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2016年8月

2016年8月30日 (火)

【番外編】世界に一つだけの花,捻れた(●●・タケちゃん・めぐるん・リュウたん)

(承前)

いささか過剰に微視的ですが、前回取り上げたこのキャラで、当初盛られていた[花]について考えてみます。

長野県小諸市
小諸市地産地消推進協議会
地産地消推進キャラクター
こもろん
坂口茂樹(長野県)
こもろん2

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当初の捻りを入れた九弁タイプ(こんな花は実在しないと断言できるけど)は他にも作例があって、坂口のお気に入りなんです。
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家紋風に表せばこの[九葉捻花]、いくらも見つかる。

まずは坂口自身のFacebookにあしらわれた詳細不明な次のキャラクターから。向きと色が変わってピンクの[九葉左捻花]になってますが。

坂口Facebookキャラクター

そう、このキャラ、坂口作品のBasic Patternとしてとっても象徴的。[かぶりモノ系]+[オーバーオール]的お洋服+[歩み寄りポーズ]+[No.1ポーズ]+[寄り目ハイライト]+[前髪ちょろ]。お団子頭は[レタス]か[キャベツ]だろうから、作者お膝元信州の新鮮高原野菜PRみたいなもんかしら。所属先がわからないので、お腹の魚の種類も特定いたしかねますが、[ヤマメ]か[イワナ]でしょう。お供の[犬]の意味もよくわかりません。信州柴犬?

つまりは塩崎Dogmaによるてんこ盛りテンプレートを徹底的に研究して踏襲した印象です。「俺ぁ錯塩キャラでいくど!」というManifestなのさ、きっと。てことはだ、この花、作者がその中に自分自身のIdentityを表すものとして忍び込ませたIconなんですね。

次の作品では、白い[九葉右捻花]で「こもろん」と同じ、配置もやっぱり右額。

香川県仲多度郡まんのう町
まんのうツーリズム協会
マスコットキャラクター
(佳作)タケちゃん
坂口茂樹(長野県)
タケちゃん

2011年2月頃に決定された公募です。因みにご当地では町の花・町の木は定められていない。

[かぶりモノ系]+[前髪ちょろ]+[町章]+アルファベットで[町名]。No.1ポーズは[Vサイン/ピースサイン]に変わってるけど、ま、趣旨は同じでしょ。
[筍]は無論ご当地産品ですが、後ろの[竹の葉]には池田克也の影響が見られるとツルは思った↓。

【2015.10.15「Enter the Spellbinder, Scene 3」】
千葉県長生郡長柄町
マスコットキャラクター
ながラン
池田克也
ながラン

でも、坂口と池田では活動時期の前後関係が逆なんだよね、基本的にはcoldsweats02。例えばこのながランは2013年1月決定だし。

次の作品では頭のてっぺんに桃花の[九葉右捻花]が咲いている。これ見よかし!

長野県
長野県生活排水広報委員会 公式キャラクター
めぐるん
坂口茂樹(長野市)
(愛称)若岡七海(長野県茅野市)
めぐるん(応募案)めぐるん(最終版)

これはしたり!途中で耳なし芳一化しているぞ。

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【制作意図】
[水滴]をモチーフに、自然豊かな長野県を[花]、[双葉]等により表現するとともに、胸には持続的な水と資源の循環を示す[リサイクルのマーク]、長野県のキャラクターであることを示す[地図]と「水」を示す[元素記号]を配置し、長野県に住んでいる人が年代を問わず親しむことができるようなイメージとしました。
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県の花はリンドウ、県の木はシラカバです。これまたお呼びでない。

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【命名理由】
水が雨として降り、降った雨が森の地面にしみこんだり、川に流れたりして飲み水の源になったり、工場で使われたりした後、下水道に流れて処理場できれいにされ、川に流れて海に行き着き、水蒸気になってまた雨になるという水循環のみちを表しています。
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ちょっと変ですね。この命名理由って「生活排水」に限った話じゃないもん。でもそれを言ったら、デザイン応募案だってかなり微妙。「排水」キャラwwなのに[蛇口]の耳はないでしょ。それとも、着ぐるみでいろいろキケンという判断で外されたんですかね?さがなき童べどもに引っ張られる、とかさ。
[No.1ポーズ]は「こもろん」系列ですな。

「生活排水広報委員会」(9文字)ってのは何かのギャグかと思ったけど、もちろんそうじゃありません。2009年度に「長野県下水道普及促進実行委員会」(15文字)が発展的に解消し、「長野県土地改良事業団体連合会」(14文字)・「長野県浄化槽協会」(8文字だから大したことない)と一緒になって改組された真面目な団体です。「公共下水道のみならず、農業集落排水施設及び合併浄化槽を含めた生活排水施設全般が抱える課題に対する取組みを推進する」というのがそのMission。農業に関する排水が「生活排水」に分類されるというのも目から鱗ですねえ。
で、まあそういうお堅いアレコレに親しみを持ってもらおうとキャラクターを導入した、そこに坂口IDが刻印されたというわけで、なかなかに重層的構造。(ああ、おちょくるって楽しいheart01

因みに本公募では、応募総数が;

デザイン(152名 252点) > 愛称(62名 79点)

という、普通ならあり得ない傾向を示した。これはおそらく;

2010.12.10〜2011.02.28 デザイン募集
2011.03.22 デザイン決定
2011.03.25〜06.30 愛称募集
2011.07.29 愛称決定

という時期が関係しているものと思われます。二つの募集の間に起こったのが東日本大震災だった。

この坂口Icon、実はVariationで[八葉右捻花]もあるんすよ(かなり笑)。2013年2月発表のこの公募を見ますと・・・。

茨城県龍ケ崎市
龍ケ崎市観光協会
マスコットキャラクター
(優秀賞)リュウたん
坂口茂樹(長野市)
リュウたん

これまた[かぶりモノ系]にして[歩み寄りポーズ]+[前髪ちょろ]。目立たないけど[マフラー/スカーフ]は「めぐるん」と同一(夏でも巻いてるのかね?)。でもこれは[寄り目ハイライト]ぢゃないし!!
市の花はキキョウ(旧藩主土岐氏の家紋に因むもの)、市の木はマツで、これも関係なさそうです。

この公募では入賞作全てが[龍]ネタとなっていて、常連ガイダーもアマチュアもほとんどがそこに飛びついた様相。

(最優秀賞)
まいりゅう by 杉田玲衣奈(龍ケ崎市)

(優秀賞)
りゅうたん by 八谷早希子(北海道江別市)
リュウたん by 坂口茂樹(長野市)

(特別賞)
リュウちゃん by 金津 博(新潟県上越市)
リュウがサキちゃん by 石田忠良(千葉県八千代市)
ドラヶさきくん by 北口将博(茨城県つくば市)

制定側も応募側も、地名が特徴的だからやりやすいよね、ってことでお互い納得しちゃうんでしょうが、逆にそうしたケースの限界を示しているようでもあります。

2016年8月28日 (日)

【番外編】お山の大将キミとボク(こもろん・たけじぃ)

コンセプトやジャンルが違っていれば「類似」には当たらないというのであれば、こんなものはどうか。

長野県小諸市
小諸市地産地消推進協議会
地産地消推進キャラクター
こもろん
坂口茂樹(長野県)
(愛称)
武内浩子(長野県小諸市)・吉田慶嗣(秋田市)・小寺光雄(愛知県名古屋市)・赤羽和親(神奈川県川崎市)
こもろん1こもろん2こもろん3

2011年8月頃にデザイン決定したもので、[浅間山]の火口に[農畜産物]をスーパーてんこ盛りに飾りつけ、[No.1ポーズ]でアピールしているわけだけど、盛り過ぎて[リンゴ]と[白い花]以外のアイテムはほとんど記憶に残らんという(失笑)。
デザイン補整が2度にわたって施されたようで、初め立体的だった表現からまずグラデーションを消して平面的となり、次に盛りアイテムに変更が入ってほっぺの色も薄緑からピンクに変えられたらしい。件の白い花なんて明らかに別物に差し替えられている。当初の捻りを入れた九弁タイプ(こんな花は実在しないと断言できるけど)は他にも作例があって、坂口のお気に入りなんです。
ツルがわからないのはむしろリデザイン後の五弁の花の方。実が描き込まれている[リンゴ]なら花は淡く紅をさした姿とするだろうし、ご当地ならアンズの花ということもあり得ようけれども、それとてピンク色である。蕊が濃色であることも考慮すると、ナシの花なんだろうか?傍らに盛られた実が杏なのか梨なのかもよくわからない。
ふと思いついて調べてみれば、ご当地の市の花はコモロスミレ、市の木はウメでした。あ、[ウメ]をこう表したのかあ!?

そしてもう一つ、骨付きの[原始人の肉]smileが盛りから外されてます。はじめ人間ギャートルズ的Icon、[マンガ肉]とも呼ばれるやつね。「農畜産物」から「畜」がなくなったわけで、何らか方針変更があったということだよなあ。因みに市役所における担当部署は農林課農業振興係である。[ブドウ]もどうやら消された様子。

坂口もどうして大した錯塩ガイダーで、しばしば塩崎一族と見紛う作品を作っとられますです。検索すればすぐわかるよん。

おっと、うっかり忘れるとこだった。この公募では一緒にロゴマークも募集されていて、採用されたのは佐藤 修、我らが塩崎一族の別名義。

【その59】
長野県小諸市
小諸市地産地消推進協議会
地産地消推進ロゴマーク
佐藤 修
小諸市地産地消

もう、塩崎一本に絞って決めた方が早かったはず(笑)。

まっ、あたしゃそれより愛称に小寺光雄が採用されてるのに笑っちゃったけど(cf. 2013.12.21〜23「光輝く夢と未来へ」)。地名をまんま読み込んだ[ん系ネーム]、ツル的にはそこでもうハエ叩き的却下&ダルマ落とし的足切り。そんなんなら「公募」なんかすんな。因みにこの「ん」は一説に「地産地消」の「ん」らしいでス(だったら「こもろっち」「こもろう」でもよかったのネ)。
あーあ、応募総数、デザイン63点sweat01、愛称23点sweat01の中にももっと個性的なものはあったろうに。

ア、そう言えばこんなのもあったな。

【2012.12.24「その水は本当に清く澄んでいるのか − 下」】
福島県会津若松市
会津の伝統野菜を守る会
会津伝統野菜イメージキャラクター
(入賞)清水浩美
〔2003年10月発表〕
会津伝統野菜

こちらはきっと[磐梯山]。あ、これもグラデーション使いだ!

