« 【本編のおまけ】海の幸、山の幸: Mission #1(小田原地魚大作戦・スパイ大作戦) | トップページ | 【加筆編】佐賀は田舎だ。しかし文教県ではなかったのか?(佐賀県遺産 vs 高野町町制90周年&富貴村合併60周年) »

2018年8月28日 (火)

【本編のおまけ】海の幸、山の幸: Mission #2(あるでぃ〜ば・パープルマム)

(承前)

TOTOCO小田原

TOTOCO小田原のロゴ↑を見た時、ちょっと前に訪れたこのご当地で見かけたデザイン↓との対比を考えたりしていた。

青森県三戸郡階上町
はしかみ ハマの駅 あるでぃ〜ば
ロゴ
あるでぃ〜ば

割と印象に残ってたんだよね。「漁港の駅」と「ハマの駅」、名前は似てますが、こちらには[山]も描き込まれている。初めは海というより川の[魚]のイメージじゃないのという気もしたんだがぁ(笑)、つまりは前回書いた「海が森ないしは山とつながっていること」という文脈で読み解けよう。そのことはむしろこのロゴの方が明確に表しているのではないか。制作意図は公表されていないけれども。

ご当地の北隣、八戸市にある八戸工業大学に依頼され、学内コンペにより作成したものらしい。町役場とcommunicationを取りながらdesignしていったそうだから、いわゆる公募とかspec workとかの範疇には入らないんでしょう。

時系列に沿ってネット上の情報を追っていけば。

-----
(2017.10.17 八戸工業大学 感性デザイン学科 Picbear)

来春開業予定のハマの駅に関わるデザイン活動について、階上町産業振興課の方と打ち合わせをしました。学科と学生が地域の人と協創して、海辺のまちの活性化に取り組もうとしています!
-----

-----
(2018.02.10 東奥日報)

海産物の産直やレストランなどを備えた青森県階上町の施設「はしかみ ハマの駅 あるでぃ〜ば」が来春開業するのを前に、町内で準備が本格化している。軽食のメニューは階上漁協女性部が、青森市の専門家の助言を受け開発中。ロゴは隣接する八戸市の八戸工業大学の学生が、町民の思いを聞き取りながら制作を進めている。豊かな海の魅力を伝えようと、関係者は町の外からの目線も取り入れて知恵を絞っている。
-----

えーと、正しくは「今春」ね。もうオープンしてるし(笑)。結構制作に時間をかけたんだ。

-----
(2018.04.11 河北新報 抜粋)

青森県階上町が浜のにぎわい拠点として、東日本大震災の津波で被災した大蛇地区に整備した漁業支援施設「はしかみハマの駅あるでぃ〜ば」の完成記念式典が10日、現地であった。5月19日にオープンする。
水産庁の水産業競争力強化緊急施設整備事業を活用し、事業費は2億4900万円。鉄骨一部2階で延べ床面積約545平方メートル。海産物の産直所、海の見えるレストランのほか、魚食普及に向けたイベントなどができるPRコーナーや研修室、調理室もある。
公募で決まった名称は方言の「あるでば」から取られ、「ここに来れば浜のものがあるでしょう」などの意味が込められている。施設のロゴは八戸工業大(青森県八戸市)の学生がデザイン。町や階上漁協などの関係者による「はしかみふるさとラボ」が運営する。
-----

これ、ネーミングセンスがすごいと思った。東北の片田舎の(失礼)方言が "Al Diva" みたいな欧州語圏の横文字めいた言葉になっちゃったわけだから。ツル的には "TOTOCO" より「海外の方にも受け入れられる」名前だと思うがなー。
所在地はフルで書くと「青森県三戸郡階上町大字道仏字大蛇203-208/あおもりけん さんのへぐん はしかみちょう おおあざ どうぶつ あざ おおじゃ」。海のすぐそばにある「ハマの駅」です。
因みに文字デザインも学生による。出来合いのロゴタイプではなかったわけよ、どこかと違って。

TOTOCO小田原(ロゴタイプ入り)

