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2017年10月30日 (月)

似て非なるもの - 福岡 vs 博多 とか

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イメージ戦略の一環か、近年は国道の愛称公募が増えている気がする。
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このことについて。

 

ツルは、「優駿浪漫街道」「沙流ユーカラ街道」「石勝樹海ロード」なんて名前より、「優駿街道」「ユーカラ街道」「樹海ロード」だけの方がいいと思いますがね。それこそ浪漫をかき立てられるというか、想像の翼を広げられるというか。
その意味で、1990年代にできた「天馬街道」の方に軍配を上げる。子どもの頃、家族旅行でよく通った「やまなみハイウェイ」(九州ね)なんてのも懐かしく思い出してます。

 

それでは地域を特定できずご当地の認知度向上につながらない?いいえ、そんなことじゃなくってですね。

 

観光だの地域興しだの外への情報発信だのに阿った色気丸出しのネーミングでは、地域に根づかないと思う。地名、とりわけ道の名前なんていうものはまずその地元に受け入れられることが重要だろう。ご当地住民が日常的に「優駿浪漫街道」なんて呼ぶとは考えにくい。こっ恥ずかしいでしょ。

 

ツルがそんな風に思うのはなぜか。
ツルの出身地、福岡市に「福博であい橋」という名前の橋がある。市の中心地の天神地区と、全国区の歓楽街たる中洲地区とを結ぶ歩行者専用のきれいな橋です。1990年に架けられた際、この名がついた。「福岡」と「博多」が出会う橋だから、という意味です。

 

ここでちょっと解説しますと・・・。
九州圏外の人から、「福岡と博多ってどう違うの?」というのはしばしば訊かれること。それはまだいい方で、学生時代、名古屋出身の友人から「博多市って何県?」って言われてのけぞった記憶があります。まずその疑問にお答えしませう。

 

ざっくり言うと、福岡市のほぼ中心を貫いて北に流れる那珂川より西が福岡、東が博多と思えばよろしい。従って、西に位置する天神は福岡、東にある中洲(正確には那珂川の下流にできた中州であり、境界線上ということになるが)は博多ということになる。
なんで同じ「福岡市」の中でそんな地域分け(あくまでざっくりしたものだけど)がされているかというと、そこは歴史的な問題で、福岡側は黒田藩の福岡城のあった武士の町、博多側は中洲に接する「川端商店街」に代表される商人の町という性格があったからです。言い換えれば、黒田藩が町衆の自治を広く認めていたということでもあると思う。
夏の初めの「博多祇園山笠」は博多側、川端にある櫛田神社の祭礼。毎年ゴールデンウィークに日本一の人出を叩き出すという「博多どんたく」も、お囃子の行列は櫛田神社からスタートするんじゃなかったっけ。この行事は、町衆が日頃精進した芸事を披露して練り歩いた「松囃子」を起源とするもので、この行列は(福岡側の)お城の中へ入っていって殿様の前で披露することができたそうな。

 

明治の頃、「福岡市」にするか「博多市」にするかはご当地全体を巻き込んだ大騒動に発展し、結局、自治体名を「福岡市」とする代わりに国鉄の駅を「博多駅」とすることでやっと折り合いがついたというのはご当地じゃ有名な話(かなり脚色)。
その後、1972年に政令指定都市となって「博多区」ができるまで、行政上は「博多」という地名は存在しなかった。

 

で、その境界ともいうべき那珂川にかかる橋を「福博であい橋」と命名したわけ。この橋ができた時、ツルは地元を離れてもう久しかったけど、由来を聞いて、初め「なかなか考えたもんだなあ」と感心した。でも、現役ジモティにゃあまり評判よくなかったみたいなんですね、このネーミング。「であい橋」だけでいいとに、「福博であい橋」やら説明っぽくてダサかー、という声は帰省時に各方面から結構聞いた(要出典)。確かに、言われてみれば、なぜ「であい橋」というのかなんてところは「地名の謂れ」という蘊蓄の玉手箱の中にしまっておく方が上等だと思える。
それからもう四半世紀以上経っちゃったですけどねえ。

 

で、だよ。「福博であい橋」には観光資源としての配慮なんてところは薄かったと思うのだけれど、「沙流ユーカラ街道」たらいう名前にはその意味合いが濃いでしょうよ。ちいとばかり、厚化粧で品がないと思うわな。

 

おまけ。
今までの経験上、関東で、あるいは関西で、「出身はどちら?」と聞かれて「福岡です」と答えるより、「博多です」と答える方が相手の食いつきがナンボか良いってことはわかっている。だからツルは状況に応じて使い分けてます(爆)。
次に続く相手の言葉は大抵が「へえ!博多っていいところなんですってね」というポジティブリアクション。「福岡」だとこれが「はあ、そうですか」ぐらいで終わっちゃう。祭り好きでラテン気質(???)とか、昔から芸能人を多く輩出してるとか、魚やらの食いもんが安くて旨いとか、美人が多いとか(?)、「博多」の方がイメージが明確なんだろうね。で、こちらも調子に乗って郷土愛を熱く語っちゃうわけです、博多弁交じりで。
実際にはツルは博多側に住んだことはないし(何せ実家は地の果て南区ですから)、生粋の博多っ子は名乗れそうにはなかとですけど。でもラーメンは豚骨の細麺しかいただきまっしぇん(キリッ)。

 

あ、そうか!!「博多っ子」とは言うばってん、「福岡っ子」って言い方は絶対せんとですよ。そこが当世の(上述の分け方はもちろん薄れていて、むしろ今は福岡地区=商業、博多地区=ビジネスという色彩が強いかと)福岡 vs 博多の一番の違いなのかもしれんね。

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