【番外編】Symbols of Jinsekikogen Town(ミズキちゃん)
(承前)
神石高原町章のことを調べていて、ご当地はひょっとしたら「町の鳥」がサンコウチョウ/Terpsiphone atrocaudataなのではないかと思った。
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神石高原の[じ]を全体にレイアウトし、高原の自然の源となる[太陽と星と月]をイメージし、それぞれに配置した。
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とあったから。
「ツキ ヒ ホシ ホイホイホイ」とさえずることから三光鳥と呼ばれる、誠に可愛らしくも美しい小鳥。カササギヒタキ科、なんだそうな。けど、神石高原町には「町の鳥」の指定はありませんでした。
一方、「町の花」はキク科のヒゴタイ/Echinops setiferとなっている。
よく「完全な球形」と形容される花で、ツルは子供の頃の夏休みに阿蘇で何度か見たことがある。園芸通販カタログなんかに載っているルリタマアザミ/Echinops ritroはこれに近縁の欧州産の種です(話題がマニアック過ぎるかしら)。
この名前、ツルはてっきり「肥後臺」かなんかで阿蘇特産だろうぐらいに思い込んでいたら(熊本県阿蘇郡産山村の「村の花」でもある)、西日本の山地に隔離的に分布しているのだとか。筑前の人、貝原益軒の著した大和本草には「平江帯」、肥後細川家写生帖には「肥後躰」と記されてるんだそうな。いずれ珍しい「ご当地の宝」的な意味でのシンボルであることは間違いありません。
さらに深掘りすると、「町の木」はミズキ科のヤマボウシ/Cornus kousa。
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ヤマボウシの白い花は美しく清楚であり,4枚の花(総苞)は,旧4ヵ町村が合併し一つになった神石高原町のイメージに沿っています。
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おう、その手があったか!!神石郡の三和町・油木町・神石町・豊松村の合併をキレイに体現してるわけです。自治体章のパーツで旧市町村の数を表すのなんかより、よほど印象に残りますな。
一般には北米産の近縁種ハナミズキ/Cornus florida(旧くはアメリカヤマボウシと呼んだ)が知られてるけど、日本の山野に普通に生えてるヤマボウシの花の方がなんぼか美しいとツルは思いますがね(cf. 2008.04.29「Re:お早よう」)。病気にも強いし。
田中一村の初期の代表作「白い花」もヤマボウシとトラツグミ/Zoothera dauma(鵺です、ぬえ)を描いたものです。
でさ、ここだけの話、ご当地のキャラクターの中にもこのヤマボウシ盛りのがあるんだわ。
広島県神石郡神石高原町
神石高原町森林セラピー イメージキャラクター
ミズキちゃん
あははは、きっと八谷早希子、[★の瞳]の[下ぶくれ]、はぁ(げんなり)。しかもだよ、ハナミズキではなくヤマボウシだと言っておるのにっ。2014年11月頃の制定以来、出番がなかなか増えないようですがね。
ご当地では、観光イメージキャラクターとして2010年12月から「神石高原四仙人衆」(*)という4点セットを有していて、2012年度には「動かせ!四仙人!絵本コンクール」というのも実施されており、絵本部門で大賞を獲ったのが八谷の「四仙人とナマズ大王」だった(その中でまたナマズやらミツバチやらのキャラを生ましめている)。2013年2月の表彰式にも八谷は北海道からばっちり出席しているから、その頃からの縁ではないかと思う(∴ミズキちゃんは not 公募 but 委嘱じゃないかと推測)。つまりはご当地キャラをどんどん増やしていったわけだ、観光に活路を見出だそうとしているこの自治体は。
(*)公募による「こんにゃく仙人」by 西本 晟(神石高原町立三和小学校4年)をベースにしたもの。
うーん、神石高原町さん、だったらやっぱりサンコウチョウを「町の鳥」にしちゃうのがいいと思うよ、町章とセットにして。「陽光と星月夜の美しい高原のまち」とかいうのもポイント稼げそう。どぉ?
そう言えば今宵は満月。
願わくば花の下にて春死なむ
その如月の望月の頃
西行
ツキ ヒ ホシ ホイホイホイ。
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