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2015年9月26日 (土)

【番外編】Problems in Emblems(東京五輪エンブレムParodies):3

(承前)

再公募については、博士も大臣もいろんなことをおっしゃってます。

例えば、五輪担当相(東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当 国務大臣)遠藤利明は、使用中止決定直後の閣議後記者会見で;

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(2015.09.04 Yahoo!ニュース 抜粋)

「選考委員をどうするか、国民の皆さんの意見をどう反映させるか。どちらにしてもその過程を広く公開して進めていくべきだ」と述べ、透明性を高めた選考が重要との認識を示した。
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ですと。

≪だから適当な無任所大臣なぞに任せるな≫

東洋大学総合情報学部准教授(情報デザイン論・メディア構造論)藤本貴之は、<五輪エンブレム再公募の6つの方法>と題し;

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(2015.09.06 抜粋)

<1> 招致エンブレムのリメイク
(1-1)前回コンペに応募した104名のデザイナーを対象にリメイク案を募集。
(1-2)厳しすぎない一定の基準(プロ実績を持つ、年齢等)を設け、リメイク案を公募。
(1-3)一切の条件を設けずにリメイク案を公募。

<2> まったく新たに制作
(2-1)前回コンペに応募した103個のデザイン案から再チャレンジを募る。
(2-2)厳しすぎない一定の基準(プロ実績を持つ等)を設け、デザイン案を公募。
(2-3)一切の条件を設けずにデザイン案を公募。
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と提案。『これまでの「炎上要素」を一つ一つ潰すという方法』で考えた由(繰り上げや103点からの再選考には触れていない)。個人的には(1-3)がよいのだそうな。

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すでに国民に広く受け入れられ、愛されているという「ベース」があるため、そこから想像力を膨らませることは様々に可能だし、アイデアも生み出しやすいだろう。
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というのがその理由。

デザインというものを馬鹿にしてるの?ここには本質に迫る洞察力も見られなければ、公募に潜む危険に対する警鐘も聞こえない。『選考過程を可視化し、「審査委員の顔が見える選考」を実現することも不可欠だ』なんて当世風に並べ立てただけです。その上で、望ましい条件を;

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・審査委員にはデザイン業界の専門家と同数以上の異分野の専門家・学識経験者・広く知られている著名人等を加える。

疑惑が高まり、汚れてしまった現状においては、審査委員をどう選ぶか、ということも透明性を出す上で大きな要件となる。上記以外でもインターネットで手軽に投票できる自薦・他薦を問わない候補者の推薦なども受け付ける「推薦枠」の設置も考えられる。

・審査委員に年齢制限を加える。(例:65歳上限など)

新しい感性と技法やアイデアに十分な理解がある、ということだけでなく、重鎮が揃うことで発生する若い審査委員たちの萎縮を防ぐことができる。

・デザイン担当者の氏名はオリンピック終了まで公開しない。

五輪エンブレム公募は「優秀なデザイナー」を選ぶコンテストではない。オリンピックを盛り上げる象徴としてのエンブレムの本来の意味から見れば、デザイナーの名前はデザイン業界以外の人にとっては、あまり意味を持たない。もちろん、複数人での合作でも良いはずだ。
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としている。はぁ、幼稚。

≪これでJAGDAの正会員だなんて!!!≫

ツルは、「デザイナーコミュニティのコンテストから誰もが楽しめるイベントに」という意見には同調しません。五輪とは、選び抜かれたごく僅かなトップアスリートによる、ある意味閉鎖的な祭典。そこは万博とは違う。
ならごりごり筋肉質なデザインアスリートによる「世界で一番よいデザイン」を決めるための熾烈な闘いであっていいじゃんと思います。つまりは立ち位置が違うんですね。

