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2018年8月

2018年8月28日 (火)

【本編のおまけ】海の幸、山の幸: Mission #2(あるでぃ〜ば・パープルマム)

(承前)

TOTOCO小田原

TOTOCO小田原のロゴ↑を見た時、ちょっと前に訪れたこのご当地で見かけたデザイン↓との対比を考えたりしていた。

青森県三戸郡階上町
はしかみ ハマの駅 あるでぃ〜ば
ロゴ
あるでぃ〜ば

割と印象に残ってたんだよね。「漁港の駅」と「ハマの駅」、名前は似てますが、こちらには[山]も描き込まれている。初めは海というより川の[魚]のイメージじゃないのという気もしたんだがぁ(笑)、つまりは前回書いた「海が森ないしは山とつながっていること」という文脈で読み解けよう。そのことはむしろこのロゴの方が明確に表しているのではないか。制作意図は公表されていないけれども。

ご当地の北隣、八戸市にある八戸工業大学に依頼され、学内コンペにより作成したものらしい。町役場とcommunicationを取りながらdesignしていったそうだから、いわゆる公募とかspec workとかの範疇には入らないんでしょう。

時系列に沿ってネット上の情報を追っていけば。

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(2017.10.17 八戸工業大学 感性デザイン学科 Picbear)

来春開業予定のハマの駅に関わるデザイン活動について、階上町産業振興課の方と打ち合わせをしました。学科と学生が地域の人と協創して、海辺のまちの活性化に取り組もうとしています!
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(2018.02.10 東奥日報)

海産物の産直やレストランなどを備えた青森県階上町の施設「はしかみ ハマの駅 あるでぃ〜ば」が来春開業するのを前に、町内で準備が本格化している。軽食のメニューは階上漁協女性部が、青森市の専門家の助言を受け開発中。ロゴは隣接する八戸市の八戸工業大学の学生が、町民の思いを聞き取りながら制作を進めている。豊かな海の魅力を伝えようと、関係者は町の外からの目線も取り入れて知恵を絞っている。
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えーと、正しくは「今春」ね。もうオープンしてるし(笑)。結構制作に時間をかけたんだ。

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(2018.04.11 河北新報 抜粋)

青森県階上町が浜のにぎわい拠点として、東日本大震災の津波で被災した大蛇地区に整備した漁業支援施設「はしかみハマの駅あるでぃ〜ば」の完成記念式典が10日、現地であった。5月19日にオープンする。
水産庁の水産業競争力強化緊急施設整備事業を活用し、事業費は2億4900万円。鉄骨一部2階で延べ床面積約545平方メートル。海産物の産直所、海の見えるレストランのほか、魚食普及に向けたイベントなどができるPRコーナーや研修室、調理室もある。
公募で決まった名称は方言の「あるでば」から取られ、「ここに来れば浜のものがあるでしょう」などの意味が込められている。施設のロゴは八戸工業大(青森県八戸市)の学生がデザイン。町や階上漁協などの関係者による「はしかみふるさとラボ」が運営する。
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これ、ネーミングセンスがすごいと思った。東北の片田舎の(失礼)方言が "Al Diva" みたいな欧州語圏の横文字めいた言葉になっちゃったわけだから。ツル的には "TOTOCO" より「海外の方にも受け入れられる」名前だと思うがなー。
所在地はフルで書くと「青森県三戸郡階上町大字道仏字大蛇203-208/あおもりけん さんのへぐん はしかみちょう おおあざ どうぶつ あざ おおじゃ」。海のすぐそばにある「ハマの駅」です。
因みに文字デザインも学生による。出来合いのロゴタイプではなかったわけよ、どこかと違って。

TOTOCO小田原(ロゴタイプ入り)

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(2018.05.19 NHKニュース 青森 NEWS WEB 抜粋)

19日は、完成したばかりの施設の前でオープンを祝う式典が開かれ、浜谷豊美町長が「ハマの駅を水産振興や観光の拠点として、階上町の魅力を全国に発信していきたい」とあいさつしました。
式典のあと、ハマの駅がオープンすると、多くの客が訪れ、階上町の港や八戸市の港などで水揚げされたヒラメやイカなど、新鮮な海産物を買い求めていました。
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確かに、値段がすっっごく安かった気がします(元 博多っ子の感覚からしても)。お盆には開業3ヵ月足らずで来場者10万人を超えたそうだから、まずは幸先のいいスタートなんだろう。
海の恵みについてはここまで。

一方、山のもので言うと、感性デザイン学部感性デザイン学科(2018年春から学科名を創生デザイン学科に改称)では昨秋、こんなものを制作したりもしている。

青森県三戸郡階上町
パープルマム研究会
食用菊「パープルマム」商品ラベル
杉山 舞(八戸工業大学感性デザイン学部感性デザイン学科1年)・藤村安里紗(同)・佐藤美紀(同)
パープルマム

左が生食用、右が加工品用。11月5日の発表会の時にはお茶会も開いたそうな。

この新しい作物は、昔からある超普及品種「もってのほか」の改良品だとか。ツルはそんなところから新品種が生まれてきた、そこにむしろ驚きました。「マム」は「母さん」の "Mom" ではなく、キクの英名 "Crythanthemum" の一般的な略語 "Mum" のことです。

この取り組みにツルが注目する理由はいくつかある。
まず、品種改良と商品開発が、階上町の菓子店「ラ・ドゥルセリア美松」の小松國男代表(70歳:同研究会の会長でもある)を中心として行われたこと。漁業にも携わりながら菓子職人の道を歩んだという経歴を持つ御仁で、ご当地食材を使った商品開発に積極的。鯖とリンゴを使ったスイーツ「サバップル」はもはやご当地の名物なる由です。
かつ、工学部のバイオ環境工学科(2018年春〜 生命環境科学科)の若生 豊教授(66歳)も関わったこと。研究は2011年から進められていたらしい。ご当地を含む青森県南部では食用菊といえば栽培が盛んなのは黄花の「阿房宮/あぼうきゅう」であって、紫花の「もってのほか」(※)は山形県を中心とした外様の品種であった。山形に殴り込みをかけたとも言えようし、黄色と紫、よりカラフルな品揃えにもなるというわけ。フラボノイドの組成が違っていて薬効も異なるんだそうな。

(※)山形県庄内地方の「延命楽」、新潟県の「かきのもと」と基本的に同じ品種であり、他にも地方によって異なる呼び名がある。

さらに、同学としても、八戸市の行政とは割と絡みがあるものの、階上町側での連携はこれまであまりなかったらしく(一方、同学の敷地は階上町に接しており、学生の下宿先はむしろ同町に多い由)、その点でも「ご当地」の裾野を広げる試みだったことになる。

官学共同や産学共同という言葉に対しては、一応眉に唾を塗り付けてかかることにしているツルではあるけれども、こういうのは互いのモチベーションを高める一助になるんではないっすかね・・・。
特に、取り立てて難関美大や有名産地や大手企業でもない場合であってみればm(__)m。むろん、結果が伴わなければ意義も乏しいとは思いますが。

2018年8月27日 (月)

【本編のおまけ】海の幸、山の幸: Mission #1(小田原地魚大作戦・スパイ大作戦)

(承前)

前回の小田原漁港関連の公募を調べていて、ちょっと気になったことが2つほどある。

まずは施設愛称から・・・。

神奈川県小田原市
小田原漁港交流促進施設
愛称
漁港の駅「TOTOCO小田原」
三浦正和(静岡県掛川市)

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小田原の漁場を育むのは、豊かな森・川と深い海です。目の前に広がる相模湾は、日本三大深湾の一つ。深い海の底から送られる豊富な栄養分があります。
また、箱根や丹沢の豊かな森から、早川や酒匂川を通じて流れ込むミネラルや養分、そこで育まれる海洋プランクトン。黒潮が運ぶ多種多様な魚たち。
豊かな漁場で育まれる、四季折々の魚種の豊富さが、まさに小田原の豊かさなのではないかと思いました。

小田原が抱く、自然豊かな漁場を表現し、魚(とと)の宝庫から「ととこ」と名付けました。
小田原漁港交流促進施設が、そんな小田原の豊かさを表現するような施設であってほしいと願いを込めています。

また、「ととこ」という「呼びやすさ」により、子どもからお年寄りまで親しみをもっていただくとともに、アルファベット表記にすることで、海外の方にも受け入れられる施設になるようにと思いを込めました。
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海が森ないしは山とつながっていることは、近年ではもはや一般常識だと思う。漁協が山に植林をするなんて話も時折聞く。前半部分はそうしたことを述べたわけです。もっとも、結果としての「TOTOCO小田原」がそれをよく表し得ているとは思えないし、榮一のロゴだって然り。

