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2018年9月

2018年9月30日 (日)

【加筆編】有難き哉、故き御寺の七五三の塔押し戴きたる:前振り

(承前)

なになに?国分寺市社協のキャラ公募では、もう一つ二つ気になる候補があるだろって!? I know, I know. そのことですね。

でも、その前にまず、田舎公募の田舎公募たる所以を押さえておくと。

2017.11.15〜12.15 募集(メール応募あり)
2018.02.15 同社協広報誌「国分寺市社会福祉だより ふくし」第215号で市民投票告知
2015.02.15〜03.15 市民投票(Web投票あり)
2018.05.15 「ふくし」第216号で「国分寺市社会福祉協議会法人化50周年 民生委員制度創設100周年 記念式典」開催告知
2018.07.01 同式典で発表・表彰
2018.07.04 同社協サイトで式典開催報告
2018.09.15 「ふくし」第217号で式典開催報告・キャラクター発表

全体的に、ダラダラやってたんですよねえ。Timely Disclosureなんて考えは毛頭ない。ツルが本件公募に気づいて原稿を書き始めたのは、投票実施中の3月でしたが。

細かく見ていくと、市民投票については、募集要項に;

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12月15日の応募締切後、選考委員会にて第一次通過作品(20点)を選定。第一次通過作品を、2月15日号社会福祉だより「ふくし」および、各社協窓口にて市民投票を行う。市民投票の結果をふまえ、選考委員会で最優秀賞1点、優秀作品5点を選定、決定する。

※一次審査の結果、募集日程の延長や選考方法を変更する場合あり。
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とあって、Web投票は当初予定されていなかったことがわかる。それもまあ、どんなもんだか。(Web投票を実施したことについてではない。計画立案がグダグダじゃんと言ってるだけ。)
この投票数値は、結局最後まで公にされなかった。

結果発表については;

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(1) 入選発表
入選者へ直接通知するとともに、社会福祉だより「ふくし」、ホームページに掲載する。また、平成30年7月1日に開催する「国分寺市社会福祉協議会50周年記念式典」にて発表、表彰する。(予定)

(2) 賞 金
最優秀賞 1点 50,000円
優秀賞 5点 5,000円
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と記載があったので、そこは予定どおりだったんですが、07.04サイト掲載の式典報告では;

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〔前略〕

また、社協新マスコットキャラクター「ふくすけ」の発表を行いました。

〔中略〕

なお、詳細につきましては、改めてご報告させていただきます。
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とあるだけで、他には写真も何も一切なし。次点5点がどうなったかも不明。ツルとしてもネタの書き進めようがなくなっちまったわけです。そこからは実に2ヵ月半の間、なしのつぶて。

ここでもう一つ、懸念事項があった。こういう時は一般に、「○○だより」等のニューズレターが情報収集の役に立つんですが、このケースでは、式典開催を告知する05.15発行(全戸配布による)の「ふくし」第216号がサイト掲載されたのは08.01前後。それもツルがさる方面に手を回して圧力をかけさせた結果です(-.-)y-~~(詳細は秘密。世の中には知らない方がいいこともあるのよ)。
祭の済んだ後になってやっと、とも言えるし、年4回、2,5,9,12月の各15日に発行という(変則的ながら)季刊にして、Web公開が2ヵ月半遅れるという尋常ならざる事態に陥っていた、とも言える。ツルはマジで、新年度から廃刊になったんじゃないかと疑ってました。結局、特段の理由があったわけではなく、単にサイト運営の怠慢に過ぎなかったそうだけど。

その次の号はタイムリーにサイト掲載されたんですが、内容を見てまたもやがっかり。

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(2018.09.15 国分寺市社会福祉だより ふくし 第217号 P.05 抜粋)

新たなスタートを歩み出す本会が、さらに地域の皆さんに親しみをもっていただけるようにと「ふれあい」「支え合い」「国分寺」をイメージしたキャラクターを公募し、156点の応募をいただきました。ありがとうございました。
厳正なる審査の結果、第一次選考で20作品が選ばれました。さらに市民投票の結果をふまえた最終選考で、岸田悠花さんの作品「ふくすけ」をキャラクターデザインとして採用しました。

〔中略〕

厳正なる審査の結果、最優秀賞(1点)、優秀賞(5点)が選ばれました。

最優秀賞
ふくすけ
デザイン:歌工房

優秀賞(5点)
ふくにゃん
ふくせみくん
ふくぴい
なな坊
シャきょ〜ん
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つまり、次点作品の作者名は伏せられた次第(画像は出ているけれど)。がっくし

以上が、2018.07.21に書いた【その217】の佐倉市社協「ふうりっぷ」↓より、本記事UPが大幅に遅れた理由です。

2017.10〜11.30 デザイン募集
2018.03.01 「社協さくら」第193号でデザイン発表
2018.03.15〜03.30 愛称募集
2018.07.01 「社協さくら」第194号で愛称発表

いいペアリングだと思っていたのにww、ひどく間延びしちゃった。

戦後、行政とも連動する形で日本の地域福祉を支えてきた「社会福祉協議会」というモデルは、社会構造の変化とともに各地で大きな苦境に立たされている。各種NPOの抬頭で割を食ってるところもあるだろう。
同社協のサイトには、「(仮称)国分寺市社会福祉法人連絡会」を立ち上げるという件も載っているけれども、それも平成30年9月の今なお「平成29年度には、社会福祉法人の連絡組織を結成し、国分寺の地域福祉推進をすすめてまいります」との記載にとどまる。ほとんど法螺。
サイト管理のマンパワーにも支障が出るほどになっているのであれば(笑)、キャラクター作成だの連携云々だのより、まず自身の運営と組織を改革すべきではないのか。それはこれからの社協に何ができるかということに向き合うことでもあろう。利潤追求団体ではないから経済効率第一に考えることはできない、それはわかっている。だからこそ、腕の見せどころ、知恵の振るいどころでしょ。
無論、ご当地に限った話ではないけれど。

(続く)

2018年9月29日 (土)

もはや盡きせぬ無明の闇キャラ(その24:ハーティー)

【前口上】

本件については、前々から注意深くウォッチしていました。採用結果は7月初旬にごく簡単にサイトに載ったんですが、詳細がずっと公表されずしびれを切らしてたら(【もうやめようよ】にカテゴライズするか【無明の闇】にするか、違ってくるからね)、9月も半ばに入ってやっと広報誌に載りました。そんでもってこれがまたでして・・・。とんでもねえ田舎公募だぜ。

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(承前)

【その217】の千葉県佐倉市社協とほとんど同時に進められていた関東地方の社協のキャラ公募からお一つ。

東京都国分寺市
国分寺市社会福祉協議会
マスコットキャラクター
(市民投票候補作品 No.17)ハーティー
(作者不明)
ハーティー

2017.11.15〜12.15に募集された公募で、2018.02.15〜03.15に市民投票にかけられた候補20点の中に入っていたもの。採用作の発表は一応、07.01(大伏線;佐倉市社協「ふうりっぷ」の愛称発表と同じ日だ!)。次点ぐらいには入るかと思っていたら、それも叶わなかったことが09.15発行の広報誌「ふくし」第217号で明らかになった。

こちらは例によって、デザインも愛称も[ハート]尽しの様相です。

≪やっぱ社協の心は[ハート]やで≫

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国分寺市の木[けやき]のかぶりものをかぶり、国分寺市の花[さつき]の髪飾りをつけた福祉の妖精です。
[ハート]の耳でやさしさ、ささえあい、ふれあいをイメージ。見て頂く方に福祉をイメージできる可愛くて優しいキャラクターです。
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市の花+[ハート]の[wand]+[ハート]の耳+[ハート]のボタン+[全国社協マーク]+[団体名]+[前髪ちょろ]と、地味に見えて実は粋で鯔背な塩キャラ盛りアイテムフル装備状態。こりゃまた塩崎一族で間違いないでせう。

おばさんパーマ的ボコボコ頭が市の木だとは思わなかったけど、作例はこんな前からある↓。

【その2】
鹿児島県姶良市
イメージキャラクター
くすみん
塩崎歩美
〔2012年3月デザイン発表〕
くすみん

こっちの頭は国の特別天然記念物[蒲生の大クス](クスノキは市の木でもある)、花は市の花[ツツジ]&[ヤマザクラ]。お腹は[市章] by「スガッチ無限大」こと須賀裕明(cf. 2013.12.11「アは阿漕のア,T is for Trick」)。
ケヤキとクスノキ、不可逆なるところは一つしかない。すなわち前者は落葉樹、後者は常緑樹(ハーティーは冬場は禿げるのだろうか)。サツキとツツジではもう完全可逆反応です。

ボコボコ頭、他にも登場しておるがな。

【2016.06.21「PNまつり 第17弾」】
茨城県古河市
古河市社会福祉協議会
マスコットキャラクター
ももちゃん
コスモス
〔2014年10月発表〕
ももちゃん

