクト学習の学生チーム「HOCTORY」に感謝状が贈呈されました。「HOCTORY」が北斗市民の参加を得ながら「ずーしーほっきー」を制作したことで、北斗市のPRに多大な貢献をしたとの評価を受け、その功績を讃えられて感謝状が贈られたものです。
北斗市公認のご当地キャラクター制作は、新幹線開業に向けた地域PRの一環として、本学が北斗市から制作の相談を受け、3年生必修科目であるプロジェクト学習において取り組むこととなったものです。プロジェクト学習は1年間をかけて、学生が実社会の様々な課題について問題の発見から解決までを能動的に取り組む、本学独自の実践型授業です。
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大学なのに「授業」やて(冷)。そのどこが「本学独自」なのよ。今どきの大学でそんなカリキュラム持ってないとこの方が珍しいでしょうよ。
高校生がやったことだったら褒めてもらえるだろう。中学生だったら全国地域づくりなんちゃらグランプリを獲れるかもしれない。でも大学生であればこうね。

≪親の脛で好き放題遊んでんじゃねーよ≫

しかも市側では「市と大学との協働プロジェクト」と位置づけている。ならば感謝状など贈るのはいささか筋違いではないのか。実社会というのはそういうものです。

≪相変わらず厳しいなあ、30年前には留年までしてたキリギリスが(汗)≫

そもそも「公立はこだて未来大学」って何なのか。

1997年11月:
公立大学の設置、管理、運営のために函館市・亀田郡七飯町(ななえちょう)・同 戸井町(現 函館市)・同 大野町(現 北斗市)・上磯郡上磯町(現 北斗市)が「特別地方公共団体」として「函館圏公立大学広域連合」を組織

2000年4月:
公立はこだて未来大学 開学

2004年12月:
戸井町が函館市に編入

2006年2月:
大野町・上磯町が新設合併して市制施行し北斗市に

おお、久しぶりに目にしたぜ、「広域連合」(詳しくは【その55】をどうぞ)。地域興しのために(?)大学づくり、それも私大の誘致ではなく自前で。

はーん、だから甘やかすのね、学生さんを。
「学生さん」なる概念は、ツルが学生だった80年代で既に「京都」にしか生き残っていなかったように思う。でも・・・何か違うような気はする。あくまで通過地点としての(こらこら)世界遺産的古都の大学群と、地域振興そしておそらくは人口定着の思惑も含んだイマドキの地方都市の公立大学と。

(続く)

2014年9月15日 (月)

【番外編】うみ・そら・さんご・はりせんぼんのいいつたえ(アバサンゴ・大空町章)

お魚つながり、まだまだ続けます。

ちんたらポンタラ、アレが変、ココがおかしいとあげつらっている愚blogですが、たまーには雰囲気を変えましてと。海産物系でツルが割と気に入ったのはこれ。

沖縄県
第32回全国豊かな海づくり大会 〜美ら島おきなわ大会〜
キャラクター
アバサンゴ
糸永泰子(36歳:沖縄県豊見城市:会社員)
アバサンゴ

2012年11月に糸満市で開催された同大会のために、前年9月に発表になったご当地キャラクターです。作者には、アバサーつまり[ハリセンボン]のとげが[サンゴ]になっちゃったという天啓が下ったんでしょう。ハリセンボンは沖縄では日常的な食材(食うとこあんまないと思うけど)、糸満漁師も沢山獲っているはず。当然フグ科と思ったらハリセンボン科というのがあって、(卵巣を除いて)毒はないんだそうです。

今まで見てきたとおり、沖縄には「海」をモチーフにしたキャラクターが案外乏しいみたい。県外の人が沖縄と聞いてまずイメージするのは、青い海と極彩色の魚、そして赤いハイビスカス、そんなところだろうに。
こういう「一言イメージ」がはっきりしているのって、資産だと思うんだけどねえ。他の自治体だと、ご当地に比肩し得るのは北海道と京都府(京都市?)と奈良県ぐらい(個人の感想です)。北海道なら一義的に広い空と大地、京都や奈良は言うまでもありませんね。
でもこんなこと言ってると、道内のキャラはみんなジャガイモかトウモロコシ、自治体章はみんな「青い色は大空を表しています」、なんてテンプレに陥りかねないけど。

北海道網走郡大空町
町章
高橋政幸(北海道札幌市)
大空町章

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大空町の[О]をベースに澄み切った透明感のある[大空]と交流拠点になる空港、基幹産業である農業、酪農を[青色]と[緑色]の流線型で表し、まさに大空と大地の中での大空町の将来像を表現しています。
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ほーら、言わんこっちゃない。ご当地は網走郡の女満別町と東藻琴村(ひがしもことむら)が2006年3月に新設合併してできた新しい自治体。女満別というのはもはや空港の名前でしかないのかしらん。町章は先立って2005年の年の瀬に決定されたものです。爽やかだけどね。