TOTOCO小田原

結局、織り込まれたのは「海」だけである。大いに食い足りませんね。

もう1つはロゴのこと。といっても「TOTOCO小田原」のそれではなく、「小田原地魚大作戦」の方です。

神奈川県小田原市
小田原地魚大作戦協議会
小田原地魚大作戦
ロゴ
小田原地魚大作戦

アウトでしょうよ、このロゴ。

スパイ大作戦
スパイ大作戦

往年の人気テレビ番組ですね。トム・クルーズでリメイクされたりしてるけれど。

ひどいよなーーー。あからさまなパクりではないか。記憶の底から拾い出して「似てるんじゃないっけ」と思ったが、実際に並べて見比べてみるとそれどころではない。

同協議会のことは前回も軽く触れたけれど、もう少し正確には、「会員は小田原魚市場の仲買業者が主体で、小田原漁港周辺の飲食店、農業・宿泊施設などを経営している30代後半から40代前半の若手および小田原市観光協会、小田原市水産海浜課の職員を加えた11人。」だそうです。(あんまり「異業種」の感じはしないねえ。)
今年の5月16日に設立総会を開いた後、7月28日にはロゴ完成の旨サイトに出ている(そして8月5日には「小田原おさかな通り」の愛称を発表したわけだ)。ロゴを公募した形跡はネット上見つからないから、内輪でやっちゃったということだろうか?それとも、委嘱を受けたデザイナーがしゃらっと「わかりやすいアイコン」とばかりに拝借したってこと?(それも考えにくいが。)

・「若手」がそういうところに無頓着であってよいのか
・市役所(の水産海浜課)が一枚噛んでいながらこのはしたなさは何故なのか

以上2点がツルの大きな疑問。

2018年8月26日 (日)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その219:TOTOCO小田原)

(承前)

一族の新作、入りましたっ!

神奈川県小田原市
漁港の駅 TOTOCO小田原
ロゴマーク
塩崎榮一
(施設愛称)
三浦正和(静岡県掛川市)
TOTOCO小田原

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海を表現する[青]、四季、自然の循環や旬のサイクルを表現する[円]、「小田原」の頭文字[小]をモチーフに、飛び跳ねる[魚]と相模湾の[波]を融合し、地域の賑わいを表現しています。
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榮一センセ、よくがんばりました。刀の鐔みたいでもあるな。あたしゃ、10年近く前に「家紋夜話」Seriesで取り上げた、「百の字紋」のことを思い出しましたよ。

【2009.03.27「嗣嗣嗣 家紋夜話」】
百の字

しかし、これで「小」を認識できる人もあんまりいないだろうし(てことは小学校の校章と勘違いすることもあるまいということだ)、「魚」の跳ね方もタイとかカツオとかに見えちゃうんだよな。小田原っていったらなんつってもアジじゃない?「鯵のたたき」もご当地が発祥という説があるそうだし。

本公募は小田原市が建設を進めている「小田原漁港交流促進施設」で、2019年5月のオープンに備えて市がロゴマークと愛称を募ったもの。今年5月20日の「小田原あじ・地魚まつり2018」(ホレ!)では一般投票も行われた。愛称は「魚(とと)の宝庫」の意を込めており、正確には「漁港の駅」の4文字は三浦によるものではなく、制定側で追加した由。最近、「道の駅」にあやかったこの手のネーミングが増えてきているような気がします(大伏線)。

さらには、Pier Streetの愛称も別途公募されていた。

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(2018.08.10 カナロコ 抜粋)

小田原漁港に親しみを持ってもらおうと、漁港周辺で商いする人らでつくる「小田原地魚大作戦協議会」が募集していた漁港周辺の通りの名称が、「小田原おさかな通り」に決まった。先月、台風12号の被害に遭ったものの、来年5月の開業を目指して復旧が進められている小田原漁港交流促進施設のロゴマークも発表され、愛称は「TOTOCO(ととこ)小田原」となった。
5日の「小田原みなとまつり」の式典で、それぞれ発表された。
漁港周辺の通りの愛称募集は、同協議会が地域活性化の一環として企画。市内外から公募し、応募総数594通の中から選ばれた。
応募者の中から地元早川在住の笹木月渚(るな)さん・れんさんの小中学生姉妹に食事券や地魚干物、小田原城天守閣の招待券、小田原オリジナル手拭いがプレゼントされた。

〔中略〕

交流促進施設は7月28日に接近した台風12号の高波で、施設1階に土砂が流れ込むなどの被害が出ており、現在復旧作業が進められている。今後、県が周囲の防潮堤(高さ約2メートル)を1メートルかさ上げするなどの工事を進める予定。
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「小田原地魚大作戦協議会」とは本年5月に発足したもので、魚市場の若手に加え、異業種からの参加もあるらしい。「小田原漁港で水揚げされる魚種の代表格であるアジなどが漁獲量を減らしている現状や、子供たちの魚離れが進んでいることに危機感を抱いた」のが結成のきっかけと報じられている。
それはそれとして、あの震災後に海岸沿いに市が建てる公共建築物でこの体たらくはいただけません。台風12号といえば、この7月、あり得ない進路で西日本を東から西、西から南に進んだ挙句、九州南西沖でループを2回描いて大陸方面に去ったアレね。気候変動に伴って台風も大型化することが懸念されるわけで、そこんとこどう考えればいいのだ?

2018年 台風12号

厳しく突っ込むと、カナロコ記事には1ヵ所誤りがある。「姉妹」じゃなくて「姉弟」なんです。神奈川新聞よぉ、ネットメディアみたいに適当に書いてんじゃねえよ

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(2018.08.18 タウンニュース 小田原版 抜粋)

連日観光客でにぎわう漁港エリアの通りの名前も、笹木月渚(るな)さん(城南中2年)・蓮永(れん)君(大窪小4年)が考案した「小田原おさかな通り」に決定。漁港周辺の飲食店や鮮魚店の経営者らによる小田原地魚大作戦協議会が募集したもので、応募総数は594通。類似の名称で応募した12人にも優秀賞として副賞が贈られた。
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2018.08.13の「観光経済新聞」記事には発表時の画像も載っていて、それを見ても明らかに男の子だもん。とどめはこれ。

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(2018.08.11 小田原市立城南中学校サイト)

小田原漁港に親しみを持ってもらおうと、小田原地魚大作戦協議会が募集していた漁港周辺の通りの名称が「小田原おさかな通り」に決まりました。
本校の笹木月渚さんと小学生の弟さんの作品が選ばれ、5日のみなとまつりで表彰されたことが昨日の神奈川新聞に掲載されていました。
笹木さん姉弟、おめでとうございます。

※昨日HPにこの記事を公開しましたが、弟さんを誤って妹さんとしてしまいました。お詫びして訂正いたします。
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ははぁ。神奈川新聞の誤報に引っ張られちゃったのね。This is how the bullshit grows.

あれこれ考えるに、この(愛称の)採用は「子供」でなければならなかったと見たけど、如何でしょう。

2018年8月25日 (土)

「それでも彼らが戦うワケは」

今月半ばに休みを取って帰省し、博多の無人の実家で猛暑日の炎天下、草取りやって草取りやって草取りやって草取りやって草取りやって、少し庭木の剪定もやって、疲れました・・・。ゴミ袋ぎっちり17袋分。手はマメだらけ。いつものことながら園芸おたく。
今回は先日の台風で白梅の木が途中からバキッと折れていたのが大変ショック。樹齢60年ぐらいはあったろうに。まだ復活の望みは捨ててないけど。
かと思うと、勝手に生えてきた白いサルスベリの花が青空に映えてとてもきれいだった。まあそんなことはどうでもよいんですが。

そんな中、お盆をちょっと過ぎた8月18日(土)の夕方、NHKで掲題の番組をやってました。「〜京大・タテカン攻防の若者たち〜」という副題つき。
ツルは基本的にテレビを見ないけど、その時はちょうど、博多で姉たち家族を入れて恒例のBBQパーティ中で、図らずもみんなで視ることになっちゃった。

どちらかというと自分も立て看作ってた側の人間なので(点訳サークルの新入生勧誘とか、学祭の学部イベントの模擬裁判の告知とかだけど)、ついつい引き込まれてしまったぜ、ほろ苦な(甘ったるい?)感傷も含めて。さすがはNHKだよなあ、こういうネタを見つけてくる感覚においては。

一番驚いたのは、自分が学生だった80's初頭の、新歓用とか学祭用とか「日帝米帝粉砕!!我々は断固斗うぞ!!」なアジ的なの(その時代でもまだそんなところがあったんですよ)とかばかりじゃなくて、今や現代アート風なものまで包含してるってとこですかね。坂本龍馬の言葉をもじったTシャツ立て看「京大を洗濯致し候」云々のあたり、大笑いしながら見てたんですが(「何か言われたら『乾くまで干してるんです』って返せるので」ってところが)。「椎茸殲滅」はツルの心にはあまり響きませんでしたけど。

立て看に規制が入ることは前からニュースで見て知っていた。しかし、焼けた(焼かれた?)ということは初耳でした。
番組後半に出てきた「文字だけ立て看」の趣旨は、ツルには十分納得できるものだった。それを実際に社会に出てから悟るのではなく、学園の繭の中で既に予感しているというところは、人生の後半あたりになって再び意義を持ってくるのじゃないか、そんな気がしている。ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ。