ひたすらアレやらコレやらのご当地名産品を盛り付けたこれらに対して、次のキャラは類似ではないということになるのだろうか。

兵庫県朝来市(あさごし)
朝来市商工会青年部
竹田城跡 イメージキャラクター
たけじぃ
奥嶋(おくしま)久美(大阪府吹田市:デザイナー)
たけじぃ

こちらは約2年後、2013年11月の「第20回全国山城サミット 朝来大会」を機に制定されている。[古城山]の[雲海]の中に浮かぶ[城跡]をこう仕立てたわけです。名前は地元小学生からの別途募集。

別名「虎臥城」(こがじょう/とらふすじょう)と呼ばれるこの城は、一説に山名宗全築城の謂れもある国史跡。どちらかというとマイナーなご当地名所だったのが、2006年に日本城郭協会の定めた「日本100名城」に入ったことから知名度が急上昇し、雲海の中に浮かぶ姿が「天空の城」「日本のマチュピチュ」(書いてて恥ずかしいわ)として一躍脚光を浴びたところです。同市には「竹田城課」なる部署まである。
ただ、あまりに急激に人気が出たために、参道や石垣の傷みがひどくなったり、それを補修するのに朝来市が国の許可を取っていなかったりといったゴタゴタもあったのは記憶に残るところです。

「地産地消」でも「グルメ」でもなく「観光」だもんねーだ、コンセプトが違うぜよ。てんこ盛りとも言えないでしょ、ですが、報道によれば「雲の部分にサクラの花びらや紅葉の飾りを付け、季節感を出すよう工夫している」とのことなので、やっぱりてんこ盛りDogmaの下にあることは間違いない。
こうした山の形のご当地キャラ、富士山やら大山(伯耆富士)やら全国に点在する「○○富士」やらにはたんまりできてるんだろうな。

むろんこの公募にも;

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他コンテスト等に入選されたもの、または著作権やその他の権利侵害の事実が判明した場合、入選が確定した後であっても採用は無効となります。
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てな一札は入れてあったんですよ、やれやれ。

着ぐるみが遭遇したところを想像すると結構((((;゜Д゜)))ですがね。抹茶プリン a la mode 二人前、な感じ。

2016年8月26日 (金)

【攻撃 vs 防御編】(5) アナタのマチのごみ処理問題?(湖周行政事務組合・鳴沢村)Dispute One

(承前)

で、またもやアクションを起こしてしまいました。

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(2016.07.31(日)送信・2016.08.13(土)再送)

湖周行政事務組合 関係各位

〔中略〕

先月、貴組合で公募により制定された諏訪湖周クリーンセンター ecoポッポのマスコットキャラクター「えこぽん」は、山梨県南都留郡鳴沢村が昨年8月に発表したキャラクター「なるシカくん」に類似していると考えます。
のみならず、2014年3月に山形県西村山郡西川町の月山朝日観光協会(西川町役場 商工観光課内)が発表したキャラクター「ガッさん」の公募過程において、2013年12月に行われた人気投票の際の対象候補の一つとも類似しています。

〔中略〕

作者はいずれも貴組合のケースと同じく、北海道江別市在住の八谷早希子氏です。

貴組合の募集要項には以下のような規定がありました(適宜抜粋)。

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8、著作権等
・応募作品は未発表かつ自作のもので、他に類似するものがないものに限ります。
・受賞作品が他の著作物の著作権等を侵害する恐れがある場合は、採用を取り消します。また、既に賞金を授与した後にその事実が判明した場合は、返却していただきます。
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本公募を実施された趣旨に鑑み、総合的に勘案するに、採用作品は上記応募条件に違反しているものと言わざるを得ません。

従いまして、以下2点につき、ご見解をお寄せいただけますでしょうか。

(1)「えこぽん」の制定過程において、上述の類似作品の存在は把握しておられましたか。また、そうであった場合、内部で、あるいは月山朝日観光協会または鳴沢村との間で、何らかの善後策等を協議検討されましたか。

(2)八谷作品の採用決定は貴募集要項の文言に照らして取消に値すると考えますが、いかがでしょうか。

〔中略〕

なお、小生は貴組合または月山朝日観光協会、鳴沢村、あるいは八谷氏との間に一切の利害関係を持っておらず、いずれの公募に応募した事実もありません。
また、鳴沢村に対して本メールと同趣旨の問い合わせ(「えこぽん」により「なるシカくん」の権利が侵害されているおそれがあるが、どう考えるか)を行っていることを申し添えます。

〔後略〕
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あー、何度目かだから文章書くのもコピペベースで楽だわー(爆)。再送したのは、初めのが不達だったことが判明したから。
ほんとはもう一つ尋ねたことがあるんだけど、それは現時点では敢えて伏せます。いつか書くこともあるでしょう(^_-)。

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(2016.07.31(日) 抜粋)

鳴沢村役場 企画課 御中

前略

掲題の件につき、昨年12月および本年1月にメールでお尋ねさしあげた、[ツル]と申します。

先月、公募により新たに制定された次のキャラクターが、貴自治体の「なるシカくん」に類似していることに気づきましたので、お知らせします。

湖周行政事務組合(長野県 岡谷市・諏訪市・諏訪郡下諏訪町)
諏訪湖周クリーンセンター ecoポッポ
マスコットキャラクター
えこぽん

http://www.kosyu.or.jp/news.html

作者はまたもや北海道江別市在住の八谷早希子氏です。

これに関して以下お尋ねします。

(1)湖周行政事務組合からは何らかの事前コンタクトを受けられましたか。

(2)湖周行政事務組合に対して、あるいは八谷氏に対して、然るべき手段を取ることも検討対象かと存じますが、いかがお考えでしょうか。

〔中略〕

本件は、前回の貴自治体 vs 月山朝日観光協会のケースとは立場を逆にして、湖周行政事務組合による貴自治体の権利への侵害が疑われるというものです。
当然のことながら、同組合の募集要項にも;

〔中略〕

等の規定は存在しており、「えこぽん」にはこれらへの違反があるものと考えています。(この点、湖周行政事務組合にも問い合わせていることを申し添えます)

前回、貴自治体に対し、reputation riskについてもご指摘申しあげたところ、明確なお返事はいただけませんでしたが、かねて小生が危惧していたとおり、今回はよりクリティカルな形でこの問題が顕在化してきたものと思われてなりません。事勿れ主義で作者のモラルハザードを放置すれば、今後も同様の事態が引き起こされることすらあり得ようと愚考します。

前回、「同一人物の作品が似てしまうのは仕方ないとのことと、作者は各市町村の特色を考えて作成しているため、それぞれの作品が著作物となるので著作権の侵害にはならないようです」という甚だ曖昧なご回答をいただきましたが、このたび貴自治体が逆の状況に置かれていることに照らしてもこの解釈にブレはないのかという点が、上掲の再質問の根本趣旨です。

〔後略〕
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鳴沢村との「前回」のやり取りについては、【2016.08.08〜10「アナタのムラの公募の不実?」】を参照されたし。

さあ、どう出てくるか。アレもコレも、「コンセプトが違いますから」の一言で片付けられてしまうんだろうか(^_-)。
鳴沢村に、湖周行政事務組合にねじ込むほどの度胸があるとは思えない。やっぱり無視ですかね。

えこぽん なるシカくん

(続く)

2016年8月24日 (水)

【番外編】ゆるキャラ(R) 再生処理装置・の・おまけ!(えこまいくまー)

(承前)

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んーー、哺乳類系ごみ袋キャラってのも確かにどこかで目にした記憶があるんだけどなーー。ちょっと思い出せないや。
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これだった!

静岡県浜松市
エコマイスター委員会(株式会社山本エコロジーサービス内)
エコマイスター制度 PRキャラクター
えこまいくまー
ねこま。(男性:長野県)
えこまいくまー(応募案)えこまいくまー(最終版)

すみません、こっちはどうやらごみ袋じゃなく[レジ袋]をまとって頭に[双葉]を生やした[ヒグマ]でしたm(__)m。「えこぽん」はコンセプトが違うんですよ、そうですよね八谷センセupup

えこぽん

しかし、採用の賞品は「エコアイテム(45Lビニール袋100枚)+エコマイスター野菜(タマネギ1箱)」であったという・・・。それってごみ袋のことよねhappy02
『「袋一枚からのエコロジー」がコンセプトでクマが里山に降りずに過ごせる環境をつくるエコを図案化』した云々だけど、既に街まで降りてきとるやん┐( ̄へ ̄)┌。
作者はこのPNでLancersサイトに載ってます、現在40代前半とか。

実はこれもすんごくユルいキャラで、当初の募集期限(不明)を → 変更して2010.07.31までとし → さらに再変更して2010.12.31まで募集している。期間を短縮することは考えにくいから、集まりが悪いとかの理由で2度にわたって延長したということでしょうな。結局、100点以上は集まったらしい。
もっとひんやりするのは、上記Lancersサイトに「製作期間:2011年1月」「制作時間はキャラの裏表合わせて2時間ほど」と書いてあることで、あれこれ考え合わせてみれば、あらぬ考えが頭をよぎります。集まった作品がいずれもお眼鏡に適わなくて・・・とかね。

ともかく、2011.02.27の浜松シティマラソンの時にお披露目されたのだけれど、ここだけの話、その頃は性別不詳でblog上の一人称も「ぼく」だったのに、翌年になると「えこ太」という子供を産んで、エコにやかましい母さん&主婦キャラに変身しちゃったという、どこまでもユルぅい話。

でも一番わからないのは、山本エコロジーサービスは一般廃棄物収集運搬業を営む会社で、なぜ民間企業がこうしたキャラクターを作ったのか/作ることができたのかという点です。そりゃ、エコで儲けるのは大いに結構だけど、それは「制度」ではなくてただの「ビジネス」ではないの??