ああ、制定側って、きっとツルと同じ世代が中心だったんだな。

♪果てしない 大空と
 広い大地の その中で
 いつの日か 幸せを
 自分の腕で つかむよう

いや、ツルはファンじゃありませんでしたけど(きっぱり)。

今まで見てきたように「剛」のイメージが強い沖縄産のキャラクターの中では(そういえばずっと前に見た沖縄の家紋もそんな感じだった;cf. 2009.03.18〜21「継継継 家紋夜話」〜「継継継継継 家紋夜話」)、アバサンゴ、珍しく無理なく南国らしいキャラなんではないの?クマノミとかツノダシとか、そこらへんの「南の海に対する期待」を裏切らない、と言ってもいいんじゃないか。万人向けにかわいいと思うんだけど。あ、実は男の子の設定ですが。

でも、これがいわゆるご当地キャラクターとして優れたデザインなのかというと、おそらくそうではないんだろうな。だってさ、着ぐるみを作る際に、人間の体型にあまり合ってないからです。かぶりモノ系でもないからこれに胴体つけるわけにはいかないだろうし、だからといってデザインに合わせて足元まで身体を持ってくれば、異常にでっかくなりそうだし非常に動きにくそうだし、うはは。

・・・なんだか、かぶりモノ系塩キャラの安全牌さ加減とか、丸ブー自治体章につきものの空虚な御託とかを擁護しちゃってるような、妙な気分。

― Title Inspired by「うみ・そら・さんごのいいつたえ」(1991)Directed by 椎名 誠(1944.06.14〜)―

― Also Inspired by「大空と大地の中で」松山千春(1977.06.25リリース アルバム「君のために作った歌」より)―

2014年9月13日 (土)

【番外編】酒と魚と女とハイヤ(ハイヤちゃん・あかねちゃん)

お祭りつながり&お魚つながりで、やっぱりこれもいっときましょう。

熊本県天草市牛深地区
牛深地区振興会
マスコットキャラクター
ハイヤちゃん
立志哲洋(東京都)
ハイヤちゃん

(優秀賞)
塩崎歩美(大阪府)
小柴雅樹(兵庫県)

(特別賞)
松下愛香(天草市)
前田晃良(天草市)

【その111】の歩美作品よりいくらか大人上品な感じの漂うところが("Classy"とでも言うのかな^_^;)身上でしょう。頭に飼ってる[魚]の種類が何なのかはわかりませんが(伏線)。

ハイヤちゃん決定が報じられたのは2012年10月だけど、詳細な内容は既にネット上から消えているので、歩美以外の次点作品はもう確認できない。当時は;

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審査の結果、最優秀賞には東京都在住の立志哲洋さん(牛深出身)の作品が選ばれました。
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とあったんだよなー。立志がご当地出身とは知らなんだ(果たしてこの情報を鵜呑みにしてよいものやら、ではありますが)。

ご当地では毎年12月の「牛深あかね市」に加え、4月に「牛深ハイヤ祭り」も開かれていて、この時には「牛深ハイヤ節全国大会」も同時開催されます。(沖縄の「世界エイサー大会」や「世界のウチナーンチュ大会」みたいなもんでしょうかね?)

2014年牛深ハイヤ祭りポスター

いやー、皆さんハジけてますなー!どうやらこのお祭り(踊り?)、女性が主役らしい。その意味で、エイサーとは鏡像関係に立つんじゃないかという気がします。

2012那覇市エイサー

ハイヤという名前は、もともと古語で南風のことを「はえ」と呼んだことに由来する。今も夏の季語には「白南風/しらはえ」「黒南風/くろはえ」「荒南風/あらはえ」といったものがあるし、こうした呼び名は西日本中心に残っていて、日本最大のふぐ取引高を誇る山口県下関市の「南風泊港」(正式名称:下関漁港南風泊分港)は「はえどまりこう」。足を伸ばせば、沖縄県島尻郡南風原町は「はえばるちょう」です。もっとも沖縄で「南風」と書けば普通は「ぱいかじ」と読みますが。
もともと「はえ」の語には「南」そのものの意味があって、八重山のリゾート「はいむるぶし」は「南群星」、すったもんだの末昨年3月に開港した新石垣空港の愛称「南ぬ島 石垣空港」は「ぱいぬしま」、波照間島のさらに南方に理想郷があるという「パイパティローマ」伝説はつまり「南波照間」です。