うーん、やはり、そうしたものがなくなってしまっては、京大が京大でなくなるような気がするんだけど。少なくとも自治体まで巻き込んで規制するようなことだとはちょっと思い難いし、そこはそういう点よりも重要のように思う。

この番組、ツルの周りでは存外の反響があって、サークルの旧い先輩とか、政府の小役人いやお役人になった奴とか、行きつけの呑み屋の大女将とかが、いろいろ感想をよこしてきた。沙漠植樹つながりの早大出の年下の友人からも「タテカン強制撤去はけしからんです」「ワセダからもタテカンがなくなったら嫌です」という熱いメールが来ました(あそこも昔、学祭中止問題とかあったっけ)。

でもその一方、今年の冬だったか、「百万遍の交差点のど真ん中で若者がコタツ鍋」というニュースには、悪ノリ的な「筋の悪さ」を感じたのも事実。
百万遍、すなわち京大本部キャンパスに接する交差点は、今回の番組でもばんばん写り込んでいた。東西の今出川通と南北の東山通の交わるところ、つまり交通量も多い都大路の交差点の(車道の!)中心で、昼日中にコタツを置いて鍋パーティの真似事を(短時間ながら?)強行したというものです。やらかしてますねえ。むろん、何ゆえかはわかりません。確か、警察が駆け付ける前に撤収したとかで真犯人は不明ながら、京大の学生だか院生だかであることは間違いないだろう。

結局、何をどのように自己表現ないしは自己実現するかという問題なのであって、二十歳そこそこの若造にそのあたりの「模索」をどの程度許すか、ということになるのでしょうが。

2018年8月24日 (金)

【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』三発目

本ブログは、その一部記載に関し、2018.08.21 17:29、@niftyから、「侵害情報の送信防止措置請求」があった旨の通知を受けた。

 

請求の具体的根拠は、

 

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個人特定される文章構成の記事を前提に、未承認のメールを公開
公表権侵害を含みます
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というものである。
 
 
従って、期するところを達したと認め、本件に関する当方の意見を記した「回答書」の提出期限前日である2018.08.27をもって、本件に関連する以下の各記事の本文の公開を停止する。
 
 
【2018.04.14「通り過ぎる風がアナタの若さを奪い去る:1/5」】
【2018.04.15「通り過ぎる風がアナタの若さを奪い去る:2/5」】
【2018.04.16「通り過ぎる風がアナタの若さを奪い去る:3/5」】
【2018.04.17「通り過ぎる風がアナタの若さを奪い去る:4/5」】
【2018.04.18「通り過ぎる風がアナタの若さを奪い去る:5/5」】

2018年8月19日 (日)

【加筆編のおかわり】闇に葬る公募デザイン(山本作兵衛コレクションロゴ)

(承前)

前回の「金川牛ロゴ」とは順番が前後するけれど、八谷早希子による田川市「たがたん」が2012.05.13の「世界記憶遺産登録記念式典」でお披露目された際には、実はもう一つ別の公募デザインも発表されていた。

福岡県田川市
世界記憶遺産「山本作兵衛コレクション」ロゴマーク
井川(いかわ)真奈(田川市:九州産業大学芸術学部デザイン学科4年)
山本作兵衛コレクションロゴ

採用対価は同時募集のキャラクター(=「たがたん」)と同額の10万円。でも応募総数はキャラクター312点に対して79点と、ひどく差をつけられてしまった。むしろこっちの方がメインだったはずと思うのに、この結果はPR不足という以外に理由が思いつかない・・・。それともそんなものなのかな、どこでも。

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(2012.06.01 広報たがわ No.1336 抜粋)

〔前略〕

炭坑節に登場する[お月さん]や煙が立ち上る[二本煙突]を背景に、作兵衛氏の炭坑記録画にも描かれている、[つるはし]を持つ[炭坑労働者]をあしらったこのロゴマークは「一目見て山本作兵衛コレクションを表すマークだとわかるように」という思いを込めて制作されたそうです。
井川さんは「デザインが採用されてとても驚いています。未来永劫、このロゴマークを使ってくれることを期待します」と喜びを口にしました。
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しかし井川の願いは叶わなかったようである。その後の使用例がどうしても(ネット上では)探し出せません。どこからか(どこから?)クレームでもついたってことなのかなあ。
だから、広報紙に載った上掲の式典ステージの写真こそ、このデザインがこの世に存在した事実の唯一のエビデンスということになりそう。結構好きなデザインなんだけどなあ。

山本作兵衛(1892.05.17〜1984.12.19)はご当地筑豊の炭鉱労働者で、還暦を過ぎてから絵筆を取り、坑夫/坑婦の日常を描きとどめた記録画家、というより「ヤマの絵師」としてその名を残す。
ツルは、福岡出身のせいか、あるいは自分の父親が旧制中学の頃田川に住んでいたことも手伝ってか、作兵衛翁の話は子供の時から知ってました。まあ、歴史的に価値のあることなんだろうな、ぐらいの感覚でしかなかったけれど。他の鉱山にはそういうのってないのかなあ、と半ば不思議に思っていたような気もする。
今にして、フランスの郵便配達員Ferdinand Chevalが一人で造り上げたという奇想の建造物、かの「シュヴァルの理想宮」のことをちょっと思い出したりします。

「世界記憶遺産」(現在では、ユネスコによる "Memory of the World/MoW" を和訳した「世界の記憶」という名称が用いられるようになってきているらしい)に選ばれるという大面目については、確かご当地は初め、筑豊炭田関連の施設を世界文化遺産にすることを目論んでいたはずで、作兵衛コレクションはそのためのSupporting Documentとしての扱いに過ぎなかったと記憶している。ところがこの記録画が専門家の現地調査でことのほか高い評価を受けたことから、ハード面本体が文化遺産選考から漏れた後も「目指せ!世界記憶遺産登録!!」てな具合に切り換えて生き残ったのだと思う。登録決定は2011年5月、日本初の世界記憶遺産だった。

降って湧いた僥幸で、コレクションの大半を所蔵する田川市石炭・歴史博物館もにわかに脚光を浴びたことだろう。炭鉱労働経験者による「語り部講座」なども開かれている由です。

やっぱ、こういうRealな歴史に裏打ちされたものって強いよね、先日取り上げた「佐賀県遺産」みたいなふわっとした「歴史企画」モノと比べても(cf. 2018.07.05「剽窃か融通か、誇りなのか懼れなのか」)。
ヤマの歴史というものは、負の記憶たる部分も大きいだろうと思う。同じ福岡県にもう一つあった産炭地、筑後の三池炭田も然り(昭和の時代に大爆発事故を経験している)、栃木県の足尾銅山も然り。そこを、違う文脈に置き換えてみせたのだから。

因みに大牟田市等ではこの3年後、2015年に三池炭坑関連の資産が「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の一つとして世界文化遺産に指定された(一方この時、筑豊炭田からは何も選ばれていない)。日本の公害の原点とされる足尾銅山でも、世界文化遺産にという動きは前からあるけれども、なかなか一枚岩とはいかないようです。

うーん、そんなこんなだからこそ、うやむやに終わってしまった感のあるこのロゴマーク、子細が知りたいんですけれども。

2018年8月18日 (土)

【加筆編】互いに切磋琢磨・・・し合わぬ関係(金川牛ロゴ)

(承前)

先日【その218】で少し触れた八谷早希子つながりでもう少し深追いしてみる。福岡県のこのキャラについて、以前取り上げましたが・・・。

【2017.12.27「大御所厳選!Countdown, 4!!」】
福岡県田川市
マスコットキャラクター
たがたん
八谷早希子
(愛称)
近藤まさこ
〔2012年3月デザイン発表〕
たがたん

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家族観、昭和の薫り(できれば「ビフテキ」と書いてほしかった)。なぜ九州で「かながわ牛」なのかって?違うんです。「田川市金川地区産の牛」のこと、肉用牛農家は高齢化により当時僅かに4軒。
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このちょうど1年後に、なんとソレをネタにした公募がご当地で実施されていた。まるきり見落としてました。採用されたのは八谷の好敵手(?)、小池友基。

福岡県田川市
地域ブランド「金川牛」ロゴマーク
小池友基(ゆうき)(群馬県高崎市)
金川牛ロゴ

2013年3月1日発行の「広報たがわ」No.1354に作品コンセプトが掲載されている。

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金川牛が育つ[香春岳]麓と[金川牛]のシルエットをデザインし、中央に「金川牛」を視認性の高いオレンジ(香春岳山の麓の降り注ぐ太陽光カラー)で大きくデザインしました。
楕円形でシールなどにしやすいデザインになっています。
また、外国人にも分かりやすいように、[ローマ字]も併記しました。
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えーー、こんなのが「コンセプト」なわけぇ!?「外国人にも分かりやすいように」??そこが審査員の自尊心をくすぐったであろうことは想像に難くないけれど、まるで1970年代。2010年代の今なら「海外にも情報発信できるように」とか何とか書くもんだぜ。因みに「香春岳」は「かわらだけ」と読みます。
[楕円]&[牛]はこれらと同様ね↓。

