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2018年12月10日 (月)

【加筆編】知床菫と稚児車の秘密(知床ナンバープレート)

このところ、図柄入りナンバープレート第3弾のデザイン発表が相次いでますが、ツルがすかさず食いつくのはむしろこんな話題です。

 

北海道 斜里郡斜里町・同 小清水町・同 清里町・目梨郡羅臼町・野付郡別海町・標津郡中標津町・同 標津町
知床版図柄入りナンバープレート
<何が隠れているかな?>
佐野可那子(29歳:愛知県:会社員)
知床ナンバープレート

 

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知床の雄大な自然を感じさせるナンバープレートです。
パッと見は[クマ]の親子と[オオワシ]のデザインですが、よく見ると後ろの[雪山]に知床で出会えるたくさんの[動物]たちが隠れています。ナンバープレートを見る全ての人たちに楽しんでもらえるといいな!
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うーむ、クルマのナンバープレートとしては、隠し絵の手法で知床の大自然を表すには、もっと色数を抑えた方が格調の高いものになったのではないかしらと思ってみたり。
ついでに言えば、ツルが知りたいのは「原付プレートデザインと自動車プレートデザインを分けるものは何か」である。

 

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(2018.12.06 釧路新聞 抜粋)

 

世界自然遺産「知床」の名を冠したご当地ナンバーの導入を目指す「知床・地方版図柄入りナンバー導入検討協議会」(会長・湊屋 稔羅臼町長)は5日、羅臼町役場で会合を開き、ナンバーの図柄を決定した。選ばれたのは、愛知県在住の会社員佐野可那子さん(29)の作品。[ヒグマ]の親子と[オオワシ]が目を引くデザインだが、背景の[雪山]には[エゾシカ]や[クジラ]、[キタキツネ]などの野生動物が隠れている。湊屋町長は「走る広告塔として、参加自治体のPRに大きく貢献してくれるはず」と期待を寄せる。

 

〔後略〕
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(2018.12.06 毎日新聞 抜粋)

 

〔前略〕

 

[ヒグマ]の親子や[オオワシ]、[シレトコスミレ]など知床の野生動植物が描かれ、雪をかぶった[知床連山]には[エゾリス]や[エゾシカ]、[キタキツネ]などが隠れている。

 

〔後略〕
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ところが早くもその翌日には。

 

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(2018.12.07 北海道新聞)

 

【羅臼】根室・オホーツク両管内7町でつくる「知床」ナンバー導入検討協議会が5日に発表した自動車のご当地ナンバーの図柄のうち、花の模様に疑問符が付けられた。想定するシレトコスミレではなく、チングルマに見える―と専門家が6日、会員制交流サイト(SNS)のツイッター上に投稿した。
決定した図柄は、世界自然遺産の知床を表現する内容で、愛知県在住の女性の作品。知床連山の山肌に動物たちが「隠し絵」として描かれている。左下に描かれた花について、協議会会長の湊屋 稔羅臼町長は、5日の発表でシレトコスミレと説明していた。
図柄の花は5枚の花びらが等しい角度で広がっている。これについて、知床博物館(オホーツク管内斜里町)の内田暁友学芸員は「チングルマでは?」などとツイッター上に投稿。
内田氏によると、シレトコスミレは花びらの1枚が地面の方を向き、5枚の花びらは等しい角度で広がっていない。図柄の花は高山植物のチングルマに見えるという。内田氏は北海道新聞の取材に対し「作者のデザインは尊重したい」とした上で「植物に詳しい人も多い土地柄。違いに気づく人もいるのでは」と話す。

 

シレトコスミレ チングルマ -----

 

「チングルマでは?」どころではないですよ。チングルマそのものじゃねえかよ。北海道新聞の要領を得ない書きぶりは、記者が植物方面に明るくないことの証しだろう。
内田氏がTwitterでつぶやいたのは以下の内容である。

 

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2018.12.05
道新記事「ヒグマやシレトコスミレが描かれ」…はっはっは、ご冗談を。チングルマでしょ?

 

2018.12.05
一眼でわかる違いを言葉で説明すれば、シレトコスミレは左右相称、チングルマは放射相称ということです。オオワシの尾羽の形について指摘する人もいそう

 

2018.12.06
これをシレトコスミレだと言われて「変かも」と思う人はたくさんいるでしょうが、「違う」と正面切って反論するほど関心と自信のある人はそれほどいないのでしょう。と言いつつも、知床は関心と自信のある層が厚いので本番までに直ると信じていますが…
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やっぱりね。ツルも激しく同意します。「オオワシの尾羽の形」のことは、さすがだと唸りましたが。

 

スミレ科スミレ属のシレトコスミレ/Viola kitamianaとバラ科ダイコンソウ属のチングルマ/Geum pentapetalumを取り違えるネイチャリストなど決していはしない。類似点は露ほどもありそうにない。
しかし、念のため調べてみると、シレトコスミレは白弁黄芯花を咲かせるという、日本産スミレでは他に例のない珍稀種なんだとか。山野草マニアには堪らんだろうなあ。チングルマ(この名は「稚児車」からの転訛だという)は東日本の山地に広く分布する植物で、お花畑の常連である(伏線)。九州出身京都経由東京在住で基本的に「西」の人間のツルはあまり縁がないけど、実は草本じゃなくて小低木です。(佐野の住む愛知県も東日本ではないなww。)

 

つまりはカラーパターンに類似、いや相似があったわけだww。[シレトコスミレ]と初めに唱えたのが佐野だったか湊屋だったか、それはわかりませんでした。しかしその呪文はもう一人歩きし始めている。

 

となると残る問題は、デザインを直すのか、呪文をどうにかするのか、そのどっちなんだということになりそう。しかしこれも結論は↑の中に既に出ているようです。内田氏のコメントとは逆になるけれども、「知床」の自然の特異性 ――世界自然遺産にも選ばれたところの―― を前面に押し出すのならば、率直に言って遍在種のチングルマでは力不足というものだろう。それともナンです、「白神でも白馬でも八甲田でも八幡平でも見られる植物がここではぜーんぶ見られます!!」ってなことがアピールしたいんですかね?まさか。

 

さて、どのようにケリをつけるのやら。

 

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【2018.12.15 追記】
本件の結末については、【2018.12.14「すみれ December Love」】をご覧下さい。
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