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2017年11月17日 (金)

【番外編】當世尼崎近松生世話狂言(いまはやり あまがさき ちかまつ きぜわきょうげん) − 序段

既に旧聞に属しますが、春先、こんなことが報じられていた。

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(2017.04.12 産経新聞【関西の議論】 抜粋)

兵庫県尼崎市が作成した江戸時代の人形浄瑠璃作家、近松門左衛門をモチーフにしたロゴマークに“そっくりさん”の存在が明らかになった。酷似したロゴマークの出どころは市内の商店主らでつくる「尼崎あきんど倶楽部」。市のロゴは公募で平成2年に誕生、同倶楽部は11年ごろから使用を始めたとみられ、「市の了解も得ている」と主張するものの記録は残っていない。知的財産権に詳しい専門家が「明らかなパクリ」と明言するロゴ。市はロゴの変更を求めているが、果たして解決の糸口は…。(沢野貴信)

無断改変は著作権侵害
「知れば知るほどあまが危機」
昨年9月、尼崎市議が作成した市政を揶揄する市政報告のビラが問題になった。発端は市民からの通報。もとは昨年、市制100周年を記念して市が作ったロゴのコピー「知れば知るほどあまがすき」。笑顔になるようデザインされた「100」の文字も泣き顔に変えられた。
市が問題視したのは無断で市のロゴを改変、使用したことだ。市議もブログで反省の言葉を載せ、著作権侵害問題は一件落着と思われたが、騒動は別のところにも転がっていた。

市内の商店主らでつくる異業種交流団体「尼崎あきんど倶楽部」のロゴが、市が平成2年から使用するロゴとそっくりだったのだ。
市のロゴは近松の[ちょんまげ]と尼崎市の頭文字の[a]をモチーフにデザインされた。色は単色。一方、あきんどのロゴは[商]の文字が加わり、円の周囲に「尼崎あきんど倶楽部」「尼崎商工会議所」の文字が配置され、単色だったロゴは[青]と[緑]の2色になっている。
市のロゴは商標登録こそされていないが、市が著作権を管理。一般使用に関しては市への届け出制を取っているが、あきんど側から申請された形跡はないという。
実は、市は3年ほど前から、あきんどのロゴの存在を知っていた。市職員がデザインの変更を求めていたのだ。しかし、変更されるどころか、あきんどは市長が出席するイベントでも自分たちのロゴが入った法被などを着て参加するなど使用を続けた。市の担当者は「いつか変更するだろうと思っていた」と話すが、事実上、黙認状態となっていた。
市は昨秋、改めてあきんどにロゴの変更を求めた。その際、意外な事実を知らされる。そっくりロゴの使用開始が11年ごろで、20年近く無断使用されていたことが判明したのだ。
このため、市とあきんどの関係者が今年2月7日、市役所で話し合いの場を持った。関係者によると、「ロゴを変えてほしい」と伝える市に対し、あきんど側は「長く使ってきて愛着がある」と答え、物別れに終わった。

あきんど側の主張は…
あきんど関係者に「あきんどロゴ」誕生の経緯を取材したところ、あっさりと“流用”を認める答えが返ってきた。
「会員の一人がマンホールにデザインされた近松のロゴを気に入って、あきんどのロゴを作った」
ただ、“流用”との指摘に、関係者は「市にも了解を得ていると伝え聞いている」と困惑する。
あきんどは8年、JR塚口駅周辺の市北部の活性化を目指し、地元商店主らで結成された「尼崎北あきんど倶楽部」が前身。18年に活動範囲を全市に拡大し、会員も200人を超える。バッジや法被といったグッズを作るなどロゴへの愛着は深い。
20年近く使用を続け、最近になるまで本物を管理する市からのクレームもなかったという。あきんどがまちおこしで利用するポスターなどにも、当たり前のように使用されていただけに、「なんで今さら」という思いもあるようだ。

市とあきんどに記録が残っておらず、双方の関係者は口をそろえて「当時、それなりの立場にある人同士が口約束をしていたのでは」と推測する。
お互いに市のまちおこしにつながる活動を展開している関係上、双方とも強く主張できない状況だが、市関係者は「著作権などコンプライアンスの問題からもまずい。ロゴを変えてもらわないと…」と語る。

なぜ近松ゆかり?
なぜ、尼崎市のシンボルが江戸時代に活躍した人形浄瑠璃作家の近松門左衛門なのか。
近松は晩年、同市内の寺院「広済寺」で執筆活動に励んだと伝えられ、本堂脇には国指定史跡の「近松の墓」もある。市では、ゆかりの人物として認知されているという。
近松没後250年、市制70周年に当たる昭和61年。そんな「超文化人」を市は文化振興のシンボルとして登場させた。「公害のまち」といったマイナスイメージの払拭を目指した。
近松ロゴは平成元年に一般公募され、全国から集まった390点の中から兵庫県宝塚市の男性の作品が選ばれた。尼崎市をPRするリーフレットやポスター、マンホールのデザインなどで使用されたほか、ロゴが刻印された手焼きせんべいや巻きずしのパッケージなど、ロゴを活用した商品も次々と誕生した。

著作物は「個性が出ているものが対象」
知的財産制度に詳しい大阪工業大大学院知的財産研究科の大塚理彦教授に、市とあきんどのロゴを見比べてもらったところ、「これは丸パクリ。著作権侵害の可能性が極めて高い」と強調する。
大塚教授によると、全てのロゴが著作物になるのではなく、「デザインした人の個性が出ているものが対象」という。近松のロゴの場合、[a]の下の空間を塗りつぶしたり、英字をベースに[ちょんまげ]を表現したりしている点が個性だといい、「簡単にできるものではなく、創意工夫がすごく出ている」と著作物として評価する。あきんどが使い続けるには「市に認めてもらったことを立証する必要がある」と話す。

〔中略〕

高まる知財管理意識
商標や特許といった知的財産に対する意識は高まっている。特許庁によると、27年の商標登録出願件数は約13万1千件。25年以降、3年連続で出願数が増加しているという。
盗用被害や類似ロゴの使用を防ごうと、商標登録を進める自治体も。

〔中略〕

尼崎市の近松ロゴをめぐっては、あきんど側がロゴの変更も視野に検討を始めたという。市とあきんどが「市の発展のため」と同じ目的を掲げていても、“なあなあの関係”だとトラブルが起こるという実例を示している。
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なんだか、ツッコミどころの多い内容ではある。論理に微妙にバイアスがかかっているし、「知れば知るほどあまが危機!!」の枕は話の本筋には関係なさげ(大伏線)。省略した箇所には、葵の御紋の商標化をめぐる公益財団法人 徳川ミュージアム(東京都世田谷区)vs 株式会社ヤナギヤ(茨城県水戸市)の争いとか、兵庫県三田市(さんだし)の三田産ロゴマーク制定に際して商標登録を出願したとかの話が出ているけれど、これらも然り。学者先生に説いてもらわんでもこれがマズイってことぐらいわかるわいな。
あれこれ枝葉を繁らせるより、むしろここで例示しなきゃならないのはお隣の大阪府「モッピー」の永年愛称かぶりの件じゃなかったのかね(cf. 2014.07.12「ゆるキャラ大量受難時代、だと?」)。いや、本件の引き金を引いたであろうはずの、2015年後半の東京五輪エンブレム盗作騒動に一切触れていないことこそ不思議。

それはそれとして、詮議してみますか。

(続く)

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