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2016年5月24日 (火)

【Confusion編】問題の本質は何処に・・・(置賜自給圏推進機構)

(承前)

 

またまた駒井 瞭絡みの公募について。

 

直近の例として、今年3月の東京都日野市ユニバーサルデザインロゴマークのことを千六本に斬り刻んだわけですが(cf. 2016.05.12〜13「アナタのマチのUDってなぁに?」・2016.05.14「21世紀をリードする?翁神 〜〜ただ繰り返す〜〜」)、そのちょっと前にも気になる応募があったんですわ。

 

山形県米沢市
一般社団法人 置賜自給圏推進機構
シンボルマーク
(優秀作品賞)
駒井 瞭(80歳:大阪府東大阪市:グラフィックデザイナー)
置賜自給圏推進機構(駒井案)

 

2015年11月決定。どこがどこのどれにどう似てるのかは、取り敢えず過去記事の【2014.10.01〜03「配達されない三通の手紙:四通目 第一葉〜第二葉」】あたりを参照いただくとして(^_-)。

 

2014年8月設立された同機構の趣旨については、このシンボルマークの募集要領になかなか気合いの入ったことが書かれている。

 

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日本の地方都市が、グローバル社会(一極集中)の大波に飲み込まれようとしています。そうすると小さな自治体はその特色がなくなり、存続さえも危ぶまれてしまいます。
そこで、山形県の南に位置する「置賜地域」3市5町の有志が、お互いに連携し経済的・意識的にも豊かで自立した地方自治体を官民挙げて創り上げて行くことを目指しました。
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しかし結果もこれだからねえ。前途多難を象徴しとるよ、キミ。

 

それにくさ、『「置賜地域」3市5町』やらいきなり言われたっちゃわからんばい。読み方だってわからん奴多かろうもん。

 

米沢市
南陽市
長井市
東置賜郡高畠町・川西町
西置賜郡小国町・白鷹町(しらたかまち)・飯豊町(いいでまち)

 

つまりは3市+東置賜郡の全自治体+西置賜郡の全自治体のことです。

 

で?

 

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他の作品の模倣と認められる場合には、選定後であっても決定を取り消します。
また、類似と認められる作品も、決定を取り消す場合があります。
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そんなChallengingなこと書くからにはそれだけの覚悟があるんだろうね、キミ?

 

募集要領にはもう一つ、変わったことが書いてある。

 

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(1)採用された作品(最優秀作品及び佳作3点以内の応募作品)の著作権等一切の権利は、当推進機構に帰属します。ただし、佳作3点以内の応募作品は、平成28年以内に当推進機構が別途採用に至らなかった場合は、その時点で当推進機構は一切の権利を放棄します。

 

(2)最優秀作品及び佳作以外の応募作品の著作権は、それぞれの応募者に帰属します。
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こんなの初めて見た気がする。実際には「佳作」ではなく「優秀作品賞」が3点選ばれてます。
ツルが気になるポイントは次の3つ。

 

・佳作が「別途採用」される場合とはどのような場合か、最優秀作品に著作権等に関する問題があって採用取り消しとなった時に繰り上げるケースを想定しているのか
・「放棄」後の著作権は当然に作者側に戻るのか否か
・(2)にいうボツ作品を他所の公募(「自作未発表に限る」の条件が課せられているものとする)に応募することは許されるか

 

3点目については、この公募にだって次の条件がついていたぐらいですからね。立場を変えればってこと。

 

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応募作品は、自身が作成した未発表のものに限り、一人2点までとします。
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もちろんツルの立場は「そりゃNGだろ」ですが。

 

さて、本公募で採用された作品にもツッコミどころは大いにある。

 

(最優秀作品賞)
関 玖瑠未(20歳:山形県南陽市:東北芸術工科大学デザイン工学部グラフィックデザイン科3年)
置賜自給圏推進機構シンボルマーク

 

作者コメントは次のとおり。

 

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「おきたまと育つ」

 

置賜で育ったもので、置賜も育っていくことを軸に考えました。
「置賜」を様々な生産物の源となる土壌ととらえ、そこから種が[芽]を出し育つ様子をイメージしました。
「置賜で育つ」を素直に形にしてあります。
作物が育つと同時に、土(置賜自身)も成長するようなイメージです。
置賜の[地形]をデフォルメした丸みのある可愛らしいイラストを使用しました。
[3市5町]をイメージで色分けすることで、それぞれの個性を表現してあります。
若い世代にも認知してもらいたいという思いを込めて、全体をカラフルにまとめました。
文字は英字にすることで、漢字のかしこまった印象をやわらげる意図があります。
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2015.11.22に行われた授賞式でも、関は大変にお行儀の良いコメントを寄せた。

 

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関さんは賞状と置賜産ラ・フランスを受け取り「将来は地元の活性化につながる仕事をしたいと思っている。その一歩を踏み出せた」と話した。
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いいえ。ツルはそのようには思いません、残念ながら。

 

審査委員長を務めた赤沼明男の肩書は東北芸術工科大学グラフィックデザイン科准教授。えっ

 

≪教え子選んじゃったのかよ≫

 

だから、ダメなんですよ。そんなことしてはほんとに危ないんですよ。特に東京五輪エンブレム問題以降。
いくら善意に解釈しても、こうした公募にデザインを学ぶ学生が応募してくる可能性は当然予想されたわけで、であれば(そうした応募を禁じない限り)Expert/Professionalたる赤沼は審査委員を辞退すべきではなかったか。
悪意を持って考えれば、赤沼は自分の科の学生である関に、本公募で選ばれるコツやら現在の状況やらをいろいろと入れ知恵することもできたはずですね、容易に。教育・指導の名の下に。

 

あれっ、でもこのパターン、どこかにあったぞ・・・・・・??

 

2013年12月決定、新潟県長岡市中之島地域の「なかのん」の公募ですね(cf. 2016.04.27「「ご当地」をつくる人々:川下編 その2」)。制作実行委員会のオブザーバーについた御法川哲郎は長岡造形大学視覚デザイン学科の准教授で、採用された高橋雅代は同学科の4年生だった。
こんなこと日常的なんですかね?だとしたらもっと問題だけど。

 

もっと言おうか。
本公募より1年近く前から、同機構では「置賜地域3市5町」を表すものとして次のVisualを用いていた。

 

置賜地域3市5町

 

なぜ、こんなに似ているのですか???

 

赤沼の行ったことは、実は関のデザインの中に描かれた若い[芽]を育てることではなく、むしろそれを摘み取るおそれすらあったのではないのか。
同機構にしたって、説明責任をキッチリ果たせやぁぁぁ(ああ、めんどくさ)。

 

結論。
田舎公募。出来レースというよりインサイダー取引の嫌疑が消えない。

 

・・・アレ?いつの間にか論点がズレちゃった。
ま、「手紙」も適宜直しときましょか。

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Visual界:キャラクター/シンボル/ロゴ」カテゴリの記事

コメント

都合よく解釈しすぎでは?
地図をモチーフにしたらシルエットが似るのは当然ですよね?
ツッコミどころ満載ですが、他選考作品のレベルの低さを見れば
このシンボルが選ばれるのは必然かなと思います。

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