【番外編】空を飛ぶ者、海を跳ぶもの(ソラちゃん・イルカ島キャラ)
お正月ですから、愚blogもおせちの重箱の隅をほじくるようなことはせず、おおらかに「キャラ誉め」に興じてみますか。
ツルが前から気になっているのはこれ。(むろん、ご当地キャラとしての活動がどうとかという小難しいハナシではなく、単に見てくれについて。)
香川県仲多度郡まんのう町
まんのうツーリズム協会
マスコットキャラクター
ソラちゃん
宇田川隆男(千葉県)
作者曰く・・・
-----
空海さんの「空」と、二宮忠八さんの「飛行機=空」からの命名です。スタイルは、空海さんのような衣装を身にまとい、忠八さんの[翼]を背にした、新しい日本のキューピット。幸せを射止めるキューピットだから、まんのう町に行けば楽しいイイコトがありそう、との思いを託しています。
-----
ま、これがキューピッドっちゃあ思いませんがね。
弘法大師空海のことは、ご当地にある日本最大(級)のため池、満濃池の改修を行ったゆかりであり、[錫杖]も「お大師様が地面に杖を突き立てなすったところ水がこんこんと湧き出て民人をお救い下された」てな香川一帯の口碑を表すものならむ。
二宮忠八(ちゅうはち)(1866.07.20[慶応2.06.09]〜1936[昭和11].04.08)は日本のヒコーキ野郎の先駆者。陸軍従軍中の1889年(明治22年)11月のある日、野外演習からの帰り道でカラスが羽ばたかずに滑空する姿を見て「固定翼」を発想し、以来開発に勤しんだ。彼の構想した「飛行器」は人間が乗れる実機の完成には至らなかったものの ――つまりはゴム動力の模型飛行機を作った程度――、「ライト兄弟より早く」が枕詞としてついて回ることになるわけです。
この天啓を受けたのが仲多度郡十郷村(そごうそん)、つまり現在のまんのう町の樅ノ木峠であったということから、「二宮忠八飛行館」なる顕彰施設等が近くにできている。つまりはニュートンのリンゴやヘレン・ケラーの "water" の逸話などと同様、勤勉Good Role Modelをよく表したお話ということでしょう。
斯くして、並み居る満濃池キャラ、花梨キャラ、蛍キャラetc.を押さえての採用となった。
枕はここまでにして。
なんかね、このキャラクターの風貌、モンゴル的なものを感じるんですよ。
このblogではほとんど書いたことないけど、ツルは中国の内蒙古自治区での砂漠緑化ボランティアツアーに参加したことが何度かある。行く度に鮮烈で刺激的な体験なんだよね。他では得難い自分の肥やしになっていると思う。
市場に行くと、雑多な雰囲気の中にも店構えが民族ごとに分かれていて面白い。漢族の店は赤色が多用されているし、ウイグル族の店なら緑色とアラビア風の文様が印象的。市場の脇にはチベット仏教やらイスラム教やらの寺院があったりもします。
そこで見かける人たちも、漢族(実は内蒙古自治区の人口の8割を占める!)を平均的外見とするならば、ウイグル族はやや小柄でやせ形or筋肉質の体つき、彫りの深いいわゆる中央アジア顔。小さい丸い帽子(名前忘れた)をかぶっている人も多い。(因みにウイグル族の本拠ともいうべき新疆維吾爾(シンチャン ウイグル)自治区とは、接していそうで接していない。)
蒙古族は体も顔も、大きいというか包み込むような豊かさを感じるというか。モンゴル出身のお相撲さんをイメージするとわかりやすいかも(決してデブが多いと言ってるのじゃありませんよ)。
その蒙古族と同じ「広さ」をこのキャラにも感じたわけ。右手の表情もいいよねえ。仏像に見られる「施無畏印」みたいに、「畏れることなかれ」と衆生を励ましているみたいで。
性別不詳の作り込みもここでは成功していると思うけど、ツル的には母性も感じるので女の子キャラの印象です。(でも弘法大師に関連づけて考えるなら、男の子なのかな?)
2011年2月頃に制定されたキャラですが、残念ながら、まんのう町では2016年夏に合併10周年記念のキャラクターを公募しており(2006.03.20に満濃町・仲南町・琴南町が新設合併)、今後は取って代わられていくのかもしれません。
空の次は海に目を向けてみませう。
三重県鳥羽市
イルカ島海洋遊園地(運営:志摩マリンレジャー株式会社)
イルカ島キャラクター
小柴雅樹(49歳:兵庫県宍粟市)
これ、すごーくかわいいとツルは思うんですよねぇ(照)、おじさんの感覚としては。2013年5月発表だから比較的新しいものだけど、でも、今どきのゆるキャラ/ご当地キャラで人気を取るテイストからは少しズレてるのかもしれない。ぬいぐるみやピンバッジにはできても、着ぐるみ化はまず無理だろうし(笑)。
作者のコンセプトは次のとおり。
-----
ともかくかわいく!
球体をモチーフとしました。
-----
あー、スカッとするわーー短くって簡潔で。この端的さも実は小柴の特徴だと感じます。塩崎一族や工藤一族や井口一族や中本などとの違いは歴然、繰り返しませんが。こういうのをこそきっと「シンプルで、親しみやすく、多くの人に長く愛される」云々というのよ😅、和久センセ。
イルカ島とは、鳥羽湾に浮かぶ無人島、日向島のこと。この遊園地のスター、イルカの「あらし」♂とアシカの「ひなた」♀のキャラクター化を図ったもので、募集はそれぞれの単体、およびペアの3部門で行われ、結果的に「あらし」単体のデザインが全体の最優秀作品として選ばれた。[ハート]は実際にあらしくんの額にある傷跡なんだそうです。
賞品は「イルカ島名誉島民の証(鳥羽湾めぐりとイルカ島永年利用の乗船証 2名様分)、旅行券10万円分」と微妙に太っ腹。兵庫からなら割と行きやすいかもww。
ひなたちゃん、微妙にかわいそうな気もしますけどネ。
(続く)
« もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その175:あわおドリ) | トップページ | 【番外編】Les Liaisons Dangereuses; Whistleblowerとキャラクターとの(カナリアン) »
「Visual界:キャラクター/シンボル/ロゴ」カテゴリの記事
- 【杜撰編】「愛恵エッセイ受賞作品集」のこと(2021.04.01)
« もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その175:あわおドリ) | トップページ | 【番外編】Les Liaisons Dangereuses; Whistleblowerとキャラクターとの(カナリアン) »
コメント