忘れちゃならない、[ハート]の[wand]もこのとおり。

【2017.12.07「無明の闇 22」】
大阪市港区
港区社会福祉協議会
マスコットキャラクター
くしゃきょん
(作者不明)
〔2013年2月発表〕
くしゃきょん

【その166】
宮城県大崎市
大崎市社会福祉協議会
イメージキャラクター
(優秀賞)おおちゃん
滝沢 卓(大阪府)
〔2016年8月発表〕
おおちゃん

一族お決まりのアイテムには「星のwand」もある・・・けどもうどうでもいいって気がしてきた。しかし当事者にしてみればそうは問屋が卸すまい。「全国社協キャラ大集合!!」みたいなイベントが開かれたら、ChaosとCatastrophyが待っていることだろう。

それからもう一つ、[団体名]を書き入れたがるのは一族の悪い癖。これがまた最近目立ってまして。

【その202】
埼玉県入間市
入間市社会福祉協議会
マスコットキャラクター
いるまちゃん
塩崎エイイチ
〔2017年12月発表〕
いるまちゃん

採用多数のこの大御所一族の場合、こうでもしないとどこのキャラだったか自分でも忘れちゃうんじゃないかとしんみりする秋
しかし、候補20点のうち、これを書き込んだのは「ハーティー」だけ。これって「ふうりっぷ」でも補整で消されたアイテムなんだよね。安直な説明に頼るデザインメソッド。

佐倉市社協と国分寺市社協のキャラ公募、募集時期は同じでも、対比してみるといろいろ相違点があって興味深いです。

まず、採用対価。

佐倉市社協:賞金1万円 + キャラクターグッズ
国分寺市社協:賞金5万円

応募は、前者が51点、後者が156点だった。実入りの多寡が正直に結果に表れたとも言えるけど、佐倉市社協では正面図に加えて側面図と背面図も提出することとされていた。東京五輪マスコット公募の影響もあったかと思う。しかし大1枚でそこまで要求するってのはtoo demandingってもんだよ(笑)。

募集プロセスも相当違っていて、佐倉市社協の場合は人気投票は実施されず愛称は別途募集されたのに対し、国分寺市社協すなわち本件ではちょうど逆。愛称はデザインとワンセットの募集だった。

もう一つ、本件では応募資格が「市内在住、在勤、在学者および国分寺市に愛着のある方」という形で事実上誰でもOKだった。入間市社協が「入間市が好きな方」としたのと同様です。
かと思うと注意事項に「匿名、偽名での応募は禁止」とあってすごく目を惹いた。ペンネームは当然NGだろうし、広く取れば親族等の名義の借用も禁じているわけだ。明文で匿名を許容した佐倉市社協キャラの愛称募集(しかし命名者の氏名は結局公表されていない。デザイン募集だって「塩崎栄一郎」は本名とは言えない)とは真逆。

ああ、ツルは予言する、近いうちこの作品が少しだけ姿を変えてまたどこぞの公募に出てくることを。
社協キャラって安定的に公募ガイダーのカモなのね(笑)。全国の社協よ、いい加減に気づけよ。一族に軽くバカにされてることに。

2018年9月25日 (火)

【ペアリングのおまけの枝葉編】北の原野に咲く花の 匂ふが如く今盛りなり(村山産業高校・北海道大学・釧路短期大学・京都大学)

(承前)

びっくりするのは長崎の福島養源小学校 vs 山形の酒田光陵高校だけではなかった。さらに驚倒することには、両校の公募の合い中にもこんな例が転がっていた。

山形県村山市
山形県立村山産業高等学校
校章
(制作者)
池田 正(東北芸術工科大学教授)
(原案者)
小川結花(山形県立東根工業高校(現 村山産業高等学校)3年)
井口やすひさ(群馬県高崎市)
太田政宏(山形市)
村山産業高等学校

◇2013年7月 決定
◇2014年4月 村山農業高等学校・東根工業高等学校の統合により開校

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村山市の[M]と市のシンボルである、[バラ]を基にデザインしています。
「M」は雄大な山の姿を[黒い線]と[深緑色]で、純真さを[白い色]で表わしています。
農業科、工業科、そして新しく商業科を加えた三科の団結と21世紀に躍進することを願い、若さと純粋な情熱のシンボルとして作成しました。
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三人寄ったら文殊の智恵ならぬ三すくみ、没個性が残念っ(>_<)。コンセプトが長ったらしくなっちゃっただけネ。
これで[バラ]はないでしょうに。オオバナノエンレイソウ/Trillium camschatcenseをモチーフにしました、なんて仕立ててみる方がよほど小じゃれている。

オオバナノエンレイソウ

けど、それはこの名門大学でとうに実践済み

北海道札幌市北区
北海道大学
シンボルマーク
北海道大学シンボルマーク

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本学構内に自生する[エンレイソウ](オオバナノエンレイソウ=大花延齢草:ユリ科トリリウム属の多年草)を図案化したものです。昭和25年の公募による入選作を、本学創基120周年を機に修正を加え、平成8年9月の評議会において正式にシンボルマークとして決定しました。
[花弁]、[がく片]で構成された六方(東・西・南・北・天・地)への広がりは、日本や世界へ向けての本学からの情報発信を意味しています。
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この植物は寒冷地、特に北海道東部に分布し、大群落を作って茂り、花時には見事らしいです。ツルは見たことないけど。
ユリ科/Liliaceaeだと認識していたら、現在のAPG分類体系IIIではシュロソウ科(メランチューム科)/Melanthiaceaeちゅうのになっている。もともとユリ科というのは、異なる(かもしれない)系統の植物を便宜的に集めておいたものらしく、大再編の嵐に吹きさらされてます。

オオバナノエンレイソウ、道東のここもね。

北海道釧路市
釧路短期大学
校章シンボル
釧路短期大学

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緑ケ岡学園の北側斜面に毎年6月に入ると花を咲かせる[オオバナノエンレイソウ]
清楚でつつましい花のイメージから学園の象徴としています。
学園の校章デザインは、このオオバナノエンレイソウをモチーフにしています。
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他にもいろいろあるんだろうな、きっと。

昔使われていたこれ↓も形は似てますが。

京都市左京区
京都大学
襟章
玉田勝美(勝英?)(京都大学法学部3回生)
京都大学 襟章

でもこちらはウマノスズクサ科カンアオイ属のフタバアオイ/Asarum caulescensなの。葵祭や、上賀茂神社・下鴨神社の御神紋に因むもの。徳川家の三つ葉葵紋を「頭合せ」から「尻合せ」に組み換えた形とも言えます(cf. 2009.03.09「遺遺遺遺遺 家紋夜話」)。
オリジナルはこちら↓。

〔1949.04.11 学園新聞(現 京都大学新聞)第117号〕
1949.04.11 学園新聞

戦後になって作られたものだったとは知らなかった。80年代にはこれが学章としての扱いだったと思うんだけどねー。

さて、村山産業高校で目を剥いたのは、エンレイソウもどきに対してではない。やすひさが素材(画像非公表)にされているためでもない。ひとえに、酒田光陵高校と同じ人物が「制作者」としてクレジットされているからです。
山形市の東北芸術工科大学といえば、2005年5月決定の庄内町章や同年10月決定の酒田市章でアドバイザーについた教授上條喬久とか(cf. 2017.01.15「大御所の罪:その2」・2016.11.24「・・・うす紅の花びら こぼれた:2番」)、2015年11月決定の米沢市の置賜自給圏推進機構シンボルマークで審査委員長として自らの教え子を選んだ准教授赤沼明男とか(cf. 2016.05.24「問題の本質は何処に・・・」)、とかく県内に広く顔が利くわけである。因みに私学。

はー、しかしだよ、そうなるとますます、池田センセの立ち位置はどう考えればいいわけご当地のデザイン文化の向上に真に貢献しているんですかね、山形県の教育委員会は。

2018年9月24日 (月)

【ペアリングのおまけ編】制作と補作の差異;選考における融合のご参考(酒田光陵高校)

(承前)

前々回見た、公募で集まった作品を素材として利用して最終的なデザインを制作する、というやり方には確かに結構驚いた。

長崎県松浦市
松浦市立福島養源小学校
校章
(参考作品)
奥野和夫(神奈川県横須賀市)
工藤和久(青森県弘前市)
(制作)
上地貴典(株式会社アクト 代表取締役)
福島養源小学校

◇2015年3月 決定
◇2016年4月 福島小学校・養源小学校の統合により開校

さりながら、こうしたやり方も以前からあったもののようである。

山形県酒田市
山形県立酒田光陵高等学校
校章
(参考作品)
奥野和夫(グラフィックデザイナー)
佐藤泰輝(山形県立酒田工業高等学校(現 酒田光陵高等学校)3年)
(制作)
池田 正(東北芸術工科大学教授)
酒田光陵高校

