もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その156:大田区PRキャラ)其の壱
(承前)
cf.
2015.11.24「大田区を襲う悪夢(となるか?)」
2015.11.26「大田区を襲う悲劇(となるのか!?)」
2015.12.28〜29「思ったより悪夢、まさかの正夢?」
2015.12.30「無明の闇(その10)」
いやー、やってくれましたねえ、東京都23区の片田舎、おらが在所の大田区が。
2016.02.16、かねてより行われていたシンボルマークとPRキャラクターの公募の結果がついに発表された。前者で選ばれたのは「候補3」(このことはまたいつか)、後者で選ばれたのは「候補C」。
〔投票結果〕
候補A 3,794票
候補B 6,861票
候補C 25,299票
圧倒的勝利を収めてます‼️してその作者は。
東京都大田区
大田区公式PRキャラクター
(愛称未定)
塩崎榮一
♪あなたね やはりあなたなの
逢えたのね 夢じゃないのね ほんとに
じゃーん、1年近い沈黙を破って(ほとぼりが冷めたとも言えるのかしら)美しき浪漫の復活、ですよっ(T-T)(T-T)。誠にもって御同慶の至り。(ツルもだいぶイカレとる💣爆💣)
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(2016.02.16 大田区サイト)
大田区公式PRキャラクターが決定しました!!
区制70周年を契機に、大田区の魅力を区内外に発信し、大田区への愛着を深めるために募集した大田区公式PRキャラクターに、この度、930点の募集がありました。第1回選考委員会で選出された3点の作品に対して区民投票を実施し、第2回選考委員会を経て、最終審査を行った結果、こちらのデザインに決定いたしました。(デザインは原案を一部補正しております。)公式PRキャラクターは、区制70周年記念事業、各種印刷物への掲載や区のPR活動等への活用を予定しています。なお、大田区公式PRキャラクターデザインの著作権は大田区に帰属します。
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アラ大田区役所さん、「930点の募集」は「930点の応募」の間違いですわよヾ(@゜▽゜@)ノ。
応募案はこうだった。
[区章]がなくなったんですね。
前に書いた;
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ツルは予言する。候補Bと候補Cには現在大田区の[区章]がお腹に入っているわけだけれども、今回の趣旨からして、別途公募のシンボルマークに差し替えられるであろうと。
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というのは外れたわけだけれど、まあ当たらずと言えども遠からずであったということで(汗)。
「原作者コメント」も微妙に手が加えられた。
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(区民投票&意見公募時)
羽田空港の[飛行機]をかたどった被り物をかぶった[ウサギ]。桜坂の[桜]の花びらの首飾りをつけている。[銭湯]でほっこりするのが大好き。
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(最終)
羽田空港の[飛行機]をかたどった被り物をかぶった[生き物]。桜坂の[桜]の花びらの首飾りをつけています。[銭湯]でほっこりするのが大好きです。
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おう、ウサギ → (謎の)生き物に変えられてるんですねぇ。[USA系]、すなわちUnidentified Small Animal系に分類すべきなのか。まーねー、「意見公募」で「なぜ大田区でウサギ!?」てな声が多かったんですかね。あ、どっちにせよウサちゃん系だ(笑)。
この公募、前に取り上げた時には「まともだ」と書いたけど、その後、実はとんでもない田舎公募ではなかったかとツルは疑い始めてたんです。結果が発表されてみると、やっぱりNGという気がしてなりません。
まず、募集要項を抜粋してみると。
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7 選考方法
(1)「大田区PRキャラクターデザイン選考委員会」で選考を行い、優秀デザイン原案3点を決定します。
(2)優秀デザイン原案3点について、公募により意見を募集します。
(3)上記(1)、(2)の結果を総合的に判断し、採用デザイン原案を決定します。
(4)応募の状況によっては、採用デザイン無しということもあり得ますのでご了承ください。
(5)既存デザインの模倣、公序良俗その他法令の定めに反するもの又は第三者の権利を侵害しているものは、審査の対象外となります。採用決定後にこれらの条件に違反していたことが判明した場合は、決定を無効とします。
8 審査結果の発表
平成28年1月下旬頃、大田区ホームページ上で発表します。
※デザイン原案採用者等には別途ご連絡します。
9 デザイン採用者等への謝礼
最優秀賞(採用デザイン) 1点 30万円(予定)
優秀賞 2点 各3万円(予定)
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ふむふむ。大盤振る舞いな本公募のどこが「田舎公募」なのか?
まず、発表が「1月下旬頃」→2月16日にずれ込んだことです。そもそも本公募は2015.10.01〜11.30に募集が行われ、12.14〜2016.01.03に「公募により意見を募集」を兼ねて区民投票が行われたもの。そこから考えると、2016.01下旬の発表などハナから無理だったのではないか。∵類似調査の期間が十分に取れるとは到底思えないからです。スケジューリングがぐでぐでだった、あるいは「類似」の問題を蔑ろにしていたところがまず「田舎」。
第2の田舎公募要素は、「優秀賞 2点」をきちんとした形で発表していないことで、これではAとBはあくまで「最優秀作品候補」のままに過ぎない。むろん作者名も非公表です、チッ。
つまり、初めから採用作品1点のみの選出としていた群馬県北群馬郡の榛東村と同じ結果に見えるわけ(cf. 2015.12.20「下ぶくれなる謎の神々:3粒目」)。違うのは、採用作品の作者名を公表した点だけです。
後は、毎月1日、11日、21日発行の「おおた区報」にどう載るかですな。Bは、どうしても空洞を穿ったように見えちゃう「目」の表現からして、草野敬一作品ではないかという気はするけど。Aは塩辛過ぎて絞り込めません、未熟者ツルには。
第3に、デザイン募集から区民投票&意見公募までの情報をサイトからとっとと削除してしまったこと。またもや榛東村と同様です(cf. 2015.12.22「★の瞳に希望の光」)。好ましからざる傾向だよ。これに気づいた辺りから「田舎公募性」を懸念してたんですがw。
♪お江戸なれどもサーハーエ
大田の郷はサー
北も南もサーハーエ
片田舎 コーラサンサエー
♪田舎なれどもサーハーエ
南部の国はサー
西も東もサーハーエ
金の山 コーラサンサエー
これ、確かに難しい内容を孕んでいるとは思うのだよね。純粋に権利の帰属の問題としてのみ考えれば、次点作品は通常、著作権が制定側に移転しない。後は作者側がどうしようが、制定側の知ったこっちゃない or 手出しはできないという理屈になる。
でもそれって、安易な使い回しとテンプレガイダーの跳梁跋扈、金太郎飴的類似キャラの乱立に行政が手を貸しているってことではないのか。本公募の募集要項にだって「公序良俗に反するものものは審査の対象外」って書いてあるのに、権利の濫用、公共の福祉への脅威、国家的損失であるっっ😠😠。けけけ。
叩けばまだまだ埃は舞い上がりますが、今日はひとまずここまで。
― Inspired by「霧のめぐり逢い」岩崎宏美(1976.08.01リリース)& 岩手県民謡「南部牛追唄」―
(続く)
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