« もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その148:障害者芸術・文化祭とくしま) | トップページ | 【番外編】いはばしる バイクの臀の プレートの;B(木祖村・高原町 ナンバープレート) »

2015年10月21日 (水)

【番外編】いはばしる バイクの臀の プレートの;A(小豆島町・四万十市・廿日市市・宮津市 ナンバープレート)

満を持して、これ、いってみましょうか。走る広告塔、平成公募界最後の希望の星(ホントかよ)、原チャリご当地ナンバープレートの件。

この2年ほど急拡大した(つまりツルが本シリーズを書き始めた後からです)この分野では、一人、強い光芒を放つデザイナーがいる。香川の垂水秀行。
この名前はご当地キャラや自治体章等の公募ではほとんど目にすることがなかった。しかしナンバープレートとなると一転、他を寄せ付けぬ圧倒的な強さを誇り、塩崎一族でさえ遠く足元にも及ばぬ状況です。

人物の特定をしたところで最初に断っておくと、公募ガイダーの不実だの、公募そのもののDark Sideだのをあげつらうことに血道を上げているツルをもってしても、この作家にはツッコミの入れようがほとんどないと感じます。誠実に仕事と向き合ってる感じがするわけ。つまりは絵柄も平明で嫌いじゃないし(羞)。
もともとFairであることを最重視しているblogではないので、多少割り引いていただいても結構ですが。

まずは同じ香川県内から見ていきませう。2011年8月決定のこれ。

香川県小豆郡(しょうずぐん)小豆島町
オリジナルナンバープレート
垂水秀行(36歳:香川県丸亀市:グラフィックデザイナー)
小豆島町ナンバープレート

-----
・デザインの説明
[瀬戸内海]に浮かぶ[小豆島]をイメージし、プレートの形で穏やかな[波]を表現
離れた場所からでも「海と島と[オリーブ]」が分かるようデザイン
-----

南方へ向かうとこのご当地にも。

高知県四万十市
四万十市制施行・合併10周年記念 原付バイクご当地ナンバープレート
垂水秀行(40歳:香川県丸亀市:グラフィックデザイナー)
四万十市ナンバープレート

-----
〜作者がデザインへ込めた思い〜
四万十川流域で数多く見られる[沈下橋]をモチーフに、奥行きのある構図で、景色の広がりと[清流]の輝きを描きました。日本最高気温を記録した暑さも表現し、[ウナギ]が汗をかきながら笑顔で水遊びを楽しんでいる姿は、暑さの中にも大自然の心地良さを感じさせます。沈下橋の上には[サイクリング]をしている人と犬の姿を添え、レジャーとしての魅力を伝えています。
-----

巨大なSea Serpentじゃねーかよ、的なツッコミはおいといてww。
「日本最高気温」とあるのは、2013年8月12日13時42分、41.0度を記録したことを指している。体温超えどころか、相当な高熱の病が周囲から襲ってきたってなもんです。大ウナギも汗かく酷暑の中でヒトは軽く口笛吹いてるっぽいけど、どうやって生き延びたのかしら。
この作品で突っ込むべきはやはり、左下の「最後の清流 四万十川」ですかね。全く余計なことをしたもんだと思うけど、これって原画にも入っていたのだろうか?

でも、基本この手の「制作意図」にゃ容赦なく辛口のツルも、ここににじみ出た「生活感」のようなものは見落としちゃならんと思う。香川と高知、お膝元と呼べるほどではなくても、四国の北西と南東、やはりSympathyはあるのじゃないかな。

一方、瀬戸内海を渡るとこの御社に行き当たります。

広島県廿日市市
オリジナルナンバープレート
垂水秀行(38歳:香川県丸亀市:デザイナー)
廿日市市ナンバープレート

そう、日本三景&世界文化遺産、安芸の宮島は広島市にあるんじゃないんですよ。(正確には、2005年11月に佐伯郡(さえきぐん)宮島町が廿日市市に編入合併されたもの。)

-----
[嚴島神社]の[大鳥居]と穏やかな[瀬戸]の輝きを表現しました。上部には神社の[垂木]をイメージした模様を添えています。視認性に配慮しながら鳥居を大きく描き、遠くからでも大鳥居を明瞭に認識できるように仕上げました。
-----