◇2010年11月 募集
◇2012年4月 酒田商業高等学校・酒田工業高等学校・酒田北高等学校・酒田中央高等学校の統合により開校(酒田中央のみ市立)

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学校名の「光陵」を基にしてデザインしました。
[光]の文字をベースにして、「陵」については文字ではなく、線と色を使い松林のイメージを[深緑]で表現しました。
21世紀を躍進することを願い、若さと情熱のシンボルとして作成しました。
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その校名こそが没個性の権化なのよと突っ込みたいところではあるが、そこはおいとこう。クロマツ林のある松陵小学校区と光ケ丘地区に位置するからこの名前にしたとされているので、致し方ありません(「光陵」の名を持つ高校は他に福岡や埼玉や神奈川にもある)。
こちらも奥野がネタにされてますなあ;-)。両校の選考の経緯を見比べてみると、一層驚きます。

〔福島養源小学校〕
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参考とした作品の制作者
(敬称略)
奥野和夫(神奈川県横須賀市)
工藤和久(青森県弘前市)

制作者
上地貴典 (株)アクト代表取締役

〇決定までの流れ
・「校章」を公募(平成26年7月1日〜平成26年8月25日)
・地元・PTA・学校関係者により校章選定委員会を組織し、公募19点の中から2点を参考作品として選出(優秀賞及び佳作は該当者なし)
・参考作品を元に(株)アクトに制作を依頼
・校章選定委員会で再度検討し、最終的に「校章」を決定
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〔酒田光陵高等学校〕
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1 制作
参考とした作品の制作者
佐藤泰輝 酒田工業高校3年生
奥野和夫 グラフィックデザイナー

制作者
池田 正 東北芸術工科大学教授

2 決定までの経緯
○校章デザインを公募(平成22年11月1日〜30日)
○公募128点の中から5点を参考作品として選考
○池田 正教授に補作を依頼
○参考作品5点のうち2点を参考に池田 正教授が制作
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ふむ。こういう場合、採用分として用意されていた(はずの)賞金はどうなったんですかねえ?

≪うまく立ち回れば費用が浮くぜ

言葉の選び方・使い方まで必要以上にがっつり似ている感じ。福島養源小は酒田光陵高の影響下にあったと見て相違あるまい。
必ずしも前者が後者のやり口を真似したと言ってるのじゃありませんよ、共通のMissing Linkなんぞもあり得ようから ―― 善意に解釈すれば(^_-)。

しかし、どうも腑に落ちない。「株式会社アクト」はAgentという扱いで間違いないだろうけど、「東北芸術工科大学教授」は偉いセンセなわけでしょ。Advisorの立場に近いのではないか。そこへネタを持っていって「これとこのあたりで融合よろしく」なんて頼んだわけ??それともそれは教授の方から持ちかけたとか??(だとしたらセンセのCreativityはどうなるのだ。)

応募総数19点と128点、そもそも状況が根本的に違っていたんだろうか。「応募が少なくて作品レベルも総じて低い」からこうしたとか?それとも初めからそのように公表して募集したの?もしそうだったとしたら、「公募」=「ネタ集め」に過ぎなかったわけだけど、そんなことでもまともな作品って集まってくるん?

もっと遡ればこんなものもあったけれど・・・

【第六十八夜】
兵庫県姫路市
ひめじ街路樹アダプト制度 シンボルキャラクター
ひめっち
塩崎榮一
成瀬重道
ひめっち

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(2008.11.26 神戸新聞 抜粋)

姫路の[ひ]を図案にした塩崎さんの作品に、[道路の中央線]や[ほうき]を入れた成瀬さんの案を採り入れた。
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でもこの場合だと、公表されたのは「素材」の作者のみであって、作品を完成させる行為はあくまで「補作」に過ぎず、その補作者も表には出ない日陰の存在だったわけです。そこが本質的に違う(と思うがね)。
うーん、でも、そこら辺で公募後30年も経って大モメした山梨の「ふじくん」のケースもあったよなあ(cf. 2014.08.03「静岡の恥辱、山梨の呪縛。― File 2」)。

2018年9月23日 (日)

【ペアリングのおまけ編】Crystal clear river with cold water, Four leaf clover in tiny garden, Twinkling star above deep forest...(清流小学校・星の杜小学校)

(承前)

♪These are a few of their favorite things.

富山県魚津市
魚津市立よつば小学校
校章
井口やすひさ
よつば小学校

◇2017年5月 選定
◇2018年4月 大町小学校・村木小学校・上野方小学校・本江小学校の統合により開校

前回挙げた魚津市では、この↑学校の前後にも学校統合が行われている。先行したのはここ↓。

富山県魚津市
魚津市立清流小学校
校章
北野公一(和歌山県田辺市)
清流小学校

◇2015年8月 選定
◇2016年4月 片貝小学校・吉島小学校・西布施小学校の統合により開校

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清流小学校の頭文字[S]を図案化したものに、統合する3校の数を配して清流を表現し、[丸]の図形を加えて、豊かな自然に育まれて伸びやかに成長していく子どもたちの姿と、魚津市の[う]の文字を兼ね備えたデザインに仕上げました。
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「兼ね備えた」!!丸い豆腐も切り様じゃ四角、てんこ盛りすら才色兼備、である。「清流」の表すところは校区を流れる片貝川・布施川らしい。つまり川の方は3本ではなく2本。イニシャルを形づくるために[丸]が必要だったなんて理屈も信じないぞ、ツルは。
2010年代半ばになってもまだ「丸にブーメラン」デザインが使われているのにはびっくりです。どうしても、古びた印象は否めない。十年一昔、やっぱり流行り廃りとか旬とかからは逃れられないもんだなあと。

そして、よつば小の後に来るのがここ。

富山県魚津市
魚津市立星の杜小学校
校章
立志哲洋(67歳:東京都江東区)
星の杜小学校

◇2018年6月 選定
◇2019年4月 住吉小学校・上中島小学校・松倉小学校の統合により開校予定

おっ、久方ぶりの立志登場!デザインの意図は次のとおり(原文ママ)。

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星の杜をイメージした校章です。[3本の木]で三校のと統合をあらわし、すくすく育つ姿や輝く[星]を表現しました。
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まあねえ。「星の杜」なるこっ恥ずかしい校名を忠実にビジュアル化したってとこですかね。青森か北海道か石垣島の学校の方が似つかわしいがね。

ちょっと寄り道して、校歌の方を覗いてみると、こう書いてある。

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(2018.01.30 第5回統合準備会 抜粋)

◇校歌について◇

〔中略〕

協議の結果、作詞・作曲者は統合準備会で選定した候補者に依頼することとなりました。

※第5回統合準備会会議録の一部非公開について  校歌の作詞・作曲者の選定にあたっては、具体的な候補者名を挙げながら協議しました。今後、統合準備会で選定した候補者に個別に依頼することとなりますが、候補者が作詞・作曲について想定外の重圧を感じたり、候補順位の上位・下位について予断を与えかねない恐れがあることから、選定過程については一部非公開とさせていただきます。
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因みに作品・作詞者・作曲者ともまだ発表されていない。

ツルにはよくわからないですね。校章は広く一般公募する、一方校歌は(ご当地ゆかりの)候補者を制定側で準備して委嘱する、という差をつける根拠が。それと、「想定外の重圧」云々の理屈を持ち出したその考え方が。体のよいBlack Box化に手を貸すものになってはいないか。
今どき、プロセスの透明性の確保というのは、公募の場合に限らず広く求められているわけでしょう?(ツルはそこに必ずしも賛同しないけど。)これこれの複数の候補者がいて選考中、という場合にその内容を公表できない理由はひとえに「まだ検討段階で、決まったことは何もない」であって、他の事象は枝葉末節に過ぎない。それは「決定すれば直ちに公表する」=Timely Disclosureの精神を裏返しに言ったものであり、懸念すべきは公表時点まで「枝葉」が残って眼が曇らされることである。

このように考えた理由は、同様の記載がもう一つあるからです。会議録全般について;

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※統合準備会での委員の自由な発言を促すため、会議録に記載する発言については、個人が特定できない方法で公開しています。
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とあり、これも少なからず驚いた。例えば平成大合併時の各地の合併協議会の議事録で、匿名記載にしたものなど見たことがない(おそらくそれでは法定要件を満たさないのではないか)。議事録に顕名で記載することがためらわれるような内容であったら、それは「自由な発言」などというものではなく、レベルの低い、ないしは無責任な発言になってはいないか。そこは委員たる使命と責務を常に意識しつつ、緊張感をもって当たるべきであろう。情報公開に常について回る問題として。

制定時の資料を読んでいくと、星の杜小では、先行した清流小・よつば小の2例を強く意識していることがわかる。
公募をどんな風に実施したか、応募資格はどうしたか、募集期間はいつからいつまでだったか、応募数はどれだけ集まったか、どういう面子でどのように審査したか、etc.etc.。がきんちょから応募された作品を「特別賞」として遇したところも然り。上述した、一部非公開の扱いというところも当然に。
逆に言えば、それ以外は調べた形跡がないので(苦)、そんなことじゃあ内輪の先行事例よりプロセス向上できる望みも薄いやね(ばっさり)。

