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2015年4月11日 (土)

【番外編】知立乱立杜若(ちりゅっぴ・知立市章)

今回はちと、キャライベント告知を兼ねまして(どうした風の吹き回しやw)。
2014年10月に決定されたこのキャラクターのことです。

愛知県知立市
マスコットキャラクター
ちりゅっぴ
高柳順子(静岡県三島市:グラフィックデザイナー)
ちりゅっぴ

はァ。

照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧キャラにぞ しくものはなき
   (新古今和歌集;半分ウソ)

「カワイイ」は認めるけど、印象薄げな感じもまた否めないかな。

可も不可も霞に暮れて春の宵
   (奥の細道;全部ウソ)

気になったのはむしろ、なぜご当地で[馬]?という点。優秀賞や「その他最終候補作品」を見ても、目につくのは地名に引っかけた竜ネタやご当地名菓あんまき(小倉ホットケーキが筒状になってると思えばよろしい)といったあたりで、本作以外馬は見当たりません。

コンセプトを読んでみると。

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ちりゅっぴは知立市が大好きな男の子。
[かきつばた]の飾りをつけた[馬]パーカーを着て、かつてたくさんの旅人が旅した鎌倉街道や馬市のあった東海道の歴史を伝える。
ベストには[市章]の刺繍がほどこしてある。
[あんまきポーチ]には知立市の魅力がたくさんつまっている。心優しいのんびりや。
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歴史ネタでもあったというわけか!さすがは高柳、調べが細かい(cf. 2013.02.18「三島宿、ひともとの柳いと高きぞありける:その1」)。ま、Wikipediaの知立市の項にも馬市のことは一言載ってますけどネ
というより視点の問題なんだろう。ご当地にとって「馬」とはもちろん、現代に生き続ける産業・文化というわけではない。敢えて歴史上のできごとにフォーカスしたわけ。一方知立市で歴史と言えば筆頭にくるのは伊勢物語の八橋に因む在原業平、となると合わせてカキツバタを用いるのは俳句で言う季重ねの禁忌、てな発想もあったかもしれない(大伏線)。足し算だけではない引き算の選択。

ネット上では現在、知立市と馬をつなげる情報というのはあまり出てきません。2013.12.07〜2014.02.11に知立市歴史民俗資料館で「池鯉鮒(ちりゅう)の馬市」と題した企画展が開かれたぐらい。

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「馬市」が江戸時代の知立で開かれていたことは、浮世絵などに描かれ、当時の紀行文・絵図などに見ることができます。平成26年は午年にあたり、馬市の文献を中心に紹介します。
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はーん、干支ネタでもあったのか(んな馬鹿な)。因みにこの公募で募集がかけられたのは2014年8〜9月;-)。タイムリーでもあったわけ。

募集時の報道はこうです。

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(2014.08.08 中日新聞 抜粋)

話題のゆるキャラブームにあやかろうと、知立市が新たなマスコットキャラクターをつくる。一般公募でデザインを決め、全国にアピールしたい考えだ。ただ他市に比べ後発の感は否めず、11月に中部国際空港(常滑市)である「ゆるキャラグランプリ」にも間に合わない。“遅れてきたキャラ”は定着するか−。(岡村淳司)

市内の先駆けは、二〇〇一年に地元大学生が考案した「なりひらくん」と「かきつ姫ちゃん」。持ち込み作品で正式な位置付けはないが、市が観光のPRに活用してきた。他にも「みずっち」(水道事業)、「チャレン次くん」(総合計画)、「かっきーちゃん」(健康づくり)など、事業ごとにさまざまなキャラクターがいる。すでに乱立気味だが、着ぐるみはなく、市民への浸透はいまひとつだ。
生みの親は市役所だけでない。NPO法人バザール知立は昨年、「弘法さん」として親しまれる遍照院の縁日にちなむ「こぼたん」や、名物のあんまきを題材にした「あんまき姫」を考案。着ぐるみを制作し、小学校や幼稚園の行事に招かれるなど人気だ。これを市が活用する方法もあったが、特定の場所や商品に限定されるため見送られたという。
NPOの久世泰男理事長は「うちのキャラを、とは言わないが、従来のものを生かす手もあった。そもそも公募自体が今さらという感じ。他市がやってないことをやるからこそアピールになるのに」と苦言を呈す。
市は新たなキャラで初めて着ぐるみを作り、全市的なシンボルにしたい考えだ。市経済課の担当者は「近隣市は着ぐるみを持っているのに、うちだけなく、イベント参加などのチャンスを逃してきた。オカザえもんや、くまモンのように地域の魅力を発信してもらいたい」と説明する。
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わりと散々な書かれよう・・・。ちょと待ってちょと待っておじいさん。
久世はん、アンタの苦言とやらはそりゃ正しい(と思う)よ。けど、おたくらにだって乱立させた科はあるでしょ。「従来のものを生かす手もあった」という指摘は自らにはね返ってくる。しかも2013年の制定とは、後塵を拝しまくりの目屎鼻屎。着ぐるみ2点も作る余裕がNon-Proprietary Organizationによくありましたねえ。それともバザール参加者の手作りかしらん?
岡村はんもな、普通ならこういう場合は「キャラクター/着ぐるみを作りたいけど金銭的・人的余裕がなくて作れない」団体にも取材してくるってのが、そこはラッスンゴレライもといバランスちゃいますのん?

