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2016年10月23日 (日)

デザイン文化に対する暴挙を許すな(国民文化祭・なら2017・イコマニア)

実は先日、奈良へ参りまして。

稍南つ方、紅葉にはまだ早き閑散期の大和飛鳥をば巡りにける。隠国(こもりく)の里、長谷寺程近きに宿りを求め、朝の勤行にぞ通ひて(真言宗ですからなかなか派手です)、げに行ひ澄まして居たり。此方彼方の小さき社寺数多詣でつつ、畝傍、耳成、天香久山、土地神渡来仏のパワーを押し頂きてぞ罷りつる。観光案内冊子、桜井市なる塩キャラ「ひみこちゃん」描かれたる、いとをかしく侍りぬ(cf.【その64】)。

長谷寺は30年前に一度牡丹の季節に行ったきりだった。その時夢か幻のように、やや離れた山ふところにとんでもないイチョウの巨木が眺められたと記憶してたんですが、それも初めて間近で確かめることができました。
素盞雄神社という小じんまりしたお宮の境内に聳え立つ「初瀬の銀杏」がそれ。いと懐かしうて居たり。樹高40m、枝張り南北23m、東西21m、幹周り7m超という、ウルトラマンに出てくる怪獣並みのむっちゃくちゃなデカさ!樹勢も旺盛なのが嬉しい。黄葉の頃に訪れたらまた凄いだろうなあ(因みに雄株)。解説板に「銀杏としては奈良県下最大」とごく控え目なことが書いてありましたが、思い切って日の本一の大銀杏と書きなはれ、ツルが許す。

奈良市内は時間調整でぶらついた程度だったんですか、「古都祝奈良(ことほぐなら)― 時空を超えたアートの祭典」という現代美術のイベントが行われているかと思うと、奈良公園で秋の恒例シカの角切りが行われていたりと、なかなかfusionしとりましたです。

で、ここからが本題。

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(2016.09.17 毎日新聞 抜粋)

来秋に県内で開催される「国民文化祭」のロゴマークについて、同祭実行委が随意契約で支払った制作費が不当に高額だとして、市民団体「見張り番・生駒」メンバーらが16日、県に対し、同祭実行委会長の荒井正吾知事に510万円を請求することなどを求める住民訴訟を奈良地裁に起こした。
訴状などによると、同祭実行委は県の負担金で組織し、事務局は県。今年3月、熊本県のPRキャラクター「くまモン」のデザインも手掛けた水野 学氏の会社と540万円でロゴ制作の随意契約を締結。契約は前日の実行委総会で決まり、契約の6日後にロゴが納品された。ロゴは県章の蘇芳(すおう)色と白黒の2種類で、花鳥風月に囲まれた鹿を描いている。
原告側は2014年に秋田県で開催された同祭のロゴは賞金5万円、東京五輪のエンブレムも賞金100万円でいずれも公募だったと指摘。「公平性確保のため公募が通例で、随意契約は異例。適正な支出金額は多くとも30万円だった」とし、支払額との差し引き510万円を損害額と主張している。

〔後略〕
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馬鹿ではないのかこの団体は。芸術というものをどう心得ている。ツルは例の「Spec Work」論には与しませんが、公募やコンペによらない委嘱がなんで即イケナイのだ。ArtisanとPatronの関係としてはこちらの方が本質であろう(奈良県では「デザイナーに同祭の趣旨を伝えるため随意契約にした」としている)。
引き合いに出された秋田も全く傍迷惑な話。

奈良県
第32回国民文化祭・なら2017
第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会
ロゴマーク
水野 学(good design company代表)
国民文化祭・なら2017