【2013.11.19「志とは裏腹に Part 1」】
社団法人 日本草地畜産種子協会
放牧畜産基準認証制度 認証マーク
立志哲洋
〔2009年2月商標登録出願:4月発表〕
放牧畜産基準認証

熊本県阿蘇市
阿蘇草原再生協議会
阿蘇草原再生 ロゴマーク
立志哲洋
〔2009年3月決定:8月採用見送り〕
阿蘇草原再生(立志version)

本ロゴ公募の応募総数は84点(市内55点、市外29点)となっていて、前年のキャラ公募が312点を集めたのに比べるとかなり少ない。でも、こちらの対価は1万円、キャラでは金10万円也を出していたことに鑑みると、CPだけ考えればこのロゴの方が効率的だったのかもしれない。

でも、結局やっぱりダメですね。「美味な牛肉」なのか「高級な牛肉」なのか「稀少な牛肉」なのか「安心な牛肉」なのか「Sustainableな牛肉」なのか、訴求ポイントが明確じゃないもん。それに、肉牛なのか乳牛なのか、デザインのみから判断できます?これ。そうした辺りは募集側の負うべき責めかもしれないけれど。

JAたがわ(田川農業協同組合)のサイトを見ると、現在生産農家は2軒だけになっているとか。販売は農産物直売所「きてみんね かながわ」でのみということらしい。
地域興しにはなりふり構っていられないということは理解する。しかし、これを「地域ブランド」として育成していくことに、戦略はどう伴っていたのか。人口5万人に満たない自治体で、限りあるリソースをどう配分していくのかは難しい舵取りだろう。その答えがロゴマーク制定だったとは思えないが。

2018年8月17日 (金)

【適当編】"gender" の問題か、"sex" の問題か(香川大学男女共同参画室)

ツル自身がお下劣なんでしょうか。この作品のことなんですけれども。

香川県高松市
香川大学男女共同参画推進室 olive・heart
ロゴマーク
中本竹識(福岡県)
香川大学男女共同参画室

「男女共同参画推進室」が何するところかっちゅうとですね。

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(2010.11.01 香川大学男女共同参画推進室 News Letter 第1号 抜粋)

○男女共同参画(gender equality)について学生・職員・大学内外の方にむけて広めていきます。
○学術的な専門分野で女性がいきいきと活躍できるよう応援します。
○子どもができても、介護を抱えていても、学習や研究、仕事と両立していけるように応援します。
○ワークライフバランス(仕事と家庭の調和)に配慮した大学になるよう工夫し、皆さんの声を届けます。
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英語の "gender equality"、直訳すれば「性的平等」という言葉に「男女共同参画」の日本語訳を当てたのは非常にcleverな戦略的勝利だと思うけど、初めに考えついたのは誰だったのだろう。

うーーーーーん、でもそんなことより、このデザインの性的暗喩/sexual metaphorが気になってしょうがないツルww。どっちが女性でどっちが男性かなんて考え始めると、ホラ、貴女も貴男も・・・(笑)。「不妊治療推進マーク」とかだったら何の不思議もイヤらしさもなかったろうが(でもないか)。
これで「男女共同」だなんて・・・ふしだらだわ。ここらといい勝負かも。

【2017.06.06「校章M&A方程式:第1式」】
山梨県甲府市
甲府市立善誘館小学校
校章
中本竹識
〔2010年12月決定・2011年4月開校〕
善誘館小学校

【2017.05.24「Hのし過ぎは教育上よくないざーます!!」】
北海道小樽市
小樽市立北陵中学校
校章
工藤和久
〔2016年9月決定・2017年4月開校〕
北陵中学校

あ、善誘館小とは時期的にほとんどかぶってたんだ。当時はプチエロに走っとったんかね中本センセ、マジで(cf. 2017.11.05「展ばした腕のその先に:上」)。

同時に募集された組織愛称「olive・heart」というのもちょっといただけない。「女性活躍推進室」の愛称だったんならまだわかるんだけど。

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(同上)

男女共同参画推進室を身近に感じていただくために、メッセージ性のある愛称とロゴマークを募集します。
本学男女共同参画推進をアピールするために活用します。香川大学らしい、元気の出るすてきな愛称とロゴマークをお待ちしています。
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あ、告知のしかたもまずかったか。ワンセット募集か否かがそもそも不明確だし(ここ重要)、いかなる「メッセージ性」が必要とされるのか、(いくら同じ資料に上述の記載が別途あったとは言え)説明の具体性に欠けたことは否定できないだろう。「香川大学らしい」なんてしゃらっと書かれても、それでは自治体主催の公募と変わりゃしない。

結果、ロゴマークが曲がりなりにも作者名まで公表されたのに対し(ただし選考プロセスは不明)、愛称についてはたった一言書いてあるだけ(とツルは受け取った)。

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(2011.01.17 香川大学男女共同参画推進室 News Letter Vol.3 抜粋)

11月に実施いたしました愛称・ロゴマークの募集、学内外よりたくさんの応募をいただき、ありがとうございました。応募いただいた作品はいずれも力作揃いで、ひとつを選ぶのは難しい作業となりましたが、男女共同参画のイメージに相応しいと判断し、下記の作品を採用とさせていただきました。

男女共同参画推進室の愛称は「olive・heart」です。

【作者】中本竹識(福岡県)
【作品説明】香川大学の男女共同参画推進室をイメージし、[男女]の人と香川県の特産の[オリーブ]と[ハート]をモチーフにしてデザインしました。
男女が協力し手を繋いで輪を作った形がオリーブ形になっています。中央にはハートを配しました。
シンプルで親しみやすく、香川大学の男女共同参画推進室を広く内外にPRできるロゴマークです。
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だからっ、なんでそのネーミングに決めたんだよっ!!どんな「メッセージ性」があるんだよっっ!!自分の部門の名前が「olive・heart」だなんて、誰もこっ恥ずかしいと思わなかったのかよっ!!(ああ、すっきりした

この記事では横に中本ロゴが添えられていて、【作品説明】もロゴに関するものなので、愛称が中本作だったか否かはいまいち不明確。
一方で、ロゴは[オリーブ]と[ハート]をモチーフにしたと言っているわけだから、愛称も中本考案だったという線もあり得るけど、考えるとかえってわからなくなってくる。もしそうじゃなかったら、愛称はどうやって決まったの?そしてもしそうだったら、なぜこんなにわかりにくい書き方をしたの?

結局、愛称については公募結果が生かされたのか、生かされなかったのか、はっきりしないまま。となると、後者だったからこんな風に書いたんでしょという憶測も一人歩きしがちだろう。そのリスクに思い及ばない、意味あるものとは考えない、そこもまた田舎公募ということじゃないでしょうか。

因みに本公募では、募集時にはなかった話で、家族3人仲良しキャラ的な「さんかくん」というのが「ワークライフバランス応援マーク」として追加採用になっていて、その作者は同大学教育学部准教授の大西えい子。ううう、結局何がしたかったのだ。

2018年8月16日 (木)

【適当編】デザインとパロディの関係 / 批判と悪意の境界(東京五輪エンブレム自作・パロディ)

「SGMプロジェクト」のネタを書くために組市松紋パズルのことを再度いろいろ調べていたら、またもや見つかりました、東京五輪エンブレム関係のあれこれも。いささか遅きに失するけど・・・。

東京五輪エンブレム デザイン案?
五輪マーク(オリンピックマーク)パロディ?
いとうさとし(ことば漢字創作家)
自作東京五輪エンブレム6

佐野騒動真っただ中だった2015.08.16、いとう本人のブログに掲載されたもの。「おもてなし・五輪マーク」と題されてはいるものの、制作の意図としては、五輪マークのパロディというより、東京五輪エンブレムのデザイン自作の趣旨だったのではないかと思う。初回エンブレムが発表されたのは07.24、取り下げられたのは09.01、再公募の受付が始まったのは11.24だから、これの掲載時点ではまだ再公募の可能性自体相当低かったことになるが。

曰く「お遊びで作った」とのことだけれど、なかなかどうして堅実で、招致の際の滝川クリステルの殺し文句「おもてなし」の五文字を織り込んだわけです。これだったらツルも「ありがとう」や「おめでとう」でのバリエーションとか作ってみたくなるわぁ。うん、駒井 瞭の暗号みたいなのじゃなくってさぁ(笑)。(だからそれをパクりというのよ

「ことば漢字創作家」を名乗るいとうは、次のようなアンビグラムの優品も創作している。

アンビグラム 謹賀新年

ひっくり返しても全く同じ「謹賀新年」になるわけですね。

アンビグラムと言えば、昨年末、ボートレース唐津のポスターで、逆さにすると「挑戦」が「勝利」に、「戦場」が「最強」に変わるというのがちょっと話題になったっけ(Designed by 野村一晟)。そんなにスゴいとまでは感じないけど、どうやって考えついて文字を選んで創っていくのだろうとは思う。(逆に言うと、対偶的な意味の文字や単語が選ばれやすい傾向は確かにあって、そこがちょっと思考の安易さを感じさせ、品格に欠けるところではある。つまり、慣れるとすぐに飽きるんです。)

