【番外編】反米論・防共論(コメ助・まい子・小曽館育子)
(承前)
民進党ゆるキャラ制定の顛末が一息ついたところで振り返ってみれば、もともと政党キャラクターに対して苦い思いを抱いていたところに、大変ツッコミやすい民進党の騒動が降って湧いたものだから、そこにかまけていたのだった。
ツルが初め標的に想定していたのはこのキャラクター。
公明党
青年委員会イメージキャラクター → 党イメージキャラクター
コメ助
(作者不明)
→
同党の「コメ助の部屋」サイトには;
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正義感が強いが、少しおっちょこちょいな新米。日々、社会や政治について勉強をしている。父の出張について行くことも。どんなに落ち込んでいても、白米を食べると元気になる。
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と紹介されている。
「こ(う)め(い)」で[お米]キャラでがす。しかしスタンダードデザインがはっきりしない風情。Youth時代の外見があまりにダサ、いやユル過ぎたせいか、最近プチ整形でちょっと垢抜けてきてるように見受けられます。
Wikipediaには、2012年9月、党青年委員会がFacebookを開設する際に作ったとある。党の公認が取れたのはどうやら2015年12月頃になってかららしい。ゆるキャラグランプリにも出てるのが驚きっす。
ハッキリ言おう。公明党が「コメ」でキャラなんか作っちゃアカンのである、戦略的に、絶対に。駄ジャレがどうのこうのではなく。
公明党とは何か。一般的には、創価学会(ルーツは1930年に遡る)を母体に持つ政党である。尖鋭的に言えば、低所得の庶民層によって支えられてきたとされる。その政治理念は、創価学会が掲げてきた幸福論と相互に影響を及ぼし合っていよう。憲法上の政教分離がどーのこーの言うより、ビジネスモデルとしても軌を一にしてるわけ。
1990年代にカルト教団が台頭してきた際、旧・新興宗教が防波堤となり得なかったのも、現世利益的側面を捨象し切れなかったところに遠因があろう。「防波堤」という言葉も、「防共」の意味くらいしか持たされていなかったのだし。
そんな歴史的諸々に対する問題意識もなかったわけではあるまいに、支持層の高齢化にも直面する今、「青年」層からの回答が「お米」だったとは。上述の「日本人はコメ食ってりゃ何とかなる」的発想って、そういうことなんですね。
実はファミリーキャラであって、この問題は家族に目を転じるとよりハッキリしてくる。
コメ助
コメ吉(父)
まい子(母)
コメ子(妹)
ヨネおばあちゃん ※
※ 肥後熊本の筋金入り芸人、ばってん荒川(本名 米嵜一馬:1937.02.08〜2006.10.22)の生み出した不朽のキャラクター「おヨネばあちゃん」とは異なる。語呂は圧倒的に「おヨネばあちゃん」に軍配。
注目したいのはメインキャラより両親の作り込み。まずは現在の「コメ助の部屋」から。(A)
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コメ吉
コメ助のお父さん。サラリーマンで、営業の仕事をしている。趣味は城めぐり。好きな食べ物はTKG(卵かけごはん)で醤油にもこだわりがある。
まい子
コメ助のお母さん。お料理、お掃除が大好き。一番の得意料理は、カレーライスでコメ助とコメ子の大好物。休日には、コメ子とショッピングに出かけることも。
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一方、Wikipediaの「コメ助」の項には。(B)
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コメ吉おとうさん - コメ助のお父さん。一家の大黒柱。仕事で営業をしている。趣味は城めぐり。好きな食べ物はTKG(卵かけごはん)で醤油にもこだわりがある。
まい子おかあさん - コメ助のお母さん。専業主婦でお料理、お掃除が大好き。一番の得意料理は、カレーライスでコメ助とコメ子の大好物。休日には、コメ子とショッピングに出かけることも。
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と出ている。
おわかり?「一家の大黒柱。」と「専業主婦で」という語が入っていたんです。時系列で言えば当然B→Aの順となるわけだから、当該文言は批判を受けて削られたということでしょう。「意識低いなー」とかいうより、結局「そうした伝統的価値観の殻を破るものではなかったのね」という感想。偉大なる前近代マンガ「サザエさん」の米粒版に過ぎない。
この党にして、「男女共同参画」を熱心に前引き後押ししているのがツルにはよくわかりません。てかこの不整合、不気味。つまりはこのファミリーで何がしたいのだ。戦略をぴら〜〜と教えてはいよ。
見てくれはみんな[米粒]なので、画像は1点だけ、比較対照しつつ見ておこう。
公明党
党イメージキャラクター
まい子
(作者不明)
日本共産党
日本共産党カクサン部 キャラクター
小曽館育子(こそだて いくこ)
(作者不明)
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10子(全て年子)の子育てと教育に全身全霊を傾ける主婦。あと1人産んで、家族でサッカーチーム結成を目論んでいる。おんぶ紐で結ばれた背中の赤子(「十男」と書いて「じゅなん」と読む)が、育子の気持ちに合わせて反応する。
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共産党は日本の政党で最強のキャラクター戦略を誇るのだそうな。同じ母キャラ、主婦キャラでもこっちは作り込みが徹底してますねえ。広告代理店が噛んでいただけのことはある(笑)。さすがに子どもは10人も登場しとりませんが。
残念ながらこのキャラとキャラがかぶってるけど(笑)。
【2014.04.30「最強の悪夢、増殖拡大 PART 9」】
兵庫県
非公式キャラクター
ちっちゃいおばはん
池田進太郎/有限会社アップライト
「カクサン部」とは2013年のインターネット選挙運動解禁を機に立ち上げたグループキャラで、各自役割を持たされている。
カクサン:部長(本名 賀来三四郎)
しいさあ:「沖縄」担当部員
俵 米太郎(こめたろう):「反TTP」担当部員
がまぐっちゃん:「節税」担当部員
小曽館育子:「子育て・教育」担当部員
ポーケン師匠:「憲法」担当部員
雇用のヨーコ:「雇用」担当部員
オテントSUN:「反原発」担当部員
"Shadow Cabinet" ノリねww。「小曽館育子」は、当初は予定になかったけど「関心の高さから」追加されたのだそうな。ホントかよ?だとしたら、党の重点政策から「少子化・子育て」が抜け落ちてたようなもんじゃないすか。
・・・それでも政治におけるキャラクター利用に対しては、常に厳しい目を向けることが必要とは思う。大衆迎合型劇場政治、とかなんとかで。例えば某国大統領だって、自分でtweetするのやめて「暴れん坊将軍 トランプくん」みたいなキャラ作ってつぶやかせたら、政権運営ももっとスムーズにいくに違いないわ(某国民の知的レベルを相当低く見積もってます、ゴメンねSteven!!)。でもそれでいいわけ?
え??ツルは共産党支持でも公明党員でもアンチ創価学会でもオウム真理教信者でもありませんよーだ。
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