ついでに言うと、「○○原」という地名を「○○ばる/はる」と読むのは九州沖縄ではごくごく普通で、ツルが育った福岡市周辺でちょっと思い出しただけでも「白木原/しらきばる」「春日原/かすがばる」「塩原/しおばる」「屋形原/やかたばる」「桧原/ひばる」「前原/まえばる」「唐原/とうのはる」「長者原/ちょうじゃばる」, etc.と枚挙に暇がない。
他に、よく知られたところでは熊本県に「田原坂/たばるざか」があるし、宮崎県には「西都原/さいとばる」もあれば、「どげんかせんといかん」の超秀逸コピーを考え出した前知事は「東国原英夫/ひがしこくばる ひでお」でしたね。沖縄県なら「与那原/よなばる」もあるし、国の天然記念物ヤンバルクイナの「ヤンバル」は「山原」で、本島北部の山林地帯を表す普通名詞。
これは確か、朝鮮語の影響だという説もあるのではなかったかしらん。調べてみると諸説あるみたいだけど、とにかくこの読み方は九州沖縄で約100ヵ所、なのに他の地域だと富山県に「針原/じんばる」があるだけという特異っぷりらしい(+_+)。

ああ、いつもながらに枝葉が大繁茂m(__)m。話を戻してと。

ご当地ではこの南風が吹くと海が時化て船を出せなくなるらしい。ハイヤ節は、そうした時に船乗り達の風待ちの酒宴で唄われていたもので、それが港から港へと全国に広まっていったとされる。土佐のよさこいもこの系列だという見方もあるそうで(笑)。さもさもありがち。

今年で43回目を迎えた「牛深ハイヤ祭り」には、実は第20回の時から別なキャラクターが存在してまして・・・

熊本県牛深市
牛深ハイヤ マスコット
あかねちゃん
(作者不明)
あかねちゃん

三重県にも同名の塩キャラがあったなあ(cf.【その10】)。
こちらは[イワシ]をモチーフにした女の子とされているので、ひょっとしたらハイヤちゃんの頭に棲んでる魚もそうかもしれません。ただ、こちらはずっと二次元世界の住人だった。

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(2011.03.07 熊本日日新聞 抜粋)

天草市の牛深ハイヤ祭り実行委は祭りのマスコット「あかねちゃん」の着ぐるみを作った。九州新幹線全線開業の12日、JR熊本駅でデビュー、40回目を迎える4月の祭りをPRする。
あかねちゃんは浴衣に赤い帯を締めたイワシのハイヤ娘。1991年の第20回ハイヤ祭りの際、一般公募でイラストに採用された。誕生から20年で「20歳の女性」になったとして、イラストより目元はぱっちり。あかねは牛深弁で「大漁」「もうかった」などを意味する。
熊本駅では各地の「ゆるキャラ」と一緒に新幹線を出迎える。
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あいやー、実に20年後の三次元化かあ。気長にユルい話やなー。よほど不漁続きだったのかね(T^T)、いやいや。
けれどもあかねちゃんがこの日にお披露目されることはなかった(はず)。何度か書いてきたとおり、東北地方太平洋沖地震が前日に発生し、開業イベントは全て中止になったからです。無事デビューを迎えたのは1ヵ月後、40回目の牛深まつり。

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(2011.04.01 市政だより天草 No.120 抜粋)

4月15〜17日に開かれる第40回牛深ハイヤ祭りでは、20歳になりすてきな女性になったあかねちゃんを見ることができます。
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その子二十歳
肩に堰かるる黒髪の
奢りの春の美しきかな
     晶子

黒髪じゃないがな。てか髪なんてほとんどないがな。

この翌年になってハイヤちゃんが制定されたわけで、ということはキャラの更新を図ったのかと思ったんだけど、2013年2月24日に行われた「うしぶか海食祭2013」でも仲よくPRにこれ努めているし、上掲の今年の「牛深ハイヤ祭り」ポスターにもちゃんと一緒に写ってます。

うしぶか海食祭2013

いやー、どんなご当地キャラにも必ず!それぞれにストーリーはあるのねぇ。(デザインは同じでも^^;)

けれど・・・です。ならばどうして、何のためにハイヤちゃんを作ったんだろう??やっぱりそこがよくわからない。あかねちゃんというものがありながら、ですよ。どちらも結局、牛深ハイヤのキャラクターじゃないか。

2014年9月11日 (木)

【番外編】祭りと金魚と男と女(しばたん・金魚台輪・九州観光マスター検定ロゴ)

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最優秀賞は「しばたん」by 竜田裕実、2013年7月に決定されてますが、この公募の入賞作ってのがまたいずれ劣らぬアレでねぇ。。。
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それなんですがね。取り急ぎ列挙してみますと。

新潟県新発田市
金魚台輪 マスコットキャラクター
しばたん
竜田裕実(東京都)
しばたん(フロント) しばたん(サイド)

(優秀賞)
塩崎歩美(大阪府)
金魚台輪(フロント) 金魚台輪(サイド)