2016年8月22日 (月)

【番外編】ゆるキャラ(R) 再生処理装置(えこぽん・ふらまる)

(承前)

なんかねえ、がっかりするんだよねえ。こんな風に書いたばかりだけど。

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【2016.08.10「アナタのムラの公募の不実?: Session Two」】

立場を変えれば、「なるシカくん」だって似たキャラクターがどこかのマチで明日にでも選ばれるおそれが現実にあるということですよ。それでもいいってこと??
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【2015.12.22「★の瞳に希望の光」】
山梨県南都留郡鳴沢村 なるシカくん
八谷早希子
〔2015年8月頃発表〕
なるシカくん

【2015.12.26「★の瞳に不実の翳り」】
山形県西村山郡西川町 月山朝日観光協会 イメージキャラクター(投票対象候補)
〔2013年12月頃投票〕
月山朝日観光協会キャラクター候補

そのおそれは早くも現実化していた、またも同じ作者によって。

長野県岡谷市・諏訪市・諏訪郡下諏訪町
湖周行政事務組合
諏訪湖周クリーンセンター ecoポッポ
マスコットキャラクター
えこぽん
八谷早希子(北海道江別市)
えこぽん えこぽん(背面)

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長野県の県獣であり、ecoポッポ建設中に現場監督もしてくれた[カモシカ]をモチーフに多くの方に親しみを持って頂けるキャラクターを考えてみました!一目でecoポッポのキャラであることが分かるよう、体はエコをイメージした[グリーン]、服は[施設名]が描かれた[ごみ袋]でできています。
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「湖周行政事務組合」とはご当地の2市1町が共同してごみ処理業務を行っているもので、「ecoポッポ」はその新しいごみ処理施設。従来の岡谷市清掃工場の跡地に建設されて、今年6月にごみ搬入が始まったばかりです。キャラクターも同月に発表されたもの。

≪誇り高きカモシカもごみ袋なんか着せられて可哀想に≫

アウトだと思うなーー、これ。募集要項(抜粋)にはちゃんとこうあったのに。

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・応募作品は未発表かつ自作のもので、他に類似するものがないものに限ります。

・受賞作品が他の著作物の著作権等を侵害する恐れがある場合は、採用を取り消します。また、既に賞金を授与した後にその事実が判明した場合は、返却していただきます。
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んーー、哺乳類系ごみ袋キャラってのも確かにどこかで目にした記憶があるんだけどなーー。ちょっと思い出せないや。

(優秀作品)
海山 幸(ペンネーム:宮城県仙台市)
塩崎榮一(大阪市)

画像は非公表だけど次点も常連陣だし(大伏線)。応募総数 70点超、さぞやガイダー率も高かりしことならむ(-.-)y-~~~。

ふと恐ろしい考えが頭をもたげ、さらに調べてみると、やはりというべきか、えこぽん発表の前月の本年5月にはこんなものもできていた。

静岡県浜松市西区
浜松市フラワーパーク(通称 はままつフラワーパーク)
マスコットキャラクター
ふらまる
八谷早希子 (北海道江別市)
ふらまる

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世界の花のテーマパークである「はままつフラワーパーク」をイメージして、子供からお年寄りまで多くの方に親しみを持って頂けるキャラクターを考えました。はままつフラワーパークで生まれた草花の精です。体は、植物をイメージした[グリーン]を基調としており、[帽子]には[桜]・[バラ]・[チューリップ]・[花菖蒲]・[梅]・[菜の花]・[朝顔]・[コスモス]が輝いています!耳は、[葉]でできており、服は、チューリップの花畑をイメージしたカラーになっています。
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3点を対象に来園者への人気投票が行われ投票総数904票のうちトップの332票(36.7%)を集めた、ということは薄氷の勝利だったことになる。2位は20票差の312票だった由、誰だったんだろう(静岡だから高柳順子って可能性も高いと思うけど)。応募総数、163点。

これも、アイテムの盛り方が微妙にこれ↓に似てないかと思うんですよ。

【2015.12.16「下ぶくれなる謎の神々:2粒目」】
群馬県北群馬郡榛東村
マスコットキャラクター
(候補作品 作品番号5)
〔2015年9月候補発表〕
榛東村キャラクター候補 5番

少なくともこれを八谷作品と見なす根拠を補強するものにはなるかあ、あはは。榛東村じゃ候補作品はとっとと引っ込めてしまったので、もうリサイクル処理の跡もわかりゃしないんだけどね。

思えばいわゆる「塩キャラ問題」の端緒は、茨城県の大子町「たき丸」と筑西市「ちっくん」だったろう。前者が2011年9月、後者が2012年8月の決定。もっと遡れば2007年8月には石川県ノトロの森マスコットキャラクターのパクり問題もあったし、塩崎一族への疑惑が囁かれ始めてから昨年辺りまで、少なく取ってみても4年ほど、長めに見れば8年ほど、とにかく「保った」わけです。そこにはご当地キャラの隆盛という僥倖もあった。
でも今度の八谷は、そんなには保たないだろうなあと。

2016年8月20日 (土)

【番外編】♪輪廻は続くよどこまでも(氷川町章・八代市章・与謝野町章)

(承前)

さくら市章あたりから始まって思わぬ深みにはまっちゃった一連の長広舌、今回が最後です。

この公募のことがまだでした。

熊本県八代市
市章
河村真帆
〔2004年11月表彰〕
八代市章(最終版)

(優秀賞)
田中一則(57歳:鹿児島市:デザイナー)
立志哲洋(53歳:東京都江東区:デザイナー)
石田 隆(62歳)&石川和市(わいち)(52歳)(愛知県名古屋市:デザイナー)
安 起瑩(36歳)&山根衣代(31歳)(茨城県つくば市:デザイナー)

うはは、安&山根ペアがここにも入ってるぅsign03もちろん「Y字をモチーフとした文様デザイン」です(失笑)。

河村の応募案には当初次のコメントがついていた。

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6市町村の[6]をイメージしたものに、新幹線の勢いを加えました。その中に、[昔の八代の市章]を少しアレンジしたマークを入れ、新しさの中にも親しみを感じさせるよう工夫しました。
八代の美しい自然をイメージした少し淡い[緑]で統一し、シンプルにまとめました。また、一目見たらすぐに覚えられるように、インパクトも出すように工夫しました。
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八代市章(応募案)

色彩のことはちとおいといて、うむぅthink。ご当地では(旧)八代市と八代郡の鏡町・千丁町・竜北町・宮原町・泉村・坂本村・東陽村の8市町村での合併を目指していたところが、話がこじれた挙げ句に竜北町と宮原町が離脱した経緯がある。八代で「6」を強調するのも誠に如何なものかと思いますが、八代地域市町村合併協議会のサイトを見るとそれどころじゃない。

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合併の枠組みについては、「郡市一体を目指してきた経緯から、竜北町と宮原町の離脱は大変残念であるが、ここで白紙に戻すより、将来の八代地域の発展の方向を考えるべき」「これまでも広域合併の必要性を住民に訴えて来た」「鏡町の住民投票で大きな合併が支持されたことを尊重すべき」などの意見が出て、『6市町村合併』の方向性では早い時期から一致していました。
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あの子やその子なんていなくてもいいもーん、と言ってるのと同じ。たとえそれが事実であっても、こんなことを書くのは品位に欠ける所業です。こういう時にはね、「6市町村による合併の方向性に揺らぎがないことを確認しました」とでもしとかなくちゃいけないの。おわかり?

因みに竜北町と宮原町は2町で新設合併し、今は氷川町となっている。町章は今時珍しい非丸ブーで、逆に潔いと言いたいところですが、これがまた自己パクりで取り消しになったあの町章とそこはかとなく似とるのよbearing(cf. 2014.10.31「丸ブーtyphoon艶競べheart [3]」)。

熊本県八代郡氷川町
町章
及川利臣
〔2005年1月頃決定〕
氷川町章

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[ひ]を活かし、幸せと平和を呼ぶ青い鳥の飛翔するイメージをデザイン化。「ひ」の右側を3本にして「ひ」と[川]を一体化し、右肩上がりにすることで氷川町の町勢や町民の向上発展を表現しています。
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茨城県東茨城郡城里町
町章(案) → ボツ
及川利臣
〔2004年12月決定 → 2005年2月取り消し〕
城里町章(案)

ひやひやもんです。ま、そういう人だったんでしょう。(鬼籍に入ろうが決して容赦はしない。)

話を戻してと。八代市章のどこが田舎公募なのか。もちろん、プロセスがです。

2004.12.01発行の八代地域市町村合併協議会だより第26号にはこんな文章が載る。

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第二十八回の協議会で小委員会から提案のあった候補作品五点を一旦各市町村に持ち帰り、第二十九回協議会で出席の委員全員により投票が行われました。
投票の結果、八代市在住の河村真帆さんの作品が最優秀賞として決定しました。
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けれども一方でこうも書いてある。

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11月9日第29回合併協議会の協議に先立って、最優秀賞を受賞された河村真帆さんに賞金30万円と採用されるデザインのプレートが中島会長から手渡されました。
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え???では、最優秀賞を決める投票を行った第29回協議会に予め河村が招かれていて、審議前に表彰されたというの??まさかのあからさまな出来レース?
詳しく調べてみると、どうやらこれ、「第二十七回の協議会で小委員会から提案のあった候補作品五点を一旦各市町村に持ち帰り、第二十八回協議会で出席の委員全員により投票が行われました。」を誤記したもののようです。候補5点の提案がなされたのも第27回。

第27回 2004.10.12開催
第28回 2004.10.26開催
第29回 2004.11.09開催

真偽のほどは現在問い合わせ中coldsweats01、しばしお待ちを。

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【2016.08.26 追記】
2016.08.25、八代市役所総務部秘書広報課から返信がありました。やっぱりツルの推理したとおりだった由。
「本市ホームページには、訂正を入れる予定で考えております。」なんだそうです。まあ、10年以上問題にならなかったんだから、そこは今さらどうでもいいっすよcoldsweats01
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次は色変更の考え方について。

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応募された作品は、淡いグリーン色の一色でしたが、今後、旗や印刷物等に活用していくには、濃い色でインパクトを出すべきということや、最近の市町村章は、カラーバリエーションが豊かであるため、「ブルー・グリーン・オレンジ」三色の配色で構成することを併せて決定しました。
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だっさーーー。
この提案を実質的に行ったのは、候補5点絞り込みの委託を受けた熊本市の株式会社フォーカス。デザイン趣旨も次のとおり差し替えられた。

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6市町村の[6]をイメージしたものに、未来への躍動を加えた造形です。その中に、[旧八代市章]をアレンジしたマークを入れて、新しさの中にも親しみを感じさせるよう工夫しています。
外側の[ブルー]は川と海を、中央の[グリーン]は山と平野を、[オレンジ]はそこに生活する人々の熱い心を象徴しています。
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後半が大きく変わってますが、結局はデザインともども平均的なイメージの羅列に置き換わってしまっただけ。同社による各候補作品への評価は「地域的な片寄りがないか」に終始した印象であり、つまりはその結果がこれなわけ。
なるほど、「インパクト」ですか。けど、「ヨソがああだからウチも」という思考って、その「インパクト」を消し去る悪魔の囁きではないのかね?

