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2017年1月 5日 (木)

【番外編】Les Liaisons Dangereuses; Whistleblowerとキャラクターとの(カナリアン)

(承前)

お正月ですし酉年ですしscissors、それらしいものをもう1点。

東京都新宿区
薬害オンブズパースン会議
マスコットキャラクター
カナリアン
KM(兵庫県)
カナリアン

ツルは初め、これも前回のイルカ島キャラと同じく小柴雅樹(兵庫県宍粟市)の作品だとほとんど思い込みかけたけど、その件はまた別途。

これまた大変かわいらしいキャラなれど、以下、危険な匂いもしてくると思いますね。
こちらはイルカ島キャラとは対照的に、長い詞書きが添えられている。

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危険な医薬品に関する市民への情報提供や、厚生省や企業に対する公開質問、申し入れ等を行っておられる民間の医薬品監視機関のマスコットとして、
毒物に敏感なことから、毒ガスの早期発見や実験動物として活躍しているカナリアをモチーフに制作致しました。
その大きな瞳で真実を見極め、その鳴き声で危険を知らせます。
胸に提げた双眼鏡は、薬害オンブズパースンの一員として薬害を二度と繰り返さないため、危険薬についての監視と情報収集を続けて行こうとする意志を象徴しています。
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動物愛護団体やらTHE BODY SHOPの経営陣やらが聞いたら、まずきーきー言い立てそうである。「毒ガスの早期発見や実験動物として活躍」は今どきさすがにまずいよねえ。

カナリアが鉱山の坑道内で毒ガス探知に使われる話は、「ドリトル先生」シリーズ by Hugh Lofting(1886.01.14〜1947.09.26:意外にも米国移住後に出版されたものである)の「緑のカナリア」の巻にも出てきたっけ。100年ほど前に。
時代は下って1995年(とは言えもう20年も前なのか!!)、地下鉄サリン事件後に山梨県西八代郡上九一色村(今や分割と合併により甲府市と南都留郡富士河口湖町である)のオウム真理教施設に強制捜査が入った際も、機動隊の先頭に立ったのは2羽のカナリアだった。

1995年、上九一色村にて

昨今はこの分野もハイテク化が進んでるらしいですがね。

さすがに「受賞のことば」では、内容・表現ともよほどマイルドになっている。

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たいへん光栄です。
有害物質に敏感なカナリアをモチーフに制作しました。
その大きな瞳で真実を見極め、そのさえずりで危険を知らせます。
薬害オンブズパースン会議のマスコットとして、メンバーの一員として、しっかり羽ばたき皆さまに親しまれるキャラクターに育ってくれればと願っています。
ありがとうございました。
-----

それはそれとして、である。

同会議は、以下のとおり高度に知的で真面目な団体(のはず)です。

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薬害オンブズパースン会議(略称「薬害オンブズパースン」)は、薬害エイズ訴訟の弁護団と全国市民オンブズマン連絡会議の呼びかけにより、1997年6月に発足した民間の薬害防止を目的とするNGOです。
医師、薬剤師、薬害被害者、弁護士、市民ら(定員20名)で構成されています。
月1回の定例会議や事務局会議で意見をまとめて、政府や製薬企業に対する要望書や公開質問を提出する活動を中心に、厚生労働省の各種委員会への委員としての参加やロビー活動、シンポジウムや集会の主催、情報公開請求訴訟などを行ってきました(発足から16年で約160の意見書等を公表しています)。

ベロテックエロゾル、アクトス、マイリス、チャンピックス、サリドマイド、SSRI、アラバ、イレッサ、タミフル等個別薬の問題の他、臨床試験登録制度、利益相反問題、一般用医薬品販売規制緩和問題、フッ素集団洗口問題、医薬品広告規制問題、新型インフルエンザ対策など制度の問題にも取り組んできました。

〔中略〕

また、財政的基盤は、薬害エイズ訴訟の弁護団とタイアップグループからの寄付に置き、いかなる製薬企業の寄付も受けずに運営しています。
-----

こんな団体が、どうした風の吹き回しかキャラクターづくりなんぞを思い立ったわけです。(そりゃ、他の難病に比べて「AIDSは儲かる」ことは否定できない。)

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(2008.04.28 同会議サイト 抜粋)

設立10周年を記念して、薬害オンブズパースン会議のマスコットキャラクターを募集することにいたしました。
薬害監視の活動というと少し堅苦しい感じがするかもしれませんが、親しみのある、センス豊かな作品を期待しております。
募集の要領はつぎのとおりです。積極的なご参加をお願いいたします。

<募集要領>
1 作成要領
① 応募者(プロ、アマチュアを問いません)の自作かつ未発表の作品
② A4版白色用紙に記載・縦横は自由
③ 色彩・画材・技法は自由
④ マスコットキャラクターには、ニックネームもつけてください

2 応募要領
2008年5月31日までに下記事務局に到着するよう郵送で送付してください(募集期間を延長しました)。

〔中略〕

3 採用作品の発表と賞金
作品の審査は薬害オンブズパースン会議が行い6月8日(日)に発表する予定です。
賞金は10万円といたします。

〔後略〕
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でも、延びちゃったのは〆切だけじゃなく発表もdespair。当初は6月8日の設立10周年記念シンポジウムで予定していたところ、結局1ヵ月以上ズレ込んで7月15日発表となっている。遅延の理由は「募集期間を当初より延長したこと、及び多くの作品をご応募頂いたこと」とされているけれども、結局50点の応募にとどまったことを考え合わせれば、単に実務がグデグデだっただけでしょ、という印象が拭えないわけです。

さらに言うと、これじゃユル過ぎるんだよ、どうしようもなく。
この要領には「募集の趣旨」が書かれてないんですね、常連ガイダーならきっと気づいたはず。KMは「完全フリーで作れる」と欣んだだろうか。
しかしこうした団体で、「なぜ、何のためにキャラクターを作るのか」が全くわからない、そこが欠けているというのは本当に歯痒い。弁護士は何をしていた?

いわゆる「市民団体」が、多かれ少なかれ特定の主義主張を持った活動であろうことは言うを待たない。そこまであれこれ突っ込むつもりはありません。しかし、その内容が社会的な広がりを持つものであればあるほど、キャラクターやマスコットのような衣を着せかけることには危険が伴うと思う。厳格な自己検証も必要のはずです。それは右寄り・左寄りといったことを問わず。この点は前にもいくらか書いた(cf. 2013.08.07「宍粟市も踊る官兵衛」・2015.02.17「In Quest of the Complete Recycle」)。
だからこそ、理由や目的を知りたいんです。

・・・アニメーションまで入れちゃって、あくまでお気楽げなんですけどねえ↓。(ガラ系の方はフルブラウザーにしてご覧下さいheart

カナリアン2

(続く)

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