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2017年1月15日 (日)

【番外編】大御所の罪:その2(つるぎ町章・美馬市章・庄内町章)前段

(承前)

何やらこの1月は自治体章攻め強化月間になりそうな雲行き・・・。国家権力ならぬ地方自治に攻め上れっ(おやおや)。

超売れっ子だっただけに、田中作品にはこんな採用例もあった。

徳島県美馬郡(みまぐん)つるぎ町
町章
田中博士(48歳:愛知県)
つるぎ町章

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全体の形はつるぎ町の[つ]です。[ブルー]は清流と青空を、[グリーン]は自然の緑を、中の[白地]は剣山を表しています。豊かな自然に包まれた、いやしの里「つるぎ町」を表現しています。
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うーん、白地=お山とはちと見えないですよ、ツルにゃ。

(優秀賞)
山北敏比幸(68歳:三重県)
波多野義孝(70歳:大分県)
宝谷隆博(48歳:福岡県)(*)
柏木勇三(54歳:岩手県)

(* 決定時の合併協資料には「たからや」と読み仮名が付されているが、「ほうたに」の誤りと思われる)

そして、なんとお隣りの自治体でも、ほぼ同じ時期に(*_*)。

徳島県美馬市
市章
田中博士(愛知県豊橋市)
美馬市章

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[グリーン]は美馬市の[m]で里から広がる森を、[ピンク]は太陽を、[ブルー]は吉野川と青空を表しています。
太陽と森で人を、空と清流の輪で人と文化と自然の調和を表し、こころなごむやすらぎのまち「美馬市」をイメージしています。
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(優秀賞)
岩永 宏(福岡市)
槙納哲也(徳島県吉野川市)
石川和実(奈良県天理市)

この二つの公募は、非常に内容が似通っている。どちらも;

・地色を含めて4色以内・グラデーション不可
・同一人による複数応募可
・応募は持参or郵送に限り、電子メール不可(@_@)

だし、賞金も;

〔つるぎ町〕
最優秀賞(1点) 300,000円
優秀賞(4点以内) 各30,000円

〔美馬市〕
最優秀賞(1点) 300,000円
優秀賞(4点以内) 50,000円

でどっこいどっこい。
それだけでなく、サイト上の細かい記載までいちいち一緒。例えば、受付時期と応募点数なんてものを開示してるところまでcoldsweats01↓。いずれも2004年です。

〔つるぎ町〕
06.29〜07.07 5
07.21〜07.29 11
08.02〜08.11 22
08.12〜08.20 54
08.23〜09.01 120
09.02〜09.10 225
09.13〜09.20 580
09.21    732
合計    1,749

〔美馬市〕
06.01〜06.06 1
06.07〜06.13 14
06.14〜06.20 29
06.21〜06.27 29
06.28〜07.04 50
07.05〜07.11 37
07.12〜07.18 132
07.19〜07.25 149
07.26〜07.30 623
合計    1,064

最後にドンと跳ね上がるのさ、覚えておこうね。

ここからもわかるように、募集も選考も美馬市側が少し先行していて、つるぎ町側はその推移を神経を尖らせつつ見守っていた、いや、模倣していた、もとい、見習っていたという感じです。
でも最後になってつるぎ町側が10.27に第18回美馬郡合併協議会で決定したために、11.08の第21回美馬郡東部・北部合併協議会で決定した美馬市側はタッチの差で先を越された形となった。まあ、いずれいろんなドロドロがあったことでしょう。

そしてですねえ。翌年の5月にはこんな類似品が。

山形県東田川郡庄内町
町章
成瀬重道(42歳:熊本県上益城郡山都町(かみましきぐん やまとちょう))
庄内町章(応募案)庄内町章(最終版)

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[シ]の字をモチーフに、緑豊かな大地・稲穂[緑色]、最上川の流れ・清川ダシ[青色]、太陽・稲穂の実り[橙色]、全体で人を描き、ゆたかな自然環境のなかで暮らす、エネルギーに満ちあふれた元気な町民を表現。
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「清川ダシ」なんて言われても、よそ者にはわがんねす。山形で「だし」つったら夏野菜で作るツユダクの漬物みたいな郷土食のことでしょってぐらいしか知らないしhappy01。これはご当地の清川地域で夏に吹く強風のことなんだそうな。

(優秀賞)
宝谷隆博(福岡県)
池田あかね(宮城県)
上田博文(大阪府)
田中秀男(福岡県)

とんがり具合を抑えるリデザインが施されており、担当したのはさる学識経験者。

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公募された作品から投票により熊本県・成瀬重道さんの作品が選ばれ、アドバイザーの東北芸術工科大学 上條喬久教授の補佐が加えられています。
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補佐 → 補作でしょうねきっと。
ん?この名前、どこかで・・・??

【2016.11.24「・・・うす紅の花びら こぼれた:2番」】でお目文字してました。

山形県酒田市
市章
小柴雅樹
〔2005年10月決定〕
酒田市章

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この公募でアドバイザーについたのは山形市の東北芸術工科大学情報デザイン学科グラフィックコース(当時)の教授、上條喬久。そう、米沢市の置賜自給圏推進機構シンボルマーク公募で、審査委員長を務めて教え子を選んじゃった同大学グラフィックデザイン科准教授の赤沼明男(cf. 2016.05.24「問題の本質は何処に・・・」)の先輩教官に当たると見た(既に真っ黒な因縁の色眼鏡eyeglass)。
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きっとこういうコネクションができあがってるんだろうなあ。

あのね。罪というのは、誰の何をパクったとか、過去の自作を再利用したとか、そんな低次元の話じゃないはずだよね、本来。いや、それも十分犯罪的だけど。ああつまり、CrimeとSinの話、高校で習ったでしょ。

神の見えざる手に導かれてかどうかは知らないが、ひたすら[丸にブーメラン]タイプを作りまくったわけだ、「流行」の名の下に。
で、そこで何らかの高みに到達したのかというと、田中の場合、そうではないと思う。発想の飛躍は感じられず、様々な曲線を踊らせて既成の言葉を当てはめたのみです。それは前回名前を挙げた工藤や深川や井口や伊藤にも当てはまることであろうけれども。(敢えて言えば、杜多利香は別。)

無論、それは多くの亜流ガイダーも生んで、日本中の自治体章をひといろに染め上げてしまう勢いだったわけですね。平成大合併の最終段階に来て、やっと丸ブー → 風景画風と評されるデザインに少しシフトした形だけれども。

それって、数年で一気に日本のデザインの質を引き下げたってもんじゃないのと思うわけ。それは誰に責めがあるのか。ツルに言わせれば、石頭の審査員連中、ではなくてやっぱり小手先の器用さ(だけ)で小銭を得ようとした公募ガイダーだと考えます。
そう言って悪ければ、石頭を溶かすようなデザインをほとんど生み出すことのできなかった「公募」なるシステムの弊害だとも言えるのではないか(需要に供給が追いつかない特殊事情はあったにせよ)。「Spec Work」論には必ずしも同意できないけれども。

(続く)

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