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2017年5月26日 (金)

【番外編】過去からのInvitation, 古典からのInspiration?(神戸アートウォーク・JELL-O・サザエさん)

(承前)

連鎖という意味では、こうしたものも含まれるだろう。かなり有名になった事例だと思いますが。

神戸アートウォーク2012・JELL-O

〔左:パクり〕
兵庫県神戸市
公益財団法人 神戸市民文化振興財団
神戸アートウォーク2012 公式ポスター&リーフレット → 取消
(作者不明)

〔右:パクられ〕
Kraft
宣伝ポスター
"Now's the time for JELL-O"

右は粉ゼラチンの販促ポスターです、ちょいとNorman Rockwell風。今やAmerican Pop Artの古典的作品の部類に入るものじゃないっけ?ツルでも知ってたぐらいだもん。
これを左の作品が模倣している(というよりトレースで完コピしているcoldsweats01)というので騒ぎになったわけ。このイベントは神戸の文化施設なんぞを回る、つまりはスタンプラリーで、2012.09.01〜12.10の日程で開催されたものですが、開始3日後の09.03には早くも市民から指摘があり、09.11には授賞取消が発表された。「気がつかなかった」と弁明した選考側もだいぶ叩かれ、神戸市の言うお手軽な「アート」の底の浅さが窺い知れる事態となった次第。
「そもそもなんで神戸でアメリカン?」という批判も結構あったようで、そこは今さら繰り返しません。ただ、これを日本風に翻訳するとこう↓なるのではという指摘には大いに笑っちゃった。

サザエさん一家

関係者は対応に追われたわけです、この学校でも。

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(2012.09.12 神戸電子専門学校)

【お詫び】『神戸アートウォーク2012 秋の文化イベントスタンプラリー』のポスター及びリーフレットの回収・再発行について

この度、公益財団法人 神戸市民文化振興財団が事務局を務め、市内の各種文化施設や団体の主催で発行している「神戸アートウォーク2012 秋の文化イベントスタンプラリー」のポスター及びリーフレットのデザインに本校の学生作品が採用されておりました。
しかし、その作品が既に発表されている作品を流用したものであることが判明しました。
神戸市民文化振興財団との協議の結果、一旦発行されましたポスター・リーフレットは全面回収・再発行となりました。
関係者の方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけいたし、謹んで深くお詫び申し上げます。
ゲーム・アニメ・デザインなど様々な著作物の制作を指導する立場にある本校において、今回の不始末を極めて謙虚にかつ厳粛に受け止めております。
今後の指導方法や制作物の管理体制について、全教員一丸となって整備し、本校への信用の回復に努め邁進する所存でございます。
-----

え!?なぜ、この学校が謝罪したり、「神戸市民文化振興財団との協議」を行ったりしたのだろう??「本校の学生が○○を受賞しました、えっへん」というのとはわけが違う。因みに男子学生だったそうな。
この企画のデザインは、毎年市内の美術系専門学校等に呼びかけて募っているもので、純然たる公募ではない。そこはまあいいんです、地元とのコラボレーション、クリエイターの卵達のモチベーション喚起という意図に出たものだろうから。
しかし、ということは、学校のカリキュラムの一環だったりしたんかしら?だったら謝罪する意味もわかるけど、では同校の教師たちは誰一人としてこのあからさまなパクりに気づかなかったということ?あるいはJELL-Oのポスター自体を知らなかったとか?そこらの方がよほど恥ずかしい。プロとして謝罪に値するでしょうよ(爆)。

とにかく、印刷済みだった当初のポスター800枚+リーフレット15万部、〆て約120万円は全てパー(一般配布済みのリーフレットはもうしようがないからそのまま使えることになった)。あわてて次点作品を繰り上げ、さらに約90万円をかけてポスター800枚+リーフレット12万部を再作成。
賞金がいくらだったか(or ゼロだったのか)は知らないけど、当然返却させたんでしょう。でも追加費用の損害賠償なんて話までは出なかったのだろうなあ。(学生であれ出来心であれ指導不行き届きであれ、賠償請求すべきだったと思いますよ、ツルは。責任は当然あるのだから。)

繰上採用されたのはこの作品。

熊原佳祐(専門学校アートカレッジ神戸学生)
神戸アートウォーク2012(繰上)

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自分のデザインが、広く世間に認知されると思うと感激です。「神戸の街を、みんなで鮮やかに染め上げる。」そんなイメージで制作しました。このポスターを見て、神戸に足を運んでいただければ幸いです。
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ライバル校から選んだ、てわけwww。(熊原も当初採用作品のパクりには気づかなかったの?)

この件に対しては、大阪芸術大学教授の純丘曜彰が、当時「まともな公募ではなく、県下の一部の学校のみにしか通知されなかった」、「刷り直しが90万円でできるのであれば、なぜ最初に120万円もかかったのか」などと噛み付いていた。純丘と言えば、2015年には東京五輪エンブレム騒動で佐野研二郎を執拗に攻撃した「ゴキブリ」のアレである。(cf. 2016.05.06「野老案に目がテン! 第4回」・2015.09.24「Problems in Emblems:1」)
やはり、どうにもならない感覚のズレを感じます(冷ややか)。そんなとこじゃないでしょ論点は。ためにする批判になってるよ。費用だって、版下データの一部だけ差し替える再印刷が安くあがるのは当然のことで、同額だったらそっちの方がよほど問題です。

でも、人間にとって何かを真似るという行為は永遠に魅力的なんだろうなあ。その誘惑にみんな負けちゃうのね。弱き者よ、汝の名は公募ガイダー。

(続く)

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