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2018年11月25日 (日)

【加筆編】校章エキスパートの来歴:5(釧路湿原・阿寒・摩周観光圏・北海道新幹線PR)

(承前)

横須賀発外務省経由世界行き、とか東京五輪便乗インバウンド狙い、とかの華やいだところは取り敢えず打ち止めにしてと。

まだまだあります奥野作品、今度はローカルなところで北の大地から。ま、前回の「知床」ネタに触発されたところはありますけど。

北海道釧路市・川上郡弟子屈町(てしかがちょう)
釧路湿原・阿寒・摩周観光圏協議会
釧路湿原・阿寒・摩周観光圏シンボルマーク
奥野和夫(45歳:神奈川県横須賀市:グラフィックデザイナー)
釧路湿原・阿寒・摩周観光圏

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[北海道]の形に、釧路湿原のシンボル[丹頂]を組み合わせ、阿寒湖のマリモと摩周湖の澄んだ水を想起させる[円]と[楕円]で同観光圏を示し、その地球的規模の魅力と広がりを表現。
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残念ながらカラー画像が見つからない。代わりに、選考委員会による選定理由の記載からご自由にご想像下さい。

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・当観光圏の位置が明確でわかりやすい。
・[赤]・[青]・[緑]で当観光圏を表現できている。
・モノクロでの使用にも耐えうる。
・[円]で観光圏をつなぐイメージが、観光圏の連携を表現している。
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うーん、[円]がほんの1、2ミリばかり南に寄り過ぎているような気もするぞ。

地図を上から見た姿ではなくて、実際に大地を踏み締めて立って周りを眺めたらこんなことを感じた、というものであってもいいんじゃないか、と素人の外から目線では考えましたが(つまり垂直か水平かってところね)、そんなデザインこそ北海道じゅうに溢れてるんですかね。

募集時の情報はこう出ていた。

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(2010.09 広報くしろ No.59 抜粋)

釧路湿原・阿寒・摩周観光圏
アジアの宝を見に来ませんか 〜自然と共生し、世界と交流する観光のくにづくり〜

観光圏とは、
自然、歴史、文化等において密接な関係のある観光地を一体とした区域です。その観光地同士が連携し、2泊3日以上の滞在型観光地を目指した取り組みを行っています。

シンボルマーク・キャラクターを募集します
釧路市と弟子屈町で構成する当観光圏の資源や特徴などを表現し、国や民族を超えて広く国内外にアピールするアジアの宝(当観光圏が世界に誇る[タンチョウ]、[阿寒湖のマリモ]、[摩周湖])をイメージしたシンボルマークと、キャラクターを募集します。
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すごく違和感を覚えた。もっともらしく書いてあるけれど、道東の観光なんて四半世紀も前から2泊3日コースってところじゃなかったっけ??冬なら、網走で船に乗って流氷見て鶴居村でタンチョウ眺めて、点在する湖でハクチョウなんかも見て、夜はケガニ食ってだねえ。バスツアーとかで。それとは何が違うの?『滞在型』と、「釧路湿原・阿寒・摩周観光圏」という『広域性』との間に、そもそも矛盾はないわけ?もう、リタイア後の団塊の世代狙いか富裕層インバウンド需要しか想定してないの?

ともあれ、デザインはガイダンスをきっちり守ってあったわけです。お披露目は2011年2月28日、JALの鶴丸マーク復活第一号チャーター便がご当地の「たんちょう釧路空港」に飛んできた時の記念イベントで、同時公募のこの塩キャラ↓の着ぐるみと一緒に行われたらしい。(当初は2010年11月上旬発表予定とされていたので、発表は先に済んでいたのかもしれないし、あるいはこの一大イベントまで延ばしたものかもしれないが。)

【その35】
つるまる
今井好美
つるまる

(はい、この作者名は塩崎一族の別名義と考えております)

しかし結果的に、時期が悪かったようです。2週間もしないうちに東日本大震災(東北地方太平洋沖地震+福島第一原発事故による災害)が起き、観光振興どころではなくなってしまったはず。日本全国の観光地で軒並みそうだったのだから。つるまるは今もそれなりに利用されているようだけど、このシンボルマークがどうも活用された形跡がないのは、このことと関係しているように思われます。

それから2年ほどして、今度は。

北海道
北海道新幹線開業PRロゴマーク → 北海道新幹線PRロゴマーク
奥野和夫(神奈川県横須賀市)
(キャッチフレーズ)
大塚浩之(東京都狛江市)
北海道新幹線PR

ご当地永年の悲願、北海道新幹線の開業(新青森−新函館北斗間)が2016年3月までと決まったことに伴い、2013年11月に発表されたもの。

応募数は、釧路湿原・阿寒・摩周観光圏がシンボルマーク80点、キャラクター133点であったのに比べ、ロゴマーク875点、キャッチフレーズ2,072点とさすがに段違いだった。入賞点数も、優秀賞5点、小中学生賞10点、審査員特別賞10点、新幹線賞(!)10点と破格です。

でもね。

札幌市では1972年に次ぐ2回目の冬季五輪の招致を目論んできた。そこは釧路湿原・阿寒・摩周観光圏とある意味同様で、(特に冬場の?)観光需要を喚起する意味合いもあったろう。つまりはやっぱり地域振興の切り札とされているわけです。
しかしこのほど、2026年冬季五輪立候補はとりやめ、2030年冬季五輪に乗り換えることを表明した(2018.09.18 IOCと合意)。2018.09.06未明に全道を襲った北海道胆振東部地震からの復興を最優先する旨も報じられているけれども、それは結果論に過ぎないだろう。延期の話は今年5月には既に持ち上がっていた。札幌市としては、新幹線がご当地まで延伸し、関連インフラも整備されたタイミングで開催、という思惑があっての2030年狙い。

しかし一方でJR北海道は、北海道新幹線の新函館北斗−札幌間を2031年3月末までに開業予定としており(これとて当初予定を5年早めたものである)、これでは2030年(の2月頃)の開催には間に合わない。となれば札幌市としては当然のように開業をなんとかもっと早めてくれという話になるわけです。
しかし、それはご当地にとって真にポジティブな効果をもたらすものなのかどうなのか。

最近、世界各地で五輪や万博の招致が地元の反対でポシャるケースが増えている。負担が大き過ぎるからですね。
日本の北海道の場合、人口減が急速に進むとか、在来鉄道網がこの数年の大規模災害で既に大きく傷んでいる(「維持苦」は現実かつ緊急の問題である)とかの状況にあったところに加えて、今回の地震です。この現状で、このスポーツイベントに執心することに、ポジティブな効果がさほどあるとは思えない。むしろ逆なのではないかと懸念します。大赤字かつ復興投資負担に苦しむJR北海道が新幹線延伸をこれ以上早めることを承諾するとも考えにくいし。
その意味では、2025年万博誘致に大阪府が名乗りを上げているのよりさらに一層状況は険しい。

「携わっている期間中は当事者のことを誰よりも考えている」奥野センセはどう見られてるんでしょ。あ、もう済んだ話ですか?

(続く)

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