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2016年10月24日 (月)

【番外編】愛称問題、奥深し(よっしー 改め よし吉・よっしー&みっちー)

(承前)

もう1年以上前になりますが、【2015.04.11「知立乱立杜若」】にいただいたコメントからずっと考えていたこと。
静岡 vs 福井で、キャラクターの愛称がかぶっちゃったという話題です。(こりんごさま、情報ありがとうございました。ついに取り上げますです)

まずは静岡の方から。

静岡県榛原郡吉田町
吉田町PRキャラクター → 吉田町PR部長
よっしー → よし吉
高柳順子(41歳:静岡県三島市)
よし吉

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(2014.12.19 中日新聞 抜粋)

吉田町キャラはこれで「よっしー」

〔前略〕

静岡空港を活用した地域間交流に取り組む同町が、町のイメージを視覚的に伝えようと図案を募集。北海道から広島県まで百九十一点の応募があった。
児童生徒や幼稚園教諭、商工会、自治会の代表でつくる二十七人の選考委員が候補を五点に絞り、投票の結果、三島市加茂、高柳順子さん(41)の作品「よっしー」を選んだ。帽子は[シラス]のシャチホコが載った[小山城]、マフラーは[レタス]、ズボンは[ウナギ]、耳は町の花[キク]と、町の特産品やシンボルがちりばめてある。
選考委員長の田村典彦町長は「選考委員の子どもたちが納得した作品で、親しみやすく、かわいいデザイン」と話した。
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ところが『これで「よっしー」』とお気楽にはいかなかったのだよ。3ヵ月ほどして着ぐるみお披露目した際にはこんなことになっていた。

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(2015.03.29 中日新聞 抜粋)

「よっしー」改め「よし吉」だよ!吉田町公認ゆるキャラお披露目

チューリップまつり会場では、吉田町公認キャラクター「よし吉」の着ぐるみのお披露目があった。町はよし吉をPR部長に任命、田村典彦町長が辞令交付した。

〔中略〕

キャラクターデザインが決まった昨年12月は「よっしー」の名前だったが、その後、福井県敦賀市の公認キャラクターで使用されていることが分かり改名した。
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あらー、変わり身の早いこと!いや、中日新聞の見出しが(笑)。
もっとも、当初から;

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作品名の「よっしー」は、応募者が応募作品に付けた名称であり、町のPRキャラクターとしての名称は、選考委員会において正式に決定します。
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と発表されていたので、仮称的なものではあったかもしれない。ただし、なぜ「よし吉」に決まったかは明かされていません。
ついでに言うと、静岡空港はまるで関係なし。代わりに、ご当地を流れる大井川の湧き水から誕生した水の妖精、とされたそうな。そんなことはデザイン決定時にはおくびにも出さなかったんですけどね。

名前のかぶり先はここ。このキャラがまた、成立過程が複雑そうなんだけど。

福井県敦賀市
敦賀市公認キャラクター
よっしー
奥本律子(32歳:みなとつるが山車(やま)会館臨時職員)
よっしー(1) よっしー(2)

ご当地越前国敦賀城の城主、関ヶ原で奮戦の末自害した西軍の武将、大谷吉継のキャラクターです。戦国時代なのにケータイ見てる風情なのが気になりますが(笑)。

もともと、2006年に敦賀市立博物館で吉継の企画展が開かれた際、そのPRのため石田三成キャラ「みっちー」とともに誕生したものだとか。ガラ系なのはしょうがないか

福井県敦賀市
敦賀市立博物館
企画展 イメージキャラクター
よっしー
よっしー(2006年版)

みっちー
みっちー

テイストがだいぶ違ってますね。2006年版はいかにもアニメ科あたりの学生に描かせた、っぽい若描きの印象。ツルの在所、東京都大田区武蔵新田の商店街が七福神キャラを近くの専門学校生対象に募集した時も、こんな「カッコよさげ」な三白眼キャラの応募が結構あったっけ(cf. 2015.01.05〜09「福の神にも浮世の事情」)。

一方、奥本の名前がはっきりと確認できたのは次の時点から。

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(2009.06.11 読売新聞 抜粋)

滋賀県彦根市の人気キャラ「ひこにゃん」のようなまちの象徴を生み出そうと、敦賀市がキャラクターの公認事業に取り組んでいる。市民団体などが考案した既存のキャラクターにお墨付きを与え、市の知名度向上に一役買ってもらうという事業で、これまでに3通りのキャラを公認。今後も認定を続けるとしている。だが、公認したキャラを積極活用する姿勢は乏しく、事業の認知度も低い。キャラの露出を後押しするといった工夫が求められている。(冨山優介)

公認事業は昨年から始まり、市民や市職員でつくる認定審査会が随時、応募作品を審査する。これまで11点の応募があり、〈1〉敦賀の地名の由来とされる伝説の人物「都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)」をモチーフにした「ツヌガ君」のイラストと着ぐるみ〈2〉敦賀城主・大谷吉継のキャラ「よっしー」のイラスト〈3〉敦賀を訪れた俳人・松尾芭蕉の「バショさん」のイラスト――という3キャラ、4パターンを公認している。
ツヌガ君は、まちづくりに取り組むNPO法人「THAP」(敦賀市若葉町)のキャラで、着ぐるみは昨年10月に彦根市で開かれた「ゆるキャラまつり」にも参加。よっしーとバショさんは、みなとつるが山車会館(同市相生町)で働く市臨時職員の奥本律子さん(32)が考案し、同会館の記念品などに活用されている。

同事業では、公認キャラの著作権は応募者側にあり、市が利用する場合でも許可が必要。こうした事情もあって、ツヌガ君の着ぐるみが市のイベントに登場したのは数えるほど。イラスト類も観光パンフレットなどに不定期掲載されるだけで、活用は限定的だ。

〔後略〕
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こちらの2009年版が冒頭のデザインです。「みなとつるが山車会館」は実は市博物館に隣接していて、2011年7月の着ぐるみお披露目もここで行われたらしい(市博物館では2006年版を今も使用している様子)。

しかし、つまるところ奥本が2006年版と2009年版のどちらをデザインしたのかは明らかでない。おそらく後者なんでしょうが、とすれば2006年版を親しみやすく作り変えたのが奥本ということになるけど。

敦賀市も、「お墨付き」とはまた珍しいシステムを採ったもんです。でも、そんな盛り下がりキャラのために改名を余儀なくされたとはねぇ、吉田町よっしーも。

(続く)

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