ご当地の学校再編は、しかしこれで目処がついたわけではない。「魚津市学校規模適正化推進計画」は;

2016年度:片貝小・吉島小・西布施小 → 清流小
2018年度:大町小・村木小・上野方小・本江小 → よつば小
2019年度:住吉小・上中島小・松倉小 → 星の杜小

に続いて、2023年度(その頃はもう平成ではない)に控えている道下小学校と経田小学校の統合をもってやっと完結する。

三重県伊賀市が2015年4月に4件の小学校統合を一気に実施したのに比べれば(cf. 前々回)、やり方としては王道でまともだとは思うんですよ。でもねえ、プロセスの学習効果がねえ。

そして、ゆとり教育が放擲されて久しいことぐらいは理解しているけれど、上掲のネーミングって、どれも歴史/伝統レスで、ゆとりの象徴/残滓みたいなものではない??4年後あたりにはどんなキラキラネームが出てくるんだろう。
その頃には、ツルが斬ってきた大御所ガイダー陣も活動停止している者が少なくないと思われます。誰が4番目の栄誉を勝ち取るんですかね。

― Title Inspired by;
"My Favorite Things" from Broadway musical "The Sound of Music" (1959)
 Lyrics by Oscar Hammerstein II (1895.07.12〜1960.08.23)
 Composed by Richard Rodgers (1902.06.28〜1979.12.30)

2018年9月22日 (土)

【加筆編】校章による統合新設校ペアリングの試み:6(よつば小学校・魚津市章・福島養源小学校)

(承前)

五弁花・六弁花と見てきた後は、逆に一枚少ない四弁モノからもちょっと挙げておこう。

富山県魚津市
魚津市立よつば小学校
校章
井口やすひさ(72歳:群馬県高崎市)
よつば小学校

◇2017年5月 選定
◇2018年4月 大町小学校・村木小学校・上野方小学校・本江小学校の統合により開校

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よつば小学校の校名から、[四つ葉のクローバー]をモチーフに心豊な自然(水と緑)に抱かれた学校周辺と小学校の「よつば小」を表しています。
親の温かい愛情に包まれ、児童の大きな夢と希望を目標に更なる飛翔・発展・向上する「よつば小学校」の大きな明るい元気な活気にあふれる輝かしい未来像をアピールしています。
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「心豊(か)な自然」という変てこなClicheは自治体の平成大合併の頃から10年以上使われているもの(e.g. 柳川市シンボルマーク:2005年2月決定:cf. 2013.07.04「頑張れ、爺ちゃん(婆ちゃんも可):下」)だけど、「親の温かい愛情」はこのところの学校統合に際して使われ始めた新しいClicheです。これ↓でも見たよな。

【2018.09.08「学校統合による新設校の校章をペアリングしてみる:その2」】
熊本県阿蘇市
阿蘇市立一の宮小学校
校章
井口靖久
一の宮小学校

◇2015年6月 決定
◇2016年4月 宮地小学校・坂梨小学校・古城小学校の統合により開校(2013年3月 宮地小学校・中通小学校を先行統合)

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統合する4小学校の貴重な歴史や伝統、勉学・スポーツ・芸術・文化のあらゆる情報交流発信の“絆”と役割をイメージデザイン化し、親の温かい愛情に包まれ、心豊かな自然に抱かれたエコ環境に、やさしい学び舎と生き活き共生し、児童の大きな“夢や希望”に向かって更なる飛翔・発展・向上する明るい元気な活気あふれる「一の宮小学校」の姿をアピールしています。
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ああ、こっちまで思考停止してしまいそう。

(特別賞)
松本純怜(本江小学校4年)
長谷川彩音(本江小学校6年)
八倉巻 瑠奈(魚津市立東部中学校2年)
新井真子(東部中学校2年)

特別賞は別枠で選んだものではなく、最終選考に残った13点の候補の中に小中学生作品が2点ずつあったということのようである。なお、優秀賞の設定はなかった。

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(魚津市サイト 抜粋)

よつば小学校(大町・村木・上野方・本江統合小学校)の校章デザイン募集

〔中略〕

◇校名の理由◇
・4つの学校が集まり、新しい学校がスタートする。
・子どもたちには、「よつば」が象徴するように、幸せに育ってほしい。

〔中略〕

■募集内容
大町・村木・上野方・本江小学校の統合校『よつば小学校』の校章デザイン

〔後略〕
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ここまでSuggestionを出してたんだから、155点集まったという応募作品もさぞやクローバーの大繁茂だったことでせう。

コンセプトの文章には(敢えて?)書かれてないけれど、周りの[波輪]は市章から取られたもの。間違いない。

富山県魚津市
市章
魚津市章

前にもあのガイダーで見た手法だな。

【2017.11.04「墜ちていく翼」】
大分県佐伯市
佐伯市立蒲江翔南学園
校章
工藤和久
蒲江翔南学園

◇2016年11月 発表
◇2017年4月 名護屋小学校・蒲江小学校・河内小学校・西浦小学校・楠本小学校・上入津小学校および名護屋小学校森崎分校の統合とともに、蒲江翔南中学校との小中一貫校として開校

大分県 (旧)南海部郡蒲江町
町章
旧 蒲江町章

ああ、デザインは回帰する(爆)。

もっともこの手の波頭モノは大昔から多いはず。家紋にも波紋だの雲紋だの浮線紋だのがあるし。
で、波紋と桜紋と文字紋を組み合わせた風情(強引)なのがこれ。

長崎県松浦市
松浦市立福島養源小学校
校章
(参考作品)
奥野和夫(神奈川県横須賀市)
工藤和久(青森県弘前市)
(制作者)
上地貴典(株式会社アクト 代表取締役)
福島養源小学校

◇2015年3月 決定
◇2016年4月 福島小学校・養源小学校の統合により開校

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左右からふたつの大きな[波]がひとつになって新しい[桜の花]を咲かせる様子を表現しています。
左の波は「福島」の頭文字[F]、右の波は「養源」の頭文字[Y]をモチーフに、中央の桜の花は、現在の福島小学校と養源小学校の[校章]を融合させました。
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アレコレと「融合」しまくった!というところにまずびっくりですが、残念、奥野と和久の原案は公表されていない(因みにご当地の市章は「彦根丸ブー」なので、この際没関係)。
それと、旧2校の校章をできる限り温存するという意図が制定側にあったと思われてならないんですよ。であれば公募をかける必要などなかったのじゃないかね、そもそも。制定側の見識の問題でもあろう。

(続く)

2018年9月17日 (月)

【加筆編】校章による統合新設校ペアリングの試み:5(大瀬戸小学校・八千代小学校・峰浜小学校・八峰中学校)

(承前)

六弁花タイプの校章でもっと気になるのが次の一連の作品である。

長崎県西海市
西海市立大瀬戸小学校
校章
奥野和夫(神奈川県横須賀市:グラフィックデザイナー)
大瀬戸小学校

すんまっせん、画像がこれしか見つかりません。

◇2013年1月 発表
◇2013年4月 瀬戸小学校・多以良小学校・松島小学校・雪浦(ゆきのうら)小学校幸物(こうぶつ)分校の統合により開校

愛知県とか瀬戸内海の島嶼とかの学校じゃありませんよ。(校区にはご当地の沖合1km、五島灘に浮かぶ松島も含まれるが。)

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(2013.01 広報さいかい NO.093 抜粋)

大瀬戸の頭文字[O]で海を描き、旧大瀬戸町の町花[スイセン]の花を組合せ、大きな夢と希望を持って健やかに成長してほしいという願いを表現しています。
「O」の字で描かれた海に大きな夢([水色])を、スイセンの花に希望([金色≒黄色])を組合せ、[小]の字の[緑色]に郷土を思う心を象徴させました。
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非常に珍しいことに、「背景は濃い[青色]」とされているのだそうな。誰が考えたんだろう、そんな(使いづらい)決まりごと。

次の六弁花もヒガンバナ科と思ったら大間違いで、ユリ科である。

兵庫県多可郡多可町
多可町立八千代小学校
校章
奥野和夫(49歳:神奈川県横須賀市:グラフィックデザイナー)
八千代小学校

◇2015年5月 発表
◇2016年4月 八千代南小学校・八千代北小学校・八千代西小学校の統合により開校

千葉県とかじゃありませんよ。

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多可町の町鳥[キジ]と「大空」で八千代の[や]の字を表現し、町花[ササユリ]の中心に小学校の[小]の字を配しています。子どもたちが大きな夢や希望に向かって飛翔する姿を地域全体で見守っている様子を表現しています。
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つまり;
・海は空に姿を変えた
・ニワトリじゃありません
・ササユリは別に緑色(や金色≒黄色)の花を咲かせるわけではない
あたりがポイントですか。

