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2016年3月17日 (木)

【番外編】泰山鳴動して鼠一匹、全市騒動してキャラ一点:二本目(あん姫)

(承前)

既に千曲市サイトからは公募時の記載が全て削除されているので、公募情報系サイトで探してみると、こんな募集内容だったらしい。

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キャラクターデザイン&愛称募集

千曲市誕生10周年を記念し、新たな時代に向かって記念し、新たな時代に向かって市民の一体感醸成と連帯を図り、千曲市の魅力を市内外に効果的にアピールすることを目的に、多くの人に愛され、笑顔、笑顔になれるようなキャラクターのデザインを募集します。

<概要>
●募集内容
千曲市キャラクター(単体)のデザイン画と愛称

■キャラクターのイメージ
①市民(子どもからお年寄りまで)に愛されるキャラクター
②千曲市を市内外にアピールするために活躍できるキャラクター

(その他)
・千曲市の特徴(特産)をたくさん盛り込むよりも、シンプルで飽きのこない親しみやすいキャラクターデザインを希望します。
・採用作品は着ぐるみを作成するほか、千曲市のホームページや印刷物などで活用します。

●応募資格
どなたでも応募できます。
(年齢、住所、プロ、アマ不問です。)

●募集期間
平成25年6月3日(月)〜平成25年7月31日(水)
(最終日必着)

●規定
(1)「デザイン画」は専用の応募用紙①、または任意のA4サイズ(白地、縦長)の用紙を使用し、全身像(正面)をカラーで描いてください。
画材、技法(デジタル描画等)は自由です。
作品数は1人3点まで応募できますが、デザイン画は1用紙に1点とします。

(2)「キャラクターの愛称、説明、必要事項など」は専用の応募用紙②に記入してください。

〔中略〕

●賞
・採用作品(1点)
賞金10万円 + 千曲市物産品(信州千曲ブランド)
・一次選定作品(数点)
千曲市物産品(信州千曲ブランド)

●応募、問い合わせ先
長野県千曲市企画政策部企画課(更埴庁舎4階)
「千曲市キャラクター募集担当」

〔後略〕
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アレッと思ってなおも調べてみると、他のサイトには;

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※未発表オリジナルで、他の商標等と類似していないもの
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審査員
千曲市において数点にしぼった後、市民による一般投票を行い採用作品を決定
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著作権の扱い
採用作品の著作権、二次使用権、商品化権、その他一切の権利は千曲市に帰属
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てなこともちゃんと載ってました。(一身専属権として譲渡できない性格の著作者人格権の「不行使」については出てないケド

あー、やっぱり、ざっくり。3回のMCCで得られたはずの知見らしきものは、つまるところ、「千曲市の特徴(特産)をたくさん盛り込むよりも」という一言しかない。
でもこれ、アユミ作の岡山県津山市のエコビレッジ阿波推進協議会「エコあちゃん」と同じ経過を辿ってるんです(cf.【その14】)。いや、ワークショップというプロセスを経た分、一層始末が悪いだろう。

エコあちゃん

「上手さではなく、多少粗削りでも個性的でインパクトのある作品を中心に審査します」って言ってたんだよね、こちらも。

千曲市もこれで本当に独自性が生まれると思っていたのかな。自分達が議論して得たものを応募側と共有したいとは思わなかったのだろうか。そこが不思議だったのですが(伏線(^_-))。

募集〜選考のプロセスを敢えてすっ飛ばして結論を急ぐと、2013年10月に選ばれたご当地キャラはこれです。

長野県千曲市
キャラクター
あん姫
高木茂則(66歳:長崎市)
あん姫

5点対象の市民投票で得票率57%(=1,054票/投票総数1,830票)だったから、圧勝だったと言える。しかし、アノ結果がやっぱりコレですか(*_*)って感じ。まさに錯塩。
頭のてっぺんには[アンズの花]、髪飾りにも着物にも[アンズの実]を盛り(葉つきミカンにしか見えないところはご愛敬)、手には戸倉上山田温泉をPRする[手桶&手拭い](ここだけの話、この2月に東京都大田区のPRキャラクターに選ばれた榮一作品ってこれのパクりじゃないのかよ;cf.【その156】)。プラットフォームにしたのは信濃国松代藩第三代藩主、真田幸道の正室豊姫だそうな。
アンズは市の木と市の花の両方になっていて、これは旧 更埴市が「日本一のあんずの里」をウリにしていたのを引き継いだ形です(市の花にはセツブンソウもあり)。

ということは、このキャラの隠れたテーマは、旧 更埴市と、旧 戸倉町・旧 上山田町との真の融合ということになりそう。やっぱりそれは10年ぐらいではとても成し遂げられるものではないんでしょう。

でも、この図式もなんか変。松代と言えば今は長野市の一部じゃないか。なんでその藩主の奥方をご当地に越境させてきたの?
豊姫(万治2.12.10(グレゴリオ暦 1660.01.22)〜享保18.07.05(同 1733.08.14))は伊予国宇和島藩第二代藩主伊達宗利の息女。一説に曰く、松代藩への輿入れの際に故郷を偲ぶよすがとしてアンズの種(苗木とも)を持参したのがご当地の杏栽培の起源とされる。江戸前期、元禄ごろの話です。
もっとも本人は宇和島伊達家の江戸屋敷(今の六本木の国立新美術館のところにあった)で生まれているし、そもそもアンズは北方系の植物だから温暖の地宇和島には結びつきにくい。調べてみますと。

実際、1973年に更埴市と宇和島市はこの姫様の縁で姉妹都市の盟約を結び、これは平成の大合併を経た現在も続く。
一方、Wikipediaにはアンズが「愛媛県宇和島市でも市の花に指定されている」とあるけど、当の宇和島市サイトでは「市花 みかんの花」となってます。???
深掘りすれば;

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更埴市の担当者が宇和島に行った際、市内を探しても杏の木が見つからなかったそうです。いつしか淘汰され、宇和島の杏が無くなってしまったのでしょうか。そういうわけで、現在宇和島にある「杏の木」は、更埴市から贈られたものだそうです。宇和島では、里帰りの杏と言われているんだとか。
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とさるサイトにあった。なんだ、姉妹都市に贈られた記念樹ってことね。

閑話休題。やはりワークショップの成果は決定時にも発現しなかったのだろうか?否、そんなことはありません、多分。当初は「あんず姫」の名前だったのが、発表段階になって;

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愛称については、お姫様キャラクターのイメージを損ねず、より親しみやすく、呼びやすく、また、あんず以外にも広く千曲市の魅力をアピールできるよう、市民投票時の愛称を変更しました。
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となった。
MCC資料に;

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ワークショップで出た意見は、キャラクター選考の際の判断材料にしていく。
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ってあったでしょ。きっとその「わいがや」効果はここに表れたんですよ(笑)。「選考の際の判断材料に」というのも、選考側だけの閉じた世界の話を意味していたのだな。

広報誌ではもっとみっともないことになっている。

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(2013.11 市報千曲 No.122 抜粋)

「あん姫」の「あん」には、多くの魅力的な「餡」(自然、文化、歴史など)がいっぱい詰まった千曲市が、これまで以上に「安」心してずっと住める地域になってほしい、多くの人や物、情報が「つながる(アンド)」重要な地域になってほしい、そんな願いも込められています。
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くっだらねー。駄ジャレと語呂合わせで説明することがワークショップの目的ではなかったはず(伏線)。

(続く)

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