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2017年6月 8日 (木)

【対決編】丸ブーtyphoon艶競べheart [41](宝達志水町章・紀宝町章)

(承前)

漢字1字のモチーフによる自治体章は、平成丸ブータイプにだってそこそこあるわけです。その中でちょっと目を惹く作品を、日本海側と太平洋側からペアリングしてみますと。

石川県羽咋郡宝達志水町(はくいぐん ほうだつしみずちょう)
町章
椿本僖一(よしかず)(83歳:和歌山市)
宝達志水町章

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1 モチーフ(主要な題材)は、宝達志水町を象徴する宝達山の頭文字[宝]である。
2 [グリーン]は、「宝」の「ウ」かんむりで、緑豊かな自然を表す。
3 [ブルー]は、「宝」の下の「玉」で、町を潤す清流や日本海の波と躍動的な人を表す。あわせて、「人は宝」の意味も表す。
4 全体で「水と人が奏でるハーモニーのまち」を象徴する。
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(優秀賞)
松田憲治(52歳:宝達志水町)
笹田光治(57歳:兵庫県宝塚市)
赤澤親範(46歳:石川県金沢市)
米泉弘人(52歳:石川県金沢市)

何やら由ありげなこの町名、いつもの如くお手軽にアレをひもといてみれば。

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(Wikipedia)

町名を決める際に「宝達町(宝達山から命名)」を推す押水町と「志水町(志雄の「志」と押水の「水」)」を推す志雄町が互いに最後まで譲らなかったため、結局二つをつなげて町名とした。
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フーン。町名決定で大揉めした問題を、町章でまた蒸し返したようにも思えるんだけど。2005年7月、もちろん合併施行後の決定。

作者の椿本のことは以前一度取り上げました(cf. 2014.07.10「Four Decades in Life!」)。2005年当時83歳であったということは、現在は実に90代半ばということになる(存命ならば)。井口やすひさや駒井 瞭なんかのさらに上をいく、最長老ガイダーだったわけです。
ツルにとっては、職業デザイナーとしての長い経歴を持つ井口と、それのないらしい駒井との間に本質的な差異(i.e. 制作態度の)を認めることはできない。椿本はどうだったであろうか・・・。

でもまだこれはいい。もっとヒンヤリするのは次の[宝]です。

三重県南牟婁郡(みなみむろぐん)紀宝町
町章
辻 賢二郎(東京都)
紀宝町章(応募案)紀宝町章(最終版)

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紀宝の一文字[宝]をモチーフに構成。森、川、海がもたらす恵みの豊かさをイメージしつつ、躍動感溢れる曲線のリズムで、人と大自然の共鳴を表そうとした。力強く前進し未来に飛躍しようとする紀宝町の活力を象徴。
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あん!?イニシャルではなくて2番目の文字から持ってきたんだ!?「紀」の字が既に和歌山県紀の川市(cf. 2017.02.27「大御所劇場 三幕目:春なのに」:2005年8月決定)に使われていたことなんかに加えて、意味も形も特徴ある「宝」の字の魅力に抗し切れなかったところもあるんでしょう。
「紀宝町」の名称は合併前から存在していたものです(新設合併だけれど)。作者コメントはやっぱり将来像「海・山・川の恵みに抱かれ、ともに輝き創造するまち」から鸚鵡返しをかけたところがありますなw。

ここで、宝達志水町のケースと打って変わって作者が20代ぐらいの若手だったりしてれば愚blog的には話がキレイにまとまるんだけど、そうもいかない。辻は最近になって娘の恵子と組んで切り紙デザインを発表したりしているので、まあ若くても当時40代といったところでしょう。

この一帯は2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産になっており、町内にも「七里御浜」「熊野川」「御船島」3ヵ所の登録があるという。土地固有のパワーとかエネルギーとかの強そうな感じなんですがね。それこそがご当地の真の宝だろう。

しかしなあ。
町章は宝達志水町章から5ヵ月後の決定。さすがに辻のボツネタ使い回しの疑惑は免れないよな。
でもその点は;

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(2005.12.14 第19回紀宝町・鵜殿村合併協議会 会議録 抜粋)

【植野事務局長】

〔前略〕

先ほど報告第67号で登立委員長さんよりご報告がありましたが、この3点につきまして、ご審議をお願い申しあげます。なおNPO法人の三重県デザイン協会より、この3作品についてのコメントをいただいておりますので、ご報告をいたします。お手元に配布の一枚もので、町章候補類似参考資料というのをご覧をいただきたいと思います。

〔中略〕

それでは一番目のところでございますが、これは[宝]という字をモチーフにしたもので、ここであがっております石川県宝達志水町というところがありますが、ここでの類似ではないということでございます。町全体が宝物という主張があり、わかりやすく、光り輝く玉を包み込むようなデザインが町を守るやさしい気持ちとして伝わる。玉の点の[円]をやや小さくして変化をつけると良い。

〔中略〕

デザイン協会のほうからこういう事でコメントをいただいてございます。

〔後略〕
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と、しゃらりとごまかされちゃったようです。

確かに、●の大きさに差をつけてぐっとよくなったとは思うけどさあ。そんなことじゃないんだよ。

(続く)

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