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(2015.05.27 産経新聞 抜粋)

奥野さんは「児童が卒業しても思い出してもらえるような明るく特徴のあるデザインにしました」と話す。
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ああ、なるほど確かに。「特徴のあるデザイン」ということは違いないだろうし、どちらかと言えば出色だと思う。けれどそれでツルが納得するかというと、それは別。
同じ春、北のこのご当地ではSpring Ephemeralの代表格が咲き出た。

秋田県山本郡八峰町(はっぽうちょう)
八峰町立峰浜小学校
校章
奥野和夫(神奈川県:グラフィックデザイナー)
峰浜小学校

こちらは八峰町の花、ユリ科の[カタクリ]に違いあるまい。
くっきりした色使いで、印象の輪郭が明瞭ですがね。これを見ていて気づいたのは、4色使いが許されていることです。平成大合併時の自治体章公募では「地色を含めて4色以内」、つまり実質的に3色以内という縛りがスタンダードだったはず。縛めが緩んできているのかしら(引き続き要検討)。

◇2015年12月 発表
◇2016年4月 水沢小学校・塙川(はなわがわ)小学校の統合により開校

岩手県水沢市(現 奥州市)辺りとは関係ありませんよ。

もひとつご当地で驚くのは、同時発表の中学校校章にも奥野が選ばれたことである。

秋田県山本郡八峰町
八峰町立八峰中学校
校章
奥野和夫(神奈川県:グラフィックデザイナー)
八峰中学校

◇2015年12月 発表
◇2016年4月 八森中学校・峰浜中学校の統合により開校

前回斬った新潟県南魚沼市の八海中学校とは別物です、もちろん。

快進撃だけど、極めてコミカルに感じちゃうのはツルだけっすかねえ?やじろべえ/弥治郎兵衛みたいでさ。

【2009.03.31「一瀉千里 家紋夜話」】
〔一つ豆蔵紋〕
一つ豆蔵

ええ、問題の六弁花を除けば。

ご当地こそ、秋田音頭の本場である(と思う)。

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ヤートセー コラ 秋田音頭です
(ハイ キタカサッサー ヨイサッサ ヨイナー)

コラ いずれこれより ご免蒙り 音頭の無駄をいう
(アーソレソレ)

お気に障りも あろうけれども サッサと出しかける
(ハイ キタカサッサー ヨイサッサ ヨイナー)

コラ 秋田名物 八森ハタハタ 男鹿で男鹿ブリコ
(アーソレソレ)

能代春慶 桧山納豆 大館曲げわっぱ
(ハイ キタカサッサー ヨイサッサ ヨイナー)
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アラ、これもてんこ盛りDogma Songだったかサッサー。ここに唄い込まれた「八森」の名は捨てちゃったわけだ。本統合によって、ご当地も一自治体一中学校となっている。地元中学対抗のスポーツ交流なんてのは多分もう無理なわけです

「広報はっぽう」2015年12月号には、以下のように小中まとめてさらっと書かれている。

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多数の応募があった校章デザインですが、統合協議会での審査の結果、峰浜小・八峰中の両方に、グラフィックデザイナー奥野和夫さん(神奈川県)のデザインが選ばれました。
いずれのデザインも、白神山地の[山並]と日本海の[波]を描き、山と海に囲まれた豊かな環境が表現されています。
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ち、ちょっと簡単すぎ・・・なのでツルから付言してさしあげれば、峰浜小はイニシャルの[M]、八峰中も同様に[八]が用いられてます。

このところの公立学校統合では、小学校と中学校、あるいは中学校と高校の垂直統合を行うケースも出てきている(いずれ追々ご紹介)。政府も法令を整備して後押ししているわけですね。6・3・3制が静かに崩れ始めているとも言えよう。
逆から見れば、ご当地ではその選択はしなかったということになる。だんだん、その辺りを分けるものが知りたくなってきました。

ああ、どうしてもペアには絞り込めないや

(続く)

2018年9月16日 (日)

【加筆編】校章による統合新設校ペアリングの試み:4(三訪小学校・八海中学校)

(承前)

前回の五弁花校章からひとひら増えて、六弁花タイプもあるわけですが、これがまた・・・。

三重県伊賀市
伊賀市立三訪(みわ)小学校
校章
小池友基(群馬県高崎市)
三訪小学校

◇2015年2月 発表
◇2015年4月 三田小学校・丸柱小学校の諏訪地区の統合により開校

背景の緑色はイニシャル[M]、花は市の花になっている[ササユリ]だろう。そもそもツルは、校章デザインに市や町の花を取り入れること自体、いささか安易な制作態度だと思うけど。Wikipediaで1分で判っちゃうわけだから何も手間かけなくて済むってことだし。

(優秀賞)
居関孝男(京都市西京区)

この時伊賀市では、一気に8校を統合して4校にするという荒業をやってのけた。

〔成和東小学校〕
◇猪田小学校・古山小学校を統合
(最優秀賞)
曽我康弘(伊賀市)
(優秀賞)
居関孝男(京都市西京区)
(特別賞)
岡 飛来(猪田小学校)

〔成和西小学校〕
◇花之木小学校・花垣小学校を統合
(最優秀賞)
松浦 巌(大阪府箕面市)
(優秀賞)
当具 薫(三重県名張市)

〔阿山小学校〕
◇丸柱小学校(丸柱・音羽地区)・河合小学校を統合
(最優秀賞)
梅村元彦(愛知県春日井市)
(優秀賞)
寺尾 弘(大阪府吹田市)

2015年春の開校に対し、同年2月15日発行の「広報いが市」No.222で結果掲載というのはいかにも押しつまった感。4統合同時進行というのはそれだけ大変だったんだろうけど、そこにそもそも無理があったんじゃないのかという気もしてくる。
因みに、この3年前、猪田、古山、花之木、花垣あたりの地区を統合する形で生まれたのがこの中学校ですな。

【2014.01.21「総合芸術家の作り方:Formula 1」】
三重県伊賀市
伊賀市立上野南中学校
校章
工藤和久
上野南中学校

◇2011年8月 発表
◇2012年4月 成和中学校・丸山中学校の統合により開校

で、小池友基の三訪小校章の系譜を引き継いだのが、なんと(今や同じ高崎市在住の)アノ大御所なんですねえ(@_@;)。図柄もそうだし、発想もね。

新潟県南魚沼市
南魚沼市立八海(はっかい)中学校
校章
井口やすひさ(群馬県高崎市)
八海中学校

◇2015年8月 決定
◇2018年4月 城内中学校・大巻中学校・五十沢中学校の統合により開校

こちらは、三訪小のケースとは対照的に、開校の2年半も前に発表された。

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八海の[八]と南魚沼市の花[カタクリ]をモチーフに、自然豊かな学校周辺と中学の[中]を表す。再編する3校の歴史や伝統・勉学・スポーツ・芸術・文化のあらゆる情報交流の絆と魅力発信をイメージ
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ペアリングにピッタリですが、えっと、偶然なんですよきっと(´ψψ`)。八海中の募集は2015年1月31日までだったのだから、三訪小の発表はまだ行われていなかった。でも、ゾッとする。さすがに両校の児童・生徒がかわいそうだと思う。
もっと心が冷えるのは、やすひさが現在これを例の日本タイポグラフィ協会サイトの自分の項に載せていること。気に入ってるって証しだよね・・・。

悪ノリ気味ながら、さらに一枚増やした七弁花タイプの校章はないのかってところも調べてみましたが、どうも見つからないようです。

【2009.03.07「続 回答乱麻 家紋夜話」】
〔籠目釜敷紋〕
籠目釜敷

こんな感じのがあったらキレイなのになー(複雑過ぎるよ)。日本人は偶数より奇数がお好きだっていうし(ツルはそんなことはないけど)。

(続く)

2018年9月15日 (土)

【加筆編】校章による統合新設校ペアリングの試み:3(玖珠美山高校・別府翔青高校)

(承前)

九州勢が続きます。今度は熊本のお隣の大分から。

大分県玖珠郡玖珠町(くすまち)
大分県立玖珠美山高等学校
校章
中本竹識(広島県:デザイン関係会社勤務)
玖珠美山高校

◇2014年10月 発表
◇2015年4月 玖珠農業高等学校・森高等学校の統合により開校

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地域に根ざし、地域に愛され、地域と共に成長する学校として、玖珠町を代表する[伐株山]と九重町の町花[ミヤマキリシマ]をモチーフにし、生徒が豊かな自然の中で伸び伸びと成長する願いが込められています。
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何を今さらのハシゴ高。
ツルの感覚ではどっちかっちゃあ左右反転した方がしっくりくるような・・・(笑)。

玖珠美山高校(鏡像)

某公募系BBSに昔;

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43:2010/09/16 09:28
[URL]
目のハイライトは普通向かって右だよね
たけちゃんは左利きだから、左なのかなw

