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2017年9月13日 (水)

【番外編】阿波より藍をこめて・野老より永遠に;凝縮(TOKOLO Pattern Magnet・Piecing Pieces Passage・kumapon(g))

(承前)

素人放談、続きます。

無限に連鎖を繰り返す「トコロ柄」「トコロ唐草」と呼ばれるパターンは、10年以上前から存在していたらしい。

PPP Magnet → TOKOLO Pattern Magnet
野老朝雄
TOKOLO Pattern Magnet 1 TOKOLO Pattern Magnet 2

経済産業省が提唱し、新日本様式協議会が2006年10月から制定した「新日本様式/Japanesque Modern」100選(実際には116点ある。内容はすんごいごった煮です)に選ばれた作品。16種類のピース(正確には4ピース×4セット)はどう配置しても模様がつながるというしかけ。でも、ツルも中学の頃か高校の頃か、似たようなのを作ったことがあったっけ(よく言うよ)。当初の名称は "Piecing Product Project" から取ったものだけど、2007年4月に改名されている。三角形のもある由。
これをいーっぱい買ってきて、お宅の冷蔵庫を妖しくイメチェンされてみてはいかがでしょう(笑)。(現在販売しとるかどうか知らんが。)

大阪市北区
ブリーゼタワー 地下通路床面デザイン
Piecing Pieces Passage
野老朝雄
Piecing Pieces Passage

西梅田に2008年10月グランドオープンした商業ビルの花崗岩の床に施されたデザインで、「トコロ唐草」の水流模様は蜆川流れるかつての梅田の湿地帯を表したとされるわけです。

さらに、2014年7〜8月には東京藝術大学美術館で開かれた「マテリアライジング展Ⅱ 情報と物質とそのあいだ」で、「[PIECING PIECES PROLIFERATION] 組合わさっていく部分の増殖」と題した展示を行っているし、五輪エンブレム決定直前の2016年2〜3月、国際芸術センター青森で開かれた企画展「個と群」での津軽刺子への傾倒も同根と考えられる。

一方、ツルが野老デザインで楽しいと思ったのはこれ。上掲作品群と同じ文脈かどうかは置くとして・・・

東京都新宿区
NTTインターコミュニケーション・センター
ICCキッズ・プログラム2011「トランス・スケール 〈ものさし〉をかえてみよう」 出展作品
kumapon(g)(くまぽん)
野老朝雄
kumapon(g) 1 kumapon(g) 2

これが一体「何」なのかを一言で表すと、「黄金比のみの平面構成によるクマ」です。西新宿の東京オペラシティにある同センターで2011年8月に開かれた3人のアーティストによる企画展に出された作品らしい。最終日21日のワークショップに用いられたことまでは突き止めたけど、ひょっとしたらそれより前に発表されていたのかもしれない。

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建築や美術にも用いられている[黄金比]は,最も安定した美しい比率(いくつかの数を比べたときの割合)といわれています.kumapon(g)は,その黄金比によって大きさの比率を決めた複数の[円]で描かれています.黄金比をもとに円を増やしたり,色を塗り分けたりすることで,表情を豊かに変えることができます.また,会場では自分だけの《kumapon(g)》のアニメーションを作ることもできます.《kumapon(g)》と遊ぶうちに,黄金比がもつ不思議なルールが見えてくるでしょう.
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野老の制作協力者である平本智樹はサイトにこう書いている。

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Kumapon(g)は黄金比で小さくなったり、大きくなったりする円で構成される[クマ]です。
この大小さまざまな円を並べることにより、笑ったり、悩んだりと様々な表情をするだけでなく、幾何学模様を構築することもできます。
ちなみに、(g)のgは黄金比(=golden ratio)の頭文字です。
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わー、面白そう。ツルも参加したかったなあ、キッズじゃないけど。

kumapon(g) 缶バッジ

缶バッジやエプロンやTシャツなども作られてまするheart
かわいいくまさんざんすが、なかなか侮れない奴らしい。こんなものもあるんです。

kumapon(g) 3

思わず、懐かしの「フラクタル」という言葉を思い出してしまいました、80年代の学生としては。どんどんズームインしていくと、小さな円の中にもまた黄金分割の円が無限に現れてきそう。

他にも「連鎖」がキーワードのデザインは多々あるようで。

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般若心経 壁面写経|HEART SUTRA TRANSCRIPTION|延々と続けられて来た複写の一つのヴァージョン。

Rotonda|Study of Rhombus|菱形による充填のスタディ。

Forest(BUILDVOID2)|多角形のピース。|空間を構成する為の部分と構成。
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「kumapon(g)」もその意味では「組藍海波紋」などと相似たところがあると思う(シャレじゃないです)。それぞれ対称性 ――線対称や点対称だけでなく、反復対称等まで含めて―― を持ち、充填を意識している。さりながら、全く違う方向へ進んでいったわけです。片や内への凝縮、片や外への拡散。
考えてみれば黄金比という概念も、対称性を前提とした美学上の約束事なのかもしれない。

単一のビジュアルというより、一定の法則性を持つデザインの総体であるところに意味を持つという点では、「kumapon(g)」は「組市松紋」と共通項があるとも言えよう、後者の発表後に次々と打ち出されたその幾何学的Variationのことを考えれば。五輪エンブレム公募の最中にも耳にタコができるほど聞かされた「発展性」ちゅうやつかいね(使い方微妙に違ってるよそれbleah)。
やはり今のところ、「組市松紋」と「kumapon(g)」の2点がこの建築家による平面作品の双璧を成すのではないかしらん。

そして、仮説に過ぎないけれども、組市松紋も組藍海波紋もkumapon(g)も単色であり、本質的には色に頼らないデザインであろう。「藍」に囚われると見誤るように思われます。

結論。
やっぱり、組市松紋に「対称性」を見出せなかった平野敬子はろくなもんじゲホゲホ

― Title Inspired by 映画「地上より永遠に(ここより とわに)」"From Here to Eternity"(1953)―

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