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ロゴマークを考えるにあたり、奈良にまつわる文化を紐解いてみました。そして、奈良が最も栄えていたと言える奈良時代に作られた書体、宝物、文化などを参考に作成しました。ロゴタイプは、奈良時代に確立した書体である[楷書]をベースにし、シンボルマークは、正倉院の宝物に描かれた[動植物]を円形に配置。[円形]は、奈良時代から国家的にも重宝されたと言われる陰陽道の象徴、月と太陽の形です。また。円形に動植物を配置することで、天地自然の美しさを表す花鳥風月に囲まれた[鹿]、という構図にもなっています。シンボルマークの色には、奈良県の色であり、奈良時代に日本に伝わり正倉院の御物にも用いられた[蘇枋(すおう)]を選びました。

〔後略〕
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オンブズマンの言い分には、「こんなもんに税金500万円も出しとるさかい支出が仰山膨れ上がって運営も杜撰になって大赤字ぶっこくんや」という、一見大変わかりやすくて説得力のありそうな理屈が溶けているわけだけど、それって芸術全般に対する挑戦状であろう。各紙報道や同団体のサイトを読んでも、そこには芸術や芸術家への敬意というものが全く感じられないから、侮辱と呼んで差し支えないかもしれない。

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(2016.09.25 ハフィントンポスト 抜粋)

市民団体の代表幹事を務める阪口 保県議は、ハフポスト日本版の取材に対して「過去のロゴマークでも、荒井知事は自分の知り合いに仕事を発注しているという疑惑があった。県は『くまモン』の発注額を引き合いに適切だと言っているが、今回のロゴは単なる絵ですもんね。全然性格が違う。そもそもロゴは本来なら県民から公募して、県の中で盛り上がるためのもの。何も東京の知名度のあるデザイナーに発注する必要はない」と話している。
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ありゃ、そういうことだったか・・・。

≪今 回 の ロ ゴ は
 単 な る 絵 で す も ん ね≫

の言葉が耳朶に谺する。もはやれっきとした冒涜なり。

もし本当に高いと思うのなら、or 安けりゃええんやと思うのなら、相対論ではなく絶対論で挑んでみよ。枝葉は要らない。随意契約の不当性の立証なんかどうでもええ。

あるいは足下のこんなものをこそ問題にしやがれ。

奈良県生駒市
公共・公益イベント「イコマニア」認定制度 ロゴマーク
駒井 瞭(81歳:大阪府東大阪市:グラフィックデザイナー)
イコマニア

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い(生)駒の[い]を[∞]に、市民と市、市民と市民が手をつなぐ無限大の協働の輪をひろげる「イコマニア」の明るく元気な姿を、誰にでも一目見てよくわかり広く親しみ無限大に愛されるよう少しキャラクター的にデザインされました。
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こちらは2016年6月発表。これが採用作1点のみに3万円分の商品券を出しただけの公募だった事実を踏まえても、考えは毫も変わらない。

【2016.05.12〜13「アナタのマチのUDってなぁに?」】・【2016.07.09「アナタのマチのUDってなぁに?: Last Coup」】
東京都日野市
日野市ユニバーサルデザインまちづくり推進協議会
ユニバーサルデザインロゴマーク
駒井 瞭
〔2016年3月制定 ⇒ 7月取消〕
日野市ユニバーサルデザイン

岐阜県多治見市
多治見市バリアフリーマーク
駒井 瞭
〔2006年度決定〕
多治見市バリアフリー

一方、県もこんな買い言葉を宣って妥当性を主張している。

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(2016.09.16 産経新聞 抜粋)

県側は「訴状が届いていないのでコメントできない」とした上で、「ロゴマークの価格水準は平城遷都1300年記念事業の『シンボルマーク』500万円、『マスコットキャラクター(せんとくん)』550万円を参考としている」と説明している。
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本音は「あのくまモンのデザイナーなら・・・」だったろうけどネ。そのくまモンも随意契約だったぞよ、対価がいくらだったかは知らないけれど(cf. 2014.08.01「静岡の恥辱、山梨の呪縛。― File 1」)。

はああ。近視眼的なレベルの論戦になりそうだこと。千四百年の古都が五百万円で揉めてるなんて話、世界の物笑いね。こんな請求認めたら、文化の衰退を招くぞ。

以上、特定の主張に特定の主張で対抗してみましたとさ。

(続くかも?)

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