48:2010/09/16 14:06
>>43
そうでもないだろwww
ハイライトの位置は半々か向かって左のほうが多いw
というか気持ち悪いキャラだな〜www
てかセンスのないキャラのハイライトはだいたいそっち側w
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などという書き込みがあって、そんなことってあるかしらんと疑わしく思ってたんだけど、ここへきて妙に納得したりしますww。

おちゃらけはおいといてと。
うん?でも、あれれ!?なぜ、玖珠町の町花のレンゲツツジ(落葉性であり、常緑性のヒラドツツジやミヤマキリシマとは種が異なる;伏線)ではなく九重町の町花を選んだのだろう??校区の関係ってことですかね?それとも「美山」だからミヤマキリシマ??まさかなあ。

玖珠郡の玖珠町と九重町(くすぐん ここのえまち)、直入郡(なおいりぐん)だった久住町(くじゅうまち:現 竹田市久住町)ほど、外の人間から見れば区別のしにくい地名もなかなかないと思う(もっとも、同じ大分県には「湯布院」vs「由布院」という強敵も存在するが)。いずれ気が向いたら「似て非なるもの」で取り上げようかな。

大分県では同時期にもう一つ高校再編が進められていまして。

大分県別府市
大分県立別府翔青高等学校
校章
奥野和夫(神奈川県:グラフィックデザイナー)
別府翔青高校

◇発表時期不明 (*)
◇2015年4月 県立別府青山高等学校・県立別府羽室台高等学校・別府市立別府商業高等学校の統合により開校

(*) 大分県サイトの2014年11月7日付記事に「別府翔青高等学校、玖珠美山高等学校の校名・校章表彰式」の告知が出ている(11月18日挙行)。おそらくは発表も玖珠美山高校と同時だったものか。

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・別府の頭文字[B]を[翼]で表現し、[青色]は別府湾、大空、豊かな自然、夢と希望を表現している。
・[3つの翼]は統合する3校の融和と、別府翔青高校の飛躍を表すものである。
・[高]の濃い[ピンク]はツツジ科のオオムラサキ(別府市花)の色を用い、大輪の花を咲かせて欲しいという願いが込められている。
-----

この発想には何の飛躍も感じられないよ。最後の1文なんか体のよい辻褄合わせの付け足しだろ。県立校の校章に市花をあしらうというのもどうなのだとはちょっと思うけど、統合対象の中に市立校が入っていた(@_@)からだろうか。しかしツツジ(ヒラドツツジ)の「大紫」(とサツキの「大盃」)は一番普通によく見かけるタイプで、品種名とも言えないってぐらいの(ツルの独断)普及品。わざわざ言い立てるようなことかいな。「目立つからピンクにしました」では何故いかんのだ。
翼を奇数描いたところも何だかひっかかっている。だって動物の翼って、2枚か4枚で一対になって空を飛翔する(飛躍する、ではない)ものでしょ。

もっとすごいのは校名公募です。さんざん手垢のついた感のある「翔」を使った点で既にNGだろといちゃもんをつけようと思ったら、この字は羽村台高校の「羽」が入ってるし別府商業高校の「商」と読みが同じだし、「青」は青山高校からもらってるしってな説明がされていて腰が砕けた。因みに他の候補名は「別府総合」「別府希望ヶ丘」だったそうな(X_X)。つまりは対抗馬がダサ過ぎたわけだ。
あ、でもそう言えばツルの実家の近くにも「福岡市立福岡商業高等学校」てのがあったのが、普通科を新設したら「福岡市立福翔高等学校」になってダッセぇと思ったことがあったっけ(武藤くん、ブンジ、許せ)。
新しい校名に「翔」の字が入っていたら、前身は商業高校だったと疑ってかかることにしよう(微伏線)。

ま、同じノリで言えば、玖珠美山だって「くすみ山」と読めちゃう時点でもうトホホだと思うっす。こっちの他候補名は「玖珠」「玖珠未来」だったとやら(X_X)(X_X)。

〔学校名〕
「別府翔青」
筬島尚子(おさじま なおこ)(別府市)
「玖珠美山」
佐藤 蓮(れん)(玖珠町立八幡中学校3年)

この「八幡(やはた)中学校」も今年度一杯の命。なんと玖珠町内の全7中学校が来春から「くす星翔中学校」1校に統合されます・・・。中学校だから商業科はないと思うけど
そして、中3だった佐藤は玖珠美山高校に進学したのだろうか?だとしたらすごいよね。自分が命名した学校の1期生になるのだから。

いかがでしょう?同県内で同時期、どちらも緑/青+ピンクでカラーリングもぴったり、ペアリングにぴったり

(続く)

2018年9月 9日 (日)

【ペアリングのおまけ編】阿蘇は火の山 空の涯 何を祈って 吐く煙(阿蘇中学校・阿蘇小学校)

(承前)

前回挙げたこれに関することなんですが・・・。

熊本県阿蘇市
阿蘇市立一の宮小学校
校章
井口靖久(群馬県高崎市)
一の宮小学校

◇2015年6月 決定
◇2016年4月 宮地小学校・坂梨小学校・古城小学校の統合により開校

ややこしいんだけど、4年遡った同じご当地の阿蘇中学校章公募で、次点にこんなものが入っていた。

熊本県阿蘇市
阿蘇市立阿蘇中学校
校章
(優秀賞)
居関孝男(60歳:京都市西京区)
阿蘇中学校(居関案)

◇2011年8月 発表
◇2012年4月 (旧)阿蘇中学校・阿蘇北中学校の統合により開校

え・・・・・・。何やら不気味な冷風が背中をよぎります。やすひさもこれは目にしていたはず。

でもそれだけではない。その翌年にはこんなのまでできちゃってます。

熊本県阿蘇市
阿蘇市立阿蘇小学校
校章
奥野和夫(46歳:神奈川県横須賀市:グラフィックデザイナー)
阿蘇小学校

◇2012年12月 発表
◇2013年4月 碧水小学校・乙姫小学校の統合により開校(2005年3月 碧水小学校が役犬原(やくいんばる)小学校を先行統合)

「阿蘇らしさ」は全く感じられない。超伝統的な桜花紋に色をつけた(だけの)風情ですが・・・

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(広報あそ 2012年12月号)

3校(碧水・乙姫・役犬原小)に共通した[桜の花]または[星型]をモチーフに、阿蘇五岳とカルデラを描き、元気よく成長する子どもたちの様子を表現しました。
阿蘇山の自然を感じさせる[緑色]に健やかな身体を、[水色]に確かな学力を、[桜色]に豊かな心を象徴させ、「阿蘇小」の文字を中央に配することで、[校名]を分かりやすくしました。
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五弁花の旧校章重ねだとは思いも寄らなかった。校名をわかりやすく配した、というのもむしろ詭弁で、「阿蘇」というどちらかといえばごちゃついた文字を差し込むことで視認性が落ちているのではないかしらん。とはいえ、「小」だけにすると、ホントに普通名詞的Iconになってしまうからねぇ

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(同上)

受賞コメント
この度は最優秀賞にご選考いただきまして誠にありがとうございました。また、記録的豪雨で被害に遭われました市民の皆様方には謹んでお見舞い申し上げます。連日、被害の様子は全国的に報道されており、心を痛めておりました。副賞の賞金は、全額を豪雨災害への義援金にさせていただきますとともに、一日も早い復興をお祈り致しております。
(奥野和夫)
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前回触れたとおり、この豪雨とは同年7月のもの。少なくともこの作者なりに、遠く離れたご当地を思いやる心は失っていなかったということだろうか。しかしそれは本来、Creatorの責めを果たすところにこそ在るぞかし。

(優秀賞)
古川寛貴(32歳:阿蘇市)
中本竹識(32歳:福岡県北九州市)

もひとつ追加で阿蘇中学校に戻りましてと。
同校校章の次点は居関の他にあと1点あってですね・・・。

熊本県阿蘇市
阿蘇市立阿蘇中学校
校章
(優秀賞)
立志哲洋(60歳:東京都江東区)
阿蘇中学校(立志案)

こちらは阿蘇らしいですか?でも問題はそんなところ以前にある。ツルは見た瞬間これを思い出した。

【2013.11.19「志とは裏腹に Part 1」】
熊本県阿蘇市
阿蘇草原再生協議会
阿蘇草原再生 ロゴマーク
立志哲洋
阿蘇草原再生(立志version)

◇2009年3月決定
◇2009年8月採用見送り

立志は阿蘇草原再生ロゴマークの仇を2年後の阿蘇中学校章で取ろうとしたってことかいね。もう出涸らししか残っていなかったってことっすか?(活火山をデザインしたら何にせよこういうビジュアルになっちゃうでしょ、なんて考え方は当方採っておりませんので悪しからず。)

