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2018年6月11日 (月)

【加筆編】平成とともにパジェロ、去る(?)

【2019.09.16 加筆】

(承前)

2019年5月、岐阜県加茂郡坂祝町とパジェロのことが報道されていた。

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(2019.05.05 朝日新聞)

平成を代表するSUV(スポーツ用多目的車)「パジェロ」。三菱自動車は8月に、かつての看板車種の国内向け生産を終える。製造を一手に担ってきた「パジェロ製造」がある坂祝町では、町の人たちが一つの時代の終わりをかみしめている。
「この小さい町にあるのはパジェロだけ」。町商工会の竹内浩一副会長はさみしさを感じながら話す。同町には瓦などの特産品もあるが、町民の多くが「パジェロの町」を自認するほど、思い入れは強い。
パジェロは1982年に発売された。悪路に強く、1990年代のレジャー車ブームを引っ張り、長年三菱自の看板車種だった。県外では「さかほぎ」と読んでもらえないことも多い町民は「パジェロを造っている会社がある町です」と地元を紹介することもある。
パジェロは税収面でも町を支えてきた。昨年度の法人税収入の34%、固定資産税収入の約2割が同社関連。税収全体でも16%を占める。工場では約180人の町民が働き、町制施行50周年の記念要覧では「まちが誇る産業」の最初に同社が紹介されている。
「坂祝町史」などによると、パジェロ製造の始まりは戦時中の1943年に東洋紡績と川崎航空機が出資して設立した航空機の部品を造る会社。戦後、自動車車体製造に転換し、名古屋市などにあった工場が、76年に坂祝へ移転してきた。
町史は「東洋紡績の会社運営上の都合から名古屋工場の立ち退き返還が要請され、その代替地として当時の東洋紡績の遊休地となっていた坂祝工場が選ばれた」と記す。
2000年代初頭、三菱自の経営再建に伴い、パジェロ製造に閉鎖の話が出た際は、町ぐるみで引き留めに動いた。
地元とのつながりも深い。坂祝小の子どもたちは毎年、工場に社会科見学に行く。学校で自動車教室が開かれたこともある。昨年、国内向けの「パジェロショート」の製造が終了した際には、最後の1台が町に贈られ、子どもの見守り活動に使われている。
同小の近藤真人教頭は「身近にある世界的な企業は、子どもたちにとってもかけがえのない存在。パジェロ製造はずっと残ってほしい」、町の吉田勇彦総務課長は「坂祝はパジェロの町。なんとかパジェロの名前は残してほしい」と話している。(山野拓郎)
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あれ?パジェロの生産は2018年2月で終わったんじゃなかったの??
上掲記事には『昨年、国内向けの「パジェロショート」の製造が終了』とあるから、パジェロの中の他の車種は作り続けていた、ということなんだろうか。よく読めば『8月に、かつての看板車種の国内向け生産を終える』とも書いてあるので、ということは今後も海外向けパジェロの製造については継続するんですかね?

この記事が「坂祝工場は閉鎖されるのか否か」というところに全く触れていないのは、大きな失点だと思う(さらっと読んだだけでは「ああ、工場なくなっちゃうんだ」と思わせるような内容になっていて、そこは朝日の記者が意図的にやったのじゃないかしらんとさえ思えてくるけど)。

それはそれとして、坂祝町に限らず、全国各地の企業城下町にひっそりと開いていた陥穽がここに来て大きくなりつつあるわけです。
三菱自動車は2000年以降、安全性に係る不祥事が度々明らかになって屋台骨を揺るがされてきたし、日産も1999年のカルロス・ゴーンCOO就任以来、世界規模でのRestructuringを繰り返してきた。その度に各拠点のご当地は気が気じゃなかったはず。

ツルが身を置いてきた電機業界で言えば、例えばシャープは国内生産体制の見直しにより、2018年12月に栃木工場(栃木県矢板市)での液晶テレビ生産を終了(cf.【その29】)、最盛期には3,000人規模の従業員を抱えた同工場は物流拠点となった。また、2019年9月には八尾工場(大阪府八尾市)での冷蔵庫生産を終了し、これに伴って2020年度中に葛城工場(奈良県葛城市:約300人:太陽光パネル研究開発)と平野工場(大阪市:約500人:家電修理・複合機営業)を閉鎖し八尾に集約する旨発表されている(雇用は維持するとの方針だが)。
また、三菱電機・日立・NECの半導体事業を統合して2010年に誕生したルネサスエレクトロニクス、2012年に日立・東芝・ソニーの液晶パネル事業を統合して発足したジャパンディスプレイ、どちらも官民ファンド産業革新投資機構の肝煎りによる国策企業だけど、これらも迷走が続いて、今年は両社とも社長が引責辞任。おっと、脱線。

こうしたことはおそらく将来も繰り返されるはずで、例えばいわゆる完全自動運転が普及した暁には「クルマ」というものですらCommodity化してしまうのは避けられないだろう。車メーカーも電機メーカーも、誰もそこで利益を出せる確信は持てていない、現段階では(米国のテスラなんかも同じだと思う)。トヨタだってホンダだってマツダだって工場閉鎖も人斬りもしますよ、儲からないとなれば。
朝日新聞辺りがいかにも書きたがりそうな雇用責任とか社会の公器とかの話だけでは飯は食っていけない。利潤追求についてのAccountabilityが出資者から今後問われなくなるということでは決してないし、会社全体が立ち行かなくなればもっと悲惨な事態が待っている、大企業であればあるほど。
正直、地元自治体等で引き留めや製品購入に走ってどうなるようなものではないと思うんですよね・・・。ああ、ゆるキャラ制定なんぞは言うに及ばず。

そうなると、余剰となった人員を社会が吸収し得るかどうかはまた別途大きな問題として横たわると思いますが。決して、雪崩を打って一方向的な労働力不足が起きるのではない。令和ってそういう時代でしょう。
各地の比較的大きな自治体で一般化しつつあるUIJターン転職や民間企業経験枠の職員募集にそこの救済機能まで期待するのはそりゃ無理だと思うけど、これらはほぼ例外なく高い競争率を示しているんだよね。

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