おしまいに。熊本で次点に入ったこの作品↓ですが・・・

熊本県八代市
市章(優秀賞)
田中一則(鹿児島市)
八代市章(優秀賞)

1年後、2005年9月に京都でこうなったりしたらしいsmile

京都府与謝郡与謝野町
町章
深川重一(56歳:大阪府)
与謝野町章

あーあ、またこのガイダーか。一回りして元に戻ってきた感じぃ。
深川より後にも、あるいは田中より先にも、似たようなデザインはきっとあることだろう。もうほんとにキリがないですsad

2016年8月18日 (木)

【番外編】Eかナ、と思ったらtyphoon(エポカルつくば)

(承前)

萱野光俊のことを調べていて、かなり驚いたことがあった。古い話になるんだけれども・・・。

茨城県つくば市
科学技術振興事業団・茨城県
つくば国際会議場 エポカルつくば
シンボルマーク
萱野光俊(本名 萱野栄吉:熊本市)
エポカルつくば

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筑波山を模した[三角形]は、人・物・情報の交流を、[ピンクの放物線]は科学技術都市つくばの[つ]を、[赤い点]は情熱とそこに位置する「つくば国際会議場(仮称)」を表現している。
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1999年6月に開館した施設です。シンボルマークはオープン前年、1998年7月の発表。今まで見てきたところからすると、当時萱野は65歳前後だったことになる。
丸ブーのハシリっすかというデザインです。文章もちょーっと変ですねえ。現象と抽象、レベル感がごっちゃ。が、目を惹いたのはもちろん別なところでして。

そりゃま、前から書いているとおり、ペンネーム自体はよろしいと思うんですよ。ぶっちゃけ、栄吉つぁんより光俊クンの方がなんぼか今風、グラフィックデザイナーっぽい響きと字面だし(笑)。
でもこれってさ;

鈴木末七 → 松平 健

てなのと同じ匂いがする。本名と芸名にギャップのある芸能人というと;

加藤和枝 → 美空ひばり
橋本明代 → 八代亜紀
吉村 稲 → 芳村真理
木本龍雄 → 西城秀樹
内間明美 → 南 沙織

あたりで止まっている昭和生まれ(にしても古過ぎやわ)のアナタ、情報をupdateしませう。

江上昭子 → 黒木 瞳
蒲池幸子 → 坂井泉水
岡部広子 → 優香
吉田和代 → 乙葉
石神国子 → 石原さとみ
蓼丸 綾 → 綾瀬はるか

江上にせよ蒲池にせよ、何だか筑後らしい(笑)苗字やなー(坂井は神奈川県出身ですが)。松田聖子も元を辿れば蒲池法子だよね。
男性芸能人の場合、意外とこのタイプはあまりないみたいですが、それはhydeとかGacktとかの路線に走っちゃうからだろうか(そのなれの果てがEXILE一族である)。
まさに "Name Laundering" ですbleah

話を戻せば、これはいささか乱暴な公募で、施設愛称も同時に募集された(ワンセットではないが)。

(愛称)
エポカルつくば/EPOCHAL TSUKUBA
大沼田 清(東京都あきる野市)

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人・物・情報の交流拠点として、21世紀の新時代に向け飛躍する「つくば国際会議場(仮称)」を表現した。
epochal.・・・新時代の、画期的な
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正式名称すらまだ仮称だったのに募集かけちゃったという(~O~;)。シンボルマークが「E」とか「e」とか「エ」とかをモチーフとしてないのもそういうわけです。栄吉つぁん、「つくばの[つ]」を使うしかなかったのさ(笑)。デザインの地位が低かったとも言えようか。

「つくば国際会議場」とは、以下のような触れ込みで科学技術振興事業団(現 科学技術振興機構:本部はなぜか埼玉県川口市)と茨城県とが共同で作った箱モノ。

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筑波研究学園都市において、今後一層の活性化、高度化、国際化が予想される研究交流活動を支援していくため、国内外の研究交流の場となる施設である。
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事業団側で担当していた「知的触発国際プラザ」なんて、いかにもつくば閥ぽいネーミングです。これを一体どう英訳したんだろうと思って調べてみたけど、同事業団はその後手を退き、今はただ「交流サロン/Exchange Salon」が残るのみらしいsad。サイトの紹介文が;

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It is the space where a meeting participant can relax in the feeling carried out calmly.
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となってるのにはがっくしきました。日本国民として本当に恥ずかしいわこの英語。これじゃ単なる無料休憩コーナーじゃねえかよ。

脱線ついでに言わせていただくと、筑波研究学園都市って、前面に出てくるのはいつも自然科学分野ばかりの印象だけど、社会科学やましては人文科学における研究と交流の成果はどうなのよ。そこってつくばのつまずきじゃないのかね。「理系」のための知的創造の都市、てなもんであっていいわけ?
せめて特許庁でももってきたらいいのに、文化庁京都移転の向うを張って(爆)。

そだ。東京五輪エンブレム再公募の審査委員長を務めた東京藝術大学学長&文化庁新長官の宮田亮平ですが、学長職続投は辞退したそうな。でも、どうやら京都には行かないことになるらしい(未確認だけど)。それで務まるんですかね。

(まだ続く)

2016年8月16日 (火)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その156の2:大田区PRキャラクター 名づけて はねぴょん)

(承前)

cf.
2015.11.24「大田区を襲う悪夢(となるか?)」
2015.11.26「大田区を襲う悲劇(となるのか!?)」
2015.12.28〜29「思ったより悪夢、まさかの正夢?」
2015.12.30「無明の闇(その10)」
2016.02.19〜21【その156】
2016.02.23「エアポートのある街で‥‥‥airplane‥‥‥の悪夢」
2016.02.25「悪夢、退散sign01
2016.03.28〜30「悪夢、完結に向かって」

あのですね。ただいま夏休みで博多に帰省しとります。やけん、今回は博多弁バージョンでお送りしますばい。たまには使わんと忘れっしまう。

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大田区公式PRキャラクターの名称は8月15日の花火の祭典で発表されます。
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昨日とうとう決まったとですよ。去年からあれやらこれやら書き散らかしとった、おらが在所の陣屋の殿さん、やのうて大田区塩キャラの愛称がくさ。

 「はねぴょん」げな。
  「はねぴょん」げな。
   「はねぴょん」げな。

東京都大田区
大田区公式PRキャラクター
はねぴょん
塩崎榮一
はねぴょん

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空の玄関口[羽田空港]の“はね”、そして桜の名所や銭湯を“ぴょんぴょん”と駆け巡ることから
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ださかー、今どき[ぴょん系ネーム]やら。それにくさ、『区制50周年記念キャラクター「オーちゃん」と親和性がある名称であること』て言いよったとはどうなったとや??

そう言えば担当者もメールにこげん書いとんしゃった(cf. 2016.03.30「悪夢、完結に向かって」)。

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今回のキャラクターは、大田区の銭湯、桜坂、羽田空港が意識されたデザインで、地域性、独自性ともに有するものとして選考をさせていただいております。
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ばってんこれやったら、どげんしたっちゃ「大田区キャラ」やのうて「羽田空港キャラ」の愛称やろがて!!せめて『大田区蒲田名物のB級(?)グルメ、「羽根つき餃子」も表しています』て書き加えるぐらいの気が利かんかったかねーsad。小役人にゃ無理やろか。東京大田区、やっぱ田舎(公募)ばい。

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大田区公式PRキャラクターの名前を公募した結果、なんと264票のもご応募をいただきました。
その中から選考委員会での選考を経て、8名の方からご応募いただいた「はねぴょん」という名前に決定しました。
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はあ?264票!?たったの!?!?大田区やら何百万人も人口がおるっつぇー?・・・・・ウソたい。ほんなこつは72万人余り。
なーんか、ふうたんぬるか結果やねえ。そげなとでいちいち公募すんなち毒づきとうなる。(しかもこげんみじかか文章の中でミスタイプしとうし。)

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【2016.08.22 追記】
本日、大田区サイトを見てみたら、「264票のもご応募」は「264票ものご応募」に直ってました。ははぁ、大田区さん、愚blogを見てらっしゃったんですかねbleah

≪問い合わせに対しては無視するくせに。≫
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大田区では毎年、平和祈念ていうてから終戦記念日に花火大会ばしよって、場所は多摩川べりの六郷土手。ツルの近所からもよーと見えるとです。ばってんツルはお盆で帰省しとることもようあって、昨夜も実家でBBQパーティしよりました。ビール片手に大田区サイトばチェックしたとは言うまでもなか(笑)。

このキャラクター、名前のなかまんまでもうあすこやらここやらにちらーちら登場したりしとうけん(「大田区報」の入れちゃあ棚のごたる什器に描いてあるとば見かけました)、下半期にぶりぶり攻勢強めてくっとでしょう。

ばってんくさ、ツルがわりかし気に入っとう大田区シンボルマークの方は、区のサイトを見てんほとんど活用されている気配はなかってす。今んとこ従来の区章がメインのごとある。これも今後の活用次第ってことやろかね。

東京都大田区
大田区シンボルマーク
高橋恵佑
大田区シンボルマーク

≪今どき誰がこげなこってりの博多弁ば使うてゆーとや?≫

(続く)

2016年8月14日 (日)

【番外編】typhoonEねsign01丸ブーsign03typhoon ―江田島市章に関する一考察― Two

(承前)

安の論文、気になる点はもっとある。

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そして、これらをキーワードとする様々なラフスケッチを行った。そしてその中で、スケッチ案12個を選択しコンピューターによる制作を行った(図4)。さらにこれらを絞り込み完成度を高めるため、次のようにコンセプトをより具体化し、それに沿ったデザインのアレンジを試みた。

①江田島市(Etajima City)の英文頭文字[E]の形を生かすこと。②広島県の瀬戸内海岸に位置しているという地理的な特徴をアピールするため[海(波)]のイメージを生かすこと。③全体的形は丸い形を優先しながら、三角形、四角形の順にデザインすること。
そしてカラーについては、市が海に接する都市という自然に恵まれた地理的環境をアピールするため、メインカラーはブルー系、サブカラーはグリーン系にした。そしてこのようなプロセスを経て完成させた4作を出品した(図5)。
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ピーーーーッ!!Red Card!!
本公募では点数制限があったはずだぞ。

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(2004.06.07 第31回江田島町・能美町・沖美町・大柿町合併協議会 会議録 抜粋)

また、応募は、応募用紙又は縦横15センチメートルの枠を書いたA4白色用紙を縦長で使用して、用紙1枚につき1作品とし、同一人の応募は1点限りとします。
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(2004.09.12 第32回江田島町・能美町・沖美町・大柿町合併協議会 会議録 抜粋)

次に無効と判断したのは、募集要項の基本的事項に明らかに抵触しておりまして、有効にした場合には、不公平を生じると考えられるので、次の応募作品につきましては無効といたしました。1つは、同一人によりまして複数点応募された作品がありまして、これは無効。2つ目は、募集期間外に応募された作品があり、これも無効ということにさせていただきました。
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「複数応募は無効」というのは多義的で曖昧ですが、大学の先生だから(1点だけは)認めてやったということ??いや、大学講師になったのは2005年(筑波大学;非常勤)だからこの後だ。どうであれ、限りなく出来レースの臭いもしてきた。