居関と立志、同い年ということは認識していなかった。この時ちょうど還暦。因みにやすひさは66歳だった。
老頭児であること自体は別に構わない、人はみな年を取るのだし。最近取り上げたところで言えば、【2018.08.28「海の幸、山の幸: Mission #2」】の食用菊パープルマムの開発に共同で取り組んだ青森県階上町の菓子店主小松國男は70歳、八戸工業大学教授の若生 豊も66歳だった(私立大学の先生の定年って何歳なんだろう?)。
しかし、産み出すもののクォリティを維持していく、いや齢を重ねて高めていくことができなければ、それは垢とか澱を貯め込んでいくのと同じである。若い人が才能に欠けるより始末が悪いだろう。

ツルも重々、心しよう。

― Title Inspired by「火の国旅情」ばってん荒川(1976リリース:作詞 中沢昭二:作曲 岩代浩一)―

2018年9月 8日 (土)

【加筆編】校章による統合新設校ペアリングの試み:2(阿蘇中学校・一の宮小学校)

(承前)

前回、関金小と知床未来中のペアを組むについては、実は候補がもう1点あったんですが。

熊本県阿蘇市
阿蘇市立阿蘇中学校
校章
井口やすひさ(66歳:群馬県高崎市:グラフィックデザイナー)
阿蘇中学校

◇2011年8月 発表
◇2012年4月 (旧)阿蘇中学校・阿蘇北中学校の統合により開校

市の広報誌には、次のようなやすひさの受賞コメントが載る。

-----
(2011.08 広報あそ No.79)

デザインについては、阿蘇中学校のローマ字頭文字[A]をモチーフに、中学校の[中]の文字を配し、統合した2校をイメージする[阿蘇山・阿蘇五岳]と市の木[ミヤマキリシマ]を表しました。
生徒の皆さんとご一緒に「校章」が、勉学・スポーツ・芸術・文化など様々な分野で、末永く活動・活躍されますことを作者として、心より祈念しております。
-----

(優秀賞)
居関孝男(60歳:京都市西京区)
立志哲洋(60歳:東京都江東区)

ご当地では「新しい中学校の校章に求めるイメージ」をあらかじめ住民にアンケートしていて、阿蘇山や阿蘇五岳、ミヤマキリシマはそこで挙げられていたもの(むしろ「阿蘇市に求めるイメージ」になってると思うけど)。Wikipediaで調べる手間すら省けたわけです

ううう。これ↓と何が違うのでありましょうか。

鳥取県倉吉市
倉吉市立関金小学校
校章
井口やすひさ
関金小学校

◇2015年10月 発表
◇2016年4月 (旧)関金小学校・山守小学校の統合により開校

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関金小学校の[S]をモチーフに、倉吉市の花[ツツジ]と小学校の[小]が表されています。統合する2校の歴史や伝統・スポーツ・文化の魅力発信をイメージし、児童の未来への大きな夢と、希望に向かって飛翔・発展・向上する「関金小学校」の姿をアピールしています。
-----

そういうことだったとは!コンセプトが違うなんて言わせない。ミヤマキリシマとツツジ、そりゃどっちもツツジ科ですがね。

しかしだ。阿蘇中学校とペアリングすべきはこちらなんである。

熊本県阿蘇市
阿蘇市立一の宮小学校
校章
井口靖久(群馬県高崎市)
一の宮小学校

◇2015年6月 決定
◇2016年4月 宮地小学校・坂梨小学校・古城小学校の統合により開校

(優秀賞)
駒井 瞭(大阪府東大阪市)ほか1名

同じ自治体が4年後に同じ作者の作品を採用したんですねえ。担当者は気づいたろうと思うけど、このことについては特に記載がない。

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(2015.07 広報あそ Vol.126)

統合する4小学校の貴重な歴史や伝統、勉学・スポーツ・芸術・文化のあらゆる情報交流発信の“絆”と役割をイメージデザイン化し、親の温かい愛情に包まれ、心豊かな自然に抱かれたエコ環境に、やさしい学び舎と生き活き共生し、児童の大きな“夢や希望”に向かって更なる飛翔・発展・向上する明るい元気な活気あふれる「一の宮小学校」の姿をアピールしています。
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お気づきでせうか?3校統合のはずなのに、「4小学校」と書いてある。調べてみると、宮地小学校は2013年3月に中通小学校を先行統合していたそうな(後述)。

???なんとなく、ビジュアルとコンセプトが噛み合ってないような気がするんですが。しょうがないか、テンプレだから宿命的に。
ご当地は、2005年2月11日に阿蘇郡の阿蘇町・一の宮町・波野村が新設合併して阿蘇市となったところである。そこで旧 一の宮町の町花を調べてみると、ミヤマキリシマ。しかし、このデザインにはどうしても「星」を感じちゃうんですがねえ。百歩譲っても「キキョウ」じゃないかしらん。・・・と思ってさらに調べていくと、現 阿蘇市の市花が[リンドウ]でした・・・やっぱりそれ系なのかな?

私は許さない。デザインというより、こういったコンセプトの使い回しを。
恐ろしいと思うのは、時代が下るにつれ、文章そのものまでテンプレート化していくことである。それが、コピペとリサイクルに一旦手を染めた者の宿命なのだろう(やすひさセンセに限りませんがね)。

2016年春の開校直後から、この学校は大変な危難に襲われた。

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(同校サイト 沿革 抜粋)

24 7
九州北部豪雨により、校区を含む阿蘇地方甚大な被害を受ける。

25 4
中通小学校と宮地小学校先行統合する。

28 3
古城小学校、宮地小学校、坂梨小学校が閉校する。

28 4
3校を統合して「阿蘇市立一の宮小学校」となる。(全児童460名) 開校式典

28 4
14日:21時36分 マグニチュード(M)6.4の地震発生
阿蘇市震度5弱 益城町震度7

16日:1時25分 マグニチュード(M)7.3の地震発生
阿蘇市震度6弱 益城町・西原村震度7
阿蘇神社楼門崩壊、立野大橋崩落など被害甚大となる。

「平成28年熊本地震」により臨時休校16日間 避難所として体育館校舎を開放する。
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なぜ、人的被害のことを書かなかったのだろう?阿蘇市では「地震関連死」としてカウントされた2名だけだったからということ?不幸中の幸いにして、児童の犠牲がなかったからということ?それはちょっと違うと思うけれど。そして2ヵ月後の2016年6月になると再び、梅雨前線による集中豪雨がもたらされた。

本記事を書いている最中にも、今月4日に近畿を襲った台風21号 ――当初は「猛烈な」勢力で「今世紀最強」とも報じられた(たかだか20年足らずでそこにどんな意味があるというのだろう) ――、さらにはおととい、6日未明発生の北海道の震度7の地震と、大きな災害が続発している。地域を選ばず毎年のように大規模災害が起きるようになったこの国土の行く末が恐ろしい気がする。

(続く)

2018年9月 2日 (日)

【加筆編】校章による統合新設校ペアリングの試み:1(関金小学校・知床未来中学校)

ご当地キャラブームが去り、自治体の周年記念ロゴも端境期に入り、原付バイク等のデザインナンバープレートの波が引き、自動車の図柄入り地方版ナンバープレートもいまいち盛り上がりに欠ける現状で、2000年代半ばの平成大合併に伴う新自治体章制定から途切れなく続いてきたご当地デザイン公募も、さすがにこの後盛り上がる要素はほとんど残されていないように見える(つまり、愚blogの本seriesも今度こそマジで潮時だろう)。
そんな中で敢えてその熱気が続いているところを挙げれば、一つは社会福祉協議会キャラで、これは前からかなり取り上げてきた。

ここへ来てもう一つ、徐々に存在感を増しているのが、公立学校の統合に伴う校章の公募であると思う(それとともに校歌制定も必要なわけで、そのうち歌詞を公募するケースが一般的のようだけれども、愚blogの守備範囲外にて基本スルーするつもり)。
地方の小規模市町村では1自治体に1小学校・1中学校なんてところも当たり前になってきているし、それと呼応する形で公立の小中一貫校というものも増えつつある(それは東京の都心なんかでも同様の動きが起こっているけれども)。この流れは平成の次の時代も当分続くことだろう。

それは10年余り前の自治体合併の時から予想されていたことでもあろうし、単に地方行政のコストカットというにとどまらず、足音を立てて進む我が国の少子高齢化の中で、minimalな行政への変革を求めて社会が模索しているという、新たな動きでもあるはずです。
しかし、一部を除き、その新しい動きについていっていないのが校章公募であるように思う(ここはやや慎重に)。さすがに丸ブー旋風は収まったとは言え、大方は旧態依然としていると感じられるのは、ツルのデザインリテラシーが低いせいかしら?