佐野エンブレムのパロディでは、嫌なものをまた見つけてしまった。

東京五輪エンブレムParody 11

批判的精神を超えて、テイストは大阪芸術大学教授 純丘曜輝のゴキブリパロディに最も近い気がする(cf. 2015.09.24「Problems in Emblems:1」・2016.05.06「野老案に目がテン! 第4回」)。

HANG'EM ALL!――コイツの首こそ高く吊るせ!!デザインを悪意の道具に使うな。

・・・いとうのデザインで「あほんだら」「くそくらえ」「しにやがれ」とかも作ってみたく・・・・・(だからそれはイカンのだってww)

2018年8月15日 (水)

【VSOP編】組市松紋パズルの「柳川さげもん」への実践的応用 あるいは おめでた三題噺(雛祭り、改元、東京五輪)

cf.
2018.02.06〜12「オリンピック/パラリンピックエンブレムの組市松紋のパズルを作ってみた(上段〜下段)」

野老朝雄による組市松紋デザインの菱形パズル、取り敢えずスチレンボードで自作してみたわけだけど、その後、どういった展開が可能なのか自分なりにいろいろ考えていた。

材質については、スチレンボードではやはり軽量すぎるし堅牢でないし、かと言って金属ではやや重々しい感もある。無難なところでは木製ならば積み木みたいで手触りがいいだろうとは思う。けれど、このデザインはその本質からすれば、白色部分はあくまで白または無色(ないしは「無」の色という意味での漆黒)たるべきもののはず。木の地肌では少々個性があり過ぎ、かといってそこを白く塗ったりしてしまっては意味がない。結局プラスチック製とするか、碁石みたいな質感のものも悪くなさそう。蛤の貝殻てことかいな(どんだけコストがかかることやら)。那智黒という手もあるわけだ(同上)。

一方、藍色部分は無地が必須というわけでもあるまい。某Fine Art系の友人と話していた時には、螺鈿の青貝とか七宝とかが挙がった(螺鈿となると、「白色部分」はやはり漆の黒でということになりますか)。
クリスタルレジンを使って、その中心に透明な青いフィルムを挟み込む、なんてのも面白いかも。透き通ったCandyとかCandleとか、あるいはガラス風鈴に近いイメージで。となると「枠」の底の土台も透明にすることが必要だろう。【東京五輪】はオリンピックが2020.07.24〜08.09、お盆を挟んでパラリンピックが08.25〜09.06、まさに猛暑の候に開催されるから(無茶やな)、涼しげなところもよさそう。

パズルそのものの進化・応用については前に少し考察したけれど、その後、透明な液晶でアナログ時計を作って、毎正時にどれかのパターンが現れてくる、なんてのも考えてはみた。でも、常識的すぎますかぁ。
ジグソーパズルの要素を採り入れて、完成すると蒼い地球の姿になるなんてのも五輪のコンセプトには合っているかも、虫喰いモザイクだけど(BGM by 松田聖子「瑠璃色の地球」& 中森明菜「瑠璃色の地球」)。でもやっぱりこれはジグソーパズルに向く性質のものではない。

あれこれ考えていたら、いっそ超小さいサイズでたくさんのパターンを作って、筑後柳川の「さげもん」風に仕立てても目を惹くのではないかと思いついた。

ツルのもともとのルーツ、福岡県南部の筑後地方、特に柳川あたりでは、【雛祭り】の時に段飾りに加えて「さげもん」と呼ばれるつるし雛を飾る習わしがある。

柳川さげもん

昔、ツルの姪っ子(=姉の娘)の初節句の時にも飾ってあって(その時初めて知った気がする)、とても華やかで綺麗だった。確か姉の旦那のおばあちゃん(=姪の曾祖母)が柳川毬づくりを趣味にしてらして、それをメインにしたものだったように記憶していますが。

同趣旨のものは他にもあり、有名どころでは伊豆の稲取の「雛のつるし飾り」、山形の酒田の「傘福」と、なぜか日本各地に隔離分布してる感じ(他の地域にもきっとあるだろうけど)。この三地域が寄り合って「全国つるし飾りサミット」なんてのも開催されてたりするらしい。最近は地域興しの意味もあってか、復権してきているように思われます。数年前、春先に柳川を訪ねた際、いろんなところで見かけて、昔より盛んになっていると感じました。

伝統的「さげもん」の基本型では、小さな飾り物アイテムを50個内外作ってワンセットとして(「人生五十年」の名残)、それを2基こしらえて対でつり下げるものとされる。つまりアイテムが100個程度要る(;゜∇゜)。

でも、全部このパズルで作らなきゃいけないわけではないし、ああそうか、重複を許してもいいわけだし、美しいパズルパターンをいろいろ考える手間は省ける余地が大きいわな。
もっと自由に発想するなら、パズルの3種類の菱形ピースをそのまま1個のアイテムと数えれば、それで60個の飾りができちゃう。むしろそっちの方がこのパズルの本質には合致している気がしてきた。となれば、「60個×2基」をベースとして、残り60個の飾り物をなんとかして作ればいいことになる。

他方、私事ながら、京都に住んでる姪っ子がおめでた中でして、確か来月が臨月。遂にツルも「大叔父」になります(そして56歳になっちゃう)。姪っ子は父方母方とも筑後にルーツを持つ。かつ、その旦那もまた筑後の人!で、ツルとしては産まれてくる赤ちゃんの性別がとりわけ気になってたんですが(上述の意味合いでね)、これがまさに女の子だそうなんですよ
実は、旦那の職業はお坊さんで、筑後の実家もお寺、今京都で住んでるのもさる大きな寺院の塔頭。本堂とは言わずとも、仏間にでもそんなものが飾ってあったりしたら、誠に似つかわしいことでありましょう。いとつきづきし、いとあらまほし。

おおー、これはもう実行に移すしかないではないか!!誰かが背中を押している!!一族総出で「組市松紋入りSGMプロジェクト」を発動せんものと動いております(「SGM」は「さげもん」ね)。新しい世代の誕生をことほぎ、健やかな成長を願って。もちろん、当の姪っ子夫婦にはサプライズでだけど。既にこの姪っ子のお姉ちゃんには前からご内意いただいてまして、このお盆に大々的に(でもないけど)ブチ上げるつもり。いろんな人を巻き込んでさ。

自分たちで作ろうといっても、言い出しっぺのツルも「さげもん」のことはこれ以上詳しくないし、ましてや正式な作り方なんて。手先はそこそこ器用な方だと思うけど、スキル的にはさすがに、毬をかがったり毛糸を編んだり、端布やフェルトでぬいぐるみ作ったりなんてのはやったことがない。でもできる範囲で、皆でアイデア出し合ってちょっとずつね。

「さげもん」にもいろいろな決まりごとがあることは知っているし、ちゃんとしたものをどなたかが贈るかもしれない。でも、近年はいろいろ自由なものも作られるようになってきたとも聞いています。あの時柳川でずいぶんポップなものも見かけたしねぇ(微笑)。
別に、全部のアイテムを手芸で手作りなんて堅苦しいことは考えず、ちっちゃいぬいぐるみ買ってきてつけちゃったり、携帯のチャームみたいなものを混ぜたりしてもいいと思うわけ。アイテム数がどうしても集まらなければ、ミニタイプにしたっていいじゃないかとも思っている。

既にリサーチは始めてまして、手始めに蒲田のユザワヤに行ったら、今どきのこととて数多の手芸材料の中、「さげもん製作キット」は言うに及ばず「手かがり毬製作キット」なんてのまで売られていた!上部の輪っかまで売ってるんだぜ!!早速見境なく買い込んでしまったオッサンです。あ、そだ、食品サンプルとかも使えるかも!合羽橋行ってみなくちゃ。

Target Dateは来年春の弥生三月、【改元】前の平成最後の桃の節句の頃。まだ時間に余裕はある。もちろん、そこそこChallengingな創作&作業になりそうな気もしてますが。

乞う御期待!!