渡辺 光(福岡県)
金魚台輪(フロント)(渡辺案) 金魚台輪(サイド)(渡辺案)

匿名(新潟県)
金魚台輪(フロント)(匿名案) 金魚台輪(サイド)(匿名案)

たはーー。よくもまあこんな似たり寄ったりのものばっかりを。最終選考はさぞや困難を極めたことならむ(笑)。ふむ、沖縄市のエイサーキャラクターなんかとはまた違う意味で、これも募集/審査側の個性が(あるいは没個性が!)強く表れた公募だとは言えるんでしょうが。

採用された竜田裕実の名前も時々見かけます。このガイダーいや作家、実はれっきとした♂。やはりプロのイラストレーターである娘の竜田麻衣のサイトに「イラストレーター・竜田裕実(父)」と出ていて、ツルはひっくり返りました。当然女性だろうと思い込んでいたので(+_+)。
男性である旨は次の公募でも明らかにされている。

福岡市
福岡商工会議所
九州観光マスター検定試験
ロゴマーク
(優秀賞)
竜田裕実(男性:57歳:東京都:イラストレーター)
九州観光マスター検定ロゴ

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九州の[地図]を基に観光をイメージする[カメラ]にマスター検定試験を[帽子]と[ペン]で示す。手の[輪]で九州をマスターする様を、又、カメラの丸で合格証書をアピール。全体に親しみやすくまとめる。
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てへっ。こりゃまたテンプレっちゅうか郵便局的っちゅうか

(最優秀賞)
古田 新(あらた)(61歳:千葉市:イラストレーター)

(優秀賞)
竜田裕実(57歳:東京都:イラストレーター)
丸林恭子(34歳:福岡県久留米市)

(奨励賞:30歳以下対象)
中本竹識(27歳:福岡県北九州市:デザイナー)
松山みどり(21歳:佐賀県神埼郡:福岡コミュニケーションアート専門学校在学)
森田由美(26歳:福岡市西区:デジタルハリウッド在学)
安永佳祐(19歳:福岡市博多区:麻生情報ビジネス専門学校在学)

うはは、中本が27歳!

「九州観光マスター検定試験」というのは、一時各地で流行ったご当地検定事業の一つ。「観光産業の振興に寄与することができる人材の育成を図る」とか「せっかくですから、九州まるごと知りましょう!」とかで2005年から始められ、2007年9月にはこのロゴマークを制定したりもしたのだけど、遺憾ながら2014年9月28日、今月最後の日曜の試験をもって終了となります。受験者減のためってのはご多分に漏れぬところやね。けど、最後の試験に今ならまだ間に合うかもっ!!
(ウソです、申込期限過ぎてますんで)

でも「竜田裕実=男性」となると、塩崎一族の「今井弘実」というのもある特定の意図があってのことではないかと思えてくるなあ。ひんやり微妙にインスパイア。

2014年9月 9日 (火)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その111:牛深マスコット)

(承前)

魚がメインのご当地キャラというのは割と少ない気がする。着ぐるみにする際の制約が大きいせいだろうけど、こんなものもありまして。これがまた激しくひんやりするんです。

熊本県天草市牛深地区
牛深地区振興会
マスコットキャラクター
(優秀賞)
塩崎歩美
牛深マスコットキャラクター(歩美案)

前回の金魚台輪に同じく、赤いお魚による和風[かぶりモノ系]、けど今度のアイテムは[鯛]です。よく見りゃこっちは食いつかれてるわけじゃなく、単に載っけてるだけ。そりゃまたそれで奇態なことですがね

ご当地は以前牛深市と呼ばれていた地域で、2006年3月に、本渡市(ほんどし)、天草郡の有明町・御所浦町・倉岳町・栖本町・新和町・五和町・天草町・河浦町の8町と新設合併して天草市となったところ。天草市は全域が天草諸島の中にあって、いわば海の幸に恵まれたとこですたい。
特にタイ漁は天然・養殖ともに盛んなようで、12月の「牛深あかね市」でも港の生け簀にマダイ1万尾を集めて行う「タイ釣り大会」が超人気だそうな。現在の天草市の魚だって鯛です。

この公募、単なる「なんとなく、キャラしちゃる」に出たものではない。ご当地に伝わる「ハイヤ節」「ハイヤ踊り」を全国に売り出そうという意図があり、従って愛称も募集時から「ハイヤちゃん」と決めてあった。つまりは前回取り上げた新発田市の金魚台輪マスコット同様、お祭りキャラなわけで。採用されたのは立志哲洋、金魚台輪の前年、2012年10月に報道されてます。

それはまあいい。少なくとも金魚台輪の歩美作品よりは、いかにも祭りらしい躍動感も感じられる。しかしだよ。こっちの歩美作品、これじゃあまるで、「唐津くんち」のキャラクターそのものじゃないか。

