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2016年2月17日 (水)

【番外編】“サルでも採用されるtechnique”の嘘:その5(武蔵村山市・北塩原村 ナンバープレート)

(承前)

北野作品で2013年8月に発表されたのが次のもの。

東京都武蔵村山市
ご当地ナンバープレート
北野公一(69歳:和歌山県田辺市:デザイナー)
武蔵村山市ナンバープレート)

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村山デエダラまつりの象徴的存在の「眼光鋭い[デエダラボッチ]」と自然豊かな狭山丘陵に咲く「[カタクリ]の花」を配し、剛と柔の両面を取り入れ、シンプルに武蔵村山市の特徴を表現。上部の形状はデエダラボッチが両腕を広げたイメージに仕上げました。
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あれ、狭山丘陵のカタクリってつい最近取り上げた気が・・・。これこれ。

【2016.01.29〜31「花めかしたりや、きらめかしたりや」】
東京都西多摩郡瑞穂町
みずほ・きらめき回廊
〔ロゴマーク〕
濱口温男
みずほ・きらめき回廊(最終版)

〔愛称〕
濱口温男
みずほ・きらめき回廊 愛称デザイン

図柄はツツジなんですがね。瑞穂町って武蔵村山市の隣なんだ、はぁぁ。因みに瑞穂町で決定されたのは2014年3月。

しかし武蔵村山市ナンバープレートで目を惹くのはやっぱり「剛」の方です。でもこのデザインだったら、剛と柔のバランスもへったくれもなくて剛の印象しか残らない。後続車のスピード抑制の効果はあるやろうけど(あるいは「高山植物盗掘禁止」のステッカーあたりに使えるもしれない)。
デエダラボッチってこんな隈取りみたいな目許をしているものだっけ??と思ったら、これは「村山デエダラまつり」の山車をそのまんま写した風情。

村山デエダラまつり 山車

何これ???ねぶた/ねぷたの二番煎じじゃん。この表現に武蔵村山市のLocalityはまるでない。そこに乗っかったのが北野のデザインということになる。

この山車はホントに青森のねぶた製作団体に発注したものらしい。このお祭り、以前は「農業・産業祭」と呼ばれていたものを、日産自動車の工場の閉鎖後、その跡地を会場として観光誘致のために改称したものだとか。つまりはそういうイベントなんでしょう

そもそもダイダラボッチ/大多羅法師などというのは(ご当地を含め)全国に伝わる伝承であり、それを敢えてご当地ネタに祭り上げてしまったわけ。2015年秋で第10回目の開催だった。
新しいふるさと興しに力を入れる、それはいい。けれど借り物の発想でいいの?それじゃ永遠にねぶたは超えられないんだよ(各地の「よさこい」にも言えること)。

武蔵村山市のプレートから「剛」の要素を削ればこうなります。

福島県耶麻郡北塩原村
ご当地ナンバープレート
北野公一(和歌山県田辺市)
北塩原村ナンバープレート

2014年3月の決定です。
盛りアイテムとして、[桧原湖]+[磐梯山]+[大塩川]+村の花[ミズバショウ]、あたりまではまあよろしい(テンプレであるにせよ)。けれど、[高原野菜]というのも入っているだとか。どこがじゃ!?と思ったらどうやら左下の下草みたいなのがそれらしい・・・。びっくりです。
実はこれ、2014年2月発表の次のものと処理のしかたが一緒なんですよね。

大阪府泉佐野市・泉南市・泉南郡田尻町
原動機付自転車オリジナルナンバープレート
(優秀賞)
北野公一(和歌山県田辺市)
泉佐野市&泉南市&田尻町ナンバープレート(北野案)

ほれ、やっぱり時期が近いとデザインも必要以上に似る。そこをテンプレ仕事だというんです。

因みにミズバショウ/Lysichiton camtschatcenseはサトイモ科のご多分に漏れず有毒植物。お野菜と一緒に描いちゃったのネ


以上見てきた北野作品、〆て13点(うち次点6点)。これは確かに垂水に次ぐものであり、それなりの実績を上げているとは言える。けれどその内容たるや、ツルには納得のいかないところが多かったし、テンプレMethodの限界ということも如実に感じた。

今後も地域振興の名を借りて、ご当地ナンバープレートはなにがしか増えていくんでしょう。2020年の五輪を睨んで自動車にも拡がっていくのだろうと思う。
でもその頃には、日本の国の少子高齢化とか人口減少とか労働力低下とか地域コミュニティ崩壊とかの問題は、平成大合併 → 丸ブー自治体章/シンボルマーク → ご当地キャラ → ご当地ナンバープレートと進行してきた一連の流れに、もはやかかずらっていられないレベルにまで達するのではないかと懸念します。

日経研の地域未来研究センターにはそのあたりのことが聞いてみたいんですよ(cf. 2016.01.09〜13「もうやめようよ、ご当地ナンバープレートとか。 ―― 日本経済研究所のこと」)。ああ、北野にでもいいけど。

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