2018年8月14日 (火)

【適当編】おどま勧進 かーんじん あん人たちゃ よか衆(環境みらい下関・バララン)

〔五木の子守唄の「勧進」は、仏教用語たる本来の用法から転じて「乞食」を指すとされる。本稿では「spec workに吸い寄せられる公募ガイダー」程度の意味〕

(承前)

井口一族の場合、旦那がそうなら嫁はこう。

山口県下関市
特定非営利活動法人 環境みらい下関
キャラクター
(優秀賞)
井口千鶴子(67歳:群馬県高崎市)
環境みらい下関(千鶴子案)

同法人の10周年の節目を記念し、2012年6月に発表されたもの。適当編だからもう繰り返さないけど、例のパターンの井口コレクションがまた増えたってだけの話。

入賞者の顔ぶれは以下のとおりである。

〔シンボルマーク部門〕
(最優秀賞)
当具 薫(72歳:三重県名張市)

(優秀賞)
高橋浩二(45歳:下関市)
松成 薫(18歳:東京都世田谷区)
石川浩基(30歳:愛知県岡崎市)

〔キャラクター部門〕
(最優秀賞)
堀江 豊(62歳:広島県廿日市市)(cf. 2013.02.07「キャラ自ずと似るとは聞きしかど」)
環境みらい下関キャラ

(優秀賞)
井口千鶴子

(佳作)
前田昌克(56歳:大阪市北区)
伊達智美(50歳:神奈川県横浜市)

〔ロゴタイプ部門〕
(最優秀賞)
峰尾裕己(62歳:東京都港区)

(優秀賞)
幅田朱美(45歳:大阪市北区)
ミウラナオユキ(49歳:北海道札幌市西区)

作者が還暦を越えている場合は養老加算として1.25倍に加点するという裏マニュアルがあったそうで。(ウソ)

ひょっとしたら「井口やすひさ」というのも、靖久&千鶴子のユニット名というぐらいの意味合いで使っているつもりなのかもしれないな。実態は闇だが。

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(2012.06 環境みらい下関インフォメーション 第108号 抜粋)

〔前略〕

このたび、当法人によります「シンボルマーク等」の募集をいたしましたところ、全国の幅広い多くの方々から、シンボルマーク部門520作品、キャラクター部門371作品、ロゴタイプ部門167作品 合計1,058作品という多くのご応募を頂き大変感謝しているところです。
ご応募いただいた作品につきましては、3回の選考委員会の中で、各次選考毎に、前回選ばれなかった作品の復活を繰り返しながら、二次選考後、シンボルマーク部門70作品、キャラクター部門28作品、ロゴタイプ部門30作品が、三次選考後においては、シンボルマーク部門22作品、キャラクター部門20作品、ロゴタイプ部門14作品が、四次選考後においては、シンボルマーク部門6作品、キャラクター部門4作品、ロゴタイプ部門7作品が選考(絞り込み)され、最終の五次選考において、各部門(シンボルマーク部門:最優秀賞1点、優秀賞3点、キャラクター部門:最優秀賞1点、優秀賞1点、佳作2点、ロゴタイプ部門:最優秀賞1点、優秀賞2点)の入賞作品を決定、計11作品を選ばせていただきました。

〔後略〕
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えっと、結局、3回なの5回なの何回なの?難解。

紋切り型のテンプレキャラついでに、もう一つスゴいのをいっとこう。

鹿児島県鹿屋市
鹿屋体育大学/National Institute of Fitness and Sports in Kanoya
鹿屋体育大学公式マスコットキャラクター
バララン
(作者不明)
バララン

国立大学なんですよ

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「健全で明るく活力に満ちたイメージ」をモチーフに、様々な年齢に親しまれるキャラクターをデザインしました。
キャラクターは鹿屋の名産である[バラ]を頭に、胸に大学の[エンブレム]を飾り、鹿屋体育大学を象徴しています。
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鹿屋市の花は長くカンナであったところ、2006年1月の自治体合併に際してバラに変えられた。日本一の広さを誇るバラ園なんかもあるそうです(お世話様なるべし)。かくして「性別不明の幼児アスリートに薔薇の花」というおよそ不●●な取り合わせが実現したわけ(「不思議」「不可解」だったら伏字にゃしない)。立派な[ン系ネーム]の愛称も、薔薇 + ランニング、の意味だそうな

そこら辺はまあいいですよ。でもさ。こういうのはどうなるわけ?

【2014.01.26「泣きキャラ評定記 甲ノ巻」】
埼玉県比企郡鳩山町
マスコットキャラクター
はーとん
前田まさかつ(東京都目黒区)
〔2011年11月3日発表〕
はーとん

【2014.01.28「泣きキャラ評定記 乙ノ巻」】
千葉県習志野市
谷津遊路商店街
キャラクター
やっぴー
前田昌克(大阪市北区)
〔2011年5月制定〕
やっぴー

【2014.01.26「泣きキャラ評定記 甲ノ巻」】
大阪府大東市
マスコットキャラクター
ダイトン
前田まさかつ
〔2011年11月3日お披露目〕
ダイトン

【2013.01.05「泣きキャラ そして 大阪−東京、漢字−ひらがな」】
新潟県村上市
観光キャラクター
サケリン
前田昌克(大阪市)
〔2011年5月制定〕
サケリン

作者不明と書いたのも無意味なほどです。バラランの制定時期は不明だけど、はーとんと近接しているのは間違いなかろう。
こんなことで大学の先生やったりしてるわけ?それでほんとにいいわけ?「何」を教えるわけ?(cf. 2017.07.25「前だけを見ていけ!誰ならぬ己に克つべし!:転」)

♪よか衆 よかキャラ よかマーク・・・

2018年8月13日 (月)

【適当編】おどま紋切り もーんきり 盆から先ゃ いちゅんどー(ゆらてく)

〔ご当地違いじゃが仕方がない。超めちゃくちゃやけど、福岡帰省中にてダラダラ適当でよかろ〕

紋切り型テンプレートどおりの顔入りマークて言うたら、やっぱこの一族にも出てもらわにゃ済まされんごとある。

沖縄県うるま市
うるま市生涯学習・文化振興センター「ゆらてく」
シンボルマーク
井口やすひさ(70歳:群馬県高崎市)
(施設愛称)
前原武光(74歳:うるま市)
ゆらてく

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うるま市の頭文字[う]をモチーフ、市民の交流を“笑顔”で表し、自然豊かなエコ環境にやさしい同センター周辺と多様な施設の連携による絆と魅力発信をイメージし、活気にあふれる「うるま市文化・生涯学習センター(仮称)」の未来像をアピールしています。
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2016年4月に、同センターのオープン(2017年4月)に先立って発表されたもの。以下の受賞コメントを記した直筆サイン入りPDFも同市サイトで公開されとります。

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〒370-31XX 群馬県高崎市箕郷町○○XXXX-XX
(有)井口デザイン研究室・井口やすひさ
(日本タイポグラフィ協会会員)
iPhoone: 080-XXXX-XXXX
自宅: 027-XXX-XXXX
E-mail: iguchi7@xxxxx.xxx.ne.jp
http://www.typograpy.or.jp/who/portfolio/iguchi_y

この度は、貴市「ゆらて うるま市生涯学習・文化振興センター」
シンボルマークデザインを採用くださり、まことに光栄に存じ、
ありがとうございます。
シンボルマークの作者におきましてのは“我が子同然”の愛しい娘が、
お嫁に行く心境を込めてデザイン制作させていただきました。
市民の皆様方が、「ゆらてく うるま市生涯学習・文化振興センター」と
ともに末永く可愛がってくださいますことを
心よりお願いいたし、厚く御礼申し上げます。

グラフィックデザイナー
井口やすひさ
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井口やすひさ 受賞コメント

あら、いかにも「グラフィックデザイナー」らしいきれいな字。でも、こっ、こんなところまでタイプミスがあるなんてえぇぇっっっ!しかも3ヵ所もっっっ!!!(もちろん実際のPDFは伏字じゃありませんよ)

少なくともこのガイダーの場合、「我が子同然」などという物謂いは決して信用しません、ツルは。だってこうだもん。

【2016.10.23「デザイン文化に対する暴挙を許すな」】
奈良県生駒市
公共・公益イベント「イコマニア」認定制度 ロゴマーク
駒井 瞭
〔2016年6月発表〕
イコマニア

ア、失敬失敬、これは瞭くんやった。

【2018.07.02「其の村は平成の歴史と共に在り」】
宮崎県西都市
市制施行60周年 記念ロゴマーク
(優秀賞)
井口やすひさ
〔2018年3月発表〕
西都市60周年(やすひさ案)

一方、市内限定の愛称公募で採用された前原の受賞コメントも、『愛称 「ゆらてく」(ユラティク)に込めた思い』と題して掲載されている(適宜抜粋)。

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1 方言は琉歌や歌・三線、舞踊、組踊、芝居など沖縄の伝統文化の基礎であり、最近は方言への関心が集まり学校現場でもその指導がなされている。うるま市の施設に「いちゅい具志川じんぶん館」や「きむたかホール」等があり、愛称に島の言葉・方言を使うことにする。
3 生涯学習・文化振興のセンターの設置目的からして多くの市民が参加して活動、学ぶことに其の存在意義があり、「さあさあ市民の皆さん寄って来なさい」と呼び掛けの意味を込めた愛称にする。
4 子供たちが「ゆらてく」の名称を通してその方言の意味を考え、施設への関心の高まることにも期待する。
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久しぶりに、こんなきちんとした直球コメントを読んだ気がします、ご当地公募で。
ネット上の情報では、前原自身、琉歌に造詣が深いようである。「ゆらて」はうちなーぐちで「寄り合って」、「く」は「来なさい」の意味で、発音は「ゆらてぃく」となるそうな(琉球語は母音が弱勢に流れやすい)。因みに「いちゅい」は「勢いのある」、「じんぶん」は「(生きていく上での)知恵」だとか。「きむたか」は「肝高」で、琉球の古代歌謡集「おもろさうし」によく見られる言葉であり、「心豊か」「志の高い」「品位ある」などを意味する。ご当地の勝連の間切(まぎり≒町村)や城(ぐすく)の高い文化に対する美称でもあったらしい(旧 中頭郡勝連町(なかがみぐん かつれんちょう)は平成大合併を経て2005年4月からうるま市の一部)。

施設愛称は賞金3万円、シンボルマークは賞金5万円。ツルに言わせりゃ後者は5千円でお釣りが欲しいってぐらいな結果ですがね、うるま市教育委員会教育部生涯学習振興課公民館係さん(堂々の23文字)。
無論、銭金の問題ばかりではない。結局、「きむたか」や「じんぶん」ってあたりの話なのでは?

