【番外編】まことの姿はどこに?の巻(スイムエコポスター・北方領土の日ポスター)
(承前)
ポスターワークがちょっと出てきたところで、このジャンルを得意とする(と見られる)このガイダーを取り上げておこう。
公益財団法人 日本水泳連盟・一般社団法人 日本スイミングクラブ協会・一般社団法人 日本マスターズ水泳協会
第6回スイムエコポスター
(準グランプリ:日本スイミングクラブ協会会長賞)
小柴雅樹(兵庫県宍粟市)
「スイムエコポスター」とは何ぞや?この疑問はおそらく小柴も持ったに違いない。だから「ぼくもかんがえた」というコピーになったんですね。このコトバ感覚はいかにも小柴らしい。
募集の趣旨は;
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日本水泳連盟、日本スイミングクラブ協会、日本マスターズ水泳協会の3団体では、[地球]環境保護活動の一環としてエコロジーに関するポスターデザインを公募いたします。
水泳を通じての環境対策を進めてきた水泳3団体は、日本中の水泳を愛好する人々が手を取り合って取り組み、環境保護へとつなげるためのポスターデザインを募集します。
日本中の水泳愛好者が一つになって、水泳界はもちろん、スポーツに携わる全ての人々へ環境問題の大切さを発信し、環境保護と環境改善に取り組むことが目的です。
水を愛する者だからこそできることがある。そんな思いを込めて応募してください。
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という、まるでわけのわからんものだった。つまり「オレ達が水泳楽しめるのもキレイな水のおかげ」ってことかな?逆に言えば、水を大量に使うことに批判が集まっているということなの?プールで泳ぐ人達が果たしてその辺りを意識してるかしらって気もするが、だから啓発しなきゃならないのネきっと。
因みにこの「水泳三団体」の一連の公募は「エココンテスト」として行われているもので、上記の第6回は2014年5月決定だった。前年の第5回は「エコTシャツデザイン」の、その前年の第4回は「スイムエコ・グッズ」アイデアの、その前年の第3回は「スイムエコアクション」アイデアの募集です。こーゆーどっちつかずな公募、キライやわ〜〜。信に足らずであります。時系列的に逆に並んでる気もしてならないんだよね。
時期からして、原発事故との関連の線も深読みしてみたんだけれど、逆算すると初回は2009年だったろうから震災前に始まった企画なわけだ(一方、第7回以降が実施された形跡は見つからない)。
しかし、この公募が真に碌でもないところは、その選考にあった。第6回だと上位入賞はこうだったんですが・・・
(グランプリ:日本水泳連盟会長賞)
山本英雄(大阪市)
(準グランプリ:日本スイミングクラブ協会会長賞)
小柴雅樹
(準グランプリ:日本マスターズ水泳協会会長賞)
高松莞吹(長野県千曲市:シーバススポーツクラブ篠ノ井)
このうち高松は、前年のTシャツコンテストでも全く同じ賞を獲ている。ケッ。
第5回エココンテスト「エコTシャツデザインコンテスト」
(グランプリ:日本水泳連盟会長賞)
新家仁美(スウィン越谷スイミングスクール)
(準グランプリ:日本スイミングクラブ協会会長賞)
表原佐和(イトマンスイミングスクール堺校)
(準グランプリ:日本マスターズ水泳協会会長賞)
高松莞吹(シーバス・スポーツクラブ篠ノ井)
それはまあ何とか千歩ぐらい譲って不問に付すとしよう。しかし、第6回では「優秀賞」を実に26人も選んでいて、かつ、そのうち「スポーツプラザ報徳」系列所属者が7人、「湘南工科大学附属高校水泳部」所属者が7人だった。素性、悪過ぎ・・・。
因みに湘南工科大学は、旧 相模工業大学が1990年に華麗に名称変更したところです。神奈川県藤沢市の辻堂西海岸、まさに湘南の海のすぐそばにキャンパスがあるんですがネ。
これで公正な審査が行われたと信じろと言う方が無理である(応募総数は346点あった)。ま、情実選考はイロイロお手のものってことですか。
そこについては、小柴も理解していたのではあるまいか。だって↑はこんなもの↓の残り滓。
北海道
第11回(平成24年度)「北方領土の日」ポスター
(佳作)
小柴雅樹(兵庫県)
こちらは2012年11月に決定されたもので、最優秀賞は真野すみれ(札幌市:北海道造形デザイン専門学校)が獲った。驚くなかれ、こちらでも佳作を22人も量産している(賞状出しただけですがね)。
さらにさらに。この前の年、第10回の時には小柴が最優秀賞に輝いたんですが、その時にゃなんと佳作が27人、入選が26人ですよ(入選には賞状すら出してませんがね)。言い換えれば翌年には入選を廃したわけw。
つまりは量産対応用モデルだったのね〜(笑)。ただし、敢えて評価ポイントを探すなら、「北方領土」ネタで、「友好」を併せて謳った作品は相当珍しいと思う。
でも、真の問題は。かくのごとく毎年公募される北方領土ネタで、応募してくるのはどう少なく見ても3分の2が北海道勢だってところではないか(残りはあらかた東北勢)。制定側としては、北海道に住んでる人間がこの問題に関心を持つのは誠に喜ばしいこと、と考えているようである。しかし、取りも直さず、それはこの運動の全国的な広がりのなさを表しているのではないの?そこをスルーする形で、「いやー、若い世代の応募も増えてきてよかったよかった」なんて言っているのは噴飯物である。
(続く)
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