« 【番外編】One of Those "類似" Preventive Measures? ― 壱の斬(錦江町章・清須市章・長島町章) | トップページ | もはや盡きせぬ無明の闇キャラ(その9:手稲区キャラ・岬町キャラ) »

2015年10月 9日 (金)

【番外編】One of Those "類似" Preventive Measures? ― 弐の斬(杵築市章)

(承前)

杵築市章問題、続いては二連発でいきましょう。

〔候補作品No.06〕
杵築市章候補No.06

〔候補作品No.10〕
杵築市章候補No.10

うううー、いやでもこの辺りを思い出すばい。

【2013.07.07「類似って何なんだっけ:上」】
埼玉県深谷市
市章
小島隆行
〔2006年1月1日合併・3月5日制定;応募総数1,813点〕
深谷市章

-----
深谷市の[フカヤ]の字をモチーフに、図案化したものです。二本の[ブルー系ライン]で利根川と荒川を表し、その中央にまちをイメージした[円]を配置。笑顔にあふれ活力ある未来に向けて大きく躍進する市の姿を象徴しています。
-----

滋賀県野洲市
市章
佐藤武司
〔2004年9月15日決定・10月1日合併;応募総数1,795点〕
野洲市章

-----
本市の市章は、平仮名の[や]を図案化したもので、環を表した2つの[曲線]は、豊かな自然と歴史を意味し、躍動感あふれる生き生きとした[人]を表現したものである。
-----

今考えると、これもあやしい公募ですね。ここには「1人1点」の縛りがついていて、それだったのに2ヵ月間の募集で1,800点近い作品を集めたというのがにわかには信じ難い。
因みにほぼ同数を集めた深谷市は1ヵ月間で「ひとり何点でも」だった。採用作品の賞金はどちらも30万円です。
ううむ、さぞや公募ガイダーの家族やら親戚やらからの名義貸しが横行したことでしょうなー。

当然、杵築市章は深谷市章や野洲市章を使い回したんだなと思いたいところですが、時系列で並べ直すと;

野洲市(2004年)
 ↓
杵築市(2005年)
 ↓
深谷市(2006年)

となって、つまり杵築市候補は深谷市からインスパイアされたものではない、むしろ逆に深谷市の方がインスパイアされたのじゃないか(杵築市から?野洲市から?)ということになるわけ。うう、やっぱり深いぜ深谷。
公募と合併の後先で言えば、深谷市では(旧)深谷市・大里郡岡部町・同 川本町・同 花園町の新設合併より後に新市章が制定されている。野洲市では逆に、野洲郡野洲町・同 中主町(ちゅうずちょう)が新設合併して市制施行する前に市章は決まってます。後者のパターンの方が多いように感じるけど、実際のところどうだったんだろう。

こうやって、一山二山三山越え、やっと決まったのがこの市章。

大分県杵築市
市章
井口靖久/やすひさ(60歳:東京都文京区)
〔2005年7月11日選定・10月1日合併;応募総数1,410点〕
杵築市章

-----
全体の形象は「きつき」の[き]をモチーフにしたものです。
色彩には自然を[緑]、水を[青]であらわすなど、豊かな自然をイメージしています。
また、デザインは融和・団結をあらわし、将来へ向け、飛躍と発展、繁栄を表現しています。
-----

おお、丸なしのブー。がっかりだよぉ!!けど、井口もまだこの頃は何とか意味の通ることを書いていたのだ(空虚は空虚として)と、ツルはむしろそこに涙しました。「100字以内」という規定もキッチリ守れているし。

しかーし!!皆さんお気づきですね、もう。作者コメントが前回取り上げた錦江町章のケースとえらく類似してるんですよ。特に後半、key wordとなる5つの熟語は全てダブっている

鹿児島県肝属郡錦江町
町章
井口やすひさ
錦江町章

-----
[き]の頭文字をモチーフに、タウンカラーの[緑色]は櫻島、薩摩富士と大地、[青色]は錦江湾と青空、[橙色]は夕陽に映える町の景色をイメージし、町民に親しまれ、愛され、「あふれる自然、心豊かなまち」が合併を機に、町政の融和・団結とますます飛躍・発展・繁栄する「錦江町」の明るい元気な力強い姿を表現しています。
-----

そう、錦江町章の決まったのは杵築市章選定のわずか5日前。募集期間も前者は2005.03.01〜04.28、後者は2005.04.15〜05.31とこれまたほぼ同じ。
やっつけ仕事でやるからこんな体たらくになるんですね。やはり、井口がモットーにしているという「グッドデザインをグッドビジネスに結びつける」など、到底信用できぬ。思いは何もこもっていない。

/////

以上、公示でパクりを捕まえるという杵築市のやり方を見てきたわけだけど、ツルはやっぱりこれってよろしくないと思います。著作権がまだ移転してないのにとか、類似って主観的な問題でしょとかいうことではなくて。
候補選定で漏れた全国のガイダーからのチクりの方がが、純然たる第三者やご当地住民による指摘よりも多くなるだろうから、そこにはどうしてもバイアスがかかっちゃう。表面的な公開性・透明性を重視し過ぎて、実質的な公正性は後退した印象。結局はデザインというものを萎縮させてしまうのではないか。プロセスとしてあんまりうまくないよね。だからこのやり方は一般化していかないのだと思う(東京五輪エンブレムはどうなるんだろう、マジで懸念)。
まあ、ぎょうせいに依頼しても、制作意図の類似までは(笑)調べてくれないだろうけれども。

Curiosity killed the cat, similarity is gonna kill a designer, but it won't kill the Guiders... (maybe).

« 【番外編】One of Those "類似" Preventive Measures? ― 壱の斬(錦江町章・清須市章・長島町章) | トップページ | もはや盡きせぬ無明の闇キャラ(その9:手稲区キャラ・岬町キャラ) »

Visual界:キャラクター/シンボル/ロゴ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 【番外編】One of Those "類似" Preventive Measures? ― 壱の斬(錦江町章・清須市章・長島町章) | トップページ | もはや盡きせぬ無明の闇キャラ(その9:手稲区キャラ・岬町キャラ) »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想