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2017年11月 6日 (月)

【番外編】「子育て」の苦労いろいろ:一苦労(なら子育て応援団)

(承前)

 

先日も富山県の「子育て応援モノ」を斬ったところですが、このジャンル、重い腰を上げて全体を俯瞰してみよう。

 

そもそも、この手の施策は地方行政の飛びつきやすいところであって、平成大合併が一息ついた頃から活発化した動きではないかと思う。百年の大計の枠組み作りは済んだ、次はコミュニティの創出維持発展のために、非婚化、少子化、高齢化あたりへの対策が吃緊の課題、焦眉の急(財源は限られてるけど)。
ツルの思うところ、地方行政の子育て支援サービスは次の2つのタイプに大別されてきた。

 

(1) 従業員の子育てを積極的に支援している企業を行政が認定し優遇するもの
(2) 子育て家庭が店舗でカード類を提示すると特典が受けられるもの

 

当初「企業参加型子育て支援」とか呼ばれていたものはこの両方を指すのかな。ほんとはこんなことより「待機児童解消」なんかの方が、子供ができてすぐに直面する(≒女性が離職を余儀なくされる)、行政の取り組みがなかなか成果を出していない、という意味で重大な問題だろうけれども、そこは民間の努力を超えたところであって、行政側としてはあまり表に出してPRしたくないところなのかもしれない。

 

どちらかと言えば(1)は人口減と高齢化に伴う労働力低下を何とか補わにゃという国策タイプ(∴「女性活躍推進」や「外国人労働力導入」と等列に置かれるものだろう)であり、(2)はもっとダイレクトに、おらがとこの人口減に何とか歯止めをかけたい自治体の危機意識の表れでもあろう(∴「婚活サポート」「空き家バンク」「デマンド交通」あたりとセット化されやすいはず)。

 

そうしてこれらは、主にシンボルマークの形で(^_-)visualizeされてきたわけです。愚blogでも何度となく斬ってきました。

 

(1)としては、梅村元彦作品と目される;

 

【2017.10.25「ある伝説の・・・ふにゃふにゃ」】
富山県
元気とやま!子育て応援企業 シンボルマーク
〔2015年12月発表〕
元気とやま!子育て応援企業

 

が、(2)では例えば;

 

【2013.11.08「宍栗?穴栗?穴粟?宍粟!{三粒目}」】
山梨県
やまなし子育て応援カード シンボルマーク
小柴雅樹
〔2006年8月発表〕
やまなし子育て応援

 

が挙げられる。
数の上では(2)の方が多いようで、これはカード等の提示という手段からして、視認性の高いマーク類に頼るところが大きかったからでしょう。

 

さて、ここからが本論。
(2)で一つ言えるのは、やたら変遷が大きいということ。2005年8月から実施している奈良県(少なくとも都道府県単位では本邦初だった。やはり、平成大合併のピークの頃です)を例に取って、つぶさに見ていこう。

 

奈良県
なら子育て応援団 ロゴマーク
(作者不明)
なら子育て応援団

 

これがVery Basic Pattern。Variationとしてこんなものもあった。

 

なら子育て応援団 多子世帯応援隊
なららちゃんカード
なららちゃんカード1

 

≪多子世帯応援隊

 

憶良らは 今は罷らむ 子泣くらむ

 

ちょっと見辛いので別図版を。(2色刷り資料のPDFから採ってきたので色合いが違ってますが。右下に小さく見えるマークも取り敢えずスルーするとして。)

 

なららちゃんカード2

 

この辺りは、橿原市(かしはらし)にある「東洋医学子育て つくしん坊」のサイトに今も出ている情報が一番わかりやすい(抜粋)。

 

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そもそも「なら子育て応援団」とはなんでしょうか?
「奈良県・結婚ワクワクこどもすくすく県民会議」が、さまざまな分野・地域で子育てを応援する企業、店舗、NPO等を団員とし、少子化対策の一環として設立したものです。

 

『子育て家庭歓迎隊』
『多子世帯応援隊』
『従業員子育て応援隊』
『地域子育て応援隊』

 

の4つの分野で登録ができ、さまざまな企業やNPO法人などが団員となっています。
さらに、平成20年1月1日から『あかちゃん応援隊』がスタートしました。
-----

 

なら子育て応援団 あかちゃん応援隊
あかちゃんならカード
あかちゃん<img src=

 

え、このメインビジュアル、どっかで見たことある、という声も後回しにします(^_-)。店舗側で掲示するのはこちら↓だったらしい。

 

あかちゃん応援隊

 

上記のクリニックではこんなメニューを揃えていた。

 

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■多子世帯に対する料金の割引などのサービス提供(多子世帯応援隊)
なららちゃんカードのご提示で、入会金を免除。大人の鍼治療10%OFF、初診料無料

 

■その他子育てを応援する活動(地域子育て応援隊)
「東洋医学子育て つくしん坊」の活動すべて

 

■子育て家庭に優しい設備や付加的サービスの提供(子育て家庭歓迎隊)
子連れでの治療が可能。託児はできませんが、小さなキッズスペース(絵本・おもちゃ)もあります。

 

■妊娠中、そして、乳児を養育する家庭を応援する活動(あかちゃん応援隊)
妊婦さん・産褥婦さんへの鍼治療:通常料金より1000円引き、1回2000円。

 

18歳未満の子供が3人以上の世帯に配布される「なららちゃんカード」をゲットすれば、「多子世帯応援隊」の特典がうけられます。
さらに、母子健康手帳交付時に配布される「あかちゃんならカード」をご提示いただくと、「あかちゃん応援隊」の特典がうけられます。
-----

 

真面目に地道にやってたんですねえ、ここ。
しかしこの制度、多様化し過ぎたか、行政上は程なく行き詰まったらしい。

 

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なららちゃんカード(多子世帯応援カード)、あかちゃんならカード(あかちゃん応援隊カード)をお持ちの方へ

 

2つのカードは平成21年11月30日をもって使えなくなりました。新しいロゴマークはなら子育て応援団(外部リンク)のホームページで世帯情報を登録し、ダウンロードしてご利用ください。
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その新マークがこれ。

 

すくすくかんさい 奈良県1 すくすくかんさい 奈良県2

 

縦型になったのは、カード提示からスマホ画面の提示が主流になったからなんだろう。思えば子育てこそ時代を一番敏感に映す鏡かもしれない。
「なららちゃんカード」にちょこっと顔を出していたマークがメインに取って代わり、「すくすくかんさい」と銘打たれてます。では、このマークは何だったのであるか?

 

(続く)

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