てなわけで、このSubseriesではテンプレ校章花盛りの状況を探ってまいります。姉妹校縁組の参考にでもなさって下さいまし。(ツルも一種の公募中毒

トップバッターはやっぱりこの大御所、何はなくとも。

鳥取県倉吉市
倉吉市立関金(せきがね)小学校
校章
井口やすひさ(群馬県)
関金小学校

◇2015年10月 発表
◇2016年4月 (旧)関金小学校・山守小学校の統合により開校

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関金小学校の[S]をモチーフに、倉吉市の花[ツツジ]と小学校の[小]が表されています。統合する2校の歴史や伝統・スポーツ・文化の魅力発信をイメージし、児童の未来への大きな夢と、希望に向かって飛翔・発展・向上する「関金小学校」の姿をアピールしています。
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はいっ、いつものとおりっ。dejavu感、最強でしょ。イニシャルが[S]の場合、このガイダーは反射的にお得意ネタの「S字の誘惑」に手が伸びてしまうのだろうなあ。応募総数 42点。

北海道目梨郡(めなしぐん)羅臼町
羅臼町立知床未来中学校
校章
(応募作品53)
知床未来中学校(やすひさ案?)

◇2016年8月 発表
◇2018年4月 羅臼中学校・春松(しゅんしょう)中学校の統合により開校

羅臼町は知床半島(長さ 約65km:幅 約25km)の東半分を占める細長ーーい自治体で、この1町で目梨郡を成す(人口 約5千人:人口密度 13人/km2)。西半分は斜里郡斜里町(同 約12千人:15.9人/km2)。両町は平成大合併時にも合併対象とはならなかった模様。

♪知床の岬に
 はまなすの咲く頃

♪別れの日は来た
 羅臼の村にも

しかし、町の花は斜里町がハマナスで、羅臼町はシバザクラ。てなわけで;

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校名から知床の[S]をモチーフに、羅臼町の花[芝桜]と自然豊かな学校周辺と中学の「未来中」を表しています。
統合した2校の歴史や伝統・勉学・スポーツ・文化のあらゆる情報交流の絆と魅力発信をイメージしています。
将来への大きな夢や希望を目標に更なる飛翔・発展・向上する「知床未来中学校」の輝く姿と未来像をアピールしています。
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この春開校したばかり、できたてのほやほやの学校です。これで、最も多い時で4校あった羅臼町の中学校はただ1校となった(どうやってカバーするのだろう?65kmの距離を)。校章は2015年12月〜2016年2月に募集され、候補13点を対象とする町民アンケートを経て決定されたもので、上掲作品は候補に過ぎないから当然作者名は公表されていない。
でも、ああ、井口やすひさに間違いないっす、何から何まで(断言)。いつもながらに言葉は空虚、Super Clicheの嵐(関金小と同じフレーズもあるでしょ)。出来合いのテンプレートに固有名詞を適当に当てはめただけだから、すごく奇妙なことになってしまった。全国的に(いや、世界的に?)名の知れた「知床」も、単に「S字の誘惑」を導いただけだから、「札幌未来中」にも「後志未来中」にも「関金未来中」にも見えるわけ。右上のカスレ具合も例の型紙どおり。そうやっていって、出来上がったのは皮肉にも普通名詞的シンボルマークということだろう。

因みにこっちは応募総数 78点、採用は新田憲明(65歳:香川県東かがわ市)。何度か見たことのある名前やな。

校歌については、ご当地の「羅臼大使」を務める吉 幾三が作詞作曲しており、4月10日の開校式にもサプライズ参加したとやら(中学生たちがそれで熱狂したとはちと考えにくいが)。

どうでっしゃろ。鳥取と北海道、交流にゃもってこい、ちょうどいい感じに離れてるし(離れ過ぎだよ)、校章が取り持つ縁ってことで(片方はボツネタじゃねえかよ)。

(続く)

2018年9月 1日 (土)

【加筆編】佐賀は田舎だ。しかし文教県ではなかったのか?(佐賀県遺産 vs 高野町町制90周年&富貴村合併60周年)

(承前)

【2018.07.05「剽窃か融通か、誇りなのか懼れなのか」】の最後のところに、一癖あることを書いておいた。

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ま、佐賀県にも高野町にも既にチクりは入ってますが、互いにだんまりを決め込むつもりらしい。危険な選択ですよ、それは。
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えーと、さる(やんごとない?)方面に手を回して、双方の自治体に調べを入れてもらってたんです、実は。(Y.M.くん、ありがとう。お手数かけました。)

佐賀県
佐賀県遺産シンボルマーク
中本竹識
〔2009年2月決定〕
佐賀県遺産

和歌山県伊都郡高野町
高野町町制施行90周年並びに富貴村合併60周年記念事業 ロゴマーク
工藤和久
〔2018年4月発表〕
高野町町制90周年&富貴村合併60周年1

ほとんどツルも忘れた頃になって、前者(いわばパクられた方ね)から回答があったそうな。転送してもらったら割と傑作なので、以下に抜粋を曝しますと。

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〔前略〕

いただいたご意見を踏まえ、当県への権利侵害について弁護士と相談を行い、以下の判断となりました。

まず、当県のロゴはアルファベットのSをモチーフとしているのに対し、高野町のロゴは6と9をモチーフとしており、相互の由来が異なること。
当県のロゴと高野町のロゴは、色彩が異なること。
ご指摘のあった小さい丸を2つつなげたデザインは、高野町のロゴのうち主たる部分のデザインではないこと。
また、当県のロゴのSをモチーフとした形は、独創性が高いとは言えないため、高野町のロゴとの類似性は認めがたいこと。

以上より、高野町のロゴは当県の著作権を侵害していないと判断します。

〔後略〕
-----

なっ、なぜ弁理士ではなく弁護士なんぞに頼んだのだ(笑)。担当部署は「県土整備部都市計画課景観担当」。まあ、生真面目な態度ではあるんでしょうが・・・、ツッコミどころ満載。

「小さい丸を2つつなげたデザインは、高野町のロゴのうち主たる部分のデザインではない」との謂いは、よそのデザインに対してなんでそんな断定をし得るのか、本当に不思議。誰か解説して。How bold!!
「当県のロゴのSをモチーフとした形は、独創性が高いとは言えない」に至っては、ほとんど作者に対する冒涜ないしは侮辱である。中本センセ、アンタはんそんなこと思われてるんですよ。How rude!!

こうしたLogic、どこかで見た記憶がと思ったら、これ↓でした。2006年3月制定の市章の類似問題に対する埼玉県深谷市の見解、こちらはパクった側だけど。(cf. 2013.07.07「類似って何なんだっけ:上」)

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〔前略〕

この度決定した「深谷市」の市章につきまして、ご指摘の滋賀県野洲市の市章と、深谷市の市章との相違点についてご説明申し上げます。
第1点目といたしましては、色の指定が異なります。
第2点目といたしましては、デザインコンセプトの相違がございます。野洲市の市章は、[や]の字にデザインされ、[ハートマーク]の胴体に丸い頭部をのせ、「人」を表現しております。一方、深谷市の市章は、カタカナの[フカヤ]をモチーフに、[2本のブルーライン]で荒川と利根川の自然を表現し、[赤丸]は2本の大河にはさまれた「街」を表現しております。
第3点目といたしましては、デザインの作者小島隆行氏の自作未発表作品であることでございます。
以上の点から、深谷市といたしましては、2市の市章デザインには差異があり、類似しているとは考えておりません。なお、市章の決定におきましては、専門機関に委託し類似調査を実施しておりますことを申し添えたいと存じます。
     敬具
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ふうん、世の中そんなもんなのね。How stupid!!

2015年の(もう3年も前になる!)佐野研二郎の東京五輪エンブレム騒動だって、「コンセプトが違う」「色が違う」等々で押さえ込めると侮ってたら大崩れしちゃったわけでしょ。しかも佐野は「ベルギーの劇場ロゴは見たことがない」としてたのに、だよねえ。

前にも強調したとおり;

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佐賀県の次点はこうです。

(優秀賞)
小柴雅樹(兵庫県宍粟市)
工藤和久(青森県弘前市)

うへえ。つまり和久は、中本の採用作品を目にしていなかったはずはないわけ。
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一層の逆風が吹いている、和久には。

Logicが通ってないよねえ、Level低いよねえ、なんてことはしかし、深掘りしてもしょうがないかも。立場が違えばツルだって何とか必死で理由を叩き出そうとするだろう、自分とこの公募デザインを守るためなら(笑)。

でもこんな理屈捏ねてたら、結局は企画自体の価値を貶めることになるんじゃないかな。
「佐賀県遺産」ってさ、趣旨からして結局は、昭和40年代あたり、あるいは高度経済成長の中で喪われていった「風景」を発掘する以上の意義は持たないんではないかと思う。明治や大正、ないしは戦前の遺物だったら、もっと重い、違う扱いになっているだろうし。であればコンセプトは一層大切。
結局、専ら法的観点から論じようとする態度そのものが失当なのではないか。これはむしろBrandingという経営戦略上の問題ではないのかね。間違っていますか?

佐賀県ネタについては以上。一方、パクった格好の高野町の方からは何も返答はないそうなので、むしろhopelessなのはそっちです。もう進展はないだろうし。

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