2010唐津くんちポスター

唐津くんち(「おくんち」と呼ぶことの方が多い気がする)は、お隣りの佐賀県は玄海灘側、唐津市にある唐津神社の秋季例大祭。各町から曳山が出揃うわけで、↑のポスターのメインは五番曳山(でも人気はダントツ一番!!)、魚屋町の「鯛」(1845年製作)。ツルもすごく小さかった時に一度見物したことがあって、この鯛をいたく気に入っとったらしかです。胸鰭がちょこっと動くっちゃんね。

唐津くんち 五番曳山 鯛

日本の魚食文化を代表する魚(古代から神餞として欠かせない物であったという意味において、それは鮪でも秋刀魚でもなく鯛だと思う)をこれほど端的にシンボル化、いやキャラクター化した例は他にはないでしょう。思うに塩崎家では皆さんそのことを十分意識してらして、その上で拝借してこられたんだと思います

ていうよりかさあ、この牛深の鯛娘、唐津城築城400年記念イメージキャラクターの公募(「唐ワンくん」と「舞ヅルくん」を生んだやつです:2008年4月決定)に出してボツったネタぢゃないのかよ。それを暢気に優秀賞に選んじゃう方もどうかと思うよな。

≪もう、創造力が涸渇してるんだろうなあ≫

こんな風に疑う合理的理由も十分あるってもんだよね、唐津の鯛を見ちゃった後では。

(続く)

2014年9月 7日 (日)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その110:金魚台輪マスコット)

(承前)

夏休みも終わっちゃいましたが、往く夏を惜しみつつ、こんなもの斬っちゃいましょう。

新潟県新発田市
金魚台輪 マスコットキャラクター
(優秀賞)
塩崎歩美
金魚台輪(フロント) 金魚台輪(サイド)

[金魚]の[かぶりモノ系]でがっぽり食いつかれてる感たっぷり。お衣装には市の木の[サクラ]を散らし、裾模様の[波]はおそらく新発田川でしょう。[寄り目ハイライト]もDogmaどおりだけど、サイドから見ると微妙に奇妙なんですね(微笑)、前方だけ凝視してる感じで。あっ、別にいいのか、左右は金魚の目で見るから(しかも魚眼だし^^;)。

金魚台輪とは、もともとはご当地に伝わる郷土玩具。跳ね上がった尾鰭がなかなかゴージャスです。紐をつけて子どもが曳いて遊ぶ「曳き車」で、そうした遊び物は鯨(高知県)だったり鯛(新潟市・鹿児島県)だったり、雉子(福岡県・大分県・熊本県)だったり鳩(長野県)だったり、全国各地にいろいろある。福岡の雉子車は、ツルの父方のルーツ、山門郡(やまとぐん)瀬高町(現 みやま市)の名物なので、ツルの小さかった頃、ツルの家にも古びた大きな雉子車があったっけ。今もあるかもしれない。

金魚台輪 宵の金魚台輪

ご当地の金魚台輪がひと味違うのは、灯りを点して楽しむものだということ(新潟市の鯛車も同じなようだけど)。つまりは車つきの燈籠ってとこで、だから材質も土や無垢の木ではなく、竹ヒゴで作った金魚に和紙を貼り付けて木の台に乗っけ、車輪は桐材の輪切り。きっと軽いものなんすね、小さい子どもにも扱いやすいように。口のところを開けて蝋燭(?)を入れるらしい。
ううむ、しかし。子どものおもちゃなのに、火を使うわけ??数々の危険を引き起こしてきたことでしょうなぁ。

これを大きくして山車にしたものもまた同じ名前で呼ばれ、お盆の宵には50を超える町内で子どもたちが曳き回すそうな。ご当地の夏祭り「城下町新発田まつり」ではさらに巨大化し、電飾がついたり蒸気を吐く仕掛けを施したりした、トラックほどのでっかいやつのパレードも催されている。花自動車のノリですねきっと。いや、ねぶたかな。

ここでまたツルの個人的昔話をさせていただくと、小さい頃、5月の「博多どんたく」には花電車が出るというので親に連れられてよく見に行ったものです。昔福岡市には路面電車が走っていたんですよね。祭りの雑踏の中で待っていると、夕暮れに光り輝く電車が近づいてきて、電飾の熱気まで頬に感じられたのが記憶に残っている。
チンチン電車が廃止された後、「花自動車」とか「花バス」とか呼ばれるバスに代わったけど、何だかつまらなくなったような気がした。今にしてその感覚に言葉を与えるなら、軌道の上しか走れない電車が着飾っていたのに比べて、どこでも行けるバスでは非日常感、祝祭感がまるで違ってたということになるんかな。まあ、今ではもっと豪華なTDLのフロートなんかもあるけど、それは作られた非日常、なぞられた高揚感でしかないのかもしれない。見てる子どもたちにとっちゃあ祝祭感に変わりはあるまいが。

