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2015年8月 4日 (火)

【番外編】大河ドラマは儲かるか:甲(ふみちゃん&もとひこくん&ひさちゃん)

(承前)

ちょっと前、NHK大河ドラマ当て込みキャラについてこう書いた。

【2015.02.13「猫も杓子も踊った後は ―― その3」】
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これが例えば前作の「八重の桜」の新島八重(新島 襄の妻)や、後作の「花燃ゆ」の杉 文(=楫取(かとり)美和子;吉田松陰の妹)では、これほど作られていないものと思う。近代史だし、「普通の人」だからね。
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で、実際はどうなのよというところは多少気になっておったんですが、やっぱり少ないみたいやねえ、今年の「花燃ゆ」キャラ。

その一つに「ぐんまちゃん」の作者、中嶋史子が関わっていた旨ご教示いただいたわけです。

群馬県
ぐんま「花燃ゆ」プロジェクト推進協議会
キャラクター
ふみちゃん・もとひこくん・ひさちゃん
Art Direction & Character Design:Fumiko Nakajima(中嶋史子)& Maniackers Design
ふみちゃん・もとひこくん・ひさちゃん

放送開始直前の2014年12月になって決定されたキャラ。えー、登場人物の名前がころころ変わっていくのでややこしいんですが;

杉 文(=久坂 文・楫取美和子)…井上真央
杉 寿(=小田村 寿)…優香
小田村伊之助(=楫取素彦)…大沢たかお

伊之助/素彦は長州出身ながら(伏線)、初代群馬県令を務めた人物。その最初の妻になったのが寿で、その病没後に後添いとなったのが妹のヒロイン文(その前に縁付いていた久坂玄瑞は禁門の変で自害していた)。
で、この姉妹の兄に当たるのが吉田松陰(=杉 寅之助・吉田寅次郎)…伊勢谷友介というわけ。
どこまでも“メイン”を外して作られてるドラマだということがわかります。ていうか、日本史上全く無名の女性が主役で史料もほとんどないというから、性格づけはいかようにもできる。ハズしたのは視聴率ってことでもあるけど(笑)。

えー、ツルにはこのキャラが「はやり」の造形かどうかは判断しかねます、そこは門外漢だから。
けど、劣化してますね。やはりテンプレ化の病いが進行してしまった。20年前、「ぐんまちゃん」制作でこだわりを持っていたという「見た人の気持ち次第で楽しそうにも悲しそうにも見える」がここには悪い形で出ているとも思う。
(全然関係ないけど、「こだわり」という言葉ほど、短期間のうちに正反対の意味を帯びるようになった日本語はないよね。広告・宣伝で頻繁に使われるようになってからです、positiveな意味が加わってきたのは。だから端的な英訳語が見つからなくて苦労する。どなたかご教示下さいm(__)m)

ツルは見た瞬間、2009年の大河ドラマ「天地人」のキャラを思い出しました。(cf. 2013.03.21「天に星、地に花、犬に愛。」)

山形県米沢市
天地人推進プロジェクト
米沢観光物産協会
マスコットキャラクター
かねたん・お船ちゃん
岡野亜記
かねたん お船ちゃん

やっぱり、「目」がね。

ドラマの主役ではない「もとひこくん」をセンターに置いたのはご当地の初代県令だったからだろうけど、先妻と後妻が実の姉妹ってややこしい事情から、スリーショットも微妙に変な感じに映ります。

Maniackers Design(代表 佐藤正幸)は高崎市にあるデザインオフィスで、サイトにも「ぐんまちゃんの作者、中嶋史子さんと一緒にデザインしたキャラクター」とあるんだけど、どうしてもこれ、MD側が主導権を握ったのではないかという思いが消えない。
中嶋の20年間の活動の軌跡がネット上で確認できないこと、MDがこのプロジェクトのデザイン関係を一手に請け負っていたらしいこと、中嶋とMDは「ジョウモウ大学」(2011.07開校)という地域イベントで2013年終わり頃から接点が確認できるけど、そこでの中嶋の立ち位置が一貫して「ぐんまちゃんの作者」であること、あたりがその理由です。

そして何より、中嶋はぐんまちゃんがゆるキャラグランプリを獲った時に「昨今のご当地キャラブームには全く興味がない」「一瞬の経済、宣伝効果だけに着目され、刹那的な生き方をするキャラが後を絶たないことは気にかかる」と答えていたじゃないかあれはBluffだったのっ
極論すれば、アノ有名キャラを作ったセンセイの名義貸し、ということも考えられるかと。

他にも、伊藤博文キャラとか山縣有朋キャラとか7点もセットで作ってるんですが、各キャラ間のレベルのばらつきが激しくて残念な感じ。多分、肖像が残っているかいないかが分かれ目なんだと思うけど。

しかし最大のツッコミどころ、それはドラマのヒロインの亭主、楫取素彦自身にある気がする。長州の勤皇の志士がなぜか群馬の県令になってだよ、県庁を高崎市から前橋市に移しといてだよ(だから高崎では評判がよくないんではないかと懸念)、その後は貴族院議員になっちゃって、引退してからは長州帰っちゃってだよ。まさに薩長土肥(山口ではこう呼ぶらしい)の明治政府の手先だったわけね。いかさま、群馬県民にとって「郷土の偉人」と誇り得る要素は乏しい。(ついでに言えばこのドラマが実際に群馬を舞台にするのは極めて短期間になるのではないかと予想され。「軍師官兵衛」での福岡がそうだったんでしょ?)
まあ、先妻の妹を後添いにするというのは戦後になっても一般に行われていたぐらいだから、そこはスルーしますけど。

(続く)

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