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当選作として決定されたあと、『江田島市市章デザインガイド(図6)制作にあたって、市側は本人の市章デザインを用いたアプリケーションを提案した。しかし、市章デザインはそのまま使用するものの、アプリケーションデザインについては市と関連しているデザイン会社に依託することとなった。なぜならば、原則として採用されたデザイン案については賞と賞金を授与することで、全ての使用権利は市側にあることを許諾した上での応募であったためである。しかし、市側は本人のアプリケーションの提案を参考にしながら市章デザインガイド制作を進めることにした。また、制作過程であまりにも本人のデザイン意図と懸け離れる方向に制作が流れる場合は、話し合いを行うことで同意した。その結果、市側からは応募した元のデザイン案の形には手を加えないものの、カラーをオリジナル(C100%、M20% / C70%)より多少濃くしたいという提案があり、基本カラーはプルシャンブルー(DIC222/C100%、M85%)とスカイブルー(DIC140/CC84%、M21%)に決められた。そして、それを用いて制作した市章デザインガイドの内容(一部)が図6である。
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今回の市章デザインは、専門家や関係者の意見はさることながら地域の一般市民の生の声によって決められたことでより意味があるだろう。つまり、青少年から老人まで全市民の選考により選ばれたデザインという意味において、これこそロゴデザイン(logodesign)におけるユニバーサルデザインとして位置づけたい。
終わりに、本人のデザインが市章として採用され、これが市の様々なところに用いられ長期にわたり活用されるであろうことを大変光栄に思う。また、本人の意図を尊重し、デザイン案に手を加えず、そのまま市章として使用して下さった江田島市の関係者の方々にも重ねて感謝の気持ちをお伝えしたい。
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これ、ツルは意味がわからないんです。こりゃ当然住民投票にかけたんだと思ったけど、合併協議会の資料を見てもその形跡はない。どうやら、5点まで絞り込みを行った「市章候補選考小委員会」の構成が、合併4町の商工会代表・自治会代表・PTA代表・女性会代表・青年代表の5名ずつ×4町=計20名だったことを指しているらしい。
でもそれを「ユニバーサルデザイン」として括るのは針小棒大です、はっきり言えばあざとい。おのがデザインの正当性/正統性を補強するためにそんな理屈を持ち出してきた気さえする。要するに自己満じゃねえかよ。

「デザイン案に手を加えず」というのも正確ではありません。色以外にも、フォルムが細部で補整されている。安は知らなかったんでしょうか?作者ならすぐ気がつく程度には手が加えられてるし、まさかね。

江田島市章(応募案)江田島市章(最終版)

蛇足ながら、この市章、ネット上見つかる画像は不正確なものも多いです。Wikipedia版も大辞泉版も微妙に異なるDerivativeと見ました。

〔Wikipedia版〕
江田島市章(Wikipedia版)

〔大辞泉版〕
江田島市章(大辞泉版)

うーん、結局。悪いけど、こうしたアプローチ、デザイナーとしてはもちろん、学究としてもCreativityをまるきり感じない。「Creativity」を平易に「魅力」と読み替えてもらっても結構よ。はーーーぁ。

しかしである。筑波大学に出された安の修士論文(2002年)は「観光案内サインのためのピクトグラムデザインの研究」。東京オリンピックに向けてますます売れっ子になりそうな気配です。

2016年8月12日 (金)

【番外編】typhoonEねsign01丸ブーsign03typhoon ―江田島市章に関する一考察― One

(承前)

江田島市章のこと、まだまだネタは尽きない。作者の安は5年ほどしてから次のような論稿を書いている。大変興味深い内容となっております。

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文学・芸術・文化:近畿大学文芸学部論集 Vol.21, No.1 (2009. 9), p.110-102
市章デザインプロセス:「江田島市の市章デザインを事例として」
City Identity Design Process "Etajima city logo design examples"

著者 安, 起瑩(AN, Kiyoung)
近畿大学文芸学部芸術学科;講師 (デザイン)

〔前略〕

2、デザインのコンセプ卜とプロセス

これは普通行われるデザインの仕事のようにクライアン卜からの依頼によって成り立つものではない。応募し採択された場合、行う事のできるコンぺ形式の仕事である。つまり、主催側にデザインのキーワードとなる情報の問い合わせや打ち合わせなどは困難である。したがって、応募作品制作にあたって何より自分の好みを排除するところからデザインを進めた。
そこで本人は、日本人の市章に対する理想形やデザインの好みを把握するため、東京都、大阪府、京都府、北海道、宮城県、長野県、石川県、愛知県、広島県、香川県、福岡県、沖縄県といった12の都府県の243市の中、入手可能であった205個の市章のデザインモチーフを調査した。これは全国の全ての市を対象としてはいないため大まかな調査ではあるものの、日本の市章デザインの現状を把握することはさることながら出品作のデザインの方向性を決めるキーワードとなるコンセプトを掴むため実施したものである。
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うはは、公募ガイダーといふといへども理論派だった、というわけだけど┐( ̄ヘ ̄)┌。

≪君の読むところのものは古人の糟粕のみ≫

で。(以下、「図」はオミット。)

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そしてこれらの分類方法としてはそれぞれの市章デザインの要旨のキーワードを基準とした。例えば、「○○市の頭文字をモチーフとし、それを市鳥である鷲の姿として表し・・・」という場合、これは一見形としては“鳥の具象形”をモチーフとしているように見えるが、市章の要旨に基準をおき“文字”として分類し、さらにその中でも“文字 + 具象形”として小分けした。このような調査の結果、デザインのモチーフとして最も多かったのは『文字(漢字、かな、アルファベット)のモチーフ』で全体の56.6%であった。次は市の理想や理念などをなんらかの形として表した『抽象的なモチーフ』が35.1%、そして最も少なかったのが市花、市鳥、市木のような自然物の形をベースにした「具象的なモチーフ』であり8.3%に過ぎなかった。そして次は形態であるが、そもそもロゴマークの形態を形づくるモチーフとして分類すると文字(記号、数字も含む)、具象形、抽象形、そしてこれらの混合形に分けられると考えられる。(図3)
しかし、今回の調査の目的は、公募に出品するデザイン案の制作の参考資料として活用するためであり、募集条件にもそぐわなければならないため全体的な形を「○(丸・楕円)、△(三角・逆三角)、□(四角・菱形)、その他(☆、heartspade)」といった図形に当てはめて分類することにした。例えば、石川県の白山市(図3−石川県参照)は様々な形の組み合わせによるデザインであるが、これは全体的な形としてとらえ「○(楕円)」として分類した。そして、大まかであるもののこのような形態の分類調査も日本人の市章に対する形の好みを把握し、そして出品作のデザインの形を決める基準として取り入れるために活用できるのではないかと考えられた。そして調査の結果、「○」が51.2%、「その他」が37.6%、「△」が6.8%、そして「□」が4.4%の順であった。(図3参照)
以上の二つの調査の結果を総合してみると、日本の市章デザインは、市名と関わる文字(主に頭文字)をモチーフとし、これを抽象的なイメージのモチーフと組み合わせ、全体的に丸の形を中心とした柔らかい表現のものが非常に多かったという事が明らかになった。そして本人はこのような市章デザインを日本人は好む傾向にあるということを確信し、今回の出品作はこれらのパソコンに合わせたデザイン想定をすることにしたのである。
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え?「spade」をモチーフにしたものなんか、そんなにありますかねえ!?

「日本人」「日本」と都度都度断ってあるのが日本人としちゃbleah煩く引っかかるけど、異国で仕事をするとはこういうことでもあろうか。

Tiffanyのペンダントじゃあるまいし、ツルだったら、「日本のお客様のお好みに合わせてお作りしました」より「お前のために世界中でたった一つのデザインをこしらえたんだ」って言われたいもんheart04(女子かっ)。

― Inspired by;
白牡丹といふといへども紅ほのか
   虚子(1874.02.22〜1959.04.08)

「荘子」―

(続く)

2016年8月10日 (水)

【攻撃 vs 防御編】(4) アナタのムラの公募の不実?(鳴沢村): Session Two

(承前)

熟慮の上、鳴沢村役場に第2弾を書き送りました。

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(2016.01.15(金))

○○ ○○様

貴メール拝見いたしました。

単刀直入に申して、失望しております。

まず第一点、昨年12月23日のメールで小生がご質問さしあげたのは次のとおりです。

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(1)なるシカくんの制定過程において、上述の類似作品の存在は把握しておられたでしょうか。また、そうであった場合、内部で、あるいは月山朝日観光協会との間で、何らかの善後策等を協議検討されましたか。

(2)なるシカくんの採用決定は募集要項の内容に照らして無効であると考えますが、いかがでしょうか。(貴自治体の募集要項には類似等が発覚した場合の事後的な採用取消に関する規定がありませんので、これに代えて決定自体の無効を思料する次第です。)
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このうち、全ての判断の前提となる(1)の前段、すなわち「制定過程において、上述の類似作品の存在は把握しておられたでしょうか」の部分については明示的なご回答をいただいておりません。
貴文面から拝察しますに、その答えは「No」であると考えましたが、その理解で正しいでしょうか。
これは、判断の問題ではなく、事実認定上の問題です。

第二点、仮に、当該制定過程において月山朝日観光協会キャラクター候補との類似を知っておられたならば、なるシカくんを採用されることはなかったとお考えでしょうか。
法律特許事務所のご見解から拝察しますに、「それでも採用したであろう」という結論が導かれるかと存じますが、その理解でよろしいでしょうか。
こちらは判断の問題です。

第三点、同様に貴文面から推察しまして、山形県西川町の月山朝日観光協会の当該キャラクター候補も八谷氏の作品であることは確認がついたものと存じます。

そうなりますと、貴村の募集要項の以下の規定への抵触が問題となります。

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(3)自作の未発表作品であること。(同一作品、類似作品、他のコンテストへの応募作品、個人的に使用されているものは不可)
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よりピンポイントに申せば、もともと、なるシカくんは「他のコンテストへの応募作品」に該当するのではないか、そうではないと言い切れるのかどうかという点をお尋ねする趣旨でした。

これは、お答えにありました、「2作品の優秀作品については権利が発生していますが、今回指摘されました作品は2作品の中には入っていないとのことでした」という問題とは関係がありません。
そもそも、通常であれば「他のコンテストにおいて発表された作品」のような文言で、バッファを持たせた規定となっているところ、一歩踏み込んで「応募作品」と規定されていたからこそ貴公募が目を惹いたのです。
そのこと自体は、より厳格かつ適切な態度であると考えますが、結果としては、先行する月山朝日観光協会の公募に既に応募された作品との強い類似が認められる以上、規定違反の謗りは免れぬものと思料いたしますが、いかがでしょうか。