「城下町新発田まつり」の中心となる新発田諏訪神社の例大祭では、毎年8月27日早朝に六基の台輪が各町から宮入りする「奉納台輪」、29日夕方に町方へと戻る「帰り台輪」が祭礼の華。精緻美麗な山車の割にはなかなか荒っぽいらしくて、特に後者は台輪同士の「あおり」や「もみあい」を繰り返して進み、「通称けんか台輪と呼ばれ、文字通りのけんか祭りの様相を呈する」(Wikipedia)そうな。一体どんなことになっちまうんでしょう(これは大人が曳くもので、金魚なんかはついてません)。

で、キャラクターを作って夏祭りを一層盛り上げようというわけです。最優秀賞は「しばたん」by 竜田裕実、2013年7月に決定されてますが、この公募の入賞作ってのがまたいずれ劣らぬアレでねぇ。。。でもそのことはいつか改めて。

(続く)

2014年9月 3日 (水)

【番外編】琉風テンペスト 結章(かまどぅ兄貴・しーしくん・ヤエサー)

(承前)

続いては、本島南部の八重瀬町のキャラクター公募をちょっと取り上げます。2013年3月、次の作品が採用された公募です。

【2013.11.03「今様竹取物語:下の巻」】
沖縄県島尻郡八重瀬町
キャラクター
やえせのシーちゃん
中本竹識
やえせのシーちゃん

え?このどこが琉風なんだって?うちなーアイテム取り去れば塩キャラ丸出しじゃないかって?まあ待たれい。
この公募で投票にかけられた候補はこんな感じ。

八重瀬町観光シンボル 最終ノミネーション作品

沖縄市エイサーキャラの入賞作品と比べると、アツさ控えめ、おとなしめじゃあるけど、偏差はむしろ広い気がする。たとえばこんなのが入ってたりとかね。

(最終ノミネーション作品)
かまどぅ兄貴
(作者不明)
かまどぅ兄貴

ただ、このネーミングはわからない。「カマド」は沖縄の高齢女性に多い名前。沖縄随一の聖地、久高島には「外間殿(ふかまどぅん)」という祭祀の場もあるけど、この島が属するのはお隣の南城市。だいぶ調べても、ご当地でこの男子キャラに結びつく要素が見つかりません。だからこれこそジモティ応募なんでしょうが、どなたかご存じでしたらご教示下さいまし。

テンプレ度合いの低めなこの公募も、しかし、叩けばホコリは舞い立つ。

(最終ノミネーション作品)
しーしくん
(作者不明)
しーしくん

一見して、ゲームキャラみたいと感じました。ポケモンや妖怪ウォッチにたくさん出てくるような(全く詳しくないけど)。マンガやアニメのキャラみたいだがそれともちょっと違う。ましてやご当地興しのキャラクターの顔はしていない。お腹のマークは[町章]ですが。
それぞれが有する「キャラクター性」や表情づけの方向性みたいなものも少しずつ違うことがわかりかけてきた気がします。

沖縄だからシーサーやらエイサーやら取り敢えず盛っとけなんてのは、ここではむしろ少数派(当てこすりです、ハイ)。

(最終ノミネーション作品)
ヤエサー
ヤエサー

これ、沖縄市エイサーキャラ公募に出してもいけるじゃん、いやほんとに出してたかもしれないと思いますが、それはおいといて。アイテムが、というより構成要素があまりに似てるんですよね、2008年8月(?)決定のこれ↓に。

宮城県大崎市古川地区
釜神キャラクター
釜ちゃん
塩崎歩美
釜ちゃん1

・・・冷えますね・・・。当然、同一作家によるリサイクルものと思いたくなる。けど、こんな例し↓を散々見てきた後では、その結論に簡単に飛びつくわけにもやっぱりいかないんですよ。

【2014.08.13「配達されない三通の手紙:三通目」】
沖縄市ほか
おきなわマラソン イメージキャラクター
シータン
深川重一
シータン

【2013.11.28「平成の世に 多き不訶思議」】
岡山県都窪郡早島町
健康づくり推進運動 シンボルマーク
(優秀賞)
平山陽一
早島町健康づくり(平山案)

【2012.12.23「その水は本当に清く澄んでいるのか − 上」】
三重県北牟婁郡紀北町
マスコットキャラクター
きーほくん
清水浩美
きーほくん

これだけ類似/模倣が横行し錯塩が氾濫している以上、不明な部分はどうしても残ってしまう。宮城の「釜ちゃん」が沖縄のシーサーの姿に似ていると気づいた誰かがちょっと拝借した、ってことも考えられるわけです。