ここで面白いことに気づいた。市章のこと。

愛知県知立市
市章
大野元三(愛知教育大学教授)
知立市章

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(知立市サイト)

昭和32年10月、愛知教育大学教授大野元三氏の考案によるもので、古くから交通の要衝として東西南北に通じた知立市の発展的な土地柄をテーマに、伊勢物語で有名な[かきつばた]の花を図案化したものです。
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え!これがカキツバタ!!
てなところじゃなくてですね。

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(知立市サイト)

知立市章制定について

昭和45年12月1日 制定

知立市の市章を次のとおり定める。

知立市章2
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「考案」から「制定」までなんで13年もかかってるんだろうと思いきや、これは1970年12月にご当地が市制施行したからで、当初は碧海郡(へきかいぐん)知立町章だったというだけのこと。
もう一つ、現在使われている市章とはなぜか菱形のカタチが明らかに異なる。こちらはいろいろ調べてみたけど不明です。描きやすいようにどこかの時点でリデザインされたということだと思うんだけど。

本題に戻りまして。10月9日の表彰式には高柳も出席している。

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(2014.10.10 中日新聞 抜粋)

市役所であった表彰式では、林 郁夫市長が「元気さとまじめさが伝わってくるとてもいいキャラクター」と絶賛。高柳さんは「キャラは自分の子どものようなもの。外に向けての発信も大切だけど、何よりも市民の認知度が百パーセントになってほしい」と話していた。
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「外に向けての発信も大切だけど、何よりも市民の認知度が百パーセントになってほしい」と言い切る高柳の視点については、やはりツルは支持する。

で、続いては着ぐるみお披露目なんですが、実は明日、「第50回ミスかきつばたコンテスト」において行われます。

〔面接公開審査〕
日時:2015年4月12日(日) 10:00〜
会場:知立市文化会館(パティオ池鯉鮒)

示唆に富んでるわぁ、これ。

【2015.03.19 その95の2】
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(2007.03.11 四国新聞 抜粋)

職員は苦笑して言う。「『PR方法を考えろ』と上司に言われたとき、手っ取り早いのがキャラクターづくりなんですよ。ひと昔前であれば、ミスコンテストでしたけどね」。
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ううむ、来年の第51回ミスかきつばたコンテスト開催は甚だ心許ないぞ、全国のカメラ小僧どもよ明日は知立に集結せよ

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コメント

このキャラの場合、一番注目すべきなのは一般投票を行った際の候補がなんと300種類もいたことでしょう
どう見ても同一人物のちょっとした手直しによるも別候補扱いされてるし、普通は公募に移る前にもっと絞るよなあ

http://www.city.chiryu.aichi.jp/0000011947.html

SINOBUさま

またのお運び、ありがとうございます。

うわー、ほんとだ、これはひどいや!おっしゃるとおり、そこが一番のポイントですね。
300点対象の投票なんて、選考/審査側の任務放棄ですよねえ。南足柄市のキンタローマンのことを思い出しましたが、あれとて投票前に約700点から50点強までには絞り込んでたわけですし。

ツルは当然「審査して10点に絞ってから投票」だと思い込んでいたので、まさか「投票結果で10点に絞ってから審査」だったとは!いろいろ枝葉を繁らせるのにかまけているうちに(汗)、すっかり読み誤ってました。チェックがいささか甘かったですm(__)m。

今後ともよろしくお願いします!

高柳キャラといえば 先月デビューした「よし吉」くん。昨年12月にデザイン決定した時には「よっしー」という名だったのですが、福井県敦賀市に同名のキャラがいたため「よし吉」に改名したとか。

こりんごさま

あ、これはチェック入れてました!!静岡県榛原郡吉田町のキャラクターですよね。二次元だと似てますよねえ、ちりゅっぴがお馬さんのフード脱いだらよし吉だった、的なww。そこのところで今回書く内容もだいぶ迷ったのです。

でもツルが思わずよし吉にツッコミを入れたところは、岸和田の塩キャラとかぶりモノがおんなじ・・・そっちでした(>.<)y-~。姫路城の血も微妙に引いてるし。高柳よお前もか、てな感じで。でも確認してみるとそれほど同じでもなく・・・取り上げる機会を逸してました(笑)。(ちきりくんやしろまるひめとの共演、むしろこりんごさまとしてはお楽しみといったところでしょうか)

もう一つはやっぱり名前のことですね。でもツルはそもそもご当地キャラクターの愛称がかぶってちゃなぜいけないの、と思ってる方ではあります(デザインの類似は厳しく詮議する割に^^;)。商標登録がどうこうとか、ご当地売り込みに有利かという観点とはまた別に。
「みとちゃん」つながりで交流が始まったという水戸市と鳥取県三朝町のような例は他にもあるんじゃないでしょうかね?話題作りにもなるのか、むしろ。「よっしー」→「よし吉」とか(失笑)、広島県福山市の「くさどん」→「くさどっきー」のような無理くり感たっぷりの改名よりはまだマシかなと。

その意味では、敦賀 vs 吉田や水戸 vs 三朝みたいなケースより、福山のようなご当地内部での類似愛称の方がよっぽど混乱するんじゃないかとは思うんです。この辺り、いずれまとめてみたいとは考えていますが・・・。

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