また、この問題が法律特許事務所の言われるとおり「同一人物の作品が似てしまうのは仕方ない」という解釈で治癒されるとお考えなのであれば、それは失当であり、貴公募の募集要項の根底にそもそも流れていたはずの「他と似たものは選ばない」という精神に反するものでしょう。

一旦選ばれたものを無に帰することの非現実性は小生もよく認識しておりますが、諸々考え合わせますと、このままでは好ましからざる状態が続くこととなるかと存じます。
また本件は、なるシカくんと当該候補とが「別の著作物になる」かどうかではなく、「応募要項の文言は選考の実態に即して妥当なものであったか」の問題かとも考えております。従って、西川町側の了解が得られれば解決するということでもありません。

以上、恐れ入りますが重ねてのご回答をお待ちしております。
-----

しかし、これに対する回答はなかった。まあ、ウルサいいちゃもんに対して上長から止めが入ったんでしょう。
でも言っとくけど、この面倒は村自らが蒔いた種でしょ。

然らば。
当該募集要項は貴村サイトから取り下げるといった手段を取られることがせめてもの安全策かと存じますね。(既に月山朝日観光協会サイトからは当該候補画像は削られているし。)

八谷に限らず、ご当地モノの公募に応募してくる常連陣には、こうした模倣・類似の問題を抱えている場合が多くある。立場を変えれば、「なるシカくん」だって似たキャラクターがどこかのマチで明日にでも選ばれるおそれが現実にあるということですよ。それでもいいってこと??

(続く)

2016年8月 9日 (火)

【予告編】打ち上げに向けカウントダウン中!(大田区PRキャラクター名称募集)

そう言えば、今までも何度か取り上げてきたアノ件のこと。

「大田区公式PRキャラクターの名称は8月15日の花火の祭典で発表されます」なんだそうです。2016.08.01、大田区サイトの「大田区制70周年PRを目的とした地域力応援基金助成事業を募集します」と題する「お知らせ」の中にこっそり出てました。

東京都大田区
大田区公式PRキャラクター
塩崎榮一
大田区PRキャラクター(最終版)

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【2016.03.28「悪夢、完結に向かって:上」】

「「オーちゃん」と親和性がある名称であること」というのはデザイン募集の際にも入っていた一節ですが、今度はつまり「オーちゃんはもう使われてるからダメよ」の趣旨と理解すべきなんだろう。でもそうなると「ターちゃん」か「タッちゃん」ぐらいしか思い浮かびません。
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この問題にも遂に解決がつくわけ。

こーゆーのこそまさに「ツルのわくわく感がとまらない」です(爆)。

2016年8月 8日 (月)

【攻撃 vs 防御編】(4) アナタのムラの公募の不実?(鳴沢村): Session One

(承前)

cf.
2015.12.22「★の瞳に希望の光」
2015.12.26「★の瞳に不実の翳り」

見た目は似ていてもコンセプトや方向性に独自性があれば「類似」には当たらない、というのが大田区PRキャラクター公募の時にも垣間見えた業界の常識らしい(cf. 2016.03.30「悪夢、完結に向かって:下」;そう言や大田区のあのキャラの愛称募集はどうなっとるんだ)。商標登録上も、分類が異なっていれば問題ないということのようです(cf. 2016.07.11「アナタのウチのキャラの不都合?」)。
でも、そこで下手を打ったのが東京五輪エンブレム公募なんだろう。弁理士は、法律特許事務所は、結局佐野研二郎を助けてくれなかったわけで。

コンセプトが違えば類似たり得ないのかという問題は、ツルは密かに次の事例で深掘りしてました。

山梨県南都留郡鳴沢村
マスコットキャラクター
なるシカくん
八谷早希子
なるシカくん

山形県西村山郡西川町
月山朝日観光協会
イメージキャラクター
(投票対象候補)
(2013年12月頃投票)
月山朝日観光協会キャラクター候補

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(2015.12.23(水) 抜粋)

鳴沢村役場 企画課 商工・観光係御中

〔中略〕

今夏、貴村で公募により制定されたマスコットキャラクター「なるシカくん」のことですが、この作品は、2014年3月に山形県西村山郡西川町の月山朝日観光協会(西川町役場 商工観光課内)が発表したイメージキャラクター「ガッさん」の公募過程において、2013年12月に行われた人気投票の際の対象候補の一つと酷似しています。

「なるシカくん」の作者は北海道江別市在住の八谷早希子氏である旨貴自治体により公表されていますが、一方、月山朝日観光協会キャラクターの当該候補についても、同人が作者であるものと推測されます。

貴村の募集要項には以下のような規定がありました。

-----
4 応募条件
(3)自作の未発表作品であること。(同一作品、類似作品、他のコンテストへの応募作品、個人的に使用されているものは不可)
(4)第三者の著作権、商標権等の権利を有している著作物を利用していないこと。
-----

総合的に勘案するに、当該候補が八谷氏の手によるものであったとしても、あるいは仮に他の作者によるものであったとしても、貴村の上記応募条件への明確な違反があるものと言わざるを得ません。

従いまして、以下2点につき、ご見解をお寄せいただけますでしょうか。

(1)なるシカくんの制定過程において、上述の類似作品の存在は把握しておられたでしょうか。また、そうであった場合、内部で、あるいは月山朝日観光協会との間で、何らかの善後策等を協議検討されましたか。

(2)なるシカくんの採用決定は募集要項の内容に照らして無効であると考えますが、いかがでしょうか。(貴自治体の募集要項には類似等が発覚した場合の事後的な採用取消に関する規定がありませんので、これに代えて決定自体の無効を思料する次第です。)

〔後略〕
----------

敢えて「コンセプト」面には触れずに問うたわけです。

回答は、いかにもペーペーな感じの女性担当者から ――名前が若そうという意味と、敬語の文章がきちんと書けないという意味で―― ややあって来た。

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(2016.01.07(木) 抜粋)

〔前略〕

昨年いただきましたお問い合わせについて、法律特許事務所に相談させていただきましたので、ご回答させていただきます。

まず、山形県西川町のキャラに酷似しているというご指摘をいただき早速、山形県西川町役場の観光担当者様に連絡し、西川町の考えやキャラのデータをいただき確認させていただきました。
その作品となるシカくんのデータを法律特許事務所に見ていただいたところ、別の著作物になるとの回答をいただきました。
確かにご指摘いただきましたとおり、似ているパーツはありますが、同一人物の作品が似てしまうのは仕方ないとのことと、作者は各市町村の特色を考えて作成しているため、それぞれの作品が著作物となるので著作権の侵害にはならないようです。

また、山形県西川町役場の観光担当者様に、マスコットキャラの選考について伺ったところ2作品の優秀作品については権利が発生していますが、今回指摘されました作品は2作品の中には入っていないとのことでした。
以上の事を踏まえ、今後も鳴沢村マスコットキャラクターとしてなるシカくんをアピールしていきたいと思っております。

今回、○○[=ツル]様にお問い合わせいただいたおかげで、色々と学ぶことが出来ました。
ありがとうございます。
今後とも本村をよろしくお願いいたします。


鳴沢村役場 企画課 ○○ ○○
----------

これまた都合のよい理屈が並んでいる。「同一人物の作品が似てしまうのは仕方ないとのこと」ですと??それではご当地キャラクターを作る意味が半減してしまうのだよ。アナタのムラのものでなくてもいい、アチラのマチのものでいい、というわけで。
「作者は各市町村の特色を考えて作成している」というならば、八谷は自分の生み出すキャラクターが互いに類似してしまわないようにガンバってます、ということで、これも結構新鮮な驚き。

果ては「お勉強させていただきました」の一言です。軽く馬鹿にされた気がした。こっちはそんな生煮えの回答を求めていたのではない。

(続く)

2016年8月 6日 (土)

【番外編】恐怖の "Spec Work"(その3)

(承前)

あのHIRANO KEIKO'S OFFICIAL BLOGにも、2016.06.25開催のJAGDA/Japan Graphic Designers Association/日本グラフィックデザイナー協会の総会でAIGAの公開書簡の件が取り上げられたことが出ているけれど、読むのが正直キツいです。037章を読んでツルが得たのは、AIGAはなぜ書簡の宛先をJAGDAではなく五輪組織委員会にしたのかという疑問のみだった。(書簡を読んだ時から、なんでAIGAは日本のグラフィックデザインを中途半端に誉めちぎるのかとは思っていた。)

Spec Workの問題については、ツルが(全く勝手に)私淑するデザイン芸人、「ヤシロタケツグ」氏(cf. 2015.09.26「Problems in Emblems:3」・2016.05.04「野老案に目がテン!第2回」)も明確な視点は持っていないように見える。

何らか共感し得たのは、欧文書体デザイナー、「大曲都市」氏による次のblog記事。抜き書きするのはあまり適切じゃないと思うけど、ちょっと長いので。

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(2015.10.15 抜粋)

〔前略〕

どういうわけかデザインに限らず音楽、執筆を含めたクリエイティブ業界全般でこういうコンペはタダ働きの問題を指摘されぬまま慣習になっていますし、それは残念ながら他の国でもそうです。少なくとも悪であるという認識は浸透しており、大規模なものはほとんど無いように思われますが。限られた業界で起きる理由は確かなことは言えませんが、例えばロゴのコンペだとロゴを作らなければ評価のしようがありませんし、作った時点でデザイナーはもう大部分の仕事をしています(ロゴがシンプルな一枚絵だからといって仕事も簡単ということにならないとは前回書きました)。コンペ参加時点で既に仕事していること、これが大きな理由の一つなのではと思います。見積りを評価するタイプのコンペでは、仕事の大部分はコンペ後に行われるため見積りにかける費用は比較的少額で吸収可能なバランスになっており、またデザインと比べると成果物が明確なので同じ土俵の比較はできないのでは、と思います。見積もりとは値札、売買契約書であり、これがないのは「これいくら?」という質問に答えないのと同様ですので、そこまで絶対有料であるべきだとは思いません(もちろん依頼の内容によっては人件費が無視できないケースもあるでしょうが)。