受賞コメントはこう。

-----
このたびは、デザインを採用していただきましてありがとうございました。廿日市市の皆さんと同じく瀬戸内の恵みを受ける県民として、いつまでも美しく輝く瀬戸内海を守りたいという想いを込めながら、デザインさせていただきました。
世界遺産の嚴島神社の大鳥居を大きく描いたこのナンバープレートが、廿日市市の皆さんの安全運転をいつも見守ってくれるように願っております。
-----

言葉が磨かれている。塩崎一族や井口やすひさで見飽きた、何も心のこもっていない「お礼」とはやはり雲泥の差がある・・・。大きく言えば、鑑賞と批判に耐え得る文章でしょう。

報道によれば「海から社殿を見た風景ではなく社殿側から見た独自の構図、シンプルさなどが評価された」そうで、そのどこが独自なんじゃとどつきたくなりましたが、どうやら古来宮島とは海から拝む姿で描かれるものだったらしい。つまり鳥居越しに社殿が描き込まれてたわけ。
厳島神社は水軍の強かった平家が尊崇した海上安全の神様(cf. 2012.03.18〜19「八王子 − 三女神・宗像大社・厳島神社に近づいてみた」)。ならばこの大鳥居に原チャリ交通安全の願いを込めたナンバープレートというのも、確かにReasonableな着眼であったと思えてきます。

日本三景、二つ目は。

京都府宮津市
原付ご当地ナンバープレート
垂水秀行(37歳:香川県丸亀市:グラフィックデザイナー)
宮津市ナンバープレート

-----
【デザインの説明】
[天橋立]の風景をシンプルなラインで描きました。
下に飛び出した形状は、全長3.6kmにもおよぶ天橋立の奥行が感じられるように表現したものです。
また、プレート全体の形状は、[股のぞき]したときの足と頭によってできる空間をイメージしています。
-----

実際にはご当地が2012年9月発表、廿日市市が2013年8月発表なので、ご当地の方が先ですが。
因みに三つ目の松島も2013年8月から宮城県宮城郡松島町にご当地ナンバープレートが導入されてるけど、「町職員が検討を重ねて作製した」とのことで非公募だったようだから、残念、垂水の三連覇ならず。

しかし、「旅」というものがもう国内海外とも「観る」だけでは成り立たない時代になって、いずれの「三景」も慢性的凋落傾向に悩まされているはず。(ツルは、「日本三景」がどうして「海景」に偏っているのだろうと前から不思議でも不満でもあったんですが。)
して、どこもやれマラソン開催だのやれ温泉掘削だのに余念がないわけで、その中で一歩抜け出したのが1996年12月の宮島の世界文化遺産登録ということになるんだろう。

一方、出遅れた感の宮津市も、この公募は天橋立の世界遺産登録を目指すためと明言しているけれど、単なる砂洲というだけならば他にもある。博多湾の東に伸びる海の中道もかなり特徴的な形だし、韓国の珍島(海が割れるのよ!)、フランスのMont-Saint-Michel(実は宮津市ではなく廿日市市と姉妹提携してるのよ!)もそうでしょ。「顕著な普遍的価値」とまで言い切れますかね?
松島だって、Archipelagoなら世界中に、しかもより壮大な規模のものがある。もっとも松島は震災による観光客減少の方が喫緊の課題なんでしょうけど。

ただ、天橋立の場合、ツルが京都にいた80年代頃から砂洲が細って消滅の危機にさらされ続けてるんですね。ならばいっそ危機遺産狙いでいってみてはいかがかと。いやホンマ

(続く)

« もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その148:障害者芸術・文化祭とくしま) | トップページ | 【番外編】いはばしる バイクの臀の プレートの;B(木祖村・高原町 ナンバープレート) »

Visual界:キャラクター/シンボル/ロゴ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その148:障害者芸術・文化祭とくしま) | トップページ | 【番外編】いはばしる バイクの臀の プレートの;B(木祖村・高原町 ナンバープレート) »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想