-----
(2018.05.19 NHKニュース 青森 NEWS WEB 抜粋)

19日は、完成したばかりの施設の前でオープンを祝う式典が開かれ、浜谷豊美町長が「ハマの駅を水産振興や観光の拠点として、階上町の魅力を全国に発信していきたい」とあいさつしました。
式典のあと、ハマの駅がオープンすると、多くの客が訪れ、階上町の港や八戸市の港などで水揚げされたヒラメやイカなど、新鮮な海産物を買い求めていました。
-----

確かに、値段がすっっごく安かった気がします(元 博多っ子の感覚からしても)。お盆には開業3ヵ月足らずで来場者10万人を超えたそうだから、まずは幸先のいいスタートなんだろう。
海の恵みについてはここまで。

一方、山のもので言うと、感性デザイン学部感性デザイン学科(2018年春から学科名を創生デザイン学科に改称)では昨秋、こんなものを制作したりもしている。

青森県三戸郡階上町
パープルマム研究会
食用菊「パープルマム」商品ラベル
杉山 舞(八戸工業大学感性デザイン学部感性デザイン学科1年)・藤村安里紗(同)・佐藤美紀(同)
パープルマム

左が生食用、右が加工品用。11月5日の発表会の時にはお茶会も開いたそうな。

この新しい作物は、昔からある超普及品種「もってのほか」の改良品だとか。ツルはそんなところから新品種が生まれてきた、そこにむしろ驚きました。「マム」は「母さん」の "Mom" ではなく、キクの英名 "Crythanthemum" の一般的な略語 "Mum" のことです。

この取り組みにツルが注目する理由はいくつかある。
まず、品種改良と商品開発が、階上町の菓子店「ラ・ドゥルセリア美松」の小松國男代表(70歳:同研究会の会長でもある)を中心として行われたこと。漁業にも携わりながら菓子職人の道を歩んだという経歴を持つ御仁で、ご当地食材を使った商品開発に積極的。鯖とリンゴを使ったスイーツ「サバップル」はもはやご当地の名物なる由です。
かつ、工学部のバイオ環境工学科(2018年春〜 生命環境科学科)の若生 豊教授(66歳)も関わったこと。研究は2011年から進められていたらしい。ご当地を含む青森県南部では食用菊といえば栽培が盛んなのは黄花の「阿房宮/あぼうきゅう」であって、紫花の「もってのほか」(※)は山形県を中心とした外様の品種であった。山形に殴り込みをかけたとも言えようし、黄色と紫、よりカラフルな品揃えにもなるというわけ。フラボノイドの組成が違っていて薬効も異なるんだそうな。

(※)山形県庄内地方の「延命楽」、新潟県の「かきのもと」と基本的に同じ品種であり、他にも地方によって異なる呼び名がある。

さらに、同学としても、八戸市の行政とは割と絡みがあるものの、階上町側での連携はこれまであまりなかったらしく(一方、同学の敷地は階上町に接しており、学生の下宿先はむしろ同町に多い由)、その点でも「ご当地」の裾野を広げる試みだったことになる。

官学共同や産学共同という言葉に対しては、一応眉に唾を塗り付けてかかることにしているツルではあるけれども、こういうのは互いのモチベーションを高める一助になるんではないっすかね・・・。
特に、取り立てて難関美大や有名産地や大手企業でもない場合であってみればm(__)m。むろん、結果が伴わなければ意義も乏しいとは思いますが。

« 【本編のおまけ】海の幸、山の幸: Mission #1(小田原地魚大作戦・スパイ大作戦) | トップページ | 【加筆編】佐賀は田舎だ。しかし文教県ではなかったのか?(佐賀県遺産 vs 高野町町制90周年&富貴村合併60周年) »

Visual界:キャラクター/シンボル/ロゴ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 【本編のおまけ】海の幸、山の幸: Mission #1(小田原地魚大作戦・スパイ大作戦) | トップページ | 【加筆編】佐賀は田舎だ。しかし文教県ではなかったのか?(佐賀県遺産 vs 高野町町制90周年&富貴村合併60周年) »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想