コンペで安価にたくさんのアイデアが集められることがどうしてマズイのか、参加はどうせ自由なはずだろう、と思われるかもしれませんが、重要なのは数ではなく質であり、それを二つに分けて説明します。第一の問題は、ベストなデザインはクライアントとデザイナーとの綿密なコミュニケーションから生まれるのですが、コンペでは基本的に疎通機会が要項のみに限られることです。あとは当てずっぽうになるので、参加者は主催者の意図に応えられているか分かりませんし、主催者も参加者の意図を汲み取れません。審査は「好み」に大きく左右されるようになり、こうなるとランダムに選ぶのとあまり変わりません。参加者からすれば、作品の質により多少は確率が上下するとはいえ、基本的に運任せです。良い作品が作られる可能性、選ばれる可能性が共に下がります。
次に、アイデアがたくさん集められるからといって、すべてがいいアイデアとは限りませんし、オリジナルであるとも限りません。参加者が意識しているか否かに関わらず、コンペは参加作品の質を下げます。期待値が低いことから、参加者は基本的にタダ働きになる前提で作業することになります。プロのデザイナーならば本来同じ作業で確実に収入を得られるため、よほどの理由がない限りコンペには参加しません(賞金が見合っているか、それ以外の価値を見出せるか)。まともに参加コストを計算できる人間ならば誰でも節約しようとします。どう労力を節約するかというと、過去の自分のアイデア、ひどい場合は他人のそれを流用(つまりパクリ)するわけです。コンペに日常的に参加している人間ほど参加コストの問題は大きいのでパクリが常態化するでしょう。そうでなくとも「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」タイプのデザイナーを長期的に増やすだけです。
「作品が存在する前から支払いを確定させなきゃいけないなんて、どうすれば良いの?」と思うかもしれませんが、だからこそプロに仕事を依頼するのです。ウェブサイトを見るなりポートフォリオを募集したり人づてに紹介してもらうなり、デザイン年鑑などを見て気に入ったデザイナーを見つけるなり、選定する方法はいくらでもあります(ドイツの有名なデザイナーであるエリック・シュピーカーマンは「調べ物ぐらいやれ。世間ではそれは仕事と呼ぶんだ」と言ってました)。アイデアの数が欲しければ、ニーズをちゃんと理解している一人の人間からでも十分な数を引き出すことができます。
上にも書いたように本来ならクライアントは一人のデザイナーまたはスタジオに仕事を依頼すべきですが、もっと予算があって、もっと案が欲しいのであれば理想のコンペをすることができます。つまり信頼できる複数の参加者に、全員に参加費を支払い、全員の参加者とコミュニケーションを十分に取り、一人一案に限らず募集することです。現実にこんな美しいコンペが起きる可能性はあまりないでしょうが、これに近ければ近いほど人道的だと思います。
相手が大きな企業、団体であればあるほど、タダ働きをすべきではないと思います。たとえオリンピック規模のプロジェクトでも、その名誉とやらを盾に人件費を潰していいことにはなりません。スペックワークに相当するコンペを主催することは無償労働の推進になりますし、それに参加するということは依頼主に賛同していることになります。もちろんコストと見返りだけが全てではありませんし、何か他の価値を見出して参加するのは自由です(個人ではなく全体の問題だとは思いますが)。少なくともスペックワークという言葉とその意味は覚えて、何かの機会にふと目にしたコンペがスペックワークかどうか考えるようになってもらえれば、本記事の目標は達成です。

〔後略〕
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まだ、完全には理解できません。あまり精緻な論理だとも思えないし。

(1)「本来ならクライアントは一人のデザイナーまたはスタジオに仕事を依頼すべき」と言うけれども、そこにコンプライアンス上の問題が生じる危険はどう防止するのか。「情実」は佐野エンブレム騒動であれほど(本質的問題ではないとツルは思っているけれども)非難されたことではないの??
これは、Spec Workに陥りやすいというコンペにおいて、そうなることを回避するにはどうすればよいのか、という議論と背中合わせのはずでしょ。

(2)例えばオリンピックに出たいと願うどこかの国のスポーツ好きの12歳の少女が、頑張って頑張って、いいとこまでいけたとする。けれども最終選考で選ばれなかったと。(バイオリンの上手な15歳の少年が、日々研鑽を重ねてチャイコフスキーコンクールの手前までいった、なんてのでもいいけど。)それは、ここにいうSpec Workとどのように違うわけ??才能と引き換えに失うものがあってはいけないの??そんなの人生のどこにだって転がってるじゃん。

ツルの言ってることはズレているのかなあ。PrimitiveかつNaive過ぎて取り上げるに値しないのかもしれない。しかし、ギョーカイの常識かもしれないこの考え方が、一般社会にもスルッと受け入れられるものとも思えない。もう少し噛み砕いた説明が欲しいです。

それでも、「コンペは参加作品の質を下げます」と言い切ったことに対しては、目から鱗。

遺憾ながらbearing、これ以上論じるに足るリテラシーを現在持ち合わせていないので、この辺でやめておこうか。願わくば2020年までにはそのぐらいの智恵がついてますように。

2016年8月 5日 (金)

【番外編】恐怖の "Spec Work"(その2)

(承前)

一体、AIGAはどう言っていたのか?レターの原文とツル訳は次のとおり。えらく訳しにくいんですがね(誤訳御免, if any)。

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Against Crowdsourcing Logo Design: an Open Letter From AIGA to the Tokyo Olympic Committee
December 8, 2015
ロゴデザインのクラウドソーシングに対して:AIGAから東京オリンピック組織委員会への公開書簡
2015年12月8日

Dear President Mori,
It has come to our attention that you have launched a crowd-sourced competition to design the emblems for the Tokyo Olympics 2020. As the largest and oldest professional association of communication designers in the world, AIGA would like to urge you to reconsider this course.
森会長殿
貴委員会はこのたび、2020年東京五輪のエンブレムにつき、不特定多数の外部者による業務委託を意味するアウトソーシングによるコンペを開始した。世界で最も大きくかつ最も古い歴史を有するデザイナー団体として、AIGAはこの件に関心を抱いており、再考するよう訴えるものである。

Japan has a universally admired graphic design profession and legacy, imbued with stunning visual imagery, strong typography, yet simplicity, directness, and elegance in its highest and best form. We understand the controversy that has already placed shadows on the identity for the games. Yet, we believe that you are compromising one of the powerful messages others in the world perceive as emerging from Japan: a strong graphic and visual design tradition, innovative visual explorations, and respect for every profession.
日本のグラフィックデザイン業界は、世界に誇る職能と歴史的財産を有する。それは、視覚イメージの見事さ、タイポグラフィの力強さ、かつまた一方で単純さ、率直さ、優雅さを併せ持ち、最高最善の形で命を吹き込まれたものである。我々は、五輪のアイデンティティそのものにも暗い影を落とす大きな論議があったことは理解した上で、なおも、日本から世界へ向けて発信されるべき強力なメッセージ ――強いグラフィックやビジュアルによるデザインの伝統、革新的なビジュアルの探求、そしてあらゆる職業に対する敬意―― に対して疑念を差し挟まざるを得ない状況が貴委員会によって生み出されていると考える。

Competitions that ask designers to contribute their creativity and hours of work without remuneration in the hopes of their work being selected are against the global standards of professional practice for communication designers. In essence, a compromise of the ethics of the profession that protect the interests of designers, clients, and the potential for extraordinary outcomes. The reason for this is that any remarkable design is the result of a designer working with the client to create an outcome that captures all of the interests and needs of the client and the messages to be illuminated. This cannot be done without a collaborative engagement with the client in advance of designing the results.
コンペティションというものは、自作が選ばれることを期待するデザイナーに対して創造力と多くの作業時間を無報酬で提供することを要求するものであり、デザイナーの職能のグローバルスタンダードに反している。これは本質的に、デザイナーとクライアント双方の利益を護る職業倫理と、並外れた成果を得る可能性とを秤にかけるものである。その理由は、優れたデザインというものが、どのようなものであれ、デザイナーがクライアントと協力し、その利益やニーズ、光を当てるべきメッセージといった全てを捉えるために行う行為の成果であるという点にある。これは、デザインをなすより先にまずクライアントと共同することなしには得られないものである。

Secondly, if the competition is open to the broader public rather than trained and experienced professionals, it demonstrates both disrespect for a universally respected Japanese profession and also suggests that the interests of the committee are served as easily by those with little experience as those with judgment and skill.
第二に、本コンペの対象を、教育と経験を積んだデザインのプロに限定せず、広く一般社会に開かれたものとするならば、それはその双方が、世界的に認められた日本の一つの職能を軽視していることを表すものであり、また、貴委員会の利害が、判断力と技量に長けた者のみならず、経験の浅い者によっても容易に左右されるということを示唆している。

As a third matter, while the committee takes advantage of thousands of hours of creative talent without compensation (which denies the value of creative enterprise) from those who submit designs, the selected design is compensated at a rate well below what is appropriate for a mark that will be reproduced literally millions of times, providing the Committee with the means of extraordinary levels of licensing income. It is very likely that the rewards to the designer for the mark that will provide global value to the Committee that is considerably less than the legal fees simply to restrict the designer's reward. Is this fair and appropriate?
第三に、貴委員会がデザイン提出者達の膨大な作業時間と創造の才を無償で利用する(それは創造的精神の価値を否定するものである)一方で、選ばれたデザインに対する報酬は、何百万回も再生され貴委員会に莫大なライセンス収入をもたらすマークとしては到底適切と言えぬ低いレベルである。世界的価値をもたらすマークに係る報酬が、単にデザイナー報酬額を制限するだけの目的で定められた法定料金に比して相当程度低額となる可能性は高い。これで公正かつ適切と言えるであろうか。

Finally, the intellectual property should remain with the designer, while the committee contracts for the perpetual rights in use it may wish to have.
最後に、知的財産権はデザイナーに留保されるべきものであるところ、貴委員会は当該デザインを永続的に使用する旨の随意契約を結ぶのである。

We applaud the vision for the games, which reflects the generous and expansive optimism and perspective we associate with Japan. And we believe the criteria for the selection of the emblems are very appropriate--particularly symbolism, originality, and aesthetic sensibility. As a process for arriving at the finest mark, we believe seeking a statement from professional designers on how they would approach the project, supported with other examples of their work, and then engaging a professional designer to develop ideas with the Committee would be the appropriate course--one that respects the profession and is most likely to lead to a lasting and memorable mark for the games.
我々は五輪の精神を称賛するものであり、それは日本という国からも連想される、豊かな楽観主義や視点を反映したものである。また、このエンブレムの選定の基準たるべきは全うな ― 特に象徴性、独自性、美的感性であると信ずる。最良のマークに到達するための適切な手法とは、いかにこのプロジェクトに(他の制作例を添えて)アプローチしたいかについてプロのデザイナーの意見を求め、その上で彼らが貴委員会とともにアイデアを発展させていくことであろう。これこそ、この職業を尊重しつつ、この大会のマークを歴史と記憶に残るものとするに足る方法である。