2018年8月12日 (日)

【適当編】もう一つのLove & Peace(航空100年・マルちゃん・うべ元気ブランド)

(承前)

昨日の続きです、いまいちやる気の出ないネタだけど。

前回触れたとおり、2009年9月結果発表の航空100年の公募では、次の作品が次点に入っていた。

東京都港区
財団法人(現 一般財団法人) 日本航空協会
「空の日」・「空の旬間」実行委員会
航空100年シンボルマーク・ロゴ
(優秀賞)
工藤和久(45歳:青森県弘前市)
航空100年(和久案)

これを見た時、アレ?と思った。既視感が強くってねー。全体のフォルムのこととか↓ではなくって。

【2015.06.07「深く果てしなくあなたを知りたい」】
愛媛県八幡浜市
合併10周年 ロゴマーク
工藤ハツネ
〔2014年12月発表〕
八幡浜市10周年

工藤ハツネは言うまでもなく、和久の母親名義。↑この時は77歳とクレジットされていたから、4年ほど経った今では傘寿を超えたことになる(存命ならば。しかしこのところ、父親の元市名義ともども新作は出ていないようである)。

左の顔がこれ↓に似とるんじゃないかとか、そういうことでもなくてですね。

東京都港区
東洋水産株式会社
ブランドキャラクター
マルちゃん
マルちゃん

♪あーかいきつねと
 みどりのた・ぬ・き

問題は右の顔。これとの相似です。

山口県宇部市
うべ元気ブランド認証マーク
工藤和久(青森県弘前市)
うべ元気ブランド

おっと、こっちの左の方がマルちゃんには似てるかもぉ(爆)。

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宇部を[ひらがな]で表現し、[緑]は大地と青葉、[青]は空と海、[橙]は太陽で、豊かな自然に恵まれた宇部市をデザイン。
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そんなのが「マークコンセプト」だなんて、どう考えてもおかしいよ。図柄同様、決まりきったコトバをただ捏ねくり回しただけじゃないか。どこに「宇部らしさ」があるというのだ。(ひらがなの[うべ]です、なんて言ったら張り倒すぞ。)

商標登録は2014.01.17に取っているけれど(第5643693号)、制度自体は2010年から始まったので、その頃から存在しているのではあるまいか。そこまでしかわかりません。つまりは航空100年の方が古そう。

[笑顔]とは言いながら、どことなく、そこはかとなく、微妙な狂気を感じる二つの顔。うべ元気ブランドについては、愚blogの【2014.12.13「海津市キャラ間もなく命名、だというのに。」】への書き込みで、「作りが雑」と批判がついていた。

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(2014.12.14 「PAVO-KY」氏コメント 抜粋)

〔前略〕

「うべ元気ブランド」で総合芸術家のちょんぼ発見情報。青空に映えたマーク画像をデスクトップにドラックしてみましょう。あらら!?「鶏冠が葉っぱのニワトリかよ」。駄作量産体制が窺える一品です。これ登録しちゃったの?宇部市さん。登録証紙が白くてよかったが、イラレ使いは目敏いですよ。「へ」の字を「線」で描き起点と終点の間の「塗り」にシロを入れちゃっています。普通は色の付いた所に貼ってみて確認しますが。つまり「へ」を円弧とすると中の半円がシロ。HPでは斜め半分のシロが青空に映えています。一般のPCじゃイラレ.aiは開けませんから、権利者も画像データ(jpg、pdf等)しか受けてない可能性があります。それでWebデザイナーも画像アイテム扱いでスルーしちゃった。シンプルなmistakeで長く親しまれる事でしょう。

〔後略〕
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それがこのgifファイル。

うべ元気ブランド(gif)

氏の書き込み自体、ツルにとっては不愉快な記憶につながるので軽く流すけれども。

このキャラクターマーク、宇部観光コンベンション協会サイトに掲載のVersionでは顔の輪郭が表されていることが目を惹く。

うべ元気ブランド(顔輪郭)

ずいぶん印象が変わるものです。

最近は[王冠]を載っけた「うべ元気ブランド・ゴールド」というゴージャス版もできたそうで、第1回は1品のみ(日本酒:2015年7月認証)、第2回・第3回は該当なしという誠に狭き門、現在まさに第4回募集中(2018.07.11〜08.24)。さぞや地元利権が絡んでいるんだろうなあ(これこれ)。

うべ元気ブランド・ゴールド

信貴正明作「くるみん」の進化形「プラチナくるみん」(cf. 2017.11.12「ガイダー縁起絵巻:中巻」:2015年3月誕生)あたりにあやかったんでしょうが、リアルゴールドかユンケルゴールドなんぞをたらふく呑ませとけば?元気が出るよ、ホントに。

2018年8月11日 (土)

【適当編】40年後のLove & Peace?(東京顕微鏡院120周年・航空100年)

(つっても70年代前半の「ラブ・ピース」の一大熱狂を知ってる人もだいぶ少なくなったやろうね)

只今盆の薮入り中&夏バテ気味につき、相も変わらぬボンクラネタの適当リピートにてお茶を濁し度く候。さりながらちと懐かしき作者に御座候へば、地獄の釜の蓋開きたる熱暑、一刻なりとも忘らるべし。

東京都千代田区
財団法人(現 一般財団法人) 東京顕微鏡院
創立120周年 記念ロゴマーク
三好健一(グラフィックデザイナー)
東京顕微鏡院120周年

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東京顕微鏡院創立120周年の[120]をモチーフに、[12]の部分は環境、[0]の部分は顕微鏡を覗いたイメージ、健康なこころとからだをイメージして、いのちと環境を守り未来を創造する、創立120周年の東京顕微鏡院の姿を表現しています。
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そ、そんな馬鹿なコメントってある!?[12]がなんで「環境」の意味になるわけ??ツルにはわかりませんな。顕微鏡を覗き込んだらこんな顔が見えたというのであれば、一生残ることだろう、"Microscopic Trauma" として。それとも、対物レンズの側から研究者を覗き返した図ってこと!?

超渋目な団体名と公募の背景は以下の由である。

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財団法人東京顕微鏡院の前身「東京顕微鏡検査所」は、細菌学者遠山椿吉[引用註:「ちんきち」]医学博士らにより、伝染病の脅威からいのちを守るため、明治24(1891)年に創立。おかげさまで、平成23(2011)年4月、東京顕微鏡院および同財団をルーツとする医療法人社団こころとからだの元氣プラザは120周年を迎えることとなりました。皆様のご支援に心より感謝申し上げます。私たちは、これからも両法人一体となって、「すべての人びとのいのちと環境のために」という基本理念の下、いのちを取り巻く健康と生活環境衛生のさまざまな課題に取り組み、公衆衛生の向上に貢献してまいります。
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高邁な思想ですねえ。しかし、このデザインの底に流れる思想は卑俗なものである。こんな先行作品があるからです。

東京都港区
財団法人(現 一般財団法人) 日本航空協会
「空の日」・「空の旬間」実行委員会
航空100年シンボルマーク・ロゴ
(佳作)
三好健一(58歳:福岡市)
航空100年(三好案)

充分、絶句。さすがは平成大合併時の自治体章公募においてスーパーテンプレ応募で鳴らしただけのことはある(後述)。こっちは次点だったから実害はないだろとか、そういうレベルじゃないんだよね。

調べてみると、東京顕微鏡院では募集が2010.08.27〜10.15、審査・協議が10.21〜22、正式決定が10.29だったので、考慮期間はわずか2週間。類似調査プロセスを践んだはずもないと見ました。使用開始は年明けの2011.01だったので、焦る必要はなかっただろうに。
対して、先立つ航空100年は前年の2009.07頃〜08.21募集で、結果発表は09.16にホテルニューオータニで開催された『平成21年(第57回)「空の日」記念式典』後の祝賀会で行われてるから、これまた似たようなスケジュール感ですかね。国交省も一枚噛んでいながらだよ

