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2015年11月 7日 (土)

【番外編】男性性・女性性・父性性・母性性(与一くんファミリー・いしかわ女性基金)

(承前)

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栃木県大田原市
イメージキャラクター
与一くんファミリー
塩崎榮一
与一くんファミリー

そう思って見てみれば、榮一の作品も、どこにも「父性」は表されていない。やっぱり本質を射抜いてないんです。
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この問題、ちょっと気になるので深掘りします。

本公募では、採用された榮一のほか、3点が入賞している。

(優秀賞)
平田 淳(56歳:東京都港区:自営業)
与一くんファミリー(平田案)

國府(こくふ)佳奈(31歳:京都市西京区:会社員)
与一くんファミリー(國府案

池田克也(50歳:埼玉県狭山市:グラフィックデザイナー)
与一くんファミリー(池田案)

平田の詳細は性別を含め今一つ不明ですが、デザイナーであることは間違いなさそう。1年半前の2013年11月にはこんなものが発表されている。

石川県
公益財団法人 いしかわ女性基金
ロゴマーク
平田 淳(東京都)
いしかわ女性基金

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モチーフは漢字の「石川」です。それを女性らしいしなやかで繊細なラインで表現しました。またこのマークは目でもあり、何かを持つ手でもあります。女性ならではの目のつけどころ、考え方、行動をもって社会に参画する女性を表現しています。
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これを読むと、作者はおそらく男性だろうと思えてくる。「女性ならでは」という書きぶりだからです。こういうのって今どき政治的社会的に受けが悪いんじゃないっけ(「男性ならでは」って言い方は普通しないからね)。
この言い方は女性の社会参画に対して、男性が期待するものであって、女性が目指しているところではないとツルは理解しています。むしろ今日的な課題はその呪縛からの解放ではないのか。

國府は京都市東山区、三十三間堂の裏手にあるデザイン事務所、株式会社グッドマンに在籍するデザイナー。裏千家の茶道雑誌「淡交」の発行元、北区紫野の株式会社淡交社の仕事なんかを受けているようです。

池田はついこないだも取り上げたばかりですね。公募ガイダーだから詳細は当然不明。右側のマークはオリジナルにも入っていたものだし、与一くんも榮一バージョン以上にそのまんま、です(笑)。

与一くん

榮一版を含めた4点のうち、ツルがこれはと思ったのは平田版。「子育て」に一番きちんと向かい合っている気がします。「父親」の役割を表す努力をしたのはこの作品だけ。与一くんのバリエーションもちゃんとつけてある。
“安心して子育てのできる街 大田原”という趣旨に鑑みれば、ご当地キャラのベーシックデザインとするにはやや変化球なこの構図も欠点とは言えないと思う。
もちろんツッコミどころが何もないわけではなくて、「一人っ子」なのはマイナス評価として働いたはず(「人数は自由」とされてはいたんですがね)。それに、「母性」が後ろに引っ込んでしまった印象も否めません。これだったら、矢を捧げ持つような中途半端なことにせず(那須与一の誉れの謂れは子供の弓矢で表されているわけだし)、榮一版みたいに赤ちゃんを抱いた姿でよかったんではないの?因みに[キク]が表すものは「女性」、ではなくって市の花ね

國府版はもう発想が榮一版と似過ぎていて、違う点は「一太郎二姫」なところだけです。だからパス。

池田版も、「子育て支援」はほとんど意識の埓外で、単に「家族」を披露したというだけ。

≪お二人目は、いつですの?≫

繰り返すけど、本公募の趣旨はあくまで“安心して子育てのできる街 大田原”のPR。でも池田はそれをきちんと理解しないまま、ちゃちゃっと作ってしまったんやろうね。そこにこそいわゆるガイダー特有のテンプレ臭の元があるわけです。
しかしこの三番目の奥方、間違いなく腹に一物持った悪女である、そう思わしむる何かがあるよなあ。[扇]を手にしているようで、これは作者が盛りアイテムに困って平家物語の「扇の的」のエピソードを落ち穂拾いしたものと見た。されど平家方の女間者やもしれませぬぞ、ゆめ油断召さるな与一殿。

ツルは正直言って、いわゆる「子育て支援」モノに対してはかなり冷淡。
世界一急速な少子高齢化と人口減少は今後この国で避けられないことだろう、ライフスタイルや価値観が変わってしまったのだからそこはもう元には戻せない。ならば人口が減った後にもちゃんと回っていく仕組みを作っていくことの方がよほど大事だと思うよ、既にズブズブに大借金漬けの国家のお金の使い途としては。
でも、少なくとも中央レベルではその対策が有効に取られているとは思わない。人口減による生産性の低下を「女性」と「外国人」という労働力で補おうとしてるぐらいの話。けれどもそれは女性に一層負担がかかることを意味する。「母性」「子育て」が既に重荷になっているからです(だから女性の進出に反対だ、と言ってるわけでは決してありません)。男性の育休は制度としては一応整った、しかし利用は一向に増えていない。そして「父性」は凋落したまま。
限界集落が消滅集落になってしまうところもどんどん出てくると思うけど、平成大合併によってそのことは表面化しにくくなったわけだし。

しかしですよ、こうしたものをわざわざ作るんだったら、子どもは「一姫二太郎」なんかで満足せず、願いを込めて三、四人こしらえろよなんて思います。(であればむしろ、市庁舎にカルガモなんか飼って、カルガモファミリーのキャラなんか作っちゃうぐらいの仕込みをした方がふさわしかったかも。)

・・・これってのも、昔、厚生労働大臣(柳澤伯夫)が吐いた「女性は子どもを産む機械」発言と同じ根っ子ということになっちゃうんですかね??

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