つまりはそこが公募なるものの一番深い闇、なんだね。(それが夏休み自由大けんきゅうの結論だってか

2014年9月 2日 (火)

【番外編】琉風テンペスト 転章(沖縄各地エイサーポスター・博多山笠ポスター・黒石寺蘇民祭ポスター)

(承前)

≪えー、今回、一部のマニアの方には堪らない、こたえられない画像のオンパレードとなっておりますことをお断りいたします・・・≫

なんでこんなに沖縄には「こってり味」のが多いのだろう?(沖縄のキャラクターに対する疑問点はもう一つあるけれど。)
それには沖縄市の「沖縄全島エイサーまつり」の歴代ポスターが一つ参考になるかもしれない。

1969年
1969コザ市全島エイサーコンクール

1975年
1975沖縄全島エイサーまつり

1983年
1983沖縄全島エイサーまつり

1998年
1998沖縄全島エイサーまつり

2000年
2000沖縄全島エイサーまつり

2010年
2010沖縄全島エイサーまつり

ひゃーーーぁ、こりゃまた濃ゆーい。ずーっと昭和が続いていたような気もしてくる。
'80年代のものなんか、ホモ、いやゲイ雑誌の表紙と言われても納得するだろうし(するなっ)、'90年代のも男性原理の隠喩がもうヤバ過ぎる感じ。女性がメインに初登場するのはやっと'00年代になってからです、北朝鮮っぽいけど。

薔薇族

何なんだろうこのアツさ(てか暑苦しいか)。手書きの筆文字を使ってるから?でもお祭りのポスターなんてどこでもそんなもんだよねえ。あるいは写真じゃなくてdrawingだったから?

続いて中部の近隣のエイサーポスターを見てみると。

2013年 宜野湾市青年エイサー祭り
2013宜野湾市エイサー

2009年 うるま市与勝(よかつ)エイサー祭
2009うるま市与勝エイサー

この年の与勝エイサーなんて、トリを務める屋慶名青年会の出番は「24:00」ですよ(笑)。まあコンビニが会場ですからね。「与勝」とは東シナ海に突き出た勝連半島(与勝半島)の辺りの地域のことで、旧 与那城町と旧 勝連町を総称した言い方。ご当地のエイサーではパーランクーの役割が重要らしい。つまりはエイサーも地域ごと、もっと言えば青年会ごとに個性があるわけです。

うーん、熊谷とか越谷とか大阪の夏祭りもこれに倣って夜中開催にしたら熱中症のリスクが減るんじゃないの。あ、「よるじゅう」じゃなくて「よなか」ね。

手踊りの伝統が残る(らしい)北部でもポスターは太鼓エイサー。

2012年 名護市青年エイサー祭り
2012名護市エイサー

南部の那覇市ではこんな感じ。

2012年 青年ふるさとエイサー祭り
2012那覇市エイサー

結局沖縄県人はこういうテイストがお好きってことでしょうか?ある意味ご当地が歴史的に見て中華文化圏に在ったということなのかもしれない。(cf. 2009.03.21「継継継継継 家紋夜話」)
そして、やっぱりエイサーは基本的に男子の祭りなんでしょう。「The 男の汗」。沖縄の社会自体が男性中心という側面もまたきっとあって、かつ、それは今なお高いご当地の出生率とも絡んでいるってことはあると思うけど。

と好き勝手に書いてきて、他の地方ではどうなんだと思って調べてみますと。

2014年 博多山笠
2014博多山笠

2008年 黒石寺蘇民祭
2008黒石寺蘇民祭

あぎじゃびよーー、負けないぐらい暑苦しいさぁ・・・。最近「博多祇園山笠」とは表記せんとかね?
岩手県奥州市水沢区(旧 水沢市:この「区」は合併特例法による「地域自治区」であって、地方自治法による政令指定都市の「行政区」とは異なる)の黒石寺蘇民祭のポスターは、JR東日本が「女性客が不快感を覚え、セクシャルハラスメントに該当するおそれあり」として駅構内での掲出を拒否し、一躍有名になった時のあれです。

まさか本シリーズで猥褻系(?)を扱うことになろうとはね。

(続く)

2014年9月 1日 (月)

【番外編】琉風テンペスト 承章(北のぺーちん・中ゆくりん・城まーい)

(承前)

本島中部、沖縄市のエイサーキャラ応募作品に見られた濃いテイスト、なにもご当地に限った話ではない。隣接する北中城村(きたなかぐすくそん)で今年の2月に発表された公募を見てみると。

沖縄県中頭郡北中城村
地域活性化キャラクター
北のぺーちん
島 琉希(10歳:北中城小4年)・山田菖平(14歳:北中城中学2年)・新垣留奈(15歳:北中城中学3年)・新垣鈴香(15歳:北中城中学3年)
北のぺーちん