募集側の実務がユルいところへもってきて、モラルなき公募ガイダーが跋扈すればこんなものである。せめてもの慰めは航空100年の三好作品が佳作止まりだったことだろうか。(とは言え、こうして別の公募に使い回すわけだから、それもウンザリだが。)

で、航空100年では対価として、最優秀賞にJAL国際線ビジネスクラス往復航空券、優秀賞(2点)にANA国内線往復航空券、さらに雑誌1年分やらDVDやらゲームソフトやらあれやらこれやらおまけもつけたのに(しかも7点の佳作まで設定したのに)、応募は60名から104点。対して東京顕微鏡院は賞金10万円を出し(次点設定なし)、国内外から388点の応募を集めた。やっぱり現ナマの魅力には敵わないのねえ。結果的には1/100程度の価値のものに決まったわけだけどね。
因みに航空100年の最優秀賞は小柴雅樹(45歳:兵庫県宍粟市)、そして優秀賞の中には工藤和久(45歳:青森県弘前市)も顔を出している。

そだ、書き落としてました。「空の日」は毎年9月20日、「空の旬間」は9月20〜30日で、全国の空港なんかでイベントをやってんだそうでス。で、2010年は「日本で初めて動力機飛行に成功してからちょうど100年目」に当たった由。

募集要項に;

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・作品は下記(1)と(2)を組み合わせたものをA4縦サイズ、1枚にまとめてご応募ください。〔中略〕

(1) シンボルマーク
(2) 和文ロゴタイプ「2010年は航空100年」

・応募はシンボルマーク、和文ロゴタイプの組み合わせに限ります。シンボルマークのみ、ロゴタイプのみの応募は不可とします。
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とあるのを読むまで、標語デザインも審査対象とは露も思いませなんだ

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作品は応募者本人が作成したものに限ります。他人の名前を使用した場合は失格となります。
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なる注意も出てて、一部ガイダーを腐らせ(つまり「工藤ハツネ」や「工藤元市」はNGだったはず)、ツルを笑わせたところです( ̄ー ̄)。

まあね、いずれも10年近く昔のハナシさね。

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【参考データ】

【2013.12.28「さよなら三角、まねしてまん丸 ≪三≫」】
愛媛県喜多郡内子町
町章
(優秀賞)
三好健一(?)
〔2004年2月決定〕
内子町章(三好案?)

岩手県八幡平市
市章
(応募作品0288)
三好健一(?)
〔2005年6月決定〕
八幡平市章(応募作品0288)

三重県伊勢市
市章
(優秀賞)
三好健一
〔2005年7月決定〕
伊勢市章(三好案)
 
 
【2013.12.26「さよなら三角、まねしてまん丸 ≪一ノ一≫」】
長野県安曇野市
市章
(優秀賞)
三好健一
〔2005年7月決定〕
安曇野市章(三好案)

福島県大沼郡会津美里町
町章
三好健一
〔2005年12月制定〕
会津美里町章

福井県大飯郡おおい町
町章
三好健一
〔2005年10月決定〕
おおい町章

【適当編】40年後のLove & Peace?

今回はちょっと時間差でupしちゃおうかな。

東京顕微鏡院120周年

航空100年(●●案)

2018年8月 4日 (土)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その218:ガラスケ)

(承前)

この期に及んであってはならんことがという気もするんですが(笑)、塩崎一族の古い別名義を一つ見落としておったという誠にアカン話で。

大阪府門真市
イメージキャラクター
(優秀賞)ガラスケ
塩崎ともよ
ガラスケ(ともよ案)

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ひょうきん者のガラスケは市の花[さつき]の髪飾りをつけ、[レンコン]の[小槌]をふりかざし、幸福を呼び込むことが得意です。今日も愛嬌たっぷり「ガラガラ」と鳴いています。
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「塩崎ともよ」!?何じゃそりゃあ!その名前、初めてお目にかかったぜ。前々から、「まさよ」「あゆみ」以外にも塩崎姓の女性名義が存在してもおかしくない、いや存在するはずだという仮説は立てていたけれど、それが遂に立証された感じ。

しかしだよ。
本公募のことは【2013.10.13「下ぶくれの神様 再び」】と【2017.07.08「たまにはご当地キャラクターの運用というものを」】、2度も記事にしていたのにこの名義に気がつかなんだとは。偶然、「広報かどま」2012年10月号に次点作者名が記載されているのを見つけました。

(最優秀賞)
八谷早希子
ガラスケ(最終版2)

(優秀賞)
塩崎ともよ
高柳順子

ええと、ご当地の民話なる「おすまさんと笑い猫」の主役をキャラクター化するという御題で同年3月に募集がかけられており、愛称もこのお話に因んで「ガラスケ」とすることが初めから決まっていた。だから八谷作品もともよ作品も高柳作品もガラスケです。

応募総数は93点、その中から候補10点を対象に「選抜投票」をやって投票総数2,590票に対し;

1位(八谷) 773票(29.8%)
2位(ともよ) 468票(18.1%)
3位(高柳) 377票(14.6%)

という結果だった。この結果が「広報かどま」に載ったのは2012年8月号(ただし作者名は非公表;因みにこの時までは八谷ガラスケは白目である)。

同市サイトの「市役所事務改善事例集」には、本件が「成功事例」として掲載されていて(+_+)、転記しますと・・・

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◆「成功事例」とした理由◆
(1)永続的で無限的な広がりを持つ事業であること。
ガラスケは今後門真市が存続する限り続くものであり、その活用場面は多種多様となり、今後さらに広がり続けると考えられる。このような永続的で無限的な広がりのある事業(仕組み)であること。
またガラスケは子どもを始め、あらゆる世代の市民に好感をもたれており、このことが「まちや行政の雰囲気」を明るくし、「子育て世帯の誘致・定着」という市の方針にも適合するものである。
さらに、「門真市を愛する気持ちの育成」に大いに貢献するものであると考える。

(2)費用対効果の面で優良な事業であること。
ガラスケ活用事業(ガラスケの誕生から多様なデザインの活用まで)の費用は、デザイン募集・選定・賞金の費用135,000円、デザイン委託費用200,000円などであり、少ない費用で大きな効果を生んでいると考える。

(3)さまざまな職員の自発的な創意工夫による事業であること。
ガラスケ活用事業は、担当課職員のみならず、様々な部署の職員が、あらゆる場面、あらゆる資料などにガラスケを活用することを積極的に行っている。
このことがガラスケの知名度を上げることのみならず、事業の広がりをより大きなものにしている。
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率直に申しあげて、馬鹿じゃないかと思う。手前味噌もいい加減にしやがれ、である。
特に大きな問題なのは(2)です。(1)や(3)は主観と判断の入り込むところであるから、二百歩ぐらい譲って取り敢えず目をつぶることとしよう。しかし(2)は事実の認定に問題あり。同じ資料には費用の内容が次のように出ている。

入選者謝金 110,000円(最優秀賞1点 50,000円 + 優秀賞2点 各30,000円)
投票者謝礼 25,000円
デザインバリエーション作成委託費用(42パターン:入札) 200,000円
着ぐるみ作成費用(2体) 1,113,000円
活動委託費用 993,600円
PRグッズ(クリアファイル・手ぬぐい等)作成費用 352,500円

対象期間は2011年〜2013年3月であるらしい(とは言っても公募結果の発表が2012年8月だから、実質的にはこれらの費用発生は2012年度中つまり「2012年4月〜2013年3月」のことだったと思われる)。
着ぐるみの作成費用と運営費用、〆て約200万円也を無視しているではないか。さらに別添資料には、同年度に;

ラッピングバス ラッピング費用(3台) 199万円

なんて費用も発生したとあって、あまつさえこんなことまで書かれている。

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ガラスケラッピングバスの運行
京阪古川橋駅から地下鉄門真南駅への南北の路線をコミュニティバス(京阪バス)として、運行(交通不便地域の解消)。
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それ、違うでしょ。行政が「交通不便地域の解消」を図ることと「バスにキャラクターを描く」こととの間に本質的な関係はない。

わざわざ「費用対効果の面で優良な事業」なんて書きながら、なぜこれらの費用を除外したのか。Initial Costだけ勘定に入れて、Running Costは考慮しないなどという馬鹿な理屈が、どこの世界でまかり通るか。よく読むと「ガラスケの誕生から多様なデザインの活用まで」とカッコ書きされているから(限定用法だとは思わなかったが)、意図してのことであろう。
成功事例としてもてはやすのはご当地の勝手だけれど、ここまでくるとそれは事実から目を背けるものであって、優良誤認ということに他なるまい。三百歩譲って縦割り行政の弊害である。

昔の話と言うなかれ、この事例のことがまとめられたのは2015年9月になってからです。

民間企業でそんなユルい総括してたら、寄って集ってアナリストや投資家連中から総スカンの集中砲火、袋叩きに遭うことだろうよ。もう、自分たちでやらずにしっかりしたコンサルに任せれば?それとも徳島大学みたいに「クラウドソーシング」とかでさあ

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