でも正直、ツルの関心は再公募だの繰り上げだのにはなくて、むしろ例の裁判の行方。ツルは佐野は負けないと信じているので(こういう時は「〜と信じている」と回答すべしというのがメディアトレーニングの基本)。
ベルギー側が立証責任を果たすことはほぼ無理だ(そしてそれを理解してもいる)と思うけど、この問題は「デザイン芸人」ヤシロタケツグ氏のblog「ヤシロぶ」に詳しい。何かと現象面に囚われがちな愚blogとは違い、理路整然と論破してありますのでご興味のある方はどうぞ。攻撃と防御という裁判上のTechniqueの問題とかね。

本事案の最後の〆は、秀逸とツルが感じるものでいきましょう。

東京五輪エンブレムParody 7(当初案) 東京五輪エンブレムParody 7(最終版)

2015.08.20、twitter投稿。等伯の松かと思いますが、もちろんそうじゃない。作者の「キノコロウ」曰く;

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東日本大震災に耐え、立ったままの状態で残った奇跡の一本松。それは日本の復興の象徴。そんな[奇跡の一本松]と[日の丸]を掛け合わせ[T]に見立てた東京五輪エンブレムデザイン。スポーツを通して強き日本へ!!
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一連の五輪ネタを書くに当たっては相当な数の自作エンブレム(と称するもの)に当たってみたけれど、この視点は他のどれにもなかった。本作の独自性が高かったというより、他があまりに「和」(と「佐野叩き」)に熱中し過ぎているということかもしれませんが。

もちろん、仮に本作が再選考の対象になったとして、2015年の現時点で採用される可能性はほぼ皆無だろう。ツルもこれを東京五輪のシンボルにふさわしいとは思わない。2020年のオリンピックを最も心に強く刻み付けるであろうのは小学生のガキんちょどもであり、2011年の震災を(教科書の中でしか)知らない世代です。あの地震のことを語り伝えていくのに、オリンピックという場を借りるのがよいのかどうか。

しかし一方、コンセプトの面から言えば、これは2011年11月に決定された島峰作品の直系の子孫。その直後ならばどうだったか。

♪花の外には 松ばかり
 花の外には 松ばかり
 暮れ初めて 鐘や響くらん
   (道成寺)

それでも、この作品も工程に疑念なしとはしない、残念ながら。

2011年7月、朝日を浴びた姿(Photo by 高橋雄二)。「写真で見るスポニチ(2011年ベストショット集)」の中に選ばれたもの。

奇跡の一本松1

そして2012年8月31日、月光に浮かんだ姿(Photo by 共同)。

奇跡の一本松2

これはこの松の木が見た最後の満月。高田松原7万本の中でもとりわけ高く太かったというこの木(クロマツとアカマツの雑種だったそうな)は、震災後も1年半を耐え抜き、惜しまれながらこの2週間後、9月12日に伐り倒された。(その後、化学処理を経て復元され、2013年7月3日に現地で保存事業完成式が行われている。)
いやなに、トレースして調べたりはしないですよ。画像を沢山集めてみて最後まで残ったのがこの2点だったというだけで

この辺からインスパイアされたところはあるんじゃないか。それを説得力をもって否定し切れるか?そうでないなら、佐野のケース同様激しく叩かれるのは目に見えている。

突拍子もない視点の独自性という点で、真に群を抜いていたのは次のもの。試行錯誤の末2015.07.29にtwitter投下、作者は「鯵坂もっちょ」。

東京五輪エンブレムParody 8

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デザインが気に食わんとか、何かのパクリだとか知ったことではない。俺は面積が知りたいんだ。
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小気味いいわー。数学者は風景が数式で見えるというから、鰺坂もその口かもしれない。オリンピックもどっかへ行っちゃいましたけどネ(笑)。

そして、数あるパロディの中で最も秀逸だったのはこれ。何を表してるのか、わかります??

東京五輪エンブレムParody 9

初め、ツルもさっぱりわかりませんでした。でも、一旦知ると驚嘆しました。あのデザインからこの発想はすごい。

えー、答え合わせは次回(おいおい)。それまでじっく

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