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2016年5月 6日 (金)

【VSOP編】野老案に目がテン!(東京五輪エンブレム再公募結果)第4回

(承前)

 

島峰 藍の招致エンブレムや佐野研二郎の初回エンブレムの時に比べ、今回の野老版はパロディの湧き方が少ないようです(前々回に挙げた各種の解析の試みは除いて)。かっちりした印象の幾何学模様だからパロディストにはとっつきにくいんですかね。

 

そんな中でこんなものを見つけた。

 

純丘曜彰(てるあき)(大阪芸術大学芸術学部教授)
東京五輪エンブレムパロディ

 

すわ、ピタリと重なるのかと思いきや、そうではありません。ちょっと残念感。(因みに野老のエンブレムは、色彩は用途に応じ変更できることとなったらしい。)

 

ところがですねえ。そんなことではとても済まなかったのだ。
純丘のことを調べていたら、産経系オピニオンサイト「iRONNA」に次の文章が載っていた。

 

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(2015.08.20 抜粋)

 

オリンピックに潜り込んだゴキブリたち

 

純丘曜彰(大阪芸術大学教授、美術博士[東京藝術大学])

 

〔前略〕

 

誰だってオリンピックを応援したい気持はやまやまながら、あんな黒いゴキブリ印は、生理的に無理。とても嫌な感じがする。汚らしい。穢らわしい。なにより不潔だ。あまりに不吉で、自分まで不幸に呪われそうな黒いゴキブリ。金と銀の足が夜中にカサコソと動き出して、きみの手の上に登り、パジャマの中にまで入り込んで来る。きみに、多種多様の救いがたい病原菌をなすりつけ、触覚をピロピロさせる。おまけに、突然に羽を広げて飛び上がり、きみの顔をめがけて襲い掛かる。考えただけでも寒気がする。あまりに気味が悪い。

 

東京五輪エンブレムParody 3

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驚きました。それ自体が穢らわしいあのゴキブリデザイン(cf. 2015.09.24「Problems in Emblems:1」)がなんと、芸術系大学の教授の作だったとは!!(@_@)!!
文章を読んでも、なおツルは強く嫌悪します。何なのだ、このむき出しの悪意と妄想は。全文を出すことは敢えて控えますが、これ自体ある意味学問上のいい研究対象になりそうです。

 

しかし、世の中捨てたものでもない。「Hatelabo:: AnonymousDiary」なるサイトで匿名氏が次のように再批判している。

 

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(2015.09.03 抜粋)

 

この記事の、黒い生き物の比喩を用いた執拗なレトリック、およびそこに貼られた画像は、読む者をいやな気分にさせる。まるでいやな気分にさせること自体が目的のひとつにもなってしまっているようだ。純丘氏の「佐野エンブレムが嫌いだ」「黒が嫌いだ」という気持ちはよく伝わってくる。だがそれは個人的な感情であり、公にするにしてもせいぜい個人のブログにとどめるべきだ。大学教授、美術博士という肩書き付きでオピニオン系サイトに開陳するようなものとは思えない。識者なら事実を元に冷静に分析し、問題を明らかにする役割を担うべきだろう。騒動の中、感情のほとばしる文章で純丘氏は何を訴えようとしたのか。
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この論にツルは全面的に賛成します。いわゆる禿同。

 

この論考によれば、『これ以降、掲示板でもエンブレムをゴキブリ呼ばわりする人が一気に増えていった』のであり、純丘は『反「佐野エンブレム」の急先鋒としてメディアで派手に“活躍”した人物』なのだそうな(ツルはこの5年ほどテレビメディアから身を遠ざけているせいか、ちっとも知りませんでした)。

 

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(2015.09.04 抜粋)

 

■純丘氏の社会的影響力
非常にあったと考えている。それは、(失礼だが)純丘氏の所論が正しく、力強かったからではない。炎上、サイバーカスケードという事態において、とてもよく燃える燃料だったからである。
マスコミはもちろん燃やすのが仕事であり、識者の言質さえ取れればいい、このフリップのこのスペースが埋まればいい、そんなノリでコメントを拾っている。
8月10日、純丘氏のこの一文を読んでびっくりしたのをよく覚えている。「このデザイナーがpinterest、その他、ネットのかなり奥深いところから巧妙に素材を拾ってきていることが完全に明らかになってしまった」
Pinterestについては、この時点では「完全に明らかになった」といえるような証拠は出ていなかった(強く紐づけられるものがせいぜいニーチェの件で、結局、最後まで確たる証拠といえるようなものは出てこなかったと考えている)。しかし、この記事は一気に広まり、その後のムードを作っていったように思う。
純丘氏には、「佐野エンブレムを下ろしたい」というご自身の希望をそのまま社会活動としていくのはご自由としても、識者として、炎上やデマがむやみに広がらないような、適切な言葉と確かな情報、検証を元に発言してほしかった。
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くどいけどダメ押ししときます。純丘の言う「ゴキブリ印」を作ったのは、しかし佐野ではなく純丘本人。つまりはそういうことです。

 

この関連で言うと、ヤシロタケツグ氏のサイト「ヤシロぶ」にも、2015.08.30付で「五輪エンブレムは超弩級の傑作!―全力応援!プロジェクト」と題した記事があり、純丘に対する論駁を一つ一つかっちりと行ってあって非常に参考になります。面白いし。只者ならぬ地頭/じあたまの良さを感じる。
一体この方、デザイナーなのか芸人なのか法律家なのか、それとも理系アタマのヒトなんだろうか。おそらくそのいずれでもあろうかと思われ。

 

純丘は、野老エンブレムに対しては褒めたような貶したようなどっちつかずの評価を(現時点では)下しているようです。

 

本人のブログ「純丘曜彰教授博士の哲学手帖」を多少読んでみると、ま、イロイロ思わせられるところもアリ。上述の匿名氏やヤシロ氏の方がよほど知性を感じられるけど、ま、ここは簡単な誤りの指摘にとどめておきますわ。

 

パナマ文章 → パナマ文書
ウーマンリヴ → ウーマンリブ

 

大学(因みに私学である)の哲学の先生にしちゃちょっとお粗末。bをvと取り違えるのはカタカナ言葉を使う時に一番恥ずかしいミスですわ。ヴェートーベン、とかね。

 

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以上、いろいろ書き散らしてきましたが、それでもなお、ツルは野老案は五輪エンブレムとしてふさわしいものとは思いません。スポーツの情熱とか泥臭さとかカッコよさとかエクスタシーとかを感じないから。超Cleverで秀逸なデザインという評価は下し得ようけれども、それとて幾何学的・図像学的興味に走ってオリンピック/パラリンピックの精神からは離れているわけですし。
言い換えれば、そうしたものでありながら「静謐」から脱し切れないところに(その意味で、「回転対称図形なのだから平野の『静的な印象』という評価は妥当でない」とするヤシロ氏の見解には必ずしも賛同はできかねます)、この五輪エンブレムデザインの限界があるのではないでしょうか。

 

東京五輪エンブレム

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