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2016年5月 4日 (水)

【VSOP編】野老案に目がテン!(東京五輪エンブレム再公募結果)第2回

(承前)

東京五輪エンブレム

どちらかというと地味な印象だった野老案ですが、実は目眩がするほど華麗なPlotが隠れていたんです。いや、巧妙に隠されていたのは作者の意図そのものだったのかもしれない。

まずは前置きから。ツルが勝手に私淑している「デザイン芸人」ヤシロタケツグ氏(cf. 2015.09.26「Problems in Emblems:3」)はTwitter上で次のように指摘していた。

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(2016.04.11)

平野敬子さんは、五輪エンブレムの最終候補「A案」を「一部非対称性はあるものの」としていますが、正当な評価ではありません。見てのとおり、シンメトリー図形です。

東京五輪エンブレム Chrome分割
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120°の回転対称だったんですね!!調べてみると、Symmetryというのは左右対称に限らず点対称等々も含む幅広い概念なのであるそうな。「Chrome分割」で説明したところが憎いわ。

GoogleChrome

本論はここからです。

野老は「形の異なる3種類の四角形を組み合わせ、国や文化・思想などの違いを示す」と語っていたわけだけど、ここに大きな秘密があった

実は3種の四角形は、全て対角線の長さが等しい(!!)のだそうな。これまたヤシロ氏Twitter絡みで知りました。

3つの四角形

しかもですよ。

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時計

要するに、
3つの四角形各々の頂点は、
・四角形1(小)=1, 6, 7, 12時
・四角形2(中)=2, 6, 8, 12時
・四角形3(大)=3, 6, 9, 12時
の位置にある。という話です。

そして3つの四角形には、こういう性質があります。

・対角線が共通
・四角形の対角線で区切られる三角形の、二辺の長さもすべて共通
・短辺に外接する円弧(または正12角形の一辺)の比が1:2:3
-----

うおぉぉぉーー!そうだったのか!!あり得ない120°の文字盤で示したところがまた憎いわ。

どうやら今度のエンブレムは、むしろ数学者達の心の琴線を激しくかき鳴らしたようです。
4月28日にはこんなものが田所 淳氏により作成されている。

組市松紋解析1

つまり左右対称であるだけでなく、上下対称の一部を抜き出したデザインでもあったわけだ。

その前日、エンブレム発表2日後の27日に早くもこんなこと↓を発見していたのは「よんます」氏。

組市松紋解析2

オリンピックエンブレムとパラリンピックエンブレムの空白部分の大きさは等しい上に、後者をロールシャッハ式に上下で折り返して補われる赤い部分は、そのまま前者の中心にある空白部分に持ってきてもピタリと市松形に収まる!!!!!感嘆を禁じ得ません。

さらに、28日には長谷川能三氏によりこんな発見も。

-----
(2016.04.28 抜粋)

長方形の対角線は全部同じ長さなので、これを1とします。長方形を対角線で切って、辺の外側へ開くと、一辺の長さが1の菱形が3種類(ひとつは正方形)できます。すると、この菱形のタイルを隙間なく敷き詰めるのと同じことになります。

//

敷き詰めると全体として、一辺の長さが2の正十二角形の中に、一辺の長さが1の正十二角形の空白がある形になります。ひとつひとつの菱形の辺の中点を結んでできる長方形に色をつけておけば、エンブレムのデザインにできます。
-----

つまりこういうことです。

組市松紋解析3

ここから赤い線だけを抜き出すとこんな形が現れてくる。

組市松紋解析4

あー、さぶいぼ立つわ。

こうしたことが見えてくると、こういうこと↓もできるようになる。4月30日、by「よんます」氏。

組市松紋解析5

「日本の伝統的な市松模様」どころか、まるでアテネのオリーブ畑で生まれたみたいですね。

田所氏は4月30日には次の高みに到達している。

組市松紋解析6

ダーツボードみたいだけど、これが3種類の四角形(あるいは3種類の菱形)だけで構成されているとは!いつの間にか平面充填の問題になっていた。もう、ほとんどイスラムタイルの世界。

≪嗚呼、私はどんなにか此の秘密をバグダードの若きスルタンかメッカの老練なるモスク職人の棟梁に教えて遣りたいと思った事であらう≫

ヤシロ氏も述べているとおり、疑いもなく、この辺りが現在、野老エンブレム解析の世界最先端を行っていると断言します(さすがにツルも今回ばかりは「敬称略」とはいかなんだ)。他にもこの幾何学的魔力に取り憑かれた理系クリエイター達が、このゴールデンウィーク中、貴重な休みを費やして新しい展開にトライしていることでしょう。まだまだ秀逸な二次創作が出てきそうな気配です。
てか、オリンピックに向けて学校の授業に取り入れたらいいのに!(これまたヤシロ氏の受け売りだけどm(__)m)

しかしそうなるとさあ。
「シンメトリー」の意味を正しく理解していなかった、というより野老のオリンピックエンブレム案が回転対称図形であることさえ見抜けなかった平野の「専門的な見知」(ママ)ってどんなもんなんだという気が改めてしてくる。このエンブレムの本質は、「左右対称形ではないものの、左右対称形のような印象に見える」ってなふにゃふにゃっとしたものではなくて、キッチリした三つ巴の回転対称だったわけでしょ。スタートラインにすら立ててない感ありネー(意地悪上等)。
それにしても、新エンブレムが決まってしまった今、平野のblogはどこへ行くのだろう。今度は審査委員を仰せつかっているわけではないから内幕暴露的アプローチを取るわけにはいかないし、続けるなら続けるでこの問題も避けては通れまいし↓。

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(2016.04.26 スポーツ報知 抜粋)

宮田委員長は、旧エンブレムの審査委員だったグラフィックデザイナー・平野敬子氏が、自身のブログで「A案ありきのプレゼン」と指摘したのが世間にも広がっていたことにも苦言。「非常に腹立たしかった。誠心誠意、惑わされずに選びました。国民参画を無視したということもないし、ある流れで(意見が)動いたということもありません」とキッパリ。
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(続く)

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