この公募はどうやら地元の小中高校生を中心に行われたようで、「北のぺーちん」は「4人の作品を合作」したと紹介されている。「ぺーちん」とは漢字で「親雲上」と書き、琉球の貴族階級の称号の一つ。[シーサー]と[エイサー]に[ヒマワリ]がかけてあるのは、ご当地の冬の(!)風物詩、40万本のヒマワリ畑を表しています。

北中城村ヒマワリ畑

後ろに写り込んでいるのは北中城中学校。ご当地の子どもたちにとって、この花をモチーフにすることはごく自然な発想だったんでしょう。1月〜2月に咲き誇るこのヒマワリ畑、もとは2007年頃から遊休農地の解消と緑肥作りを兼ねて始められたものだった。見物客が集まり出してから観光資源として見直され、栽培時期も春〜夏から秋〜冬に変えられて(夏に台風で全滅したこともあった由)、今では「日本一早いヒマワリ」として知られるようになったそうです。

二次元界では濃いテイストのこのキャラも、着ぐるみでは微妙に残念な結果になっていて、キアゲハがオオミズアオになっちゃったぐらいの感じ。

北のぺーちん

で、調べてみたさー、合作の元となった4点を。北中城村サイトには応募された全556点が載ってるし。でもこれがなかなか難しい。作者名は伏せられてるしね。

ライアンくん
ライアンくん

アーサーくん
アーサーくん

RyanだのArthurだのさすが沖縄、と思ったらとんだ早合点で、後者は特産品の[アーサ]つまり海藻のアオサから取ったネーミング。後者なんて、「キャラクターの特徴」の欄に「未来は安心して暮らせる村になって欲しいという事でライアンにしました」と書いてあって、一瞬胸を衝かれた。米軍基地と共にあるということはこういうことなんでしょう。因みに前回ちょっと書いた「ライカム交差点」のライカムとは、かつてのRyukyu Command Headquarters/琉球米軍司令部の通称、"RyCom"。

ここら辺まではまあ間違いないんだろうけれど、残り二つとなると・・・

シーマー君
シーマー君

きたしし
きたしし

このぐらいしか見つけられませんでした。かなりかけ離れているので、違ってたらごめんなさい。一方で、元になった「4点」の画像が公表されていないということにはそれなりの意味があるようにも思えるけど。

この公募は実は「北」「中」「城」のトリオで選ばれていて、それぞれ「健康」「平和」「観光」という村づくりの三本柱を表している由。

中ゆくりん
玉城 愛(40歳:北中城村:カフェ経営)
中ゆくりん(応募案) 中ゆくりん(最終版)

緑の体はもちろん[アーサ]、顔は村の[地図]。もっとも見ようによっては北海道の地図に見えないこともない(^_^;)。デザイン補整で[口]の位置を変えるという荒療治をやってのけていて、まあ、三次元対応というわけでしょう。微妙に目の焦点が合ってないのが、「ずーしーほっきー」みたいにちょいと狂気を感じさせる、なんて言ってみたり。
玉城曰く「カフェに来る女子大生をイメージした」とのことなんですが、こんな女子大生いないよな、というよりいたらコワイよ((((;゜Д゜)))。

ぱったん → 城(ぐすく)まーい
幸喜 舜(17歳:北中城高2年)
ぱったん(応募案) 城まーい(最終版)

こっちは[パッションフルーツ]の赤ちゃんだったのが、3才児ぐらいに育って改名もいたしました(笑)。そりゃ着ぐるみは歩かにゃなるまいて。
頭にかざした花もクダモノトケイソウ/果物時計草ってことなのか。あたしゃまたなんでブドウの横にテリミトラ/Thelymitraの花を添えたのかと思いましたがねえ。"Blue Orchid"の名で知られるオーストラリア産の珍貴な蘭です。事実、村の花は[ラン]とされている。

テリミトラ・ヌダ

・・・と独りで納得していたら、作者コメントに「頭にランを付けることにより北中城村らしさを表現しました」とあったので、やっぱり蘭花なんですね。

このトリオ、公募に当たっては沖縄振興一括交付金を利用したり、特別住民票を交付したり、3点が登場する観光案内アプリの開発を予定したりと、最新トレンドもばっちり採り入れてます。着ぐるみは3体とも「話す」ことができるそうッスよ。

濃いと言えば、前にこんなのも取り上げたっけ。こちらは南部のものです。(cf. 2013.01.18「寒いからってだけで。」)

沖縄県島尻郡南風原町(はえばるちょう)
イメージキャラクター
はえるん
野々宮ゆき
はえるん(最終版)

うーん、やっぱり、盛りアイテムがトロピカルだとかなんとかいうより、方向性自体が異なっている気がするんですよね。

(続く)

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