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2018年11月24日 (土)

【覚え書き】「ご当地ナンバー」なるものについて:11

(承前)

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となるとだよ、結局、2017年5月30日に募集が発表された第3弾での「概ね5万台」の規制緩和は、専ら「飛鳥」を通すためになされたものなのかね?
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否。否否否否否。

満を持して「知床」に登場してもらおう。これがまたスリリングな展開で。

本件で立役者となったのは、知床半島の東半分を占める目梨郡羅臼町と西半分を占める斜里郡斜里町。
2017年5月の国交省の導入地域募集発表後、8月にはご当地で「知床・地方版図柄入りナンバー導入検討協議会」が設立された。メンバーは2市5町、根室地域「釧路」ナンバーの根室市・目梨郡羅臼町・野付郡別海町・標津郡中標津町・同 標津町、およびオホーツク地域「北見」ナンバーの網走市・斜里郡斜里町で、会長に就いたのは羅臼町長の湊屋 稔。羅臼町サイドではまず根室管内の足並みを揃えることとし、一方オホーツク管内では斜里町長馬場 隆が網走市長水谷洋一への接触も始めていた。

その後斜里郡小清水町が加わって、2017年10月25日発行の羅臼町「町政だより」では「8地域(網走市、斜里町、小清水町、根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町)」と記載されている。
「町民に説明するには時間が少ない」としてやや及び腰だった斜里郡清里町も12月初旬までには加入し、周辺自治体の抱き込みには一応成功したようです。

時点は未詳ながら、このような資料↓も出されている。

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網走市では、『知床』をナンバープレートにすることについて、検討しています。
この取り組みは、世界自然遺産「知床」の周辺地域が、一体となってその価値を見つめ直す契機とし、自然環境の保全、保護の意識の啓発や広域観光の振興などに繋げたいと考え、網走市、斜里町、小清水町、清里町、根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町の2市7町が連携し、検討を進めているものです。

〔中略〕

2. 『網走』ナンバーはできないの?
国が定める条件は、大きく3項目あります。
一つ目は、登録自動車数が10万台を超えていること。
二つ目は、複数の市町村で取り組む場合は、登録自動車数が5万台を超え、かつ名称は、国内外において相当程度の知名度を有することが条件で、例として世界遺産所在地などが挙げられています。
三つ目は、地理的名称であり、原則として漢字で2文字。やむを得ない場合でも漢字又は平仮名とし、文字数は最大で4文字とされています。(カナ文字は使えません)
網走市の平成28年3月31日現在の登録自動車数は、18,738台で一つ目の条件である10万台を大きく下回っていますので、「網走」ナンバーを採用することはできない状況となっています。

3. なぜ『知床』ナンバーなの?
今回の国の規制緩和により、複数の市町村で取り組む場合は、登録自動車数が5万台を超え、かつ名称は、国内外において相当程度の知名度を有することが条件となりました。
これにより、北海道では初めてとなる「ご当地」ナンバーの実現が可能となったことから、斜里町、羅臼町などが中心となり「知床」ナンバー導入に向けた検討が進められました。
網走市では、世界自然遺産「知床」を望む地域として、また、「知床」の玄関口として周辺地域とともに、世界自然遺産「知床」の価値を今一度見つめ直し、より良い形で後世に引き継ぐために周辺地域・住民との新たな枠組みやその取組みを大切にしたいと考え、「知床」ナンバー導入の検討を進めることとしました。

4. 『知床』ナンバー導入を検討している団体と車の台数は?
現在、網走市、斜里町、小清水町、清里町、根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町の2市7町の登録自動車数は、83,210台(平成28年3月31日現在)。
現時点では、国が示している基準の5万台を超えていますが、今後、「知床」ナンバー導入を取りやめる団体が複数出た場合は、国の基準を下回る可能性もあります。

市町名 登録自動車
網走市  18,738
斜里町  7,423
小清水町 3,803
清里町  2,781
根室市  14,530
別海町  12,558
中標津町 15,674
標津町  4,319
羅臼町  3,384
合計   83,210
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ロジックは少しおかしい。なぜって、周辺市町村を巻き込んで大「網走」ナンバーを形成する途だって残されていたろうから。しかし、2005年7月の世界自然遺産登録はそれだけ魅力的なネタと考えられたわけです。

ところが、次のあたりから流れが変わってくる。

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(2017.12.04 日本経済新聞 抜粋)

自動車のご当地ナンバー「知床」の導入について、北海道根室市が市民の意向を調査したところ5割超が導入を望んでいないことが分かった。

〔中略〕

調査は18歳以上の根室市民3000人を対象に実施、802件の有効回答があった(回答率26.8%)。「『知床』ナンバーの導入をどう思うか」の質問に対し、51%が「『釧路』のままでよい」と答え、「『知床』にしたい」(17.5%)を大きく上回った。「どちらでもよい」は31%。

〔後略〕
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結局根室市は同月12日に離脱を決定。導入基準の「地域住民の合意形成が図られている」とは言えない、という判断です。
年明けの今年1月17日になると、網走市も「申し込み期限の3月末までに合意形成を図るのは困難」として離脱するに至った。

となると大票田を失い、前述の数字(2016年3月31日現在)は;

合計   83,210
根室市 △14,530
網走市 △18,738
控除後  49,942

となってしまう。ああ、緩和後の基準にたった58台だけ足りないなんて!!
Risk Factorの具現化

国交省基準は正確には「登録自動車数が概ね5万台を超え」となっているので、ギリギリセーフとして大目に見てくれたのかしら?

いやいや。

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(2018.02.17 毎日新聞 抜粋)

世界自然遺産・知床の地元と周辺の9市町が検討していたご当地ナンバー「知床」について、根室、網走両市を除く7町が16日、導入に同意し、申請に向けた手続きに入ることになった。3月末までに道に申請し、2年後の2020年にも「知床ナンバー」が実現する。
導入するのは根室地域の4町(別海町、中標津町、標津町、羅臼町)とオホーツク地域の3町(斜里町、小清水町、清里町)。北海道運輸局の集計では、7町の登録自動車台数は5万237台(2017年3月末現在)。

〔後略〕
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なんとこのご時世で1年間に295台も増やしたんだぜどんな魔法を使ったんだろう

斯くして「知床」ナンバーは成立し、7月2日〜8月12日にデザインを全国公募して現在に至っている。住民投票(期間不明)を経て、11月頃には結果発表、なんですがね。

(続く)

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