Sincerely,
Richard Grefe
Executive director
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出たよ、the global standards。つまりは著作者人格権が巨神兵の如く立ち上がってくる感じ。桑原桑原。

2016年8月 4日 (木)

【番外編】恐怖の "Spec Work"(その1)

世の中的には5日から南米の某都市で五輪が始まる。てなわけで、東京五輪エンブレム公募に関してもう一歩だけ、敢えて難しい世界に踏み込んでみます。

昨年末あたり、こんな記事がネットに出ていた。

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(2015.12.11 IT-Media News)

米グラフィックデザイン団体、五輪エンブレム公募に苦言 デザイナーの“ただ働き”と対価の低さ批判

グラフィックデザインの業界団体・AIGAが、東京五輪の公式エンブレムの公募について「多くのデザイナーに“ただ働き”を強いている」と批判する公開書簡を発表した。

世界的に影響力のあるグラフィックデザインの業界団体・AIGA(米国)はこのほど、東京五輪・パラリンピックのエンブレム公募に反対する公開書簡をWebサイトで公表した。広く公募するコンペ方式で実施することが実質的にデザイナーのただ働きにつながる上、作品の権利を無償譲渡することが条件になっているなど、対価も不十分だと批判。組織委の森 喜朗会長に対し再考を求めている。

五輪エンブレム問題では、アートディレクターの佐野研二郎さんによるデザインが採用されたものの、他のデザインとの酷似が相次いで指摘されるなどしたため白紙撤回され、公募で選ぶことになった。応募受け付けは先月24日から今月7日まで行われ、1万4599件の応募があったという。
採用者には賞金100万円が贈られるが、応募要項やWebサイトによると、「作品に関する著作権、商標権、意匠権、その他の知的財産権、所有権など一切の権利を組織委に無償で譲渡」することなどが条件。「採用後の商品化に際して、採用作品の応募者にロイヤリティなどは発生しませんし、応募者の名前も明記されません」という。また「応募に要する費用は全て応募者の負担」となっている。

クリエイティブ分野で横行する「スペックワーク」

コンペ形式は、発注者側からは複数のクリエイターから候補作品を得られるメリットがある一方、作品が採用されたクリエイター以外には候補作品を制作した対価が支払われないことがほとんど。採用される“見込み”をインセンティブとしてクリエイターの才能を都合良く利用するものだとして、こうした「スペックワーク」(spec work=speculative work)にはクリエイター側からの批判が高まっている。
問題はプロのクリエイターだけとは限らない。今年2月、厚生労働省が「アルバイトの労働条件を確かめよう!」というキャラクターデザインを募集した際、「一切の権利は厚労省に」「賞金なし」「記念品贈呈」という条件だったため、ネット上の「絵師」からあきれる声が上がったことがある。

「ただ働きだし、対価も見合っていない」

AIGAの公開書簡では、プロのデザイナーが創作活動に膨大な時間と能力をかけていることを指摘。エンブレム公募について、「十分な対価もなく、確実に選ばれる保証もないのに、大半のデザイナーにスペックワークを強いている」と批判する。
一般から募集したことについても「経験の少ない一般人とプロのデザイナーを同列に扱っている」と、尊敬されるべきプロのデザイナーとデザインを組織委が軽んじていることを示す結果になると指摘。優れたデザインはデザイナーとクライアントのコラボレーションなしには成し遂げられないとして、広く一般から公募する方式にも疑問を呈している。
また「多くの創造的な才能が費やした時間に対し対価を支払っていないにもかかわらず、組織委は莫大なライセンス料を得ることになる」として、採用者への対価が見合っていないと指摘。著作権など知的財産権についてもデザイナーに保証すべきだとした。
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AIGAとは、 "formerly an initialism for American Institute of Graphic Arts" なんだそうな。

この件はいくつかのネットメディアで報じられたが、次のものなどだいぶ論旨があやふやである。

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(2015.12.12 ギズモード・ジャパン 抜粋)

〔前略〕

より良いものを選ぶため、多くの人からデザイン案を募り、その中から一番を選び報酬を与えるという方法は、コンペ主催者視点で考えると、一見悪くないようにも思えます。主催者に至っては、選ばれた1人に対してのデザイン料を支払うだけで、たくさんの作品の中から一番いいものを選べるわけですしね。しかし、デザイナー視点で考えるとどうでしょうか?デザイナーにとっては報酬が未確定な仕事をするということになってしまいます。選ばれなかった場合、デザインを制作するうえでかかった労力と時間に対して支払われる金額はゼロ。主催者はたくさんの作品から一番良いものを選ぶことができるという利点を得ているにも関わらず、です。これは問題でしょう。
今回は東京オリンピックのエンブレム公募を通して、スペックワーク問題が指摘されましたが、これに限った話ではありません。今後デザイナーという職業を成り立たせていくために考えていかなければいけない問題です。東京2020組織委員会はこの問題に関してどのように考えているのでしょうか?回答が待たれます。
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ツルは、日本のご当地公募に応募してくるセミプロの公募ガイダーの腐敗を初めに目にしたせいか、AIGAの言い分に両手を挙げて賛成することはできなかった。「創作活動に膨大な時間と能力をかけている」とは露ほども思わない、思えないからです。
単なるLobbyistじゃねえのかよ。AIGAさんよ、日本の実態を知ったら言葉を失うぞ。

ITメディアニュースにある厚労省の件は、本質的にはspec work云々の話ではないだろうし、ギズモード・ジャパンが「主催者はたくさんの作品から一番良いものを選ぶことができるという利点を得ているにも関わらず」「デザインを制作するうえでかかった労力と時間に対して支払われる金額はゼロ」という状態にあることが「問題でしょう」といきなり言っているのも納得できません。
逆に言えば、「払った努力に対しては必ず対価が伴うべきだ」という考え方はあまりにpragmatism-pollutedだと思える。

少し遡ればこんなニュースもあった。

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(2015.11.16 PR Newswire=共同通信JBN:トロント)

「スペックワーク」追放を呼び掛けるビデオ映像が世界的な議論に火をつける

1週間前、「Say no to spec」(タダ働きにノーと言え)とのタイトルで長さ2分のビデオ映像が公開され、まるでウイルス性の感染症のようなセンセーションを世界中に巻き起こしている。ビデオはこれまで広告業界で一般的だった「スペキュラティブでクリエーティブ」な仕事は、競争入札などの形で「ニュービジネス」プロセスを無料で獲得するものだった、と指摘。ビデオは150万以上のページビューを数え、期待が持てる潜在的なクライアントに無償で作業を提供することに価値があるかどうかに疑問を投げかけている。

〔中略〕

ビデオには現実の小売業者やプロフェッショナルが登場、「スペックワーク」とは何かをインタビューされている。回答者の愉快な反応は、タダ働きをするのはバカバカしい、ということだ。ビデオはStrategy Magazineの今年の最優秀エージェンシー選出のためにカナダで製作された。

現場でユーモラスなジャブを繰り出すことを超えて、Zulu Alpha Kiloの創業者でビデオの監督、ザック・ムロー氏は次のように述べている。「パートナーエージェンシーを選ぶのにもっと適切なやり方がある。スペックワークは時代遅れのプロセスで、Mad Men時代から続いている。官僚的な調達機械の歯車の1つだ」

〔後略〕
-----

どうやらこの問題、ギョーカイ村では思ったよりhotな話題であったらしい。

で?疑問は一層深まる。

(無謀にも続く)

2016年8月 2日 (火)

もはや盡きせぬ無明の闇キャラ(その16:アクア)

(承前)

かなり古いものになるけど、こんなスポーツキャラが作られていた。

鳥取県米子市
全日本チャレンジド・アクアスロン皆生(かいけ)大会
マスコットキャラクター
アクア
大阪市の女性
アクア アクア2

同大会は、国内におけるFirst of its kindとして2007年10月から開催されている障害者スポーツイベントで、スイムとランの2種目で競われる。キャラクターは翌2008年の第2回大会に合わせて作られ、2009年の第3回大会で着ぐるみお披露目されたもの。

[ウサギ]の[かぶりモノ系]なのはもちろんご当地の神話「因幡の素兎」がベースになっているから。そこにお馴染み[前髪ちょろ]+イニシャル[K]を搭載して、つまりは塩崎Dogmaどおりの展開。∴一族の作品と見て間違いのないところでしょう。

決定時には「水中眼鏡を付けて走っている選手を表現」と報じられていた(2008.07.09 日本海新聞)。あのねえ、「大阪市の女性」さん、おいくつか存じませんが、今どきスイミング用の[ゴーグル]を「水中眼鏡」って言う奴なんかいねえすよ。
それに、[青色]基調なのは「海の色で大会のイメージを表した」としてあるけれども、残念、この大会のスイム会場は海じゃない。皆生温泉3丁目の県営米子屋内プール、または東山町にある市営の「どらドラパーク米子水泳場」なんすよね(交替開催みたい;因みに両施設は昨年11月から鳥取県と米子市との間で所有権が「交換」された由)。「大阪市の女性」はどれだけ考えたのやら(苦)。

そもそもなぜご当地でこのイベントが?というと、1981年に日本初のトライアスロンの大会がご当地で行われたことから、皆生と言えばトライアスロンの聖地なんだそうな。これは当時、皆生温泉旅館組合の骨折りによったもので、「歓楽街」イメージの払拭も思惑としてあったんでしょう。

それはさておき、このキャラクターでぞっとするのは、Derivative Versionらしきこれ↓の存在。詳細不明だけど、妹キャラを作ったってことなんですかね?

アクア(ピンク)

ううう。色が変わったらマイメロちゃんに激似やんけ。

株式会社サンリオ
マイメロディ
松本よう子(初代デザイン)
マイメロディ

Pink Edition、Red Editionともに夥しい展開がされてるけど、1975年の発表当時は童話「赤ずきん」を題材にしたキャラクターだったので、元々のオリジナルは「赤」。驚くなかれ、Blue Editionもできてるんですshock。アクアの元ネタもこんなとこにあったのかね。サンリオ的には問題ないのかしら?こういうの。

マイメロディ(ブルー)

まあ、一族にはこんなあられもないインスパイア例もあったことだし。

【その3】
石川県 「ノトロの森」親子体験ツアー マスコットキャラクター
塩崎栄一
ノトロの森

2005年日本国際博覧会(愛・地球博) モリゾー&キッコロ
アランジアロンゾ
モリゾー&キッコロ

こりゃまた古い話をと思うでしょ?ところが、アクアもノトロも2008年7月の発表だったのだ。改めて